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【発明の名称】 アレー型コンデンサの絶縁抵抗測定方法および装置
【発明者】 【氏名】大久保 宏

【氏名】関 哲治

【要約】 【課題】3モードの絶縁抵抗の測定を効率よく行なえるアレー型コンデンサの絶縁抵抗測定方法および装置を提供する。

【解決手段】複数のコンデンサ素子C1〜C4を並列に配置したアレー型コンデンサ1の絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定方法であって、各コンデンサ素子C1〜C4に同極性の直流電圧を印加し、その漏れ電流■,■を検出する。次に、スイッチ47a〜47dを切り替えて各コンデンサ素子C1〜C4に、隣接するコンデンサ素子ごとに逆極性の直流電圧を印加し、その漏れ電流■,■’■を検出する。これら漏れ電流から、各コンデンサ素子の絶縁抵抗、隣接するコンデンサ素子の内部電極間の絶縁不良、および隣接するコンデンサ素子の外部電極間の絶縁不良を検出する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】複数のコンデンサ素子を並列に配置したアレー型コンデンサに直流電圧を印加し、その漏れ電流から絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定方法において、各コンデンサ素子に同極性の直流電圧を印加し、その漏れ電流を検出する第1の工程と、各コンデンサ素子に、隣接するコンデンサ素子ごとに逆極性の直流電圧を印加し、その漏れ電流を検出する第2の工程と、上記第1および第2の工程より得られる漏れ電流から、各コンデンサ素子の絶縁抵抗、隣接するコンデンサ素子の内部電極間の絶縁不良、および隣接するコンデンサ素子の外部電極間の絶縁不良を検出する工程と、を含むことを特徴とするアレー型コンデンサの絶縁抵抗測定方法。
【請求項2】上記第1の工程または第2の工程の前に、各コンデンサ素子に交流電圧を印加し、流れる電流から接触検出を行なう工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のアレー型コンデンサの絶縁抵抗測定方法。
【請求項3】各コンデンサ素子に、隣接するコンデンサ素子ごとに異なるタイミングで直流電圧を印加し、その漏れ電流から各コンデンサ素子の絶縁抵抗を求めることを特徴とする請求項1または2に記載のアレー型コンデンサの絶縁抵抗測定方法。
【請求項4】複数のコンデンサ素子を並列に配置したアレー型コンデンサに直流電圧を印加し、その漏れ電流から絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定装置において、第1の直流電源を有し、全てのコンデンサ素子に対して同一方向に直流電圧を印加し、各コンデンサ素子に流れる漏れ電流を検出する第1の測定回路と、第2の直流電源を有し、全てのコンデンサ素子に対して隣接するコンデンサ素子ごとに逆極性の直流電圧を印加し、その漏れ電流を検出する第2の測定回路と、を備えたことを特徴とするアレー型コンデンサの絶縁抵抗測定装置。
【請求項5】複数のコンデンサ素子を並列に配置したアレー型コンデンサに直流電圧を印加し、その漏れ電流から絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定装置において、直流電源と、上記直流電源に対して接続され、第1のコンデンサ素子に対して一方向に上記直流電源の直流電圧を印加し、その漏れ電流を検出する第1の回路部と、上記直流電源に対して接続され、第1のコンデンサ素子と隣接する第2のコンデンサ素子に対しスイッチ手段により上記直流電源の直流電圧を同極性および逆極性で印加するよう切替可能で、その漏れ電流を検出する第2の回路部と、を備えたことを特徴とするアレー型コンデンサの絶縁抵抗測定装置。
【請求項6】上記直流電源と並列に交流電源が設けられ、直流電源と交流電源とを選択的に切り換えるスイッチ手段が設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載のアレー型コンデンサの絶縁抵抗測定装置。
【請求項7】各コンデンサ素子に、隣接するコンデンサ素子ごとに異なるタイミングで直流電圧を印加するよう回路を切り替えるスイッチ手段が設けられていることを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載のアレー型コンデンサの絶縁抵抗測定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアレー型コンデンサの絶縁抵抗測定方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、コンデンサの良否を判定するため絶縁抵抗値が測定される。この絶縁抵抗値を測定する場合、コンデンサが充電されていない状態では、コンデンサの持つ容量のために正しく絶縁抵抗を測定できない。そこで、まずコンデンサに直流電圧を印加して予備充電し、その後で漏れ電流(充電電流)を測定することにより、コンデンサの絶縁抵抗を測定する方法が一般に用いられている。当然ながら、良品は漏れ電流が少ない。
【0003】ところで、図1,図2のように複数のコンデンサ素子C1〜C4を並列に配置したアレー型コンデンサ1が知られている。アレー型コンデンサ1は、複数の誘電体層2〜4の間に対向する内部電極5a〜5hを設け、全ての層2〜4を積層一体化させた後、内部電極5a〜5hと導通するように外部電極6a〜6hを設けたものである。なお、図1では説明を簡単にするため、誘電体層を3層としたが、4層以上としてもよい。また、コンデンサ素子の数も4個に限らず、2個または3個、あるいは5個以上であってもよいことは勿論である。
【0004】このようなアレー型コンデンサの絶縁抵抗の不良モードには次の3つのモードがある。
モード1:コンデンサ素子C1〜C4自体の絶縁不良モード2:隣接するコンデンサ素子の内部電極5a〜5h間の絶縁不良モード3:隣接するコンデンサ素子の外部電極6a〜6h間の絶縁不良【0005】上記3つのモードの絶縁不良を検出するため、従来では図3に示すように絶縁抵抗測定回路の配線を組み替えていた。すなわち、図3の(A)はモード1の測定回路であり、対向する外部電極に測定端子10,11を接触させ、■方向の電流を測定することによって、コンデンサ素子C1〜C4自体の絶縁抵抗を検出する。図において、12は直流電源、13は接触検出用の交流電源、14は切替スイッチ、15は電流制限抵抗、16は電流計である。図3では1素子分の測定回路だけが記載されているが、素子の数に応じて測定回路を並列に設け、全ての素子C1〜C4の絶縁抵抗を同時に測定してもよい。図3の(B)はモード2の測定回路であり、隣合うコンデンサ素子C1〜C4に対角方向に流れる電流■を測定することによって、内部電極5a〜5h間の絶縁不良を検出している。図3の(C)はモード3の測定回路であり、隣合うコンデンサ素子C1〜C4間に流れる電流■を測定することによって、外部電極6a〜6h間の絶縁不良を検出している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のような測定回路で絶縁抵抗を測定しようとすると、不良モード1〜3ごとに測定回路の配線を組み替える必要があり、測定効率が非常に悪い。また、絶縁抵抗の測定前に測定端子10,11の接触検出を行なう必要があり、そのためにスイッチ14を交流電源13側へ切り換えて回路に流れる電流を検出することになるが、このような接触検出を各モードの測定前に行なう必要があるので、測定作業が一層面倒になる。しかも、モード2,3では隣接する内外の電極の絶縁不良測定であるため、浮遊容量程度の僅かな容量(例えば数pF以下)しか存在しないため、接触検出が有効にできないという問題があった。
【0007】そこで、本発明の目的は、3モードの絶縁抵抗の測定を効率よく行なえるアレー型コンデンサの絶縁抵抗測定方法および装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、複数のコンデンサ素子を並列に配置したアレー型コンデンサに直流電圧を印加し、その漏れ電流から絶縁抵抗を測定する絶縁抵抗測定方法において、各コンデンサ素子に同極性の直流電圧を印加し、その漏れ電流を検出する第1の工程と、各コンデンサ素子に、隣接するコンデンサ素子ごとに逆極性の直流電圧を印加し、その漏れ電流を検出する第2の工程と、上記第1および第2の工程より得られる漏れ電流から、各コンデンサ素子の絶縁抵抗、隣接するコンデンサ素子の内部電極間の絶縁不良、および隣接するコンデンサ素子の外部電極間の絶縁不良を検出する工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】まず、各コンデンサ素子に同極性の直流電圧を印加し、その漏れ電流を検出する。この漏れ電流には、モード1の電流■とモード2の電流■とが含まれる。次に、各コンデンサ素子に、隣接するコンデンサ素子ごとに逆極性の直流電圧を印加し、その漏れ電流を検出する。この漏れ電流には、モード1の電流■とモード3の電流■とが含まれる。上記のように求めた2種類の電流のうち、いずれかの電流値が非常に大きな場合には、モード1〜3のいずれかに絶縁不良があることを意味するので、このアレー型コンデンサが不良品であることが判る。一方、2種類の電流が所定の時間カーブを描いて低下する場合には、モード1ないしモード3の絶縁不良がなく、アレー型コンデンサが良品であることを意味するので、第1の工程または第2の工程から得られる漏れ電流からコンデンサ素子の絶縁抵抗を求める。なお、第1の工程と第2の工程は、いずれを先に行なってもよいことは勿論である。
【0010】第1の工程および第2の工程において、測定端子とアレー型コンデンサの外部電極とを接触させることになるが、この接触が不十分であれば、測定された電流値も不正確なものとなる。そのため、第1の工程または第2の工程の前に、各コンデンサ素子に交流電圧を印加し、流れる電流から接触検出を行なうのが望ましい。接触が不十分である場合には、流れる電流が小さいので、接触不良を容易に判別できる。また、モード2またはモード3単体の測定では、浮遊容量程度の僅かな容量しか存在しないため、接触検出が難しかったが、本発明ではモード2とモード1とを同時に、あるいはモード3とモード1とを同時に検出しているので、容量値が大きく、接触検出を確実に行なうことができる。第1の工程および第2の工程を、別々の測定回路で実施する場合には、第1の工程と第2の工程のそれぞれの前に接触検出を行なう必要がある。一方、第1の工程および第2の工程を、切替スイッチを有する共通の回路で実施する場合には、第1の工程と第2の工程を連続的に実施できるので、接触検出を第1の工程の前に行なうだけでよい。
【0011】上記の測定方法では、モード1とモード2とを同時に検出し、モード1とモード3とを同時に検出しているため、コンデンサ素子単体の絶縁抵抗のみを正確に測定することが難しい。つまり、測定された電流値には2つのモードの結合された値が測定されることになる。そこで、コンデンサ素子単体の絶縁抵抗を測定するため、各コンデンサ素子に、隣接するコンデンサ素子ごとに異なるタイミングで直流電圧を印加するのが望ましい。このタイミングとしては、例えば並列に配列されたコンデンサ素子に対し、直流電圧をスキャニングしながら印加したり、あるいは1個おきに直流電圧を印加してもよい。この場合には、隣接するコンデンサ素子の影響を受けない値、つまりコンデンサ素子単体の絶縁抵抗を正確に測定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図4および図5は本発明にかかる絶縁抵抗測定装置の第1実施例を示す。この実施例は、モード1,2の測定と、モード1,3の測定とを別個の回路で行なう例である。なお、被測定物であるアレー型コンデンサ1は、図1,図2と同様に4個のコンデンサ素子C1〜C4を含むものを用いた。図4はモード1およびモード2の測定を行なう第1の測定回路20を示し、アレー型コンデンサ1の外部電極6a〜6hにそれぞれ接触する8個の測定端子21a〜21h、直流電源22、接触検出用の交流電源23、電源切替スイッチ24、4個の電流制限抵抗25a〜25d、4台の電流計26a〜26d、4個のスイッチ27a〜27dを備えている。上記電流制限抵抗25a〜25d、電流計26a〜26dおよびスイッチ27a〜27dは互いに並列に接続されている。また、図5はモード1およびモード3の測定を行なう第2の測定回路30を示し、アレー型コンデンサ1の外部電極6a〜6hにそれぞれ接触する8個の測定端子31a〜31h、直流電源32、接触検出用の交流電源33、電源切替スイッチ34、4個の電流制限抵抗35a〜35d、4台の電流計36a〜36d、4個のスイッチ37a〜37dを備えている。
【0013】まず、第1の測定回路20を用いたモード1およびモード2の測定方法について説明する。測定端子21a〜21hを外部電極6a〜6hに接触させた後、まずスイッチ24を交流電源23側へ切り替え、全てのスイッチ27a〜27dをONして交流信号をコンデンサ素子C1〜C4に印加する。そして、電流計26a〜26dの検出値から接触検出を行なう。接触が良好であると判定された場合には、全てのスイッチ27a〜27dをOFFするとともに、スイッチ24を直流電源22側へ切り替える。その後、スイッチ27a〜27dをONして直流電圧をコンデンサ素子C1〜C4に印加し、その漏れ電流を電流計26a〜26dで測定する。この時、各コンデンサ素子C1〜C4には同一方向に電流が流れるので、電流計26a〜26dは、コンデンサ素子に流れる電流■と、隣合うコンデンサ素子C1〜C4の内部電極間に流れる電流■との和を測定することになる。モード1または2の何れかに絶縁不良があると、この電流値は非常に大きなものとなるので、絶縁不良を容易に検出できる。一方、この電流が所定の時間カーブを描いて低下する場合には、所定時間後の漏れ電流値からコンデンサ素子の絶縁抵抗を知ることができる。なお、この漏れ電流値には隣合うコンデンサ素子C1〜C4の内部電極間に流れる電流■も含まれるが、内部電極間の絶縁性が不良でなければこの電流は非常に僅かであるから、ほとんど無視できる。
【0014】上記の場合には、■と■の電流値の和を電流計26a〜26dで測定し、この測定値からコンデンサ素子C1〜C4の絶縁抵抗を類推するようにしたが、次のような手法を用いて■の電流値のみを測定し、各コンデンサ素子C1〜C4の絶縁抵抗を正確に知ることも可能である。すなわち、接触検出が終了し、スイッチ24を直流電源22側へ切り替えた後、スイッチ27a〜27dを同時にONするのではなく、隣接するコンデンサ素子ごとに異なるタイミングで直流電圧を印加するよう、スイッチ27a〜27dで切り替える手法を用いる。具体的には、例えばスイッチ27aからスイッチ27dにかけて順番に切り替え、コンデンサ素子C1〜C4に順に直流電圧を印加する方法や、コンデンサ素子の1個おきに直流電圧を印加するよう切り替える方法(例えばスイッチ27a,27cをONした時、スイッチ27b,27dをOFFさせる)などがある。
【0015】次に、第2の測定回路30を用いたモード1およびモード3の測定方法について説明する。測定端子31a〜31hを外部電極6a〜6hに接触させた後、まずスイッチ34を交流電源33側へ切り替え、全てのスイッチ37a〜37dをONして交流信号をコンデンサ素子C1〜C4に印加する。そして、電流計36a〜36dの検出値から接触検出を行なう。接触が良好であると判定された場合には、全てのスイッチ37a〜37dをOFFするとともに、スイッチ34を直流電源32側へ切り替える。その後、スイッチ37a〜37dをONして直流電圧をコンデンサ素子C1〜C4に印加し、その漏れ電流を電流計36a〜36dで測定する。この時、各コンデンサ素子C1〜C4には隣接する素子ごとに逆方向の電流が流れるので、電流計36a,36cは、コンデンサ素子に流れる電流■と、隣合うコンデンサ素子C1〜C4の外部電極間に流れる電流■との和を測定し、電流計36b,36dは、コンデンサ素子に流れる電流■’と、隣合うコンデンサ素子C1〜C4の外部電極間に流れる電流■との和を測定することになる。第1の測定回路20の場合と同様に、モード1または3の何れかに絶縁不良があると、その電流値は非常に大きなものとなるので、絶縁不良を容易に検出できる。一方、この電流が所定の時間カーブを描いて低下する場合には、モード1および3の絶縁不良がないことを意味するので、所定時間後の漏れ電流値からコンデンサ素子C1〜C4の絶縁抵抗を知ることができる。なお、コンデンサ素子C1〜C4の絶縁抵抗は、上記測定回路20(図4参照)で既に測定済みであるから、改めて測定する必要はなく、モード3の絶縁不良がないことを確認するだけでもよい。
【0016】なお、測定回路30においても、個々のコンデンサ素子C1〜C4の絶縁抵抗を測定する場合には、測定回路20の説明で述べたように、スイッチ37a〜37dを同時にONせずに、隣接するコンデンサ素子ごとに異なるタイミングで直流電圧を印加するよう、スイッチ37a〜37dで切り替えてもよい。
【0017】図6は本発明にかかる絶縁抵抗測定装置の第2実施例を示す。この実施例は、モード1〜3の測定を単一の回路で行なう例である。なお、被測定物であるアレー型コンデンサ1は、図1,図2と同様に4個のコンデンサ素子C1〜C4を含むものを用いた。この測定回路40は、アレー型コンデンサ1の外部電極6a〜6hにそれぞれ接触する8個の測定端子41a〜41h、直流電源42、接触検出用の交流電源43、電源切替スイッチ44、6個の電流制限抵抗45a〜45f、6台の電流計46a〜46f、4個のスイッチ47a〜47dを備えている。
【0018】次に、上記測定回路40を用いたモード1〜3の測定方法について、図7のフローチャートに従って説明する。まず測定端子41a〜41hを外部電極6a〜6hに接触させ(ステップS1)、スイッチ44を交流電源43側へ切り替えるとともに(ステップS2)、全てのスイッチ47a〜47dを実線位置とし(ステップS3)、交流信号をコンデンサ素子C1〜C4に印加する。そして、電流計46a〜46dの検出値から接触検出を行なう(ステップS4)。接触が良好であると判定された場合には、スイッチ47a〜47dを実線位置としたまま、スイッチ44を直流電源42側へ切り替える(ステップS5)。これにより、直流電圧がコンデンサ素子C1〜C4に印加され、その漏れ電流を電流計46a〜46dで測定する。この時、各コンデンサ素子C1〜C4には同一方向に電流が流れるので、電流計46a〜46dは、コンデンサ素子に流れる電流■と、隣合うコンデンサ素子C1〜C4の内部電極間に流れる電流■との和を測定することになる。つまり、モード1と2の測定を行なうことができる(ステップS6)。モード1,2の測定が終了した後、スイッチ44を直流電源42側としたまま、スイッチ47a〜47dを破線位置へ切り替える(ステップS7)。これにより、直流電流がコンデンサ素子C1とC3には■方向、コンデンサ素子C2,C4には■’方向に流れることになり、隣接する素子ごとに逆方向の電流が流れる。同時に、隣合うコンデンサ素子C1〜C4の外部電極間にも■方向の電流が流れる。したがって、電流計46a,46c,46e,46fはコンデンサ素子C1〜C4に流れる電流■,■’と、隣合うコンデンサ素子C1〜C4の外部電極間に流れる電流■との和を測定することになる。つまり、モード1と3の測定を行なうことができる(ステップS8)。以上の測定結果から、コンデンサ素子C1〜C4の絶縁抵抗、内部電極間の絶縁不良、外部電極間の絶縁不良を検出できる。具体的方法は、第1実施例で述べた通りであるので、重複説明を省略する。また、上記説明ではスイッチ47a〜47dを同時に切り替える場合を説明したが、第1実施例で述べたように、各スイッチ47a〜47dをスキャニングしながら切り替えたり、1個おきに切り替えることで、隣接するコンデンサ素子ごとに異なるタイミングで直流電圧を印加するようにしてもよい。これによって、■,■’の電流値のみを測定でき、コンデンサ素子単体の絶縁抵抗を正確に知ることができる。
【0019】図8は本発明にかかる絶縁抵抗測定装置の第3実施例を示す。この実施例は第2実施例の変形例であり、第2実施例に比べて電流計の数を4個に減少させたものである。なお、図6と同一部品には同一符号を付して重複説明を省略する。この測定回路50の場合、スイッチ47aの実線側の接点とスイッチ47bの破線側の接点とを配線51で接続するとともに、スイッチ47cの実線側の接点とスイッチ47dの破線側の接点とを配線52で接続してある。そのため、コンデンサ素子C2,C4を流れる正逆2方向の電流■,■’を電流計46b,46dで共に測定でき、図6における電流計46e,46fを省略できた。
【0020】なお、本発明で使用される電流計はアナログ式計測器に限らず、OPアンプなどで増幅した後、A/D変換し、デジタル信号で電流値を計測するものでもよい。また、コンデンサ素子の絶縁抵抗を測定する方法としては、一般にJIS規格にしたがって所定の予備充電後(例えば60秒後)の漏れ電流値からコンデンサ素子の絶縁抵抗を測定する方法が用いられるが、この方法に限らず、充電初期の電流値から充電終期の電流値を予測する方法やその他の如何なる方法を用いてもよい。また、今回は交流電源(接触検出用)と直流電源(絶縁抵抗測定用)とを切り替える方式を用いたが、直流電圧に交流電圧を重畳することで、接触検出と絶縁抵抗測定とを切り替えなしに行なうことも可能である。
【0021】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明によれば、アレー型コンデンサの各コンデンサ素子に同極性の直流電圧を印加してその漏れ電流を検出するとともに、隣接するコンデンサ素子ごとに逆極性の直流電圧を印加してその漏れ電流を検出し、これら2種類の電流から、各コンデンサ素子の絶縁抵抗、隣接するコンデンサ素子の内部電極間の絶縁不良、および隣接するコンデンサ素子の外部電極間の絶縁不良を検出するようにしたので、不良モードごとに測定回路の配線を組み替える必要がなく、測定効率が改善される。また、本発明ではモード2とモード1とを同時に、あるいはモード3とモード1とを同時に検出しているので、それぞれの容量値が大きく、測定端子とアレー型コンデンサの外部電極との接触検出を確実に行なうことができる。
【出願人】 【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
【出願日】 平成9年(1997)7月8日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 秀隆
【公開番号】 特開平11−23636
【公開日】 平成11年(1999)1月29日
【出願番号】 特願平9−199372