| 【発明の名称】 |
電力系統の高調波測定方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】香田 勲
【氏名】塚本 政和
【氏名】西村 荘治
【氏名】鵜野 克彦
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| 【要約】 |
【課題】系統の高調波注入点より下位又は上位の複数の分枝路等に高調波計測点を設定し、これらの計測点の下位又は上位の着目高調波についての等価回路のアドミタンスを決定して高調波特性を測定する。
【解決手段】同期装置13の系統基本波に同期した出力に基づき、電流注入装置11から高調波注入点9に着目高調波を挟む系統基本周波数の非整数倍の2周波数f1 ,f2 の電流を中間高調波の電流としてそれぞれ注入し、系統1の注入点aより下位又は上位の各高調波計測点bに高調波計測装置15を設け、この装置15により各計測点bの電流,電圧を同期装置13の出力に同期して周波数解析し、この解析により各計測点bでの周波数f1 ,f2 の電流,電圧を検出してその中間高調波についての等価回路のアドミタンスを求め、両アドミタンスから各計測点bそれぞれの下位又は上位の着目高調波についての等価回路のアドミタンスを補間演算して決定し、着目高調波についての高調波特性を測定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 系統の高調波注入点に電流注入装置を接続し、同期装置の系統基本波に同期した出力に基づき、前記電流注入装置から前記高調波注入点に測定対象のn次の着目高調波(周波数n×fs)を挟む系統基本周波数fsの非整数倍の2周波数f1 ,f2 (f1 <n×fs<f2 )の電流を中間高調波の電流としてそれぞれ注入し、系統の前記高調波注入点より下位又は上位の複数の分枝路等に高調波計測点を設定し、該各高調波計測点にそれぞれ高調波計測装置を設け、該各高調波計測装置により前記各高調波計測点それぞれの計測電流,計測電圧を前記同期装置の出力に同期して周波数解析し、該周波数解析により前記各高調波計測点での前記周波数f1 ,f2 それぞれの電流,電圧を検出して前記各高調波計測点より下位又は上位の前記周波数f1 ,f2 の中間高調波についての等価回路のアドミタンスを求め、該両アドミタンスから前記各高調波計測点それぞれの下位又は上位の前記着目高調波についての等価回路のアドミタンスを補間演算して決定し、前記着目高調波についての高調波特性を測定することを特徴とする電力系統の高調波測定方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電力系統の所定の高調波注入点より下位又は上位の複数の分枝路等におけるn次の高調波(着目高調波)についての特性(高調波特性)を個別に測定する電力系統の高調波測定方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、電力の送,配電系統においては、高調波を低減することが重要である。 【0003】また、高調波を低減する観点からは、各需要家での高調波レベルを一定以下に抑制することも重要である。そして、n次(n=1,2,…の整数)の高調波(第n調波)は、系統基本波周波数fsの整数倍であり、代表的な第5調波の周波数は5×fsである。 【0004】この高調波の低減は、高調波レベル(電圧レベル)を予測し、その周波数のフィルタ設備をコンデンサ設備に付設等して行われる。 【0005】そして、高調波レベルを予測する場合、電力系統の例えば前記フィルタ設備の接続点より下位(下流)の高調波特性を把握してその等価回路(高調波等価回路)を求める必要があり、その際、前記接続点より下位が複数の系統又は需要家設備に分枝しているときは、系統の分枝或いは需要家毎に高調波特性を把握することが必要になる。 【0006】ところで、この高調波等価回路は、ノートンの定理で表現した場合、アドミタンスと電流源との並列回路とみなすことができる。 【0007】そして、電気学会論文誌B,101巻8号,p.451−458,(昭56−8)には、配電線系統の第5調波についての高調波等価回路を求める際、系統の基本波の電圧,電流を計測し、その結果から高調波等価回路のアドミタンス,電流源の大きさ、位相等を算出して推定することが記載されている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】前記論文誌に記載の高調波測定方法で電力系統の高調波等価回路を求める場合、系統の基本波電圧・電流値を計測し、その計測結果から高調波アドミタンス、高調波電流源の大きさ、位相を推定するため、電力系統の高調波等価回路のアドミタンス等を精度よく求めることができない。 【0009】すなわち、前記従来の高調波測定方法の場合、着目高調波のアドミタンスや電流源を実測結果から求めたわけではなく、基本波の計測情報に基づき、基本波の大きさ(ベクトル値)から着目高調波の大きさ(ベクトル値)を推定するに過ぎないため、その高調波等価回路を精度よく求めることができない。 【0010】そのため、電力系統の例えばフィルタ設備の接続点より下位の高調波特性を正確に把握して適当なフィルタ設備を設けることができず、高調波レベルを良好に低減できなかった。 【0011】そこで、本出願人は特願平8−310192号の出願により、電力系統の高調波注入点に測定調波(着目高調波)の上,下両側の基本波の非整数倍周波数の電流それぞれを注入し、その注入点における注入周波数の電圧及び注入点の上位,下位に流れる注入周波数の電流の実測結果に基づき、系統の注入点より下位又は上位につき、着目高調波の上,下両側それぞれの注入周波数についての等価回路のアドミタンスを求め、それらの補間処理により着目高調波についての等価回路のアドミタンスを決定してその高調波特性を測定することを既に発明している。 【0012】この場合、注入周波数の電流が系統に本来存在しない基本波の非整数倍の周波数の電流であり、注入周波数の等価回路のアドミタンスが実測により精度よく求まるため、この結果を用いて着目高調波についての高調波特性を精度よく把握し得る。 【0013】しかし、前記既出願の測定方法は、高調波注入点と高調波測定点とが一致し、注入点の下位又は上位の系統全体についての高調波特性の測定しか行えず、例えば、注入点より下位の複数の分枝路等について個別に高調波特性を測定することができない問題点がある。 【0014】本発明は、高調波注入点より下位又は上位の分枝路等毎の高調波特性を個別に測定し得るようにすることを技術的課題とする。 【0015】 【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するために、本発明の電力系統の高調波測定方法においては、系統の高調波注入点に電流注入装置を接続し、同期装置の系統基本波に同期した出力に基づき、電流注入装置から高調波注入点に測定対象のn次の着目高調波(周波数n×fs)を挟む系統基本周波数fsの非整数倍の2周波数f1 ,f2 (f1 <n×fs<f2 )の電流を中間高調波の電流としてそれぞれ注入し、系統の高調波注入点より下位又は上位の複数の分枝路等に高調波計測点を設定し、各高調波計測点それぞれに高調波計測装置を設け、各高調波計測装置により各高調波計測点それぞれの計測電流,計測電圧を前記同期装置の出力に同期して周波数解析し、この周波数解析により各高調波計測点での周波数f1 ,f2 それぞれの電流,電圧を検出して各高調波計測点より下位又は上位の周波数f1 ,f2 の中間高調波についての等価回路のアドミタンスを求め、この両アドミタンスから各高調波計測点それぞれの下位又は上位の着目高調波についての等価回路のアドミタンスを補間演算して決定し、着目高調波についての高調波特性を測定する。 【0016】したがって、同期装置の出力に基づき、電流注入装置から高調波注入点に、系統基本波に同期したその周波数fsの非整数倍の系統に本来存在しない周波数f1 ,f2 の中間高調波の電流がそれぞれ注入される。 【0017】また、例えば高調波注入点の下位の測定対象の各分枝路に高調波計測点が設定され、各計測点に高調波計測装置が設けられる。 【0018】そして、この計測装置により各高調波計測点の計測電流,計測電圧を周波数解析して各高調波計測点での周波数f1 ,f2 の中間高調波それぞれの電流,電圧が検出され、この検出に基づき、測定対象の各分枝路の周波数f1 ,f2 の中間高調波についての等価回路のアドミタンスが分枝路単位で個別に求められる。 【0019】さらに、周波数f1 ,f2 の中間高調波についての等価回路のアドミタンスを用いた補間演算により、周波数f1 ,f2 の間の着目高調波についての等価回路のアドミタンスが算出されて決定され、高調波注入点の下位の各分枝路等につき、着目高調波についての高調波特性が個別に精度よく測定される。 【0020】したがって、例えば高調波注入点の下位の複数の分枝路或いは各需要家につき、それぞれ着目高調波についての特性を個別に精度よく測定し得る。 【0021】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図1ないし図3を参照して説明する。 (第1の形態)まず、本発明の実施の第1の形態につき、図1を参照して説明する。図1は測定の対象となる電力系統1の単線表記の等価回路を示し、図中のaは電力系統1の適当な位置,例えば高調波電流低減用のフィルタ装置が接続される位置に選定された高調波注入点である。 【0022】そして、電力系統1には系統基本波の周波数fsの整数倍の周波数n×fs(nは1,2,…の整数)の種々の高調波が存在し、これらの高調波に対して、高調波注入点aからみた左側の上位(上流)は例えばトランスインピーダンス2,上位側線路インピーダンス3,遮断器4を介して上位側の等価回路5が接続された状態にある。 【0023】また、高調波注入点aの右側の下位(下流)は、例えば複数の枝路に分枝し、各枝路の等価回路6が並列に接続された状態にある。 【0024】このとき、等価回路5,6をノートンの定理で表現すると、上位の等価回路5はアドミタンス7と電流源8との並列回路とみなすことができ、下位の各等価回路6もそれぞれアドミタンス9と電流源10との並列回路とみなすことができる。 【0025】なお、とくに下位の各電流源10は、通常、実際に電流源が存在するのではなく、負荷による電流歪み等に起因して発生したものである。 【0026】そして、第5調波(n=5)等の電力系統1の所定の高調波を着目高調波とし、着目高調波についての下位の各等価回路6の時々刻々変化する回路定数を個々に求めてそれぞれの高調波特性を測定する場合、まず、高調波注入点aにPLL制御発振器構成の電流注入装置11を接続する。 【0027】また、電力系統1に接続した計器用変圧器12の2次側出力を同期装置13に供給し、この同期装置13により系統基本波に同期した同期信号を形成し、この同期信号を、例えば有線通信手段としての通信ケーブル14を介して注入指令信号として電流注入装置11に周期的又は連続的に供給する。 【0028】この同期信号の供給に基づき、電流注入装置11は系統基本波に同期して動作し、着目高調波を挟む系統基本周波数fsの非整数倍の2周波数,すなわち、着目高調波の周波数n×fsの下側,上側の周波数f1 ,f2 (f1 <n×fs<f2 )の中間高調波の電流を、例えば30分の測定周期毎に一定期間ずつ出力して高調波注入点aに注入する。 【0029】なお、着目高調波を第5調波(n=5,周波数5×fs)とすると、周波数f1 ,f2 の中間高調波の電流は具体的には、例えば着目高調波から0.5調波ずれた4.5調波(n=4.5,周波数4.5×fs),5.5調波(n=5.5,周波数5.5×fs)の電流であり、いずれも電力系統1には本来存在しない周波数の電流である。 【0030】そして、高調波注入点aに注入されてその下位に流れる周波数f1 ,f2 の中間高調波の電流I1 ,I2 は、下位の#1,…,#m−1,#mのm個の分枝路に、それぞれの負荷状態に応じた割合いで分流する。 【0031】この分流により各分枝路は周波数f1 の中間高調波の電流I11,…,I1m-1,I1mが流れてその中間高調波の電圧V11,…,V1m-1,V1mが発生し、同様に、周波数f2 の中間高調波の電流I21,…,I2m-1,I2mが流れてその中間高調波の電圧V21,…,V2m-1,V2mが発生する。 【0032】このとき、周波数f1 ,f2 の中間高調波が電力系統1に本来存在しないため、周波数f1 ,f2 についての各分枝路のノートンの定理で表現した等価回路は、等価回路6から電流源10を除いたアドミタンス9のみの回路に等しくなる。 【0033】そのため、例えば#1の分枝路において、周波数f1 の中間高調波の電流I11及び電圧V11を計測すれば、その等価回路のアドミタンスY11がつぎの数1の式の演算から、簡単に、しかも、精度よく求まる。 【0034】 【数1】Y11=I11/V11【0035】また、数1の式の演算と同様の演算により、周波数f2 の中間高調波についての等価回路のアドミタンスY21も求まる。 【0036】そして、周波数f1 ,f2 の中間高調波についてのアドミタンスY11,Y21が求まれば、最も簡単には、例えば(Y11+Y21)/2の補間演算により、その中間の周波数n×fsの着目高調波についてのアドミタンス9がアドミタンスY1(n)として求まる。 【0037】さらに、着目高調波についてのアドミタンスY1(n)が求まると、#1の分枝路を流れる着目高調波の電流,電圧の実測値I1(n),V1(n)に基づき、着目高調波についての等価回路6の電流源10がつぎの数2の式の演算から、電流源IG1(n) として求まる。 【0038】 【数2】IG1(n) =I1(n)−V1(n)・Y1(n)【0039】そして、残りの各分枝路6それぞれについても、#1の分枝路6と同様の計測,演算から着目高調波についてのアドミタンス9及び電流源10の値が求まる。 【0040】したがって、本形態においては、各分枝路6の分枝端部それぞれに高調波計測点bを設定する。 【0041】そして、各分枝路6の高調波特性を順に測定する場合、例えば#1の分枝路6を測定するときは、電流注入装置11と別個独立の高調波計測装置15を#1の分枝路6の高調波計測点bに位置させる。 【0042】つぎに、この高調波計測点bに高調波計測装置15の計器用変圧器16の1次側を接続するとともに、計測点bの下位側近傍に計器用変流器17を設け、高調波計測点bの電圧及びこの計測点bを通流する系統電流を計測する。 【0043】そして、計器用変圧器16の系統電圧の検出出力,計器用変流器17の系統電流の検出出力を高調波計測装置15の計測回路部18に設けたA/D変換器19に供給し、このA/D変換器19によりそれぞれサンプリングしてデジタルの計測データに変換する。 【0044】このとき、後段の周波数解析を正確に行うため、A/D変換器19のサンプリングを、高調波注入点aの中間高調波の電流注入時に系統基本波に同期したタイミングで行う必要がある。 【0045】そのため、同期装置13の同期信号が例えば有線通信手段としての通信ケーブル20を介してA/D変換器19に計測指令信号として伝送され、この計測指令信号のタイミング制御に基づき、高調波注入点aに周波数f1 ,f2 の中間高調波の電流が流入されたときに、A/D変換器19は系統基本波すなわち両中間高調波に同期して計器用変圧器16,計器用変流器17の検出出力をサンプリングする。 【0046】なお、A/D変換器19のサンプリング周波数は周波数f1 ,f2 それぞれより十分高い周波数である。 【0047】そして、A/D変換器19から出力された系統電圧,系統電流の計測データが信号処理装置21に供給され、この信号処理装置21はDFT解析,FFT解析等のデジタル周波数解析により、系統電圧,系統電流の計測データに含まれた高調波計測点bの周波数f1 ,f2 それぞれの中間高調波の電圧V11, V21及び電流I11,I21を検出する。 【0048】この電圧V11, V21,電流I11,I21のデータが演算処理装置22に供給され、演算処理装置22は電圧V11, V21,電流I11,I21に基づき、前記数1の式の演算から#1の分枝路6のアドミタンスY11,Y12を求める。 【0049】このとき、周波数f1 ,f2 の中間高調波が電力系統1に本来存在しないため、それらの注入電流量が微小であってもアドミタンスY11,Y21は正確に求まる。 【0050】そのため、電流注入装置11は電流容量の小さい小型の装置でよく、全体の装置構成を小型,軽量,安価にできる。 【0051】つぎに、演算処理装置22はアドミタンスY11,Y21を用いた前記の補間演算により、#1の分枝路6の着目高調波についてのアドミタンス9,すなわちアドミタンスY1(n)を決定し、#1の分枝路6の高調波特性を測定する。 【0052】ところで、この実施の形態にあっては、高調波特性の測定により、電流源10も決定して等価回路6を完全に同定する。 【0053】そのため、高調波計測装置15は同期装置13からの同期信号の受信停止等により周波数f1 ,f2 の中間高調波の電流注入の終了を検知すると、A/D変換器19の計測データに基づく信号処理装置21の周波数分析により#1の分枝路6に存在する着目高調波の電流I1(n),電圧V1(n)を実測する。 【0054】さらに、決定したアドミタンスY1(n)と実測した電流I1(n),電圧V1(n)とに基づき、演算処理装置22により前記数2の式の演算から#1の分枝路6の着目高調波についての電流源10を電流源IG1(n) として決定し、アドミタンスY1(n)及び電流源IG1(n) により等価回路6を完全に同定する。 【0055】そして、周波数f1 ,f2 の中間高調波の電流が注入される毎に、前記と同様にしてアドミタンスY1(n),電流源IG1(n) が求められ、#1の分枝路6の着目高調波についての最新の等価回路6がくり返し同定される。 【0056】さらに、その結果は、表示部23に例えば図1のような等価回路図でモニタ表示されるとともに、記憶部24に記録情報として保持される。 【0057】そして、他の分枝路6を測定するときも、測定対象の分枝路6の高調波計測点bに高調波計測装置15を設け、この装置15により、同期装置13から通信ケーブル20を介して伝送された同期信号に基づき、前記#1の分枝路6の場合と同様にして、着目高調波についてのアドミタンス9,電流源10を決定し、その等価回路6を同定する。 【0058】したがって、電流注入装置11を共通の電流注入装置として、電流注入装置11と別個の高調波計測装置15により、高調波注入点aの下位の各分枝路6それぞれの高調波特性を個別に測定することができる。 【0059】その際、電力系統1に本来は存在しない周波数f1 ,f2 の中間高調波の電流を注入し、その実測結果から周波数n×fs(f1 <n×fs<f2 )の着目高調波についてのアドミタンス9,電流源10を決定して等価回路6を同定するため、実測に基づいて各分枝路6の高調波特性を精度よく測定できる。 【0060】また、高調波計測装置15のA/D変換器19,信号処理装置21,演算処理装置22はマイクロコンピュータのソフトウェアで実現することができる。 【0061】そのため、高調波計測装置15は計器用変圧器16,計器用変流器17を除き、いわゆる携帯型のパソコン等で形成することができ、測定対象の各分枝路6の高調波計測点bに容易に持ち運ぶことができる。 【0062】そして、各分枝路6の一部又は全部について一括して高調波特性を測定するときは、測定対象の各分枝路6の高調波計測点bにそれぞれ高調波計測装置15を設け、測定対象の各分枝路6につき、同時にそれぞれの高調波特性を測定すればよい。 【0063】ところで、同期装置13と電流注入装置11,高調波計測装置15との間の同期信号の通信手段は、無線,有線の種々の手段であってよいのは勿論である。 【0064】また、同期装置13は電力系統1のどの位置にあってもよく、場合によっては、同期装置13を電流注入装置11又は高調波計測装置15と一体に形成してもよく、この場合は例えば通信ケーブル14又は20が省ける利点がある。さらに、演算処理装置22の補間演算は、重み付け平均の演算等であってもよい。 【0065】つぎに、高調波注入点a及び高調波計測点bは、測定目的等にしたがって電力系統1に任意に設定できるのは勿論である。 【0066】そして、高調波注入点aに複数の上位系統から供給される場合、高調波計測点bを各上位の分枝路に個別に設定し、図1の場合と同様の計測、演算を行うことにより、図1の各分枝路6の場合と同様、各上位系統につき、個別に等価回路6と同様の等価回路についてのアドミタンス,電流源を決定し、その等価回路を精度よく同定することができる。 【0067】(第2の形態)つぎに、本発明の第2の形態につき、図2を参照して説明する。図2は各需要家の高調波特性の測定に適用した場合を示し、この場合、電力系統(配電系統)1’の配電用変電所25の給電端に高調波注入点aが設定され、系統端末の測定対象の各需要家26の受電端が高調波計測点bに設定される。 【0068】なお、図2において、図1と同一符号は同一もしくは相当するものを示し、27は需要家26の受電点である。 【0069】そして、電流注入装置11から高調波注入点aに周波数f1 ,f2 の中間高調波の電流が注入されると、高調波計測点bに設けた高調波計測装置15により、図1の場合と同様にして、各需要家26における着目高調波についての等価回路のアドミタンス及び電流源が決定されてその等価回路が固定される。 【0070】この結果から、各需要家26は自家設備が高調波発生源となっているか否か等を自己診断し、必要な措置をとること等ができる。 【0071】(第3の形態)つぎに、本発明の実施の第3の形態につき、図3を参照して説明する。図3は最も上位の母線M1 から各バンクトランスTrを介して下位の各母線M2 ,…,M3 ,M4 ,…に分枝している電力系統1”の高調波測定に適用した場合を示す。 【0072】この場合、例えば母線M4 の下位の各下位系統l1 ,l2 ,l3 ,…の高調波特性を測定する際は、例えば、母線M3 ,M4 間の測定対象の下位系統l1 に近いバンクトランスTrの負荷側に高調波注入点aを設定し、母線M4 と測定対象の下位系統l1 との間のバンクトランスTrの負荷側に高調波計測点bを設定する。 【0073】そして、電流注入装置11から高調波注入点aに周波数f1 ,f2 の中間高調波の電流を注入し、高調波計測点bに設けられた高調波計測装置15により、前記図1の場合と同様にして、下位系統l1 の着目高調波についての等価回路のアドミタンス及び電流を決定してその等価回路を同定する。 【0074】なお、母線M4 の複数の下位系統を一括して測定するときは、母線M4 と測定対象の各下位系統との間のバンクトランスTrそれぞれの負荷側に高調波計測点bを設定し、各高調波計測点bに高調波計測装置15を設ければよく、この場合、電流注入装置11を共用して各下位系統の高調波特性を一括して測定できる。 【0075】 【発明の効果】本発明は、以下に記載する効果を奏する。同期装置13の出力に基づき、電流注入装置11から高調波注入点aに、系統基本波に同期したその周波数fsの非整数倍の系統に本来存在しない周波数f1,f2 の中間高調波の電流をそれぞれ注入し、また、例えば高調波注入点aの下位の測定対象の分枝路等に高調波計測点bを設定し、各計測点bに高調波計測装置15を設け、この計測装置15により各高調波計測点bの計測電流,計測電圧を周波数解析してその点での周波数f1 ,f2 の中間高調波それぞれの電流,電圧を検出したため、この検出に基づき、測定対象の各分枝路等の周波数f1 ,f2 の中間高調波についての等価回路のアドミタンスを分枝路等毎に個別に求めることができる。 【0076】さらに、周波数f1 ,f2 の中間高調波についての等価回路のアドミタンスを用いた補間演算により、周波数f1 ,f2 の間の着目高調波についての等価回路のアドミタンスを算出して決定したため、高調波注入点aの下位の各高調波計測点につき、それらの下位の着目高調波についての高調波特性を個別に精度よく測定することができる。 【0077】したがって、例えば高調波注入点bの下位の各分枝路或いは各需要家につき、それぞれ着目高調波についての特性を個別に精度よく測定することができ、高調波注入点bの上位に各高調波計測点bを設けたときも同様の効果を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000213297 【氏名又は名称】中部電力株式会社 【識別番号】000003942 【氏名又は名称】日新電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月7日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】藤田 龍太郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−23629 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月29日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−197807 |
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