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【発明の名称】 加速度検出装置
【発明者】 【氏名】八木 健

【要約】 【課題】個々の歪測定部にバラツキがあっても検出精度を向上させることが可能な加速度検出装置を提供する。

【解決手段】本発明に係る加速度検出装置10は、加速度を受けて変形する部材7を有し、該部材7における複数方向の歪を測定して該加速度を検出する装置であって、上記部材7におけるある方向の歪を検出するために2組以上の歪測定部11a〜11xを設けるとともに、該2組以上の歪測定部11a〜11xで各々得た測定値を平均化する回路を設けたことを特徴とする。従って、個々の抵抗部にバラツキがあっても検出精度を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 加速度を受けて変形する部材を有し、該部材における複数方向の歪を測定して該加速度を検出する加速度検出装置であって;上記部材におけるある方向の歪を検出するために2組以上の歪測定部を設けるとともに、該2組以上の歪測定部で各々得た測定値を平均化する回路を設けたことを特徴とする加速度検出装置。
【請求項2】 上記歪測定部が、半導体基板の表面に形成した不純物の拡散層であり、同層の電気抵抗値を測定して同部にかかる歪を測定することを特徴とする請求項1記載の加速度検出装置。
【請求項3】 上記歪測定部が、半導体基板の内部に形成した、該基板表面から所定の深さを有する不純物の拡散層であり、同層の電気抵抗値を測定して同部にかかる歪を測定することを特徴とする請求項1記載の加速度検出装置。
【請求項4】 上記歪測定部が半導体基板表面の上方にマイクロブリッジ状に形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の加速度検出装置。
【請求項5】 上記2組以上の抵抗部の相互間の距離を5μm 以上r√2μm 以下とすることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項記載の加速度検出装置;但し、rは歪測定部が設けられるメンブレンの外半径とする。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加速度を受けて変形する部材を有し、該部材における複数方向の歪を測定して該加速度を検出する加速度検出装置に関する。特には、個々の歪測定部抵抗部にバラツキがあっても検出精度を向上させることが可能な加速度検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図17は、従来の加速度検出装置を示すものであり、メンブレン上に形成したピエゾ抵抗部の配置を示す平面図である。
【0003】この加速度検出装置はSiウエハ108上に構成されている。このSiウエハ108は、平面形状が8角形の質量部5と、この質量部5の周囲に形成された8角形のドーナツ型のメンブレン部(薄膜部)7を有する。
【0004】メンブレン部7には、横一列に第1〜第4のピエゾ抵抗部101a〜101dが直線状に配置されており、これらが左右方向(X軸方向という)の加速度を検出する。また、これらのピエゾ抵抗部と直交する縦方向に、第5〜第8のピエゾ抵抗部101e〜101hが直線状に配置されており、これらが上下方向(Y軸方向という)の加速度を検出する歪測定部を構成する。さらに、これらのピエゾ抵抗部と45°の角度をなす方向に第9〜第12のピエゾ抵抗部101i〜101lが、直線状に配置されており、これらが図の紙面の垂直方向(Z軸方向という)の加速度を検出する歪測定部を構成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の加速度検出装置では、1軸あたりの加速度を検出するための4個のピエゾ抵抗部を1組として構成し、それら4個のピエゾ抵抗部をブリッジ状に配置している。このため、この1組の個々の抵抗が等しく同じように作られておらず、個々の抵抗の性能にバラツキ(通常は数%程度のバラツキが生じると考えられる)が生じている場合は、出力信号のオフセットや感度などのバラツキにつながり、検出精度の低下の原因となる。つまり、個々の抵抗を見ればわずかなバラツキであってもブリッジによる組み合わせでバラツキが大きくなってしまう。このような個々の抵抗の性能のバラツキは主に素子製造プロセス(ピエゾ抵抗部の製造プロセス)などに起因する。また、個々の抵抗の性能のバラツキが生じることは避けられないのが通常である。
【0006】本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、個々の歪測定部にバラツキがあっても検出精度を向上させることが可能な加速度検出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明に係る加速度検出装置は、加速度を受けて変形する部材を有し、該部材における複数方向の歪を測定して該加速度を検出する加速度検出装置であって;上記部材におけるある方向の歪を検出するために2組以上の歪測定部を設けるとともに、該2組以上の歪測定部で各々得た測定値を平均化する回路を設けたことを特徴とする。
【0008】上記加速度検出装置では、2組以上の歪測定部を設けるとともに、該2組以上の歪測定部で各々得た測定値を平均化する回路を設けているため、該歪測定部により測定される測定値を平均化回路を用いて平均化することができる。従って、個々の歪測定部の性能にバラツキがあったとしても、歪測定部のバラツキによる誤差を小さくすることができる。したがって、加速度の検出精度を向上させることができる。
【0009】また、上記歪測定部が、半導体基板の表面に形成した不純物の拡散層であり、同層の電気抵抗値を測定して同部にかかる歪を測定することが好ましい。また、上記歪測定部が、半導体基板の内部に形成した、該基板表面から所定の深さを有する不純物の拡散層であり、同層の電気抵抗値を測定して同部にかかる歪を測定することが好ましい。また、上記歪測定部が半導体基板表面の上方にマイクロブリッジ状に形成されたものであることが好ましい。
【0010】また、上記2組以上の抵抗部の相互間の距離を5μm 以上r√2μm 以下とすることが好ましい。但し、rは抵抗部が形成されるメンブレンの外半径とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態による加速度検出装置を示すものであり、メンブレン上に形成したピエゾ抵抗部の配置を示す平面図である。図2は、図1に示す2−2線に沿った断面図である。
【0012】加速度検出装置10の主要部は、図2に示すSiウエハ8上に構成されている。このSiウエハ8は、中央部の平面形状が8角形をなす質量部5と、この質量部5の周囲に形成された8角形のドーナツ型のメンブレン部(薄膜部)7と、このメンブレン部7の周辺に連結された支持部9から構成されている。質量部5にかかる加速度によってメンブレン部7が歪むのを測定して加速度を検出する。メンブレン部7の上表面には、歪測定部としての第1〜第24のピエゾ抵抗部(n型又はp型のピエゾ抵抗)11a〜11xが形成されている。このピエゾ抵抗部はSiウエハ8の表面にn型不純物又はp型不純物の拡散層を形成したものである。
【0013】質量部5の下面には加速度が作用する重錘体3が接合されている。支持部9の下には連結部13を介してシリコン台座15が接合されている。重錘体3の側面及び底部は連結部13及びシリコン台座15により覆われており、重錘体3の側面と連結部13との間、及び、重錘体3の底部とシリコン台座15との間には所定の隙間が設けられている。また、支持部9の上にはメンブレン部7及び質量部5を覆うように上蓋17が取り付けられている。上蓋17及びシリコン台座15は、重錘体3に通常を越える加速度が作用した際に、重錘体3が過大に振れるのを防止するストッパーとしての役割を果たす。
【0014】このような加速度検出装置10に加速度が加わると、当然に重錘体3にも加速度が加わり重錘体3が揺動する。この重錘体3の揺動が質量部5を介してメンブレン部7に及び同部7が撓んで変形する。その結果、メンブレン部7に形成されているピエゾ抵抗部も歪む(伸び縮みする)ため、ピエゾ抵抗部の抵抗値が変化し、この抵抗値の変化を検出することによって加速度等を検出することができる。
【0015】図1に示すように、左右横方向に配置されている第1〜第8のピエゾ抵抗部11a〜11hは、X軸方向の加速度を検出するためのものである。上下方向に配置されている第9〜第16のピエゾ抵抗部11i〜11pは、Y軸方向の加速度を検出するためのものである。斜め45°方向に配置されている第17〜第24のピエゾ抵抗部11q〜11xは、Z軸方向の加速度を検出するためのものである。
【0016】X軸、Y軸、Z軸それぞれにおいて、1軸あたりの加速度(力)を検出するためのピエゾ抵抗部は各2組形成されている。つまり、第1〜第4のピエゾ抵抗部11a〜11dが、メンブレン部7上に配置されており、これらがX軸方向の加速度を検出するための1組の検出部である。第5〜第8のピエゾ抵抗部11e〜11hがもう1組の検出部である。第1〜第4のピエゾ抵抗部11a〜11dと第5〜第8のピエゾ抵抗部11e〜11hとは互いに同じものである。
【0017】Y軸、Z軸についても同様である。第9〜第12のピエゾ抵抗部11i〜11lはメンブレン部7上でX軸方向の加速度を検出する検出部と直角方向に配置されており、これらがY軸方向の加速度を検出するための1組の検出部である。第13〜第16のピエゾ抵抗部11m〜11pがもう1組の検出部である。第9〜第12のピエゾ抵抗部11i〜11lと第13〜第16のピエゾ抵抗部11m〜11pとは互いに同じものである。
【0018】また、第17〜第20のピエゾ抵抗部11q〜11tはメンブレン部7上でY軸方向の加速度を検出する検出部と45度の角度を有して配置されており、これらがZ軸方向の加速度を検出するための1組の検出部である。第21〜第24のピエゾ抵抗部11u〜11xがもう1組の検出部である。第17〜第20のピエゾ抵抗部11q〜11tと第21〜第24のピエゾ抵抗部11u〜11xとは互いに同じものである。
【0019】X軸、Y軸において並べて配置されている2組の検出部の相互間には所定の距離が必要となる。つまり、ピエゾ抵抗部の間隔L(例えば図1に示す第1のピエゾ抵抗部11aと第5のピエゾ抵抗部11eとの間隔L)を一定の範囲内とする必要がある。この抵抗間の距離の制限について以下に説明する。
【0020】抵抗間でパンチスルーなどによる短絡などが起きる距離Lは、一方のピエゾ抵抗部にかかった電位により発生した空乏層が他方のピエゾ抵抗部に到達する距離に等しい。このため、該到達する距離よりも長い距離(該空乏層が他方の抵抗部に届かない距離)を保つように設定しておけば、抵抗間での短絡などの電気的な不都合は生じなくなる。従って、必要となる距離Lの最低値は以下の式で求めることができる。
L={2Ks0 (NA +ND )φT/qNAD1/2 ・・・(1)
ここで、φTは静電ポテンシャルの全変動量、qは電子の電荷量、NA は抵抗間のP型不純物濃度、ND は抵抗間のN型不純物濃度、Ks は半導体の誘電率、e0 は真空の誘電率である。
【0021】式(1)及び実験と計算値を考慮すると、抵抗の間隔Lは5μm 以上必要である(L≧5μm )。
【0022】また、抵抗はメンブレン部上で線対称の配置にできれば良いということを考慮すると、抵抗の間隔Lはr√2μm 以下である必要がある(L≦r√2μm )。但し、rはメンブレンの外半径とする。よって、5≦L≦r√2 (μm )
【0023】図3は、X,Y.Zの各軸についての加速度を検出する2組の歪測定部それぞれにより検出した値を平均化するための回路の図である。
【0024】図3に示す接続端子A,C,D,Fは図1に示すY軸についての接続端子A,C,D,Fに対応する。また、図1に示すX軸についての接続端子と図3の平均化回路の接続端子との関係はY軸の場合と同様である。また、図1に示すZ軸についての接続端子と図3の平均化回路の接続端子との関係はY軸の場合と異なる。つまり、図3に示す接続端子a,c,d,fが図1に示すZ軸についての接続端子a,c,d,fに対応する。接続端子A,F又はa,fは第1のオペアンプ41の入力端子に接続されており、第1のオペアンプ41の出力端子は抵抗器R1の一端に接続されている。また、接続端子C,D又はc,dは第2のオペアンプ43の入力端子に接続されており、第2のオペアンプ43の出力端子は抵抗器R2の一端に接続されている。抵抗器R2の他端は、抵抗器R1の他端、抵抗器R3の一端及び第3のオペアンプ45の反転入力端子に接続されている。第3のオペアンプ45の非反転入力端子は接地されており、第3のオペアンプ45の出力端子は抵抗器R3の他端に接続されている。
【0025】図1に示すY軸方向の加速度を検出する検出部の接続関係を説明する。接続端子Bの一端は接地されており、接続端子Bの他端は第9のピエゾ抵抗部11iの一端及び第13のピエゾ抵抗部11mの一端それぞれに接続されている。第9のピエゾ抵抗部11iの他端は接続端子A及び第10のピエゾ抵抗部11jの一端それぞれに接続されている。第10のピエゾ抵抗部11jの他端は第14のピエゾ抵抗部11nの他端と接続端子47に接続されており、第14のピエゾ抵抗部11nの一端は接続端子C及び第13のピエゾ抵抗部11mの他端それぞれに接続されている。
【0026】接続端子Eの一端は接地されており、接続端子Eの他端は第12のピエゾ抵抗部11lの一端及び第16のピエゾ抵抗部11pの一端それぞれに接続されている。第12のピエゾ抵抗部11lの他端は接続端子F及び第11のピエゾ抵抗部11kの一端それぞれに接続されている。第11のピエゾ抵抗部11kの他端は第15のピエゾ抵抗部11oの他端と接続端子47に接続されており、第15のピエゾ抵抗部11oの一端は接続端子D及び第16のピエゾ抵抗部11pの他端それぞれに接続されている。また、接続端子47は図示せぬ電源に接続されている。
【0027】図3はY軸方向の加速度を検出する検出部に接続する平均化回路を示しているが、図1に示すX軸方向の加速度を検出する検出部についても同様の回路を同様の接続方法により接続する必要がある。
【0028】尚、この平均化回路は単なる例示であり、検出部から得られる2つの値の平均値をとることができれば、他の回路を用いることも可能である。
【0029】次に、図1に示すZ軸方向の加速度を検出する検出部の接続関係を説明する。接続端子bの一端は接地されており、接続端子bの他端は第18のピエゾ抵抗部11rの一端に接続されている。第18のピエゾ抵抗部11rの他端は接続端子a及び第17のピエゾ抵抗部11qの一端それぞれに接続されている。第17のピエゾ抵抗部11qの他端は接続端子47’に接続されている。また、接続端子e’の一端は接地されており、接続端子e’の他端は接続端子f及び第19のピエゾ抵抗部11sの一端それぞれに接続されている。
【0030】接続端子b’の一端は接地されており、接続端子b’の他端は第21のピエゾ抵抗部11uの一端に接続されている。第21のピエゾ抵抗部11uの他端は第22のピエゾ抵抗部11vの一端及び接続端子cに接続されている。また、接続端子eの一端は接地されており、接続端子eの他端は第23のピエゾ抵抗部11wの一端に接続されている。第23のピエゾ抵抗部11wの他端は接続端子d及び第24のピエゾ抵抗部11xの一端それぞれに接続されており、第24のピエゾ抵抗部11xの他端は接続端子47に接続されている。
【0031】上記第1の実施の形態によれば、メンブレン部7に1軸あたりの加速度を検出するための4個からなるピエゾ抵抗部を各2組形成し、加速度を検出する際に該ピエゾ抵抗部により測定される測定値を図3に示す平均化回路を用いて平均化することができる。このため、個々の抵抗部の性能に例えば素子製造プロセスなどに起因するバラツキがあったとしても、抵抗部のバラツキによる誤差を小さくすることができる。したがって、加速度の検出精度を向上させることができる。
【0032】図4は、図2に示すピエゾ抵抗部の変形例を示す断面図であり、図2と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0033】P型のSiウエハ8のメンブレン部7にはn型不純物の拡散層からなるピエゾ抵抗部12が形成されており、このピエゾ抵抗部12の表面にはp型不純物の拡散層14が形成されている。つまり、ピエゾ抵抗部12はその一部がメンブレン部7の表面から所定の深さを有するn型不純物の拡散層である。メンブレン部7の上には絶縁膜(シリコン酸化膜)18が形成されており、この絶縁膜18にはピエゾ抵抗部12上に位置するコンタクトホール18aが形成されている。コンタクトホール18a内及び絶縁膜18上にはAl配線19が形成されており、このAl配線19はピエゾ抵抗部12に電気的に接続されている。
【0034】上記変形例においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、この変形例ではウエハ8の内部に抵抗部12を形成しているため、図2に示すようにウエハ8の表面に抵抗部を形成するのに比べて抵抗部が表面の電気的影響を受けず、ノイズやリーク電流を下げる効果があり、加速度検出装置の感度を向上させることができる。
【0035】図5は、図2に示すピエゾ抵抗部の他の変形例を示す断面図である。抵抗素子51は、ピエゾ抵抗効果により電気抵抗が変化するP型単結晶シリコンからなり、その第一部分である両端下部が、起歪体であるSiウエハ8に固定されている。これと共に、第二部分である端部と端部との間の部位(抵抗素子の可撓部)が、Siウエハ8の表面から離れて構成されたマイクロブリッジ状となっている。尚、この抵抗素子51を構成する物質としては、P型単結晶シリコンに限らず、ピエゾ抵抗効果により電気抵抗が変化する他の物質を用いても良い。
【0036】また、抵抗素子51とSiウエハ8とが接触する位置にはP型拡散層よりなるコンタクト部54a,54bが設けられている。このコンタクト部54a,54bはAl配線53a,53bと連結する構成となっている。更に、このAl配線53a,53bは、絶縁膜であるシリコン酸化膜55によりSiウエハ8とは電気的に絶縁されている。
【0037】このコンタクト部54a,54bには、図示せぬ電源からの一定電流又は一定電圧がAl配線53a,53bを介して供給されている。従って、抵抗素子51に対して、常に一定電流又は一定電圧がコンタクト部54a,54bから供給される構成となっている。
【0038】上記構成において、Siウエハ8が計測目的とする加速度の影響で歪んだ場合、この歪みに応じて抵抗素子51の可撓部も歪むため、抵抗素子51の電気抵抗値がSiウエハ8の歪みに応じて変化することになる。この変化量を検出することにより加速度を測定することができる。
【0039】上記他の変形例においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。尚、上記他の変形例では、コンタクト部54a,54bがAl配線53a,53bと連結する構成としているが、これに限られず、コンタクト部54a,54bが例えばSiなどを含むAl合金配線と連結する構成とすることも可能である。
【0040】図6〜図15は、本発明の第2の実施の形態による加速度検出装置の製造方法を示す断面図である。
【0041】先ず、図6に示すように、P型のSiウエハ21の表面上に例えば厚さが5μm 程度のn型のエピタキシャル成長層23を形成する。このn型のエピタキシャル成長層23は後工程のメンブレン形成時のエッチング停止層となるものである。次に、n型のエピタキシャル成長層23の上に例えば厚さが10μm 程度のp型のエピタキシャル成長層25を形成する。このp型のエピタキシャル成長層25は後の工程で素子が形成される層である。
【0042】次に、図7に示すように、p型のエピタキシャル成長層25上及びSiウエハ21裏面上に熱酸化法により厚さが500オングストローム程度の酸化膜(SiO2 )27a,27bを形成する。この後、ウエハ21裏面側の酸化膜27bの上に低圧CVD(Chemical Vapor Deposition)やプラズマCVDにより例えば膜厚が1000〜5000オングストローム程度のSi34 膜29を形成する。次に、ウエハ21表面側の酸化膜27aの膜厚が5000オングストローム程度となるように熱酸化する。
【0043】この後、図8に示すように、n型のエピタキシャル層23と配線とを接続するコンタクト領域25aを形成する工程をウエハ21に施す。すなわち、フォトリソグラフィー法とエッチングを用いてウエハ21表面側の熱酸化膜27aをパターニングする。次に、この熱酸化膜27aをマスクとしてイオン注入又はPOCl3 拡散を行うことにより、p型のエピタキシャル成長層25にn型不純物であるPをドープする。この後、この不純物をp型のエピタキシャル成長層25内で熱拡散させることにより、n型のエピタキシャル成長層23に到達するn型不純物の拡散層25aを形成する。この熱拡散を行う時に併せてp型のエピタキシャル成長層25の表面が露出している部分を酸化することにより、n型不純物の拡散層25aの上に図示せぬ熱酸化膜を形成する。この熱酸化膜は後の工程でマスクとして用いる。
【0044】次に、図9に示すように、ピエゾ抵抗部25bを形成する工程をウエハ21に施す。すなわち、フォトリソグラフィー法とエッチングを用いて熱酸化膜27aをパターニングする。次に、この熱酸化膜27aをマスクとしてイオン注入又はPOCl3 拡散を行うことにより、p型のエピタキシャル成長層25にn型不純物であるPをドープする。この後、この不純物を熱拡散させることにより、p型のエピタキシャル成長層25内に例えば3μm の深さのn型不純物の拡散層25bを形成する。この熱拡散を行う時に併せてp型のエピタキシャル成長層25の表面が露出している部分を酸化することにより、n型不純物の拡散層25bの上に図示せぬ熱酸化膜を形成する。この熱酸化膜は後の工程でマスクとして用いる。
【0045】この後、図10に示すように、ピエゾ抵抗部25bと配線とを接続するコンタクト領域25cを形成する工程をウエハ21に施す。すなわち、フォトリソグラフィー法とエッチングを用いて熱酸化膜27aをパターニングする。次に、この熱酸化膜27aをマスクとしてイオン注入又はPOCl3 拡散を行うことにより、p型のエピタキシャル成長層25にn型不純物であるPをドープする。この後、この不純物をp型のエピタキシャル成長層25内で熱拡散させることにより、n型不純物の拡散層25b内の一部に例えば3μm の深さのn型不純物の拡散層25cを形成する。この熱拡散を行う時に併せてp型のエピタキシャル成長層25の表面が露出している部分を酸化することにより、n型不純物の拡散層25cの上に図示せぬ熱酸化膜を形成する。この熱酸化膜は後の工程でマスクとして用いる。
【0046】次に、図11に示すように、p型のエピタキシャル層25と配線とを接続するコンタクト領域25dを形成する。工程をウエハ21に施す。すなわち、フォトリソグラフィー法とエッチングを用いて熱酸化膜27aをパターニングする。次に、この熱酸化膜27aをマスクとしてイオン注入又はBN拡散を行うことにより、p型のエピタキシャル成長層25にp型不純物であるBをドープする。この後、この不純物を熱拡散させることにより、p型のエピタキシャル成長層25内に例えば1μm の深さのp型不純物の拡散層25dを形成する。この熱拡散を行う時に併せてp型のエピタキシャル成長層25の表面が露出している部分を酸化することにより、p型不純物の拡散層25dの上に図示せぬ熱酸化膜を形成する。この熱酸化膜は後の工程でマスクとして用いる。
【0047】この後、図12に示すように、フォトリソグラフィー法とエッチングを用いて熱酸化膜27aをパターニングすることにより、各ドープ部(各拡散層)25a,25c,25dそれぞれと配線とを接続するためのコンタクトホール28を形成する。
【0048】次に、図13に示すように、コンタクトホール28内及び熱酸化膜27aの上に蒸着又はスパッタリングなどにより例えばAl膜を形成する。次に、このAl膜をフォトリソグラフィー法とエッチングを用いてパターニングすることにより、コンタクトホール28内及び熱酸化膜27a上にAl配線31を形成する。
【0049】この後、図14に示すように、Al配線31及び熱酸化膜27aの上に常圧CVD又はプラズマCVDなどによりPSG膜又はSi34 膜33を形成する。PSG膜又はSi34 膜33は素子形成面を保護するためのものである。次に、PSG膜又はSi34 膜33をフォトリソグラフィー法とエッチングを用いてパターニングすることにより、PSG膜又はSi34 膜33にAl配線31上に位置するパッド部33a,33bを形成する。これらパッド部33a,33bはAl配線31と外部とのコンタクトをとるためのものである。
【0050】次に、図15に示すように、メンブレンとなる薄膜部を形成する工程をウエハ21に施す。すなわち、ウエハ21裏面側のSi34 膜29をフォトリソグラフィー法とエッチングを用いてパターニングする。次に、このパターニングしたSi34 膜29をマスクとして、例えばKOH水溶液を用いた電気化学エッチング法によりSiウエハ21を裏面側からエッチングする。この際、n型のエピタキシャル成長層23がこれに電圧を印加することによりエッチング停止層として作用する。この結果、ピエゾ抵抗素子部のSiウエハが薄膜化され(ピエゾ抵抗素子部の下に存在するウエハ21が除去され)、ピエゾ抵抗素子部においてメンブレン35が形成される。
【0051】ここで、素子の感度を上げる場合は、続いてウエハ21の裏面の中央部に重錘体となる図示せぬガラス基材を陽極接合法などにより接合する。更に、一部がエッチングされ窪みが形成された図示せぬSiウエハを、該ガラス基材の反対面に再び陽極接合法などにより接合し、加速度センサーとする。
【0052】尚、上記第2の実施の形態では、n型のピエゾ抵抗を例にとって製造方法を説明しているが、p型のピエゾ抵抗も同様な方法により製造することが可能である。
【0053】図16は、本発明の第3の実施の形態による加速度検出装置を示す平面構成図であり、図1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0054】図1の加速度検出装置では1軸あたりの加速度を検出するための抵抗部分を各2組としているが、図16の加速度検出装置では1軸あたりの加速度を検出するための抵抗部分(4つのピエゾ抵抗部11)を各4組とし、それぞれにおいて得られる値(4つの値)の平均値をとる。
【0055】上記第3の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができ、しかも、4つの値の平均値をとることとしているので、第1の実施の形態に比べ抵抗部のバラツキによる誤差をより小さくすることができ、検出精度をさらに向上させることができる。
【0056】尚、上記第1及び第3の実施の形態では、1軸あたりの加速度を検出するための抵抗部分を各2組、各4組としているが、1軸あたりの加速度を検出するための抵抗部分を各3組又は各5組以上とすることも可能である。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、個々の抵抗部にバラツキがあっても検出精度を向上させることが可能な加速度検出装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
【出願日】 平成9年(1997)12月10日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 温
【公開番号】 特開平11−174079
【公開日】 平成11年(1999)7月2日
【出願番号】 特願平9−356373