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【発明の名称】 電力量計
【発明者】 【氏名】中村 哲也

【要約】 【課題】災害等で建屋が倒壊等して屋内配電線が切断されると漏電により火災が発生したり感電する等の二次災害が発生する危険性がある。

【解決手段】電力量計に姿勢変化検知部と開閉器とを設け、災害等により電力量計の姿勢が変化したことを姿勢変化検知部が検知した場合には開閉器により屋内への電力供給を遮断する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】家屋等に固定して設置せられ、家屋外部の電力供給設備から家屋内部の負荷へ電力を供給する配電線の電圧を検出し検出した電圧に応じた電圧信号を出力する電圧検出手段と、前記配電線の電流を検出し当該電流に応じた電流信号を出力する電流検出手段と、前記電圧検出手段及び電流検出手段が出力する電圧信号及び電流信号を入力して電力量を求める演算を行い求めた電力量に応じた電力量信号を出力する演算手段とを備えた電力量計において、前記電力量計の姿勢が変化したことを検知し前記演算手段に姿勢異常信号を出力する姿勢変化検知手段と、前記電力供給設備と前記負荷との間の配電線の途中に挿入された開閉器とを備え、前記姿勢変化検知手段が電力量計の姿勢変化を検知した場合には前記演算手段が前記開閉器に信号を出力し前記開閉器が前記配電線を遮断するよう制御することを特徴とする電力量計。
【請求項2】請求項1記載の電力量計において、前記姿勢変化検知手段が電力量計の水平姿勢を観測し水平でない場合に姿勢異常信号を出力する水平観測手段であることを特徴とする電力量計。
【請求項3】請求項1記載の電力量計において、前記姿勢変化検知手段が加速時計であって所定以上の加速度を検知した場合に姿勢異常信号を出力する加速度検知手段であることを特徴とする電力量計。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力量計本体の傾きを検知して電力供給を遮断する機能を有する電力量計に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明に係る従来の電力量計の構成図を図3に示し説明する。電力量計1は、電力供給設備2と負荷3との間に介在し、負荷3が消費する電力を測定する。ここで、電力供給設備2は電力会社から一般家庭等の消費者まで電力を供給している電線等の設備であり、負荷3は一般家庭等の消費者で電力を消費する家電製品等である。
【0003】電力供給設備2の電力は、外部配電線4により電力量計1に導入され、電力量計1内部において外部配電線4に直接接続されている屋内配電線5により負荷3に供給される。
【0004】電力量計1では、外部配電線4又は屋内配電線5に電圧検出部6及び電流検出部7が接続されており、それぞれ外部配電線4又は屋内配電線5の電圧及び電流を検出する。
【0005】これら電圧検出部6及び電流検出部7のそれぞれが検出した電圧及び電流の信号は電圧信号線8及び電流信号線9により中央演算部10に出力され、中央演算部10では前記両信号に基づいて演算を行い電力量を求め電力量信号11として表示部12に出力し、表示部12で電力量が表示される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の電力量計においては、災害が発生して電力量計1が設置されている家屋等が損傷したり倒壊した場合には屋内配電線5が切断される可能性がある。その場合、電力供給設備2から電力が供給され続けており、さらに電力量計1内部の配線も正常に機能したとすると屋内配電線の切断された部分からの漏電やスパーク等による火災や感電等の二次災害が発生する虞がある。
【0007】本発明は、電力量計1が設置されている家屋が倒壊等して電力量計が傾く等正常な姿勢でなくなった場合に自動的に負荷3への電力供給を遮断する電力量計を供給することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の発明は、従来の電力量計の構成に加えて、電力量計の姿勢が変化したことを検知し姿勢が異常となった場合には姿勢異常信号を演算手段に出力する姿勢変化検知手段と電力供給設備と負荷との間に挿入された開閉器とを新たに設け、前記姿勢変化検知手段が電力量計の姿勢異常を検知した場合には演算手段が前記開閉器に信号を出力し前記開閉器が前記配電線を遮断するよう制御することを特徴とする。
【0009】請求項1の発明によれば、災害等により電力量計が設置された当初の姿勢が変化すると、姿勢変化検知手段から姿勢異常信号が演算手段に出力され、演算手段は開閉器に信号を出力して配電線を遮断することにより、負荷への電力供給を遮断する。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の姿勢変化検知手段を電力量計の水平姿勢を観測して水平でない場合に姿勢異常信号を出力する水平変化検知手段としたことを特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明によれば、災害等により電力量計が設置された当初の水平な姿勢が崩れて水平でなくなると、水平変化検知手段から演算手段へ姿勢異常信号が出力され、演算手段は開閉器に信号を出力して配電線を遮断することにより、負荷への電力供給を遮断する。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1記載の姿勢変化検知手段が加速度計であって所定以上の加速度を検知した場合に姿勢異常信号を出力する加速度検知手段であることを特徴とする。
【0013】請求項2記載の発明によれば、災害等により電力量計に所定以上の加速度が加わると加速度検知手段から演算手段へ姿勢異常信号が出力され、演算手段は開閉器を閉成し負荷への電力供給を遮断する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図1及び図2を示して説明する。図1は、本実施例に係る電力量計を説明する構成図である。図1において、電力量計1は外部の電力供給設備2と外部配電線4で接続され、また建屋内部の負荷3と内部配電線3で接続されている。この外部配電線4と内部配電線3とは電力量計1内部で接続されており、電力供給設備2から供給される電力を負荷3へ供給可能となっている。
【0015】電力量計1には、従来と同様に電圧検出部6と電流検出部7が設けられており、電圧と電流を検出しそれぞれの信号を中央演算部10に出力する。この中央演算部10では入力した電圧と電流の信号から電力量を求めてその信号を表示部12に出力し、表示部12はその電力量を表示する。
【0016】ここまでの構成は従来の電力量計と同様であるが、本発明における電力量計はさらに姿勢変化検知部13及び開閉器14が設けられている。電力量計1は、一般的には建屋に固定されて設置されるためその位置や姿勢が変化することはないが、災害が発生して建屋が傾いたり倒壊した場合には元の位置や姿勢から変化する。このように位置や姿勢が変化する規模の災害が発生した場合には建屋内部の屋内配電線5が切断される等の損傷を受けている危険性が高く、電力供給設備2が正常に機能していて電力を供給している場合には前記損傷箇所からの漏電等により火災等の二次災害を引き起こす危険性がある。このような二次災害を防止するためには建屋における電力の入口近くで電力を遮断することが望ましい。
【0017】本発明では、通常電力量計1が建屋への電力の入口に設けられていることに着目し、電力量計1に開閉器を組込んで電力量計1の位置や姿勢が変化するような事態が発生した場合には内蔵した開閉器に信号を出力して配電線を遮断することにより、建屋内への電力供給を電力の入口で遮断するようにしたものである。
【0018】姿勢変化検知部13は、例えば図2に示すように水平姿勢が変化したことを検知し姿勢異常信号を出力するもので、その出力は中央演算部10に入力するようになっている。中央演算部10では前記姿勢異常信号を入力すると、開閉器14に回路をオープンにする信号を出力し、開閉器14は負荷3への電力供給を遮断する。
【0019】図2は、姿勢変化検知部13を説明する構成図である。図2に示す姿勢変化検知部13は、絶縁された密封容器131の中に2つの電極132a,132bが離れて設けられ、通常はこれら電極132a,132bの両方に同時に接しないように導電性流体133が封入されている。そして、電極132a,132bに接続された姿勢異常信号線134a,134bは中央演算部10に接続されている。
【0020】この姿勢変化検知部13は、電力量計1を正規の状態で建屋に設置した状態では水銀等の導電性流体133が電極132a,132bの両方に同時に接しないため、姿勢異常信号線134a,134bの間は導通状態にないが、電力量計1が傾く等して電極132a,132bの両方に同時に導電性流体133が接する状態となると、姿勢異常信号線134a,134bの間は導通状態となる。
【0021】この導通状態が中央演算部10で検出されると中央演算部10は開閉器14へ屋内配電線5の遮断を指示する信号を出力し、開閉器14は屋内配電線5を遮断する。
【0022】なお、姿勢変化検知部13は、上記のように導電性流体と電極を用いたものに代えて加速度計を用いてもよい。加速度計には機械的なものや最近ではピエゾ抵抗素子を用いて電子的に加速度を検出するものがあり、いずれにしても電力量計に内蔵するものであるから小形軽量なものが望ましい。
【0023】電子的な加速度計は、時事刻々の加速度を検出し出力するものが通常であるため、姿勢変化検知部13として任意に姿勢異常信号を出力する加速度値を設定でき、その設定された値以上の加速度が検出された場合には姿勢異常信号を出力すると共にその信号を保持する機能を備えるか、または中央演算部10で常に姿勢変化検知部13の出力を監視する等の対応が必要で、どのような形態とするかは中央演算部10の負荷等により適宜最適な形態とすればよい。
【0024】姿勢変化検知部13を電子的な加速度計とした場合には、図2に記載の構成に比べて大幅に小形化・軽量化を図ることが可能となるだけでなく、電力を遮断する加速度レベルを電力量計毎に調節することが可能である。
【0025】
【発明の効果】請求項1及び請求項2記載の発明によれば、電力量計の姿勢が変化した場合に電力量計に内蔵した開閉器により建屋への電力の供給を遮断することができるので、建屋内の屋内配電線が切断されるような災害等が発生した場合には建屋内への電力供給を停止することができ、漏電等による火災や感電等の二次災害を防止することが可能となった。
【0026】また、請求項2記載の発明によれば、加速度計により電力量計に加わる加速度を検出するようにしたので、電力量計に内蔵させるに適した小形軽量とすることができ、また屋内配電線を遮断する加速度レベルを任意に設定することも可能となる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成9年(1997)6月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】外川 英明
【公開番号】 特開平11−23617
【公開日】 平成11年(1999)1月29日
【出願番号】 特願平9−173650