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【発明の名称】 加速度検知装置
【発明者】 【氏名】坂 本 和 教

【氏名】川 村 健 貴

【氏名】竹 内 務

【氏名】藤 田 浩 一

【要約】 【課題】内部空間のシール性を向上させること。

【解決手段】ハウジング1に形成されターミナル端子14、15周りを開口する貫通孔16と、ハウジング1を取付ブラケット8内に収容した状態で取付ブラケット8内に注入されハウジング1周りを覆うと共に貫通孔16に流入してハウジング1と取付ブラケット8との間及び貫通孔16を密封する樹脂層9とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハウジングと、該ハウジング内に揺動自在に支持され入力された加速度に応じて揺動動作するウエイトと、前記ハウジング内に保持され前記ウエイトの揺動動作により互いに接触して導通状態となる第1及び第2の接点端子と、前記ハウジングにインサート成形され前記第1及び第2の接点端子に接続されたターミナル端子と、前記ハウジングを収容して被取付部材に固定される取付ブラケットとを有する加速度検知装置において、前記ハウジングに形成され前記ターミナル端子周りを開口する貫通孔と、前記ハウジングを前記取付ブラケット内に収容した状態で前記取付ブラケット内に注入され前記ハウジング周りを覆うと共に前記貫通孔に流入して前記ハウジングと前記取付ブラケットとの間及び前記貫通孔を密封する樹脂層とを有する加速度検知装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の衝突時等の衝撃により発生する加速度を検知する加速度検知装置に関するもので、車両のエアバッグ等の衝突安全装置の起動用スイッチとして利用される。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の加速度検知装置としては、特開平8−264088号公報に示されるものが知られている。
【0003】これは、ハウジングと、ハウジングに揺動自在に支持され入力された加速度に応じて揺動動作するウエイトと、ハウジングに保持されウエイトの揺動動作により互いに接触して導通状態となる第1及び第2の接点端子と、ハウジングにインサート成形され第1及び第2の接点端子に接続されたターミナル端子とを有するものである。
【0004】又、この従来装置では、ウエイト及び第1及び第3の接点端子は、ハウジングに圧入固定されたカバーで覆われて密封された内部空間内に配置され、更に、このように構成されたハウジングは、取付ブラケットにより被取付部材に固定されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来装置であると、ターミナル端子がハウジングを貫通しているため、ハウジング及びカバーで密封された内部空間は、ターミナル端子周りの隙間から外部と連通する恐れがある。このため、この隙間から外部の湿気等が侵入する恐れがあり、場合によっては、侵入した湿気により第1及び第2の接点端子の腐食等が発生する恐れがある。
【0006】故に、本発明は、内部空間のシール性を向上させることを、その技術的課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決するために本発明において講じた技術的手段は、ハウジングに形成されターミナル端子周りを開口する貫通孔と、前記ハウジングを取付ブラケット内に収容した状態で前記取付ブラケット内に注入され前記ハウジング周りを覆うと共に前記貫通孔に流入して前記ハウジングと前記取付ブラケットとの間及び前記貫通孔を密封する樹脂層とを有した、ことである。
【0008】この技術的手段によれば、樹脂層によりハウジング周りはもちろんのこと、貫通孔に流入した樹脂層によりターミナル端子周りも密封される。よって、第1及び第2接点端子及びウエイトが配設されるハウジング内は、外部と確実に遮断され、従来に比べてシール性が向上し得る。
【0009】
【発明の実施の形態】図1及び図2に示されるように、樹脂製のハウジング1は、底壁1a及び周壁1bを有し、周壁1bの一方端側が開口した箱形状を呈するものであって、底壁1bから形成されたコネクタ1dを一体に備えている。このハウジング1は、周壁1bの一方端に超音波溶着等で溶着されたカバー2によりその開口1cを閉塞して内部空間12を形成している。この内部空間12内には、ウエイト3及び接点組立体4が配設されている。又、ハウジング1の周壁1bの上部(図1示上の壁)と底壁1aとの間のコーナ部は、内部空間12側へと屈曲されており、接点組立体4の取付部1eを形成している。
【0010】ウエイト3は、扇形を呈したものであって、その頂点部位で両端がハウジング1の周壁1bの側部(図2示左右の壁)に支持されたピン5によりハウジング1の底壁1aと周壁1bの下部(図1示下の壁)との間のコーナ部位に揺動自在に支持されている。又、ウエイト3には、樹脂層31がモールド成形により一体に固着されており、この樹脂層31でウエイト3の揺動中心を中心とした円弧外周面3aを構成している。樹脂層31の周方向両端は、夫々、ウエイト3の周方向両端面より突出して底壁1a及周壁1bの下部と当接可能なストッパ部3a、3bを形成している。ピン5回りには、カラー6を介してスプリング7が巻回されている。このスプリング7の一端7aは、ウエイト3のストッパ部3b側の端面に係止されており、他端7bは、ハウジング1の下壁に沿って延びカバー2に係止されている。これにより、ウエイト3は、スプリング7の付勢力を受けてストッパ部3aと底壁とが当接する初期位置となるように図1示反時計方向に常時揺動付勢されている。
【0011】接点組立体4は、樹脂本体41、第1及び第2の接点端子42、43を備えており、この樹脂本体41がハウジング1の周壁1bの上部とハウジング1に形成された対の係止突起13との間に圧入され取付部1e上に載置されることでハウジング1に保持されている。係止突起13は、周壁1bの上部と対向するように底壁1cから延在形成されている。第1及び第2の接点端子42、43は、夫々、樹脂本体41にインサート成形により一体に固着されている。この第1及び第2の接点端子42、43には、夫々、一方を折り曲げて二股とされた第1の腕部42a、43a及び第2の腕部42b、43bが形成されている。第1の腕部42a、43aは、ウエイト3の円弧外周面32と対向するように樹脂本体41より突出しており、この第1の腕部42a、43aには、第1及び第2の接点44、45が互いに対向し合うように電気的に固着されている。この第1及び第2の接点44、45は、互いに接触可能であり、ウエイト3の円弧外周面32摺接可能となっている。第1及び第2の接点端子42、43は、この第1及び第2の接点44、45の接触で導通状態となり、接触解除で非導通状態となる。尚、この第1及び第2の接点44、45は、第1の腕部42a、43aを延長することで夫々、第1及び第2の接点端子42、43と一体に形成してもよい。第2の腕部42b,43bはカバー2と対向するように樹脂本体41より突出しており、この第2の腕部42b、43b間には抵抗体46が電気的に接続されている。これにより、第1及び第2の接点端子42、43は、抵抗体46を介して導通状態となっており、抵抗体46の抵抗値の有無で断線の有無をモニターできるようになっている。
【0012】図3ないし図5に示されるように、第1及び第2の接点端子42、43には、樹脂本体41から突出し且つハウジング1の取付部1eを貫通してハウジング1外に延在する脚部42c,43cが形成されている。又、ハウジング1には、コネクタ1dの第1及び第2のターミナル端子14、15がインサイート成形により一体に固着されている。この第1及び第2のターミナル端子14、15には、ハウジング1外へ延在する腕部14a、15aが形成されている。この腕部14a、15aは、脚部42c、43cと直交する配置となっており、腕部14a、15aは、折り曲げられて脚部42c、43cに機械的強度が比較的高いレーザ溶接や抵抗溶接等の各種溶接で電気的に接続されている。これにより、第1及び第2の接点端子42、43の導通・非導通状態を第1及び第2のターミナル端子14、15から外部に取り出すことができる。
【0013】図1及び図2に示されるように、ウエイト3の円弧外周面3aを構成する樹脂層31には、円弧外周面3aである外周面に円弧外周面3a上に開口し且つウエイト3の幅方向(図2示左右方向)に延在する係合溝31cが形成されている。この係合溝31cには、第1の接点44が係合可能であり、第1の接点44が係合溝31cに係合されている状態では、第1の接点44と第2の接点45との接触が解除され、第1の接点端子42と第2接点端子43とが非導通状態となっている。
【0014】図1及び図5に示されるように、ハウジングの底壁1aとコネクタ1dとの連結部位(コネクタ1dの根元部分)には、ハウジング1の周壁1aの両側部方向に延在した貫通孔16が形成されている。この貫通孔16は、第1及び第2のターミナル端子14、15を横断し、第1及び第2のターミナル端子14、15をハウジング1外に露出させるように、第1及び第2のターミナル端子14、15を開口している。又、この連結部位の外周面には、貫通孔16と同一方向に延在する対の挿入溝17が形成されている。
【0015】図1及び図2に示されるように、ケース8は、ハウジング1と同様に底壁8a及び周壁8bを備え且つ一方端が開口した箱形状を呈するものであって、底壁8aには、車両のボデー等の被取付部材に固定される取付フランジ81が設けられている。又、周壁8bの下部(図1示下方の壁)には、切欠82が形成されている。
【0016】ハウジング1は、ケース8の切欠82に挿入溝17を挿入してコネクタ1dはケース8外に突出するようにケース8内に収容されている。ケース8内に収容されたハウジング1は、ケース8内に注入されたシール材9により覆われている。このシール材9は、ハウジング1とケース8との間を充填し、しかも、ハウジング1の貫通孔16にも流入して第1及び第2のターミナル端子14、15周りにも充填されている。これにより、ハウジング1は、ケース8内に保持され、ハウジング8の内部空間12は完全に密封される。このように、ハウジング1をシール材9で密封し、しかも、このシール材9でターミナル端子14、15周りも密封したので、ハウジング1の内部空間12の必要十分な気密性を確保することができる。尚、ハウジング1外に露出している第1及び第2の接点端子42、43と第1及び第2のターミナル端子14、15の接続部位は、ハウジング1をケース8内に収容する前にあらかじめ接着剤10で覆い、保護しておくと良い。
【0017】次に図6ないし図9に基づいてその作動について説明する。
【0018】図6は、加速度未入力時の状態を示し、ウエイト3は、スプリング7の付勢力を受けてウエイト3のストッパ部3aとハウジング1の底壁との当接により初期位置に保持されている。又、第1の接点44は、ウエイト3の係合溝31bと係合しており、第2の接点45は、第1の接点44から離れるようにたわまされた状態でウエイト3の円弧外周面3aと摺接している。これにより、第1の接点44と第2の接点45とは接触が解除された状態にあり、第1の接点端子42と第2の接点端子43とは非導通状態となっている。
【0019】この状態において車両の衝突時等、所定値以上のA方向の加速度が発生すると、ウエイト3がこの加速度を受けてスプリング7の付勢力及びウエイト3の質量による慣性力に抗して図6示時計方向に図9に示す如きウエイト3のストッパ部3bがハウジング1の下壁と当接するまで揺動する。このウエイト3の揺動動作中、図7に示されるように、第1の接点44とウエイト3の係合溝31cとの係合が外れ、第1の接点44がウエイト3の円弧外周面3a上に乗り上げ始める。これにより、第1の接点44が第2の接点45と接触するようにたわまされて、第1の接点44が第2の接点45と接触し、第1の接点端子42と第2の接点端子43とが導通状態となる。このような、第1及び第2の接点端子42、43の非導通状態から導通状態への切り替わりにより加速度の入力が検知される。
【0020】図7に示す如き第1の接点44と第2の接点45とが接触した状態からウエイト3が図9示の如き状態となるまでのウエイトの揺動動作中、図8に示されるように、第1の接点45は、ウエイト3の円弧外周面3a上に完全に乗り上げた後、円弧外周面3aと摺接していく。このように、第1の接点44がウエイト3の円弧外周面3a上に完全に乗り上げることで、第2の接点45は、第1の接点44との接触を介して押圧されて円弧外周面3aから離れるようにたわまされ、この後の第1の接点44が円弧外周面3aと摺接することで、第1及び第2の接点44、45とは、第2の接点45のたわみ力により接触状態が維持される。この時、円弧外周面3aは、ウエイト3の揺動中心を中心としたものであるので、第1の接点44のウエイト3の円弧外周面3aとの摺接中に第1及び第2の接点44、45が必要以上にたわまされることはない。このように、第1及び第2の接点44、45の接触状態がウエイト3の図6示時計方向の揺動動作中において確実に維持されるので、この間の第1及び第2の接点44、45の瞬間的な非接触いわゆるチャタリングを確実に防止することができる。又、第1の接点44が摺接する円弧外周面3aが樹脂層31により構成されているので、この摺接における抵抗が低減され、ウエイト3のスムーズな動作を得ることができる。
【0021】この後、A方向の加速度が無くなると、ウエイト3は、スプリング7の付勢力を受けて前述とは逆に揺動動作し、ウエイト3のストッパ部3aとハウジング1の底壁とが当接した初期位置に復帰する。これにより、第1の接点44は、再び、ウエイト3の係合溝31cと係合して、第2の接点45との接触が解除され、第1の接点端子42と第2の接点端子43とが非導通状態となる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、ハウジングにターミナル端子周りを開口する貫通孔を設け、この貫通孔に流入し且つハウジングを覆う樹脂層をハウジングが収容された取付ブラケット内に注入してハウジングを取付ブラケットに保持したので、ウエイト及び第1及び第2の接点端子が配設されるハウジングの内部空間を完全に密封して従来に比べ、シール性を向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月15日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−174083
【公開日】 平成11年(1999)7月2日
【出願番号】 特願平9−344920