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【発明の名称】 加速度検出装置
【発明者】 【氏名】中溝 佳幸

【氏名】福久 孝治

【要約】 【課題】低加速度を高い精度で測定できる加速度検出装置を得る。

【解決手段】ダイアフラム1を合成樹脂材料を用いて重錘2及びベース3と共に一体に成形する。合成樹脂材料の中に補強用繊維材料からなる織布または不織布を含有させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中央部に重錘が設けられたダイアフラムと、前記ダイアフラムの外周部を支持するベースと、前記ダイアフラムの前記重錘が設けられた面と反対側の面上に固定され、前記重錘に作用する加速度に基づく前記ダイアフラムの変形に応じた加速度信号を出力する加速度センサとを具備してなる加速度検出装置であって、前記ダイアフラムが合成樹脂材料によって形成されていることを特徴とする加速度検出装置。
【請求項2】 中央部に重錘が設けられたダイアフラムと、前記ダイアフラムの外周部を支持するベースと、前記ダイアフラムの前記重錘が設けられた面と反対側の面上に固定され、前記重錘に作用する加速度に基づく前記ダイアフラムの変形に応じて加速度信号を出力する加速度センサとを具備してなる加速度検出装置であって、前記ダイアフラムが補強材を含有する合成樹脂材料によって形成されていることを特徴とする加速度検出装置。
【請求項3】 前記補強材は、ガラス繊維、カーボンファイバー等の補強用繊維材料である請求項2に記載の加速度検出装置。
【請求項4】 前記補強材は、ガラス繊維、カーボンファイバー等の補強用繊維材料によって形成された織布または不織布である請求項2に記載の加速度検出装置。
【請求項5】 前記ダイアフラム及び前記重錘が前記合成樹脂材料により一体に成形されている請求項1または2に記載の加速度検出装置。
【請求項6】 前記ダイアフラム、前記重錘及び前記ベースが前記合成樹脂材料により一体に成形されている請求項1または2に記載の加速度検出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加速度検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2は、一般的な加速度検出装置の概略断面図である。図2に示すように、加速度検出装置は、ダイアフラム101と、ダイアフラム101の裏面中央に取り付けられた金属製の重錘102と、ダイアフラム101の外周部を支持する金属、樹脂またはガラス等からなる筒状のベース103と、ダイアフラム101の重錘102が取り付けられた面とは反対側の面上に取付けられた加速度センサからなる加速度検出素子104とを有している。この加速度検出素子104は、例えば、圧電セラミックス基板の一方の面上に加速度検出用電極を有し他方の面上に対向電極を有する構造の検出部105と、図示していないがこの検出部105から出力される電圧信号を処理する処理回路とを備えた三軸加速度検出素子である。この加速度検出素子104では、重錘102に加速度が作用したときに変形するダイアフラム101の変形領域に検出部105が接合されている。この加速度検出装置では、ダイアフラム101の変形により検出部105を駆動することにより、重錘102に作用した加速度の変化に応じた信号を加速度検出素子104が出力する。従来の加速度検出装置では、接着剤からなる接合層106及び107を用いてダイアフラム101を重錘102及びベース103にそれぞれ接合していた。そして、例えばアンバーと呼ばれるニッケル−クロム合金や、真鍮等からなる四角形の金属板によりダイアフラム101を形成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】金属板は、外部の力による変形または可撓性に限度があるため、従来の加速度検出装置のように、ダイアフラム101を金属板により形成すると、重錘102に低加速度が作用したときにダイアフラム101が十分に変形しない。そのため、従来の加速度検出装置では、2G以下のような低い加速度を測定することが難しかった。
【0004】なお、低加速度を測定するには、ダイアフラム101の厚みを薄くして、重錘102の重量を重くすることが考えられる。しかしながら、このようにしても2G以下の低加速度を高い精度で測定することには限界があった。
【0005】また、従来の加速度検出装置では、ダイアフラム101、重錘102及びベース103を別部材により形成しているため、加速度検出装置の部品点数が多くなり、製造が繁雑になるという問題があった。
【0006】本発明の目的は、低加速度を高い精度で検出することができる加速度検出装置を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、部品点数が少なく、製造が容易な加速度検出装置を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、重錘のダイアフラムに対する取付け位置を正確にできる加速度検出装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の対象とする加速度検出装置は、中央部に重錘が設けられたダイアフラムと、ダイアフラムの外周部を支持するベースと、ダイアフラムの重錘が設けられた面と反対側の面上に固定され、重錘に作用する加速度に基づくダイアフラムの変形に応じて加速度信号を出力する加速度センサ(加速度検出素子)とを具備している。加速度検出素子は、重錘に加速度が作用したときのダイアフラムの変形に応じて加速度に対応した信号を出力するものである。なお、ここでいう加速度検出装置は、一軸(X軸)方向のみの加速度を検出する一軸加速度検出装置、二軸(X軸,Y軸)方向の加速度を検出する二軸加速度検出装置、三軸(X軸,Y軸,Z軸)方向の加速度を検出する三軸加速度検出装置のいずれであってもよい。また、ダイアフラムの変形を信号に変える加速度検出素子の検出原理は、自発分極電荷の変化を利用するもの、静電容量の変化を利用するもの等いずれでもよい。
【0010】本発明では、ダイアフラムを合成樹脂材料によって形成する。合成樹脂材料は金属に比べて外部の力によって変形しやすい、即ち金属に比べて大きな可撓性を有している。そのため、本発明によれば、2G以下のような低い加速度も十分に測定することができる。
【0011】しかしながら、ダイアフラムを合成樹脂材料によって形成した場合、ダイアフラムにクラックが生じるおそれがある。そこで、必要に応じて合成樹脂材料に補強材を含有させるのが好ましい。このような補強材としては、例えば、ガラス繊維、カーボンファイバー等の補強用繊維材料を用いることができる。この種の補強用繊維材料を用いる場合は、補強用繊維材料を織布または不織布にして補強材として用いればよい。
【0012】ダイアフラム及び重錘、または、ダイアフラム,重錘及びベースは、合成樹脂材料により一体に成形するのが好ましい。このようにすれば、加速度検出装置の部品点数を少なくして、加速度検出装置の製造が容易になる。特に重錘のダイアフラムに対する取付け位置の誤差が加速度の測定精度に影響を与える。本発明によれば、ダイアフラム及び重錘を一体に成形するため、重錘のダイアフラムに対する取付け位置が一定となり、測定精度の低下を防止できる。なお、重錘を合成樹脂材料により成形すると、重錘の重量は大きく低下するが、ダイアフラムの可撓性が高くなるため、重錘の重量低下に基づく感度の低下は防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態の加速度検出装置の主要部の概略断面図である。本図に示すように、この加速度検出装置は、ダイアフラム1と、重錘2と、ダイアフラム1を支持する筒状のベース3と、ダイアフラム1の重錘2が取り付けられた面側とは反対側の面上に取付けられた加速度検出素子4とを備えている。三軸加速度センサからなる加速度検出素子4は、ダイアフラム1の表面に接着剤を介して接合された検出部5とこの検出部5から出力される信号を処理する図示しない処理回路とから構成される。そしてベース3は、ケース等の取付部材6に固定されている。
【0014】加速度検出素子4の検出部5は、圧電セラミックス基板5aの表面に三軸加速度検出用の電極パターンE1 が形成され、裏面に電極パターンE1 と対向する対向電極E0 が形成されて構成されている。そして、電極パターンE1 と対向電極E0 との間の圧電セラミックス基板5aの部分は、分極処理されている。検出部5は、ダイアフラム1の変形領域1aの変形を利用して駆動される。なお圧電セラミックスを用いたこのような加速度検出素子用検出部の構成については、米国特許第5,365,799号公報等の複数の公報に開示されている。この例では対向電極E0 がエポキシ系の接着剤によりダイアフラム1の変形領域1aの表面に接合されて、検出部5がダイアフラム1に取り付けられている。前述の通り、圧電セラミックス基板5aは、内部に応力が加わると自発分極電荷を発生するように分極処理が施されており、輪郭形状は四角形をなしている。そして電極パターンE1 は、相互に直交する三軸(X軸,Y軸,Z軸)の加速度を検出する三軸加速度検出用の複数の電極を含むパターンとして形成されている。この加速度検出装置では、重錘2に加速度が作用したときのダイアフラム1の変形領域1aの変形が駆動力となって圧電セラミックス基板5aの内部に応力が作用して圧電セラミックス基板5aが歪み、この歪みにより対向電極E0 と電極パターンE1 との間に発生する自発分極電荷に基づいて三軸方向の加速度を検出する。
【0015】ダイアフラム1は、該ダイアフラム1の面方向に広がる補強用繊維材料の織布または不織布を含有する合成樹脂材料により重錘2及びベース3と一体に成形されている。ダイアフラム1は矩形の板形状を有しており、0.15mmの厚みを有している。ベース3の内側は円柱状を呈している。合成樹脂材料としては、液晶ポリマー,フェノール樹脂,エポキシ樹脂等を用いることができる。また、補強用繊維材料としては、ガラス繊維、カーボンファイバー等を用いることができる。このダイアフラム1は、検出部5が接合される変形領域1aと、この変形領域1aを囲みベース3に支持される非変形領域1bとを有している。変形領域1aは、合成樹脂材料により形成されていることにより、重錘2に2G以下の低い加速度が作用した場合でも十分に変形する可撓性を有している。本実施例では、補強用繊維材料を内部に配置した金型に合成樹脂材料を射出する射出成形により重錘2及びベース3と一体にダイアフラム1を成形した。また、合成樹脂材料に短繊維状の補強用繊維材料を混入させてダイアフラムを成形してもよい。
【0016】ダイアフラム1と一体に成形されている重錘2は、円柱形状を有しており、その軸線の延長部分がダイアフラム1の中心を通るように配置されている。
【0017】本例では、ダイアフラム,重錘及びベースを合成樹脂材料により一体に成形したが、ダイアフラム及び重錘を合成樹脂材料により一体に成形し、ベースを別部材により形成してもよい。また、ダイアフラムのみを合成樹脂材料により形成し、重錘及びベースをそれぞれ別部材により形成してもよい。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、ダイアフラムを可撓性の高い合成樹脂材料によって形成するので低い加速度も高い精度で測定することができる。また、ダイアフラム及び重錘、または、ダイアフラム,重錘及びベースを合成樹脂材料により一体に成形するので、加速度検出装置の部品点数を少なくすることができ、加速度検出装置の製造が容易になる。また、重錘のダイアフラムに対する取付け位置が正確になる。
【出願人】 【識別番号】000242633
【氏名又は名称】北陸電気工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月9日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】松本 英俊 (外1名)
【公開番号】 特開平11−174077
【公開日】 平成11年(1999)7月2日
【出願番号】 特願平9−338807