| 【発明の名称】 |
速度パルスの補正回路 |
| 【発明者】 |
【氏名】児島 徹郎
【氏名】作山 秀夫
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| 【要約】 |
【課題】本発明の目的は、正確な速度検出を行うために、各相のパルス幅の誤差を修正する速度パルスの補正回路を提供することにある。
【解決手段】本発明は、2相の速度パルスの排他的論理和による二倍高調波を生成し、二倍高調波のパルス幅のばらつきよりA・B各相のパルス幅の誤差を求め、バルス幅の修正を行うことにより、正確な速度検出を行うことが可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】鉄道車両のモータ駆動制御装置であって、モータ軸に取り付けられた2つの速度センサによって90度の位相差を持つA・B両相の速度パルスを検出し、前記速度パルスの変化点(エッジ)とその時刻データを検出して前記速度パルスの周波数を演算する速度パルスの検出回路において、前記A・B両相の速度パルスの組み合わせによる二倍高調波を利用することにより、前記A・B両相の速度パルスのパルス幅の誤差を修正することを特徴とする速度パルスの補正回路。 【請求項2】鉄道車両のモータ駆動制御装置であって、モータ軸に取り付けられた2つの速度センサによって90度の位相差を持つA・B両相の速度パルスを検出し、前記速度パルスの変化点(エッジ)とその時刻データを検出して前記速度パルスの周波数を演算する速度パルスの検出回路において、前記A・B両相の速度パルスの二倍高調波の生成手段と、前記二倍高調波のパルス幅の検出手段と、前記二倍高調波のパルス幅を保存する記憶手段を設け、速度パルスのパルス幅の誤差を修正することを特徴とする速度パルスの補正回路。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、速度パルスの検出回路、特に、鉄道車両を駆動するモータの回転数に比例した速度パルスを検出し、この速度パルスの周波数を演算する速度パルスの検出回路に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、誘導モータを駆動する車両用インバータ制御装置に、車両の各モータの軸に取り付けられたセンサより、モータ回転数に比例した速度信号を入力する。速度信号は、センサの種類などにより波形や電気的なレベルが異なるので、インバータ制御装置内ではインタフェース回路により、速度信号のパルス成形や電圧レベルの変換を行う。変換された速度パルスはインバータ制御装置内の速度パルス検出回路に入力し、そのパルスの変化点(エッジ)を検出して、エッジとエッジの間隔からマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)により速度パルスの周波数演算を行う。 【0003】図6に、従来の速度パルスの周波数演算回路を示す。インバータ制御装置1にモータ2の回転軸に取り付けた速度センサ3からA相・B相の2相の速度信号4を入力する。速度信号4は、インタフェース回路5によってパルス成形すると同時に電圧レベルの変換を行い、カウンタ回路12に入力される。カウンタ回路12において、モータ2の回転速度が速い時には一定時間内のパルス数をカウントし、モータ2の回転速度が遅いときには、パルス間隔を測定することにより速度パルスの周波数演算を行う。 【0004】特に鉄道車両のインバータ制御装置においては、車両の加速時に精度の高いモータ回転数を得ることが重要であるが、鉄道車両用のモータに取り付けられたセンサはモータの回転数に比べ出力するパルスが少ないという特性を持つ。パルス間隔がマイコンの演算周期よりも長くなる場合もあり、そのような場合には、実際には徐々にモータ回転数が変化しているにも関わらず、複数の演算周期にわたって同一のモータ回転周波数を使用することになってしまう。 【0005】A相・B相の速度パルスのデューティ比が正確な場合には、速度パルスの立ち上がりと立ち下がりの両エッジを検出することにより、入力パルス数を2倍に増やすことが可能となる。さらにA相・B相の速度パルスの位相差が正確に90度ならば、A相・B相の速度パルスを組み合わせることにより、入力パルス数を4倍に増やすことが可能となる。ところが速度センサおよびインタフェース回路の特性などによりA相・B相それぞれの速度パルスのデューティ比に誤差が生じる場合がある。このため入力パルス数を増やす試みは、パルス幅に誤差を生じている場合は、正確なパルス幅検出が難しくなるため正確な周波数演算に支障をきたす。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】2相の両エッジによる速度パルスの検出は、モータ回転数が遅い場合に入力パルスを増やすという点で有効であるが、2相の位相差が正確に90度であることと、各相のパルスのデューティ比が正確に50%(一定周波数の場合、ハイ/ローの間隔が同じ)であることが必要であり、これらに誤差が生じた場合には速度検出がばらついてしまう。 【0007】本発明の目的は、正確な速度検出を行うために、各相のパルス幅の誤差を修正する速度パルスの補正回路を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記課題は、2相の速度パルスの排他的論理和による二倍高調波を生成し、その二倍高調波のパルス幅のばらつきを補正することによって解決される。 【0009】本発明は、2相の速度パルスの排他的論理和による二倍高調波を生成し、そのハイ/ローレベルのパルス幅を測定する。二倍高調波のパルス幅のばらつきよりA・B各相のパルス幅の誤差を求め、バルス幅の修正を行うことにより、正確な速度検出を行うことが可能となる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。 【0011】図1は、本発明の一実施形態を示す速度パルスの補正回路である。図1において、インバータ制御装置1は、誘導モータ2を駆動する車両用インバータ装置であり、駆動する誘導モータ2の回転数を検知するために、モータの回転軸に取り付けた2個の速度センサ3からA相・B相の2相の速度信号4(速度センサ出力波形)を入力する。本実施形態におけるA相・B相の位相関係は、90度の位相差を持つ。速度センサ3より送られてきた速度信号4は、インタフェース回路5によってパルス成形し、完全な矩形波6(インタフェース回路出力波形)にすると同時に、電圧レベルの変換を行う。A相・B相のパルス波形の排他的論理和をとることにより二倍高調波7を生成する。カウンタ回路8は、クロック発振器9からのクロック10をもとに動作するフリーランカウンタであり、二倍高調波7の両エッジを検出する度にカウンタ値をレジスタ11に保存した後、カウンタ値をクリアする。これによりカウンタ回路8は、二倍高調波7のハイ/ローレベルのパルス幅を測定している。同様にカウンタ回路12は、A相・B相のハイ/ローレベルのパルス幅を測定し、カウンタ値13を出力する。カウンタ補正回路14は、レジスタ11に保存された二倍高調波7のパルス幅のばらつきよりA・B各相のパルス幅の誤差を求め、カウンタ補正値15を出力する。カウンタ補正値15は、それぞれカウンタ値に加算され、修正されたカウント値16がマイコン17に入力される。 【0012】次に本実施形態で仮定する速度パルスの誤差モデルならびに本実施形態で採用した誤差修正方法について述べる。図2は、A相・B相の理想の速度パルスならびに誤差の生じた速度パルスを示す。kサイクル目のA相の立ち上がりエッジのおける理想パルスからの遅れをΔAp(k)とし、立ち下がりエッジでの遅れをΔAn(k)とする。同様にB相においてもΔBp(k),ΔBn(k)とする。これらの遅れは、速度センサおよびインタフェース回路の特性および速度センサの取り付け位置の誤差などに起因するものとし、同一モータ回転周波数・同一温度ではそれぞれ一定であると仮定する。特に隣接するサイクルにおいては、周波数や温度の変化は少ないものとし、【0013】 【数1】 ΔAp(k)≒ΔAp(k+1) …(1)式ΔAn(k)≒ΔAn(k+1)ΔBp(k)≒ΔBp(k+1)ΔBn(k)≒ΔBn(k+1) と仮定する。 【0014】次にA相とB相の速度パルスの排他的論理和による二倍高調波のハイ/ローレベルの区間を順にTpp(k),Tnp(k),Tnn(k),Tpn(k)とする。本方法では、より一般化した場合を考慮して、鉄道車両が等減速(加速)状態であるとすると、前述の区間は理想的には【0015】 【数2】 1/4T …(2)式1/4T+ΔT1/4T+2ΔT1/4T+3ΔTと一定の割合でパルス幅が長くなっていく。これらのパルス幅に誤差が加わるため、【0016】 【数3】 Tpn(k−1)=1/4T−ΔT+ΔAp(k)−ΔBn(k−1)…(3)式【0017】 【数4】 Tpp(k)=1/4T+ΔBp(k)−ΔAp(k) …(4)式【0018】 【数5】 Tnp(k)=1/4T+ΔT+ΔAn(k)−ΔBp(k) …(5)式【0019】 【数6】 Tnn(k)=1/4T+2ΔT+ΔBn(k)−ΔAn(k) …(6)式【0020】 【数7】 Tpn(k)=1/4T+3ΔT+ΔAp(k+1)−ΔBn(k) …(7)式【0021】 【数8】 Tpp(k)=1/4T+ΔBp(k)−ΔAp(k) …(8)式となる。同様にして、A相・B相のパルス幅も求められ、【0022】 【数9】 A相ハイレベル幅≒Tpp(k)+Tnp(k)=1/2T+ΔT +[ΔAn(k)−ΔAp(k)] A相ローレベル幅≒Tnn(k)+Tpn(k)=1/2T+5ΔT −[ΔAn(k)−ΔAp(k)] …(9)式【0023】 【数10】 B相ハイレベル幅≒Tnp(k)+Tnn(k)=1/2T+3ΔT +[ΔBn(k)−ΔBp(k)] B相ローレベル幅≒Tpn(k)+Tpp(k+1)=1/2T+7ΔT −[ΔBn(k)−ΔBp(k)] …(10)式となる。ここで二倍高調波のパルス幅の2階差分をとると、等減速(加速)の影響は消え(ΔTが消え) 【0024】 【数11】 [(5)式−(4)式]−[(4)式−(3)式]=ΔAn(k)−3ΔBp(k) +3ΔAp(k)−ΔBn(k−1) …(11)式【0025】 【数12】 [(6)式−(5)式]−[(5)式−(4)式]=ΔBn(k)−3ΔAn(k) +3ΔBp(k)−ΔAp(k) …(12)式【0026】 【数13】 [(7)式−(6)式]−[(6)式−(5)式]=ΔAp(k+1)−3ΔBn(k) +3ΔAn(k)−ΔBp(k) …(13)式となる。ここでさらに(1)式の関係を用いると【0027】 【数14】 [(11)式+(12)式]/2=ΔAp(k)−ΔAn(k) …(14)式【0028】 【数15】 [(12)式+(13)式]/2=ΔBp(k)−ΔBn(k) …(15)式となり、(9),(10)式にそれぞれ(14),(15)式を足すと【0029】 【数16】 [(9)式+(14)式]=1/2T+5ΔT → A相ローレベル幅(理想値) …(16)式【0030】 【数17】 [(10)式+(15)式]=1/2T+7ΔT → B相ローレベル幅(理想値) …(17)式となり、A相・B相のローレベルのパルス幅の誤差がキャンセルされ、理想値が得られることが分かる。 【0031】また二倍高調波に上記のような演算を行うことにより、A相とB相のハイ/ローレベルのパルス幅の補正値が順番に得られることが分かる。これは、車両の等速運航中に限らず、等加速(減速)中においても有効である。 【0032】次に、カウンタ補正回路の詳細について説明する。図3は、そのカウンタ補正回路およびその周辺回路のハードウェアブロック図を示す。図3において、カウンタ回路8は、クロック発振器9からのクロック10をもとに動作するフリーランカウンタであり、入力パルス7(A相とB相の速度パルスの排他的論理和)の両エッジを検出する度にカウンタ値をレジスタR0に保存した後、カウンタ値をクリアする。レジスタR0〜R3は過去のカウンタ値を保存していて、入力パルス7の両エッジ検出のタイミングでレジスタ内容をシフトする。カウンタ補正回路14は、前述の誤差修正方法を回路上で実現したものである。得られたカウンタ補正値は、A相のパルス幅カウント補正値あるいはB相のパルス幅カウント補正値として切り替えて用いる。 【0033】次に、図4,図5に、速度パルス幅の補正結果のグラフを示す。 【0034】図4は、減速時の場合の速度パルス幅のカウントの補正結果を示したものである。パルス幅は、それぞれA相ハイレベル期間,B相ハイレベル期間,A相ローレベル期間,B相ローレベル期間の順に並んでおり、誤差が混入しない状態では、サイクルを追うに従って理想値のようにパルス幅が一様に長くなっていくはずであるが、実際の測定値は図4のように誤差が混じっている。本実施形態によって、パルス幅の誤差は修正され、補正されたパルス幅のカウント値は理想値に近づく様子がわかる。 【0035】同様に、図5は、加速時の場合の速度パルス幅のカウントの補正結果を示したものである。パルス幅は、それぞれA相ハイレベル期間,B相ハイレベル期間,A相ローレベル期間,B相ローレベル期間の順に並んでおり、誤差が混入しない状態では、サイクルを追うに従って理想値のようにパルス幅が一様に短くなっていくはずであるが、実際の測定値は図5のように誤差が混じっている。本実施形態によって、パルス幅の誤差は修正され、補正されたパルス幅のカウント値は理想値に近づく様子がわかる。 【0036】以上のように、本実施形態では、加速中・減速中を問わず、正確な速度パルスの周波数検出を行うことが可能となる。 【0037】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、各相のパルス幅の誤差を修正することにより、正確なパルス幅を測定可能となる。さらに2相の速度パルスの両エッジの検出により入力パルス数を増やすことが可能となる。特に本発明の速度パルス補正回路は、加減速時においても有効に作用するため、車両の加速時に精度の高いモータ回転数を得ることが重要なインバータ制御装置に適している。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月15日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小川 勝男
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| 【公開番号】 |
特開平11−174074 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−344651 |
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