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【発明の名称】 進相コンデンサによる改善電力の測定装置
【発明者】 【氏名】山本 誠

【氏名】唐澤 功

【要約】 【課題】進相コンデンサにより改善された改善電力を表示して需要家に確認させることで、適切な対処を行なわせる。

【解決手段】受変電トランスTrの低圧側の配線10に進相コンデンサ12が接続される。負荷側14の電流および電圧を測定する負荷用変流器CT1および計器用変圧器PTが、配線10に接続される。負荷用変流器CT1および計器用変圧器PTで測定した負荷電流および負荷電圧は、演算部18に入力される。進相コンデンサ12に接続したコンデンサ用変流器CT2で測定したコンデンサ電流は、演算部18に入力される。演算部18は、負荷電流と負荷電圧から力率および電力を演算すると共に、得られた電力とコンデンサ電流から進み電力を演算し、更に力率と進み電力とから進相コンデンサ12で改善された改善電力を求める。求められた改善電力は、表示手段20に表示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 受変電トランス(Tr)の高圧側または低圧側に接続され、力率を改善するための進相コンデンサ(12)と、前記進相コンデンサ(12)より負荷側(14)の電流および電圧を測定する負荷用変流器(CT1)および計器用変圧器(PT)と、前記進相コンデンサ(12)に流れる電流を測定するコンデンサ用変流器(CT2)と、前記負荷用変流器(CT1)および計器用変圧器(PT)で測定された負荷電流と負荷電圧から力率および電力を演算すると共に、この得られた電力と前記コンデンサ用変流器(CT2)で測定されたコンデンサ電流から進み電力を演算し、更に力率と進み電力とから前記進相コンデンサ(12)により改善された改善電力を求める演算部(18)と、前記演算部(18)で演算された改善電力を表示する表示手段(20)とから構成したことを特徴とする進相コンデンサによる改善電力の測定装置。
【請求項2】 前記改善電力を単位時間毎に記憶・蓄積する記憶部(22)を備え、該記憶部(22)に記憶・蓄積された改善電力を基に前記演算部(18)で改善電力量を演算して前記表示手段(20)に表示するよう構成した請求項1記載の進相コンデンサによる改善電力の測定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、進相コンデンサにより改善された改善電力を測定して表示し得る測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、工場等で使用されるモータ等の電力消費機器の誘導負荷に対し、その力率を改善して無効電力を低く抑えるために、受変電トランスの高圧側に進相コンデンサを接続することが一般に行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記進相コンデンサの容量以上の誘導負荷がある場合は、該コンデンサの容量に基づいて、改善された電力を計算で導びき出すことができる。しかし、昼休みや夜間等のように電力使用量が低減して誘導負荷が進相コンデンサの容量以下となったときには(軽負荷時)、改善された電力を計算で導びき出すことはできなかった。すなわち、需要家にとっては、進相コンデンサを使用したことにより改善された事実を実際に確認する手段はなく、軽負荷時における適切な対処ができないのが実情である。
【0004】また、前述したように誘導負荷が進相コンデンサの容量以下となったときには進み電流が流れ、電力計には現われない無効電力が発生し、電力会社にとっては無駄な電力を供給することとなる問題があった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、前述した従来の技術に内在している欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、進相コンデンサにより改善された改善電力を表示して需要家に確認させることで、適切な対処を行なわせ得る進相コンデンサによる改善電力の測定装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明に係る進相コンデンサによる改善電力の測定装置は、受変電トランスの高圧側または低圧側に接続され、力率を改善するための進相コンデンサと、前記進相コンデンサより負荷側の電流および電圧を測定する負荷用変流器および計器用変圧器と、前記進相コンデンサに流れる電流を測定するコンデンサ用変流器と、前記負荷用変流器および計器用変圧器で測定された負荷電流と負荷電圧から力率および電力を演算すると共に、この得られた電力と前記コンデンサ用変流器で測定されたコンデンサ電流から進み電力を演算し、更に力率と進み電力とから前記進相コンデンサにより改善された改善電力を求める演算部と、前記演算部で演算された改善電力を表示する表示手段とから構成したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る進相コンデンサによる改善電力の測定装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【0008】図1は、実施例に係る進相コンデンサによる改善電力の測定装置の概略構成図であって、受変電トランスTrの低圧側の配線10に進相コンデンサ12が接続されている。また配線10に対する進相コンデンサ12の接続位置より電力消費機器(モータ等)の負荷側14の配線10に、負荷側14の電流および電圧を測定する負荷用変流器CT1および計器用変圧器PTが接続され、この負荷用変流器CT1および計器用変圧器PTで測定された負荷電流および負荷電圧は、制御装置16の演算部18に入力されるようになっている。
【0009】また前記進相コンデンサ12には、該コンデンサ12に流れる電流を測定するコンデンサ用変流器CT2が接続され、該変流器CT2で測定されたコンデンサ電流は、前記演算部18に入力されるようになっている。
【0010】前記演算部18は、入力された負荷電流と負荷電圧から力率および電力を演算すると共に、この得られた電力とコンデンサ電流から進み電力を演算し、更に力率と進み電力とから前記進相コンデンサ12により改善された改善電力(改善前電力と改善後電力との差)を求めるよう設定されている。そして、求められた改善電力を、制御装置16に接続するメータ等の表示手段20に表示するよう構成される。また制御装置16は、演算部18で求められた改善電力を単位時間毎に記憶・蓄積する記憶部22を備え、該記憶部22に記憶・蓄積された改善電力を基に、前記演算部18で改善電力量を求め、これを前記表示手段20に表示するよう構成されている。更に制御装置16は、データ送信部24を備え、演算部18で演算された改善電力や電力量を現場でなく、遠隔地の受信装置に送信し得るよう構成される。
【0011】実施例のように構成された測定装置では、図2に示すように、前記進相コンデンサ12の容量以上の誘導負荷があるA領域において、該コンデンサ12で改善された改善電力を測定して表示手段20に表示することができる。また誘導負荷が進相コンデンサ12の容量以下となるB領域においても、前述したように負荷側14の電流、電圧および進相コンデンサ12の電流から、該コンデンサ12で改善された改善電力を測定して表示手段20に表示することができる。すなわち需要家は、進相コンデンサ12を使用することにより改善された改善電力を表示手段20で実際に確認し得るものである。
【0012】従って、例えば前記B領域においては進み電流が流れて電力計には現われない無効電力が発生していることを実際に確認し得るので、力率調整器等を用いて無効電力を低減し得る適切な対策を講じることができる。需要家が設備を変更する(負荷側14の電力消費機器を増やしたり減らす)場合に、測定装置により改善電力を実際に確認することが可能であるから、進相コンデンサ12の容量を適正に設定することができ、電力消費量を低減し得る。
【0013】また、前記制御装置16のデータ送信部24から遠隔地の経営者等に改善された改善電力や電力量を送信すれば、現場に行かなくても工場設備の増減に伴う最適な進相コンデンサ12の選択を指示することができる。
【0014】なお、電力を供給している電力会社からみた場合は、昼休みや夜間等のように電力使用量が低減することで無効電力が発生していることを確認し得れば、この時間帯における電力の供給量を低減することが可能となり、エネルギーの浪費を防ぐことができる。そして、これらの情報は、前記制御装置16のデータ送信部24から得られるので、電力会社から各需要家のもとに出向く必要もない。
【0015】ここで、実施例のように受変電トランスTrの低圧側に進相コンデンサ12を接続した場合、該低圧側の線路抵抗は小さいから、該トランスTrの近くに進相コンデンサ12を配設したとしても、負荷側14の近くに進相コンデンサ12を配設したと同様の効果を奏する。すなわち、実施例の構成では受変電トランスTrの低圧側以降の力率の改善を行ない得るから、負荷側14の各電力消費機器の運転効率を向上させることが可能となる。更には、受変電トランスTrの効率も向上させ得る(20%〜30%の向上が可能)ので、トランスTrとして容量の小さなものを採用することが可能となり、設備コストを低減し得る。しかも、受変電トランスTrを小容量のものとすることで、電力会社に対しては契約電力を低く設定してランニングコストを低減することが可能となる。
【0016】なお、前記進相コンデンサ12は、受変電トランスTrの高圧側に接続してもよく、この場合には進相コンデンサ12と受変電トランスTrとの間に、負荷側(この場合には受変電トランス)の電流および電圧を測定する負荷用変流器CT1および計器用変圧器PTを接続する。この場合においても、進相コンデンサ12で改善された改善電力を測定して表示手段20に表示することができる。
【0017】また、前記演算部18で演算された改善電力に応じ、回路内に配設した自動力率調整器を制御して進行コンデンサ12の容量を変えることで、無駄な電力を使用しないようにすることが可能である。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る進相コンデンサによる改善電力の測定装置によれば、需要家は、進相コンデンサを用いたことにより改善された改善電力を実際に確認することができる。しかも、本発明の測定装置では、誘導負荷が進相コンデンサの容量以上および以下の何れの場合においても、改善電力を確認することができる。従って、誘導負荷が進相コンデンサの容量以下となったときに、進み電流が流れることにより無駄に消費される電力を少なくするための適切な対策を講ずることができる。
【0019】また電力会社においては、前記軽負荷時において無駄に消費される電力を測定装置により実際に確認することができるから、例えば昼間や夜間等の発電量を低減することが可能となり、一需要家に限らず全国の需要家を総合して考えた場合には、極めて大きな発電量の低減が可能となる。すなわち、ムダな電力を低減することができ、極めて大きな経済効果が期待できる。
【出願人】 【識別番号】593084384
【氏名又は名称】山本 誠
【出願日】 平成9年(1997)6月27日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
【公開番号】 特開平11−23620
【公開日】 平成11年(1999)1月29日
【出願番号】 特願平9−187388