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【発明の名称】 携帯電話を用いた送電線故障区間標定システム
【発明者】 【氏名】藤倉 健一

【氏名】笹原 久一

【氏名】皆藤 順一

【要約】 【課題】携帯電話の充電量を適正に維持する携帯電話を用いた送電線故障区間標定システムを提供する。

【解決手段】送電線の故障情報を複数の鉄塔で検出して伝送し、各鉄塔からの故障情報を基に故障区間を標定する送電線故障区間標定システムにおいて、上記故障情報を伝送する携帯電話機5を鉄塔1に配置し、この携帯電話機5を通話中に充電し通話後も充電するようにした。通話後も充電するので、充電量を回復することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 送電線の故障情報を複数の鉄塔で検出して伝送し、各鉄塔からの故障情報を基に故障区間を標定する送電線故障区間標定システムにおいて、上記故障情報を伝送する携帯電話機を鉄塔に配置し、この携帯電話機を通話中に充電し通話後も充電するようにしたことを特徴とする携帯電話を用いた送電線故障区間標定システム。
【請求項2】 上記通話後は、通話によって減少した充電量が補充される時間を見積もり、その見積もり時間だけ充電を行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の携帯電話を用いた送電線故障区間標定システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、故障情報の伝送に携帯電話を用いた送電線故障区間標定システムに係り、特に、携帯電話機の充電量を適正に維持する携帯電話を用いた送電線故障区間標定システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】送電線の故障情報を複数の鉄塔で検出して伝送し、各鉄塔からの故障情報を基に故障区間を標定する送電線故障区間標定システムでは、従来、故障情報の伝送手段にOPGW(光ファイバ複合架空地線)、業務用無線或いは自動車電話を利用している。
【0003】OPGWを利用した送電線故障区間標定システムの構成を図3に示す。このシステムは、鉄塔1に配置した電流センサ2でOPGW31に流れる電流を検出し、この地線電流情報を故障情報として伝送する。この地線電流情報を光データ多重伝送装置32にて他の鉄塔からの同様の情報と時分割多重し、OPGW31内の光ファイバを伝送路として光信号に変換した情報を伝送し、この光ファイバに接続された一か所の表示装置33において、光受信器34でこれらの情報を復元して標定を行う。
【0004】業務用無線或いは自動車電話を利用した送電線故障区間標定システムの構成を図4に示す。このシステムは、鉄塔1に配置した電流センサ2で地線3に流れる電流を検出し、この地線電流を元に同じく鉄塔1に配置した標定装置4で故障方向を標定し、その標定情報を故障情報として業務用無線機41或いは自動車電話機42により表示装置12を備えた受信部43に伝送する。7,11はモデム、44,45は業務用無線機41或いは自動車電話機42と通話可能な無線機或いは電話機である。システムの消費電流を低減するために、電源コントロールユニット46によって、必要時のみ業務用無線機41或いは自動車電話機42及びモデム7の電源を入れるようになっている。
【0005】図5に、自動車電話を利用した送電線故障区間標定システムのタイミングチャートを示す。送電線故障が検出されるまでは、標定装置4による標定処理は待機、電源コントロールユニット46による電源制御はオフ、自動車電話機42は電源オフ、フックはオンフック状態、通信処理は無処理、即ち通話は非通話となっている。送電線故障が検出されると、電流センサ2が検出する地線電流を元に標定装置4で故障方向を標定する。この標定処理が終わると、自動車電話機42及びモデム7の電源を入れ、フックをオフフック状態にして標定情報の通信処理(通話)を開始し、その通信処理が終了すると、直ちに自動車電話機42の電源を切っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】OPGWを利用した送電線故障区間標定システムは、一か所の表示装置33に地線電流情報を集めて一括標定を行っているため、精度の高い標定結果を得ることができる。しかし、対象とする送電線にOPGW31が布設されている必要がある。従って、OPGWが布設されていない送電線では、業務用無線或いは自動車電話を利用することになる。
【0007】しかし、業務用無線は、運用開始までに官庁検査など数多くの事務手続きが必要であり、また、装置が高価なため初期投資額が大きくなり、さらに、定期的に更新手続きが必要であるなどの欠点を有する。
【0008】一方、自動車電話は、事務手続きが業務用無線に比べて簡素であるが、やはり装置が高価である。
【0009】そこで、本出願人は、伝送手段に装置の安価な携帯電話を利用することを着想した。自動車電話を利用した送電線故障区間標定システムが確立していることから、携帯電話の利用は簡単に思われた。ところが、自動車電話機と携帯電話機とでは、それぞれの装置にバッテリが内蔵されているか否かという大きな相違点があった。自動車電話機はバッテリが内蔵されず、全て外部からの電源供給によって動作する。これに対し、携帯電話機はバッテリを内蔵し、この内蔵バッテリが充電式になっており、充電された内蔵バッテリによって動作する。携帯電話を従来のシステムに適用する際に最大の問題点は、通話中に内蔵バッテリに充電される充電量が通話による電力消費量よりも小さいということである。従来のシステムのように、通話中のみ電源を入れるという方式では、徐々に内蔵バッテリが蓄えている充電量が低下し、通信ができなくなってしまう。
【0010】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、携帯電話機の充電量を適正に維持する携帯電話を用いた送電線故障区間標定システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明は、送電線の故障情報を複数の鉄塔で検出して伝送し、各鉄塔からの故障情報を基に故障区間を標定する送電線故障区間標定システムにおいて、上記故障情報を伝送する携帯電話機を鉄塔に配置し、この携帯電話機を通話中に充電し通話後も充電するようにしたものである。
【0012】上記通話後は、通話によって減少した充電量が補充される時間を見積もり、その見積もり時間だけ充電を行うようにしてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0014】図1に、本発明の方法による携帯電話を利用した送電線故障区間標定システムのタイミングチャートを示す。また、図2に、本発明の方法による携帯電話を利用した送電線故障区間標定システムの構成を示す。
【0015】図2に示されるように、このシステムは、鉄塔1に配置した電流センサ2で地線3に流れる電流を検出し、この地線電流を元に同じく鉄塔1に配置した標定装置4で故障方向を標定し、その標定情報を故障情報として携帯電話機5により遠隔の受信部6に伝送するものである。携帯電話機5はバッテリを内蔵し、この内蔵バッテリ(図示せず)が充電式になっており、充電された内蔵バッテリによって動作し、通話中にも充電が可能なものである。7はモデム、8は本発明による電源コントロールユニットである。標定装置4、携帯電話機5、モデム7及び電源コントロールユニット8が標定部9に収容され、この標定部9が鉄塔1に設置されている。電流センサ2からのセンサデータが標定装置4へ図示されない伝送路により伝送されるようになっている。受信部6は、携帯電話機5との通話が可能な電話機10、モデム11、表示装置12を備えている。なお、電話機10は、モデム11が公衆回線に接続されていれば不要である。
【0016】本発明の電源コントロールユニット8は、携帯電話機5を通話中に充電し通話後も続けて充電するように構成されている。通話中に内蔵バッテリに充電される充電量が通話による電力消費量よりも小さいため、通話中は徐々に内蔵バッテリが蓄えている充電量が減少する。そこで、電源コントロールユニット8は、通話に要した時間によって減少した充電量が補充される時間を見積もり、通話後は、その見積もり時間だけ充電を行うようになっている。
【0017】図1に示されるように、送電線故障が検出されるまでは、標定装置4による標定処理は待機、電源コントロールユニット8による電源制御はオフ、携帯電話機5は電源オフ、フックはオンフック状態、通信処理は無処理、即ち通話は非通話となっている。送電線故障が検出されると、電流センサ2が検出する地線電流を元に標定装置4で故障方向を標定する。この標定処理が終わると、携帯電話機5及びモデム7の電源を入れ、フックをオフフック状態にして標定情報の通信処理(通話)を開始する。ここまでは、従来技術と同じである。
【0018】通信処理が終了し、フックをオンフック状態としたとき、携帯電話機5の消費電流は非常に小さくなる。通話後、フックはオンフック状態とするが、電源コントロールユニット8は電源制御をオンし続ける。これにより内蔵バッテリは蓄えている充電量が増加する。電源コントロールユニット8は、通話によって減少した充電量が補充される時間を見積もり、その見積もり時間だけはオンを続ける。従って、見積もり時間が経過すると、内蔵バッテリは通話前の充電量を回復することになる。見積もり時間が終了すると、電源コントロールユニット8は電源制御をオフにする。
【0019】以上説明したように、携帯電話を利用する場合、通話のために携帯電話機5の電源を入れると、携帯電話機5本体の電源が入ると共に内蔵バッテリの充電も始まる。しかし、携帯電話機5の通話中は、内蔵バッテリが獲得する充電量よりも通話に要する電力の方が大きいため、徐々に内蔵バッテリが蓄えている充電量が低下する。本発明によれば、この充電量の低下分を補充するべく時間を見積もり、見積もり時間だけ充電を行うので、内蔵バッテリは通話前の充電量を回復すると共に、回復後は携帯電話機5の電源が切られるので電流消費は無くなる。従って、内蔵バッテリが蓄えている充電量を最大かつ適正に保つことができると共に、システムの電流消費を最小に抑えることができる。
【0020】なお、上記実施形態では、通話後も通話中に引き続いて充電を行うようにしたが、通話終了直後に充電を停止し、その後、別途に見積もり時間だけ充電を行うようにしてもよい。
【0021】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
【0022】(1)携帯電話機を通話後も充電するようにしたので、充電量を回復することができる。
【0023】(2)充電量の減少した分だけ充電するので、消費電流が少ない。
【0024】(3)携帯電話を利用するので、送電線故障区間標定システムが低コストに構築できる。
【出願人】 【識別番号】000005120
【氏名又は名称】日立電線株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月4日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 信雄
【公開番号】 特開平11−23641
【公開日】 平成11年(1999)1月29日
【出願番号】 特願平9−179606