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【発明の名称】 ショート監視回路
【発明者】 【氏名】山内 正勝

【要約】 【課題】半導体スイッチのショートを確実に監視し、必要な通知をすること。

【解決手段】ヒーター1への給電の入切を、サイリスタ或いはトランジスタ等の半導体スイッチ2の開閉で行うヒーターへの給電回路において、前記半導体スイッチ2と直列に接続された抵抗3を有し、前記半導体スイッチ2の開閉と前記抵抗3両端の電位差とを監視する監視手段により、前記半導体スイッチ2の閉鎖時に前記電位差を検知した場合にショート信号を通知する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ヒーターへの給電の入切を、サイリスタ或いはトランジスタ等の半導体スイッチの開閉で行うヒーターへの給電回路において、前記半導体スイッチと直列に接続された抵抗を有し、前記半導体スイッチの開閉と前記抵抗両端の電位差とを監視する監視手段により、前記半導体スイッチの閉鎖時に前記電位差を検知した場合にショート信号を通知することを特徴とするショート監視回路。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ヒーターへの給電の入切を、サイリスタ或いはトランジスタ等の半導体スイッチの開閉で行うヒーターへの給電回路において、半導体スイッチのショートを検出するショート監視回路に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒーターを内蔵している装置にあっては何らかの方法でヒーターへの給電に対して入切操作が行われている。例えばコンタクトレンズ用煮沸消毒器(以下、煮沸器)の場合は、一例としてサイリスタによる半導体スイッチが用いられており、マイクロコンピュータからのトリガー信号による開閉で給電の入切を操作している。或いは、トランジスタによる半導体スイッチを用いるのであれば、これにかけるバイアス電圧を制御することにより給電の入切を操作している。
【0003】この半導体スイッチがショートを起こすと、予定外の加熱により煮沸消毒中のコンタクトレンズを破損させたり、装置自身からの出火の危険性も出てくる。その為、用いる半導体スイッチの規格の適切な選択などにより、所定の安全性を得ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ただ、コンタクトレンズ用煮沸消毒器はそれなりの高温を用いる装置なので安全性の追求はなお求められており、半導体スイッチのショートに対しても一層の完全確保が求められる。
【0005】半導体スイッチの開閉が給電状態か否かは、給電を制御しているマイクロコンピュータ自身で判る。その為、例えばヒーターに備えられた温度センサにより、半導体スイッチが開いていない(つまり給電していない)にも係わらずヒーターが高温であれば、何らかのショートを起こしているとして異常を認識することができる。従って、ヒーター温度と半導体スイッチ開閉とのこの様な突合チェックにより、ある程度はショートの監視がおこなえる。
【0006】ただ、煮沸器の場合、まず50℃程度の温度で数10分の予備加熱を行い、その後、120℃程度の温度により煮沸を数10分行っている。また、煮沸後は、ヒーターが切られるが、余熱によりしばらくは高温状態にある。つまり、ヒーターが高温であっても給電と切断後の余熱の2つの状態があり、従ってヒーター温度と半導体スイッチの開閉との突合チェックのみでは、ショートの監視が不十分なことがある。これは、高温に限らずヒーターが50℃程度の温度であっても同様であり、予備加熱中の場合と、降温途中の場合との区別が付かず、要は、ヒーター温度と半導体スイッチの開閉とは一義的な対応にはなっていず、ショートの確実な監視にはなっていない。
【0007】よって以上の問題を鑑み、本発明の目的とするところは、半導体スイッチのショートを確実に監視し、必要な通知をするショート監視回路を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的のため、本発明では、ヒーターへの給電の入切を半導体スイッチの開閉で行うヒーターへの給電回路において、半導体スイッチと直列に接続された抵抗を有し、この抵抗両端の電位差の有無をもって、半導体スイッチの電流の有無が判るようにした。半導体スイッチはサイリスタ或いはトランジスタ等によるが、これらの開閉状態はこれを制御する給電回路自身で判るので、正常時においては、半導体スイッチの電流有無と開閉状態とが完全に一致するはずである。それがショート時には一致しないこと、即ち閉鎖状態の(従って電流が流れない)はずにも拘わらず流れてしまうことに着目し、これを手段化した。
【0009】その手段は、前記給電回路において、前記半導体スイッチと直列に接続された抵抗を設け、前記半導体スイッチの開閉と前記抵抗両端の電位差とを監視する監視手段により、前記半導体スイッチの閉鎖時に前記電位差を検知した場合にショート信号を通知するショート監視回路である。つまり、半導体スイッチが閉鎖していれば抵抗に電流が流れず電位差も生じないはずである。にも拘わらず、電位差が生じているのは半導体スイッチがショートしているからに他ならないのである。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、図1に示すコンタクトレンズ用煮沸消毒器20に用いた本発明のショート監視回路10を実施例を図2を用いて説明する。
【0011】この消毒器20はPTCヒーター1をヒーター熱源とし、このPTCヒーター1と半導体スイッチとしてのサイリスタ2と抵抗3が電源に対して直列に接続されている。ヒーター1には温度センサ4が設けられており、常時、ヒーター1の温度がマイクロコンピュータ5に通知されている。サイリスタ2はマイクロコンピュータ5からのトリガー信号により開閉が操作されるようになっており、予備加熱或いはその後の煮沸に適した加熱温度がサイリスタ2の開閉により維持されるようになっている。PTCヒーター1は常温で約1kΩの抵抗値を有しているが、加熱時にはこれ以上の抵抗値になる。また抵抗3は1Ωのものを用いている。また更に、この抵抗3の両端A、Bの電位差は、図示しないAD変換器を介してマイクロコンピュータ5に常時入力され、或いはAD変換器内蔵のマイクロコンピュータ5に常時入力されるようになっている。なお、PTCヒーター1への給電中は抵抗3でも電力が消費され損失するが、その消費量は常温時でもヒーターの1/1000程度であり、加熱時には更に少なくなるので実質上無視できる。
【0012】サイリスタ2のショート監視は、コンタクトレンズ用煮沸消毒器20の使用において以下のように成される。使用に当たって、まず消毒器20を壁面のコンセントに差し込む。これにより煮沸器20のスイッチが自動的に入り、消毒の始まったことが消毒器のランプ21点灯により確認される。ショートの監視は、スイッチが入ったこの時点から同時に開始される。マイクロコンピュータ5は、常時、サイリスタ2の状態が開閉の何れであるか検査すると共に、抵抗3両端の電位差の有無を検査する。これら2つの検査結果を常時突合チェックし、チェック結果が「サイリスタ2が閉鎖状態、且つ、抵抗3両端の電位差が有り」の場合にサイリスタ2がショートしていると検知する。このショート検知に基づき、マイクロコンピュータ5が点灯しているランプ21の状態を点滅に変えさせ、消毒器20の使用者に異常を知らせる。
【0013】
【発明の効果】以上、本願発明によれば、簡易な回路で、サイリスタ或いはトランジスタ等の半導体スイッチのショート監視を確実に行うことができ、給電回路やこれを用いた製品の安全性が向上する。
【出願人】 【識別番号】596150541
【氏名又は名称】タニカ電器販売株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月27日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】廣江 武典
【公開番号】 特開平11−23645
【公開日】 平成11年(1999)1月29日
【出願番号】 特願平9−171963