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【発明の名称】 加速度検知装置
【発明者】 【氏名】坂 本 和 教

【氏名】川 村 健 貴

【氏名】竹 内 務

【氏名】藤 田 浩 一

【要約】 【課題】ウエイトの初期位置への復帰を確実にすると共に第1及び第2の接点端子の導通・非導通の信頼性を向上させること。

【解決手段】スプリング7の付勢力に抗したウエイト3の揺動動作で、第1の接点端子42の接触部分44がウエイト3の揺動中心を中心とした円弧面3a上にこの円弧面3aに形成された係合溝31cから外れて乗り上げることで第2の接点端子43と接触して、第1の接点端子42と第2の接点端子43とを導通状態とするようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハウジング内に揺動自在に支持され入力された加速度に応じて揺動動作するウエイトと、前記ハウジングと前記ウエイトとの間に配設され前記ウエイトが初期位置で保持されるように前記ウエイトを一方向に揺動付勢するスプリングと、前記ウエイトの揺動中心を中心とした前記ウエイトの円弧面に設けられた係合溝と、前記ハウジング内に前記ウエイトの前記円弧面に対向して保持され前記ウエイトの他方向の揺動動作により互いに接触して導通状態となる第1及び第2の接点端子と、前記第1の接点端子に設けられ前記ウエイトが初期位置にある時に前記係合溝と係合して前記第2の接点端子との非接触状態を維持すると共に前記ウエイトの他方向の揺動動作により前記係合溝から前記円弧面上に乗り上げて前記第2の接点端子と接触し且つ前記円弧面と摺接する接触部分とを有する加速度検知装置。
【請求項2】 前記ウエイトに設けられ前記係合溝が形成され且つ前記接触部分が摺接する前記ウエイトの円弧面を構成する樹脂層を有する、請求項1記載の加速度検知装置。
【請求項3】 前記第2の接点端子に設けられ前記円弧面と摺接する接触部分との接触を介してたわまされて前記接触部分と接触する被接触部分を有する、請求項1記載の加速度検知装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の衝突時等の衝撃により発生する加速度を検知する加速度検知装置に関するもので、車両のエアバッグ等の衝突安全装置の起動用スイッチとして利用される。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の加速度検知装置としては、特開平8−235981号公報に示されるものが知られている。
【0003】これは、ハウジング内に揺動自在に支持され入力された加速度に応じて揺動動作するウエイトと、ウエイトに設けられウエイトと一体に揺動動作するカムと、ハウジング内にカムと対向して保持されウエイトの揺動動作により互いに接触して導通状態となる第1及び第2の接点端子と、第1の接点端子に形成されカムとたわみ力をもって当接してウエイトが初期位置にある時に第2の接点端子との非接触状態を維持すると共にウエイトの揺動動作でカムによってたわみ力が増す方向に押圧されて第2の接点端子と接触する接触部分とを有するものである。
【0004】この従来装置では、ウエイトは、第1の接点端子の接触部分のたわみ力によってカムを介して初期位置に保持されており、ウエイトが第1の接点端子の接触部分のたわみ力に抗して揺動動作すると、この接触部分は、カムにより押圧されてよりたわまされ、第2の接点端子と接触する。この接触部分と第2の接点端子との接触により、第1及び第2の接点端子を導通状態としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来装置であると、ウエイトが揺動し続けるかぎり、第1接点端子の接触部分がカムにより押圧されてそのたわみ力が増し続けるようによりたわまされていくので、使用頻度が増すと、この接触部分が塑性変形を起こす恐れがあり、この結果、第2の接点端子との接触状態を解除することやウエイトを初期位置へと復帰させることが困難となったりする恐れがある。又、ウエイトの揺動動作時、カムが必要以上に接触部分を押圧しないようにカム形状を変更すると、ウエイトを初期位置へと復帰させることが困難となってしまう。
【0006】故に、本発明は、ウエイトの初期位置への復帰を確実にすると共に第1及び第2の接点端子の導通・非導通の信頼性を向上させることを、その技術的課題とすものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決するために本発明において講じた技術的手段は、ハウジング内に揺動自在に支持され入力された加速度に応じて揺動動作するウエイトと、前記ハウジングと前記ウエイトとの間に配設され前記ウエイトが初期位置で保持されるように前記ウエイトを一方向に揺動付勢するスプリングと、前記ウエイトの揺動中心を中心とした前記ウエイトの円弧面に設けられた係合溝と、前記ハウジング内に前記ウエイトの前記外周面に対向して保持され前記ウエイトの他方向の揺動動作により互いに接触して導通状態となる第1及び第2の接点端子と、前記第1の接点端子に設けられ前記ウエイトが初期位置にある時に前記係合溝と係合して前記第2の接点端子との非接触状態を維持すると共に前記ウエイトの他方向の揺動動作により前記係合溝から前記円弧面上に乗り上げて前記第2の接点端子と接触し且つ前記円弧面と摺接する接触部分とを有した、ことである。
【0008】この技術的手段によれば、加速度が発生すると、この加速度によりウエイトはスプリングの付勢力に抗して揺動動作して第1の接点端子と第2接点端子とを導通状態とし、加速度がなくなるとスプリングの付勢力により初期位置に復帰して第2の接点端子と第2接点端子とを再び非導通状態とする。このように、ウエイトは、スプリングの付勢力により初期位置に復帰するため、使用頻度が増してもその復帰動作は、従来に比べて確実に行われる。又、第1の接点端子と第2接点端子とは、ウエイトの加速度による揺動動作時、第1の接点端子の接触部分がウエイトの円弧面に形成された係合溝からウエイトの円弧面上に乗り上げ第2の接点端子と接触することで、導通状態となり、この後、第1の接点端子の接触部分は、ウエイトの揺動動作によってウエイトの円弧面と摺接して第2の接点端子との接触が維持される。ウエイトが初期位置に復帰すると、第1の接点端子と第2の接点端子とは、第1の接点端子の接触部分が係合溝と再び係合して第2の接点端子との接触が解除されることで、非導通状態となる。このように、第1の接点端子の接触部分は、ウエイトの円弧面の係合溝から円弧面上に乗り上げて第2の接点端子と接触した後、ウエイトの円弧面上を摺接して第2の接点端子との接触を維持するので、ウエイトの揺動動作により必要以上にたわまされることがない。よって、使用頻度が増しても第1の接点端子の接触部分の塑性変形がなく、従来に比べて第1及び第2の接点端子の導通・非導通の信頼性が向上する。
【0009】より好ましくは、前記ウエイトに設けられ前記係合溝が形成され且つ前記接触部分が摺接する前記ウエイトの円弧面を構成する樹脂層を有する、と良い。
【0010】より好ましくは、前記第2の接点端子に設けられ前記円弧面と摺接する接触部分との接触を介してたわまされて前記接触部分と接触する被接触部分を有する、と良い。
【0011】
【発明の実施の形態】図1及び図2に示されるように、樹脂製のハウジング1は、コネクタ11を一体に備えたものであって、ハウジング1に超音波溶着等で溶着されたカバー2により閉塞される内部空間12を形成している。この内部空間12内には、ウエイト3及び接点組立体4が配設されている。
【0012】ウエイト3は、扇形を呈したものであって、その頂点部位で両端がハウジング1の側壁(図2示左右の壁)に支持されたピン5によりハウジング1の底壁(カバー2の対向する図1示左の壁)と下壁(図1示下の壁)との間のコーナ部位に揺動自在に支持されている。又、ウエイト3には、樹脂層31がモールド成形により一体に固着されており、この樹脂層31でウエイト3の揺動中心を中心とした円弧外周面3aを構成している。樹脂層31の周方向両端は、夫々、ウエイト3の周方向両端面より突出して底壁及び下壁と当接可能なストッパ部3a、3bを形成している。ピン5回りには、カラー6を介してスプリング7が巻回されている。このスプリング7の一端7aは、ウエイト3のストッパ部3b側の端面に係止されており、他端7bは、ハウジング1の下壁に沿って延びカバー2に係止されている。これにより、ウエイト3は、スプリング7の付勢力を受けてストッパ部3aと底壁とが当接する初期位置となるように図1示反時計方向に常時揺動付勢されている。
【0013】接点組立体4は、樹脂本体41、第1及び第2の接点端子42、43を備えており、この樹脂本体41がハウジング1の上壁(図1示上の壁)とハウジング1に形成された対の係止突起13との間に圧入されることでハウジング1に固着されている。第1及び第2の接点端子42、43は、夫々、樹脂本体41にインサート成形により一体に固着されており、その端部は、樹脂本体41から突出し且つハウジング1の底壁を貫通してハウジング1外に延在し、ハウジング1にインサイート成形により一体に固着されたコネクタ11のターミナル端子11a、11bに溶接等で電気的に接続されている。第1及び第2の接点端子42、43には、夫々、一方を折り曲げて二股とされた第1の腕部42a、43a及び第2の腕部42b、43bが形成されている。第1の腕部42a、43aは、ウエイト3の円弧外周面32と対向するように樹脂本体41より突出しており、この第1の腕部42a、43aには、第1及び第2の接点44、45が互いに対向し合うように電気的に固着されている。この第1及び第2の接点44、45は、互いに接触可能であり、ウエイト3の円弧外周面32摺接可能となっている。第1及び第2の接点端子42、43は、この第1及び第2の接点44、45の接触で導通状態となり、接触解除で非導通状態となる。尚、この第1及び第2の接点44、45は、第1の腕部42a、43aを延長することで夫々、第1及び第2の接点端子42、43と一体に形成してもよい。第2の腕部42b,43bはカバー2と対向するように樹脂本体41より突出しており、この第2の腕部42b、43b間には抵抗体46が電気的に接続されている。これにより、第1及び第2の接点端子42、43は、抵抗体46を介して導通状態となっており、抵抗体46の抵抗値の有無で断線の有無をモニターできるようになっている。
【0014】ウエイト3の円弧外周面3aを構成する樹脂層31には、円弧外周面3aである外周面に円弧外周面3a上に開口し且つウエイト3の幅方向(図2示左右方向)に延在する係合溝31cが形成されている。この係合溝31cには、第1の接点44が係合可能であり、第1の接点44が係合溝31cに係合されている状態では、第1の接点44と第2の接点45との接触が解除され、第1の接点端子42と第2接点端子43とが非導通状態となっている。このように、ウエイト3の円弧外周面3aをウエイト3にモールドされた樹脂層31で構成し、この樹脂層31に係合溝31cを形成するので、ウエイト3の製造が容易で、精度良く製造することができる。
【0015】このようにウエイト3及び接点組立体4が収容されたハウジング1は、金属製のケース8内に収められて車両のボデー等に取り付けられる。尚、ハウジング1はケース8内でシール材9により密封されている。
【0016】次に図3ないし図6に基づいてその作動について説明する。
【0017】図3は、加速度未入力時の状態を示し、ウエイト3は、スプリング7の付勢力を受けてウエイト3のストッパ部3aとハウジング1の底壁との当接により初期位置に保持されている。又、第1の接点44は、ウエイト3の係合溝31cと係合しており、第2の接点45は、第1の接点44から離れるようにたわまされた状態でウエイト3の円弧外周面3aと摺接している。これにより、第1の接点44と第2の接点45とは接触が解除された状態にあり、第1の接点端子42と第2の接点端子43とは非導通状態となっている。
【0018】この状態において車両の衝突時等、所定値以上のA方向の加速度が発生すると、ウエイト3がこの加速度を受けてスプリング7の付勢力及びウエイト3の質量による慣性力に抗して図3示時計方向に図6に示す如きウエイト3のストッパ部3bがハウジング1の下壁と当接するまで揺動する。このウエイト3の揺動動作中、図4に示されるように、第1の接点44とウエイト3の係合溝31cとの係合が外れ、第1の接点44がウエイト3の円弧外周面3a上に乗り上げ始める。これにより、第1の接点44が第2の接点45と接触するようにたわまされて、第1の接点44が第2の接点45と接触し、第1の接点端子42と第2の接点端子43とが導通状態となる。このような、第1及び第2の接点端子42、43の非導通状態から導通状態への切り替わりにより加速度の入力が検知される。
【0019】図4に示す如き第1の接点44と第2の接点45とが接触した状態からウエイト3が図6示の如き状態となるまでのウエイトの揺動動作中、図5に示されるように、第1の接点45は、ウエイト3の円弧外周面3a上に完全に乗り上げた後、円弧外周面3aと摺接していく。このように、第1の接点44がウエイト3の円弧外周面3a上に完全に乗り上げることで、第2の接点45は、第1の接点44との接触を介して押圧されて円弧外周面3aから離れるようにたわまされ、この後の第1の接点44が円弧外周面3aと摺接することで、第1及び第2の接点44、45とは、第2の接点45のたわみ力により接触状態が維持される。この時、円弧外周面3aは、ウエイト3の揺動中心を中心としたものであるので、第1の接点44のウエイト3の円弧外周面3aとの摺接中に第1及び第2の接点44、45が必要以上にたわまされることはない。このように、第1及び第2の接点44、45の接触状態がウエイト3の図3示時計方向の揺動動作中において確実に維持されるので、この間の第1及び第2の接点44、45の瞬間的な非接触いわゆるチャタリングを確実に防止することができる。又、第1の接点44が摺接する円弧外周面3aが樹脂層31により構成されているので、この摺接における抵抗が低減され、ウエイト3のスムーズな動作を得ることができる。
【0020】この後、A方向の加速度が無くなると、ウエイト3は、スプリング7の付勢力を受けて前述とは逆に揺動動作し、ウエイト3のストッパ部3aとハウジング1の底壁とが当接した初期位置に復帰する。これにより、第1の接点44は、再び、ウエイト3の係合溝31cと係合して、第2の接点45との接触が解除され、第1の接点端子42と第2の接点端子43とが非導通状態となる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、スプリングの付勢力に抗したウエイトの揺動動作で、第1の接点端子の接触部分がウエイトの揺動中心を中心とした円弧面上にこの円弧面に形成された係合溝から外れて乗り上げることで第2の接点端子と接触して、第1の接点端子と第2の接点端子とを導通状態とするので、ウエイトの初期位置への復帰を確実にすると共に第1及び第2の接点端子の導通・非導通の信頼性を向上させることができる。
【0022】又、本発明によれば、ウエイトに設けられた樹脂層でウエイトの円弧面を構成する共に係合溝を形成するので、ウエイトの製造が容易で、ウエイトを精度良く製造することができる。又、ウエイトの円弧面と第1の接点端子の接触部分との摺接による抵抗を軽減でき、ウエイトの揺動動作をスムーズなものとすることができる。
【0023】又、本発明によれば、第2の接点端子に第1の接触部分とたわまされて接触する被接触部分を設けたので、被接触部分のたわみ力により接触部分と被接触部分の接触を確実に維持することができ、第1の接点端子と第2の接点端子間のチャタリングを防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月15日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−174082
【公開日】 平成11年(1999)7月2日
【出願番号】 特願平9−344919