| 【発明の名称】 |
移動物体検出装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】百瀬 章
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| 【要約】 |
【課題】変化に追従した適切な背景を作成することにより、精度の高い移動物体の検出を行うことが可能な移動物体検出装置を提供する。
【解決手段】背景差分手法を用いて移動物体の検出を行う移動物体検出装置において、CPU32は、メモリ部33に保存された背景画像とカメラ1から得られた入力画像との加重平均をとることにより背景候補を作成し、移動物体の存在密度が所定値以下である等所定の条件の場合に、作成された背景候補を背景画像として更新し、更新された背景画像と入力画像とから移動物体を検出する。これにより、変化に追従した適切な背景を作成できるので、精度の高い移動物体の検出を行うことが可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】背景差分手法を用いて移動物体の検出を行う移動物体検出装置において、背景画像と入力画像との加重平均をとることにより背景候補を作成する背景候補作成手段と、所定の条件の場合に、背景候補作成手段で作成された前記背景候補を背景画像とする更新処理を行う背景更新手段と、この背景更新手段により更新された背景画像と入力画像とから移動物体を検出する移動物体検出手段とを備えたことを特徴とする移動物体検出装置。 【請求項2】前記背景更新手段は、移動物体の速度が所定値以上である第1の条件と移動物体の存在密度が所定値以下である第2の条件のうち、少なくとも一方の条件を満たした場合に、前記更新処理を行うものであることを特徴とする請求項1に記載の移動物体検出装置。 【請求項3】前記背景更新手段は、移動物体の速度が所定値以上である第1の条件と移動物体の存在密度が所定値以下である第2の条件のうち、少なくとも一方の条件を満たし、且つ、入力画像と背景画像若しくは背景候補との差分が所定値以下である場合に前記更新処理を行うものであることを特徴とする請求項1に記載の移動物体検出装置。 【請求項4】前記移動物体検出手段は、背景画像と入力画像とから求めた物体の少なくとも一つの方向の長さが所定値以上の場合に移動物体として検出するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の移動物体検出装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、カメラで撮像した画像を利用して車両等の移動物体を検出する移動物体検出装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、カメラから入力した映像信号(動画像)から、移動物体のみを抽出する手法として、背景差分手法が用いられてきた。これは、入力した画像と、予め作成した背景のみの画像との差分をとることによって、背景以外の物体を抽出する手法である。 【0003】この手法では、正確な背景の作成が、移動物体の抽出精度を上げるための条件である。また、屋外等の気象条件や時間帯によって、明るさや天気などが刻々と変化する環境においては、変化に追従した背景の更新が必要である。 【0004】背景更新の手段として、従来からいくつかの手法が考えられてきた。そのなかで、画像上に設けた代表的ないくつかの点の輝度の変化量を元に、元々作成してある背景に対して、更新処理を行うといった手法は最も単純な方法である。しかし、この手法によると、選定した点の輝度が正しく更新されない場合、背景の全体に影響を与えるといった問題点がある。例えば、建物、雲などにより発生する影の影響で選定した点の輝度が変化する場合、本来影の無い背景においても影の影響を与えてしまう。 【0005】この問題を解決するため、代表点の位置を気象条件や時間帯によって、変更する方法が考えられるが、パラメータの設定およびその評価が複雑になるという問題点があった。 【0006】また、画像上に物体が存在していない瞬間に背景を更新するという手法では、物体が本当に存在していないかどうかの判定を正確に行うことが必要であり、この判定に失敗すると、誤った画像が背景として選ばれてしまい、以降の判定処理に影響を与えるといった問題点がある。 【0007】さらに、これらの問題点を解決するため、一定時間の画像の平均を取り、背景に近い画像を作るという手法がある。しかし、この手法によると、物体が長時間移動しないときは、抽出する目的の物体を含んだ画像が背景として作られてしまうといった問題が発生していた。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】上述の如く、移動物体を画像処理装置で検出する際において、気象条件や時間帯の変化に追従した背景が作成できないため、移動物体の正確な検出が出来ないという問題が発生していた。 【0009】本発明は、この問題を除去し、変化に追従した適切な背景を作成することにより、精度の高い移動物体の検出を行うことが可能な移動物体検出装置を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、背景差分手法を用いて移動物体の検出を行う移動物体検出装置において、背景画像と入力画像との加重平均をとることにより背景候補を作成する背景候補作成手段と、所定の条件の場合に、背景候補作成手段で作成された背景候補を背景画像とする更新処理を行う背景更新手段と、この背景更新手段により更新された背景画像と入力画像とから移動物体を検出する移動物体検出手段とを備えたことを特徴とする。 【0011】このような構成の本発明によれば、変化に追従した適切な背景を作成することができ、精度の高い移動物体の検出を行うことができる。ここで、背景更新手段は、移動物体の速度が所定値以上である第1の条件と移動物体の存在密度が所定値以下である第2の条件のうち、少なくとも一方の条件を満たした場合に、更新処理を行うものとすることができる。 【0012】また、背景更新手段は、移動物体の速度が所定値以上である第1の条件と移動物体の存在密度が所定値以下である第2の条件のうち、少なくとも一方の条件を満たし、且つ、入力画像と背景画像若しくは背景候補との差分が所定値以下である場合に更新処理を行うものとすることもできる。 【0013】また、移動物体検出手段は、背景画像と入力画像とから求めた物体の少なくとも一つの方向の長さ、例えば横幅が所定値以上の場合に移動物体として検出するものとすることもできる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明に係る移動物体検出装置の一実施形態としての車両抽出装置の構成を示すブロック図である。 【0015】同図において、1はカメラ、2はモニタ、3は画像処理部、4は情報処理部、5は画像処理部3と情報処理部4を接続するLANである。画像処理部3は、映像I/O(インタフェース)部31、CPU32、メモリ部33、及び外部I/O(インタフェース)部34からなり、また情報処理部4は、コンソール41、ワークステーション42、及びHDD43からなる。 【0016】カメラ1から入力されたアナログ映像信号に対し、画像処理部3において移動物体の抽出処理が行われる。即ち、画像処理部3に入力されたアナログ信号は、映像I/O部31によりA/D変換を施されデジタル化された画像データとなり、メモリ部33に保存される。このデータに対しCPU32で各種画像処理を行い、移動物体のみを抽出する。CPU32内の処理については図2以降で説明する。メモリ部33には画像データの他、プログラム、及びCPU32がプログラムを実行するのに必要なデータ等が保管される。画像処理部3の各部31〜34はバス35で高速に接続されている。 【0017】画像処理部3で抽出された移動物体についての検出結果は、LAN5を経由して情報処理部4に送出される。情報処理部4では、ワークステーション42において検出結果を集計し、HDD43に保存する。コンソール41からは保存された集計結果などを検索表示する。 【0018】次に、この動作について説明する。この実施形態における主な処理は、カメラ1から入力した映像信号から背景の候補を作成する背景候補作成処理と、作成した背景候補が適当がどうか判定し、適当な場合のみ背景を更新する背景更新処理と、背景と入力信号から移動物体のみ抽出する移動物体抽出処理から構成される。 【0019】背景候補作成処理においては、カメラ1から入力した現在の入力画像と入力画像以前の(2N−1)フィールド分(但し、Nは正整数)の画像との平均に相当する、旧背景画像と入力画像との加重平均をとり、この画像を背景の候補とする。 【0020】背景更新処理においては、今までに測定した移動物体の移動速度、及び存在密度の統計値より、背景を更新するかどうかの判定を行う。この時、平均速度が遅く存在密度が高い場合は、背景候補作成処理で作られた背景の候補は正確な背景ではないと判定し、背景の候補を破棄する。さらに、現在の入力画像と、背景画像(または背景候補)との差を取る。この際、画面上を複数のブロックまたは画素単位に分け、差分の値が小さいブロック(または画素)は背景、差が大きい個所は移動物体が存在していると判定し、背景と判定した個所のみ背景画像を、背景候補作成処理で作成した背景の候補と置き換える。 【0021】移動物体抽出処理においては、入力画像と背景候補作成処理により作成した背景画像との差分を取り、差分が連続している場合にこれを一つの物体とみなし抽出する。 【0022】以下、この動作を更に詳細に説明する。図2は、画像処理部3における処理の全体を示したフローチャートである。まずステップ201において背景データの初期化を行う、即ち初期背景データの取り込みを行う。ステップ202において、画像データを入力する。ここで入力する画像データとは、映像I/O部31においてA/Dの変換を行ったデジタルデータである。次にステップ203において背景候補の作成処理を行う。背景とは、入力画像上の固定された部分のことであり、複数の画像データの平均を取ることによって作成する。本処理については図3で詳しく述べる。 【0023】次にステップ204において背景の更新処理を行う。気象条件や時間帯によって、明るさや天気などが刻々と変化する屋外映像においては、変化に追従した背景の更新が必要であり、本処理によりリアルタイムに背景を最新のものに更新する。本処理の詳細は図4に示す。 【0024】次にステップ205において移動物体抽出処理を行う。本処理により、現在の入力映像から車両のみを抽出し、車両が存在していることを検出する。本処理の詳細は図5に示す。 【0025】次にステップ206において車両の速度や台数、存在密度等の計算を行う。その後、ステップ207において計測結果をモニタ2や情報処理部4へ出力する。ここで、図6を用いて、一般的な背景作成処理について概要を示す。連続した時間T1、T2、T3における入力画像と作成した背景画像の関係を示す。T0の背景画像600はあらかじめ作成した車両のない瞬間の入力画像を用いる。T1ではT0の背景600とT1の入力画像611との平均を取り、T1の背景画像612を作成する。以降同様に、T1の背景画像612とT2の入力画像621との平均を取り、T2の背景画像622を作成し、T2の背景画像622とT3の入力画像631との平均を取り、T3の背景画像632を作成していく。本処理では平均をとる時間が長いほどより正確な背景が作成できる一方、変化に対する追従が難しくなる。 【0026】次に、背景候補作成処理(図2のステップ203)について説明する。この背景候補作成処理をフローチャートで示すと図3のようになる。ステップ301において座標の初期化を行い、ステップ302において旧背景画像と入力画像の平均をとる。この際、算術平均ではなく、加重平均を用いる。即ち、旧更新背景Bt-1,xyを(2N−1)倍(但し、Nは正整数)したものに入力画像It,xyを加え、これを2Nで割ったものを更新背景候補B´t,xyとする。このように加重平均を用いることにより古い画像データは保存する必要がなくなる。従って、画像データを保存するメモリ部33の容量も少なくてよいことになる。 【0027】以上の処理をステップ303、及びステップ304で、X座標、Y座標について座標を進めて、画面全体に対して背景候補を作成する。次に、背景更新処理(図2のステップ204)について説明する。 【0028】上記で作成した背景候補をそのまま背景とすると、渋滞などで車両の移動が少ない場合、得られる背景に車両が残ってしまうことになる。そこで、これを防ぐために背景更新処理では速度が一定値以下、存在密度が一定値以上の際には背景の更新を行わず、かつ画面上で車両が存在していない箇所のみ更新を行うという方法を用いる。 【0029】本処理を図4に示す。ステップ401において速度が一定値以上で、存在密度が一定値以下かどうかの判断を行う。なお、速度、存在密度は図2に示す繰り返し処理フローで、1サイクル前の処理において、ステップ206の速度、存在密度検出処理で算出した結果を用いる。速度が一定値以上で、存在密度が一定値以下であった場合、ステップ402で座標を初期化する。次にステップ403において背景Bt-1,xy(または更新背景候補B´t,xy)と入力画像It,xyの差Dt,xyを求め、差Dt,xyが一定値(閾値S)以上かどうかをステップ404で判断し、差Dt,xyが一定値(閾値S)以上の場合は車両が存在していると判断してステップ405に進み、背景の更新処理を行わず、一方、差Dt,xyが一定値(閾値S)以下の場合はステップ406に進み、背景の更新処理を行う。ステップ407、408において座標を進めて、画面全体に対して背景の更新処理を行う。 【0030】なお、ステップ401における判断は速度が一定値以上、存在密度が一定値以下という条件のうちの一方の条件、例えば存在密度が一定値以下という条件のみで判断するようにしてもよい。 【0031】以上のようにして求められた背景と入力画像を用いて車両を抽出する車両抽出処理(図2のステップ205)について説明する。本処理を図5に示す。ステップ501において座標の初期化を行い、ステップ502において入力画像It,xyと背景Bt,xyとの差Ot,xyを求める。ステップ503において隣の座標の差Ot,x-1,y-1と連続しているかどうかの判定を行い、連続している場合はラベリング処理のステップ504に進み、同一の物体としてラベルをつける。連続していない場合はステップ505に進み、別の物体と判断し、ラベリング処理を中止する。ステップ506、507において座標を進めて画面全体に対して処理を実施する。ステップ508において、同一のラベルがつけられた物体の横幅等を判定し、一定値以上の大きさを持つものをステップ509で車両と判定する。一方、横幅が一定値以上でないときは、ステップ510でゴミとして破棄する。 【0032】このように、この実施形態においては、リアルタイムに背景の候補を作成しているため、気象条件や時間帯によって、明るさや天気などが刻々と変化する屋外映像においても、変化に追従した背景候補の作成を行うことができる。 【0033】また、この候補が背景として適当かどうかの判定を行い、適当な場合のみ背景を更新するようにしているため、より正確な移動物体の抽出を行うことができる。 【0034】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の移動物体検出装置によれば、変化に追従した適切な背景を作成することができるので、精度の高い移動物体の検出を行うことが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003078 【氏名又は名称】株式会社東芝
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月24日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】外川 英明
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| 【公開番号】 |
特開平11−271349 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月8日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−75341 |
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