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【発明の名称】 半導体加速度センサの検査装置及びその検査方法
【発明者】 【氏名】安田 正治

【要約】 【課題】重り部に上下方向の加速度が働いておる状態と働いていない状態での特性検査の行える半導体加速度センサの検査装置及びその検査方法を提供する。

【解決手段】半導体加速度センサの特性を検査するための検査装置であって、半導体加速度センサを乗せるウエハステージ12の重り部8に対応する位置に、重り部8を収納できる凹部13を形成し、凹部13を塞ぎ、ウエハステージ12の上面を同一平面とするための磁石14を設けるとともに、磁石14を反発力により浮上させるための磁界を発生することのできる電磁石15を、ウエハステージ12の凹部13近傍に内蔵させ、ウエハステージ12の凹部13の磁石14を凹部13に嵌めた状態と、外した状態、及び嵌めた状態でさらに電磁石15のコイル15に通電することにより、磁石14を浮上させた状態の各々の状態で検査を行うようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 半導体基板により、外周をなす支持部と重り部と両者を接続する梁部とを形成し、前記梁部には、重り部に加わる加速度により抵抗値の変化する歪み検出部が形成されてなる半導体加速度センサの特性を検査するための検査装置であって、前記半導体加速度センサを乗せるウエハステージの前記重り部に対応する位置に、前記重り部を収納できる凹部を形成し、該凹部を塞ぎ、ウエハステージの上面を同一平面とするための磁石を設けるとともに、該磁石を反発力により浮上させるための磁界を発生することのできる電磁石を、前記ウエハステージの凹部近傍に内蔵させたことを特徴とする半導体加速度センサの検査装置。
【請求項2】 請求項1記載の半導体加速度センサの特性検査装置を用い、前記ウエハステージの凹部の磁石を凹部に嵌めた状態と、外した状態、及び嵌めた状態でさらに前記電磁石のコイルに通電することにより、前記磁石を浮上させた状態の各々の状態で検査を行うようにしたことを特徴とする半導体加速度センサの検査方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板により形成された重り部に加わる加速度を、梁部に形成された歪み検出部の抵抗値の変化として検出するようにした半導体加速度センサの特性を検査するための検査装置及びその検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、加速度検出用のセンサとしては、圧電セラミック、有機薄膜、シリコン単結晶等、様々な材料を用いた多種多様の加速度センサが開発され、商品化されている。これらの加速度センサは、ヒステリシス、クリープ、疲労等がなく、また、構造が簡単で、電圧感度が極めて高い、容易に増幅できる、使い勝手が優れている等の利点があり、様々な分野で広く用いられている。
【0003】これらの加速度センサの中でも特に、シリコン単結晶を用いた半導体加速度センサは、シリコン自体の格子欠陥が極めて少ないために理想的な弾性体となることと、半導体プロセス技術をそのまま転用することができることから、特に、近年注目されている。
【0004】この半導体加速度センサの製造方法の一例を図4に示す。まず、図4(a)に示すように、半導体基板1の表面側に、イオン注入や熱拡散により、歪み検出部としてのピエゾ抵抗2により構成されたブリッジ回路を形成し、半導体基板1の裏面側を異方性エッチングすることにより薄膜部3を形成する。次に、図4(b)に示すように、半導体基板1の表面側に電極4や配線5等を形成した後、RIE等により空隙部7を形成することにより重り部8が形成される。さらに、図4(c)に示すように、半導体基板1の両面側からガラス製等の台座6、9を陽極接合等により接合する。なお、図5は、半導体加速度センサの台座6,9等を省略した状態を示す外観図である。
【0005】ここで、重り部8は、薄膜部3の残った部分により周囲の支持部10と接続されており、この残った部分が梁部11となる。つまり、重り部8は梁部11の弾性により支持部10に支えられているのである。そして、梁部11にはピエゾ抵抗2が形成されており、重り部8に加えられた加速度は、梁部11の歪みとなり、ピエゾ抵抗2の抵抗値の変化として検出されるのである。
【0006】通常、半導体素子の場合、パッケージに組み込む前にウエハの状態で特性の検査が行われる。プローブ検査装置を用い、ウエハステージにウエハを自動搬送し、ボンディングパッドへプロービングすることにより、電気的特性の計測を行い、不良のチップにマーキングを行うのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のような半導体加速度センサでは、ウエハの状態でプロービングにより特性を検査する場合、半導体基板1の下面の台座6がなく、ウエハステージの上面と同一面に水平にウエハがセットされるので、ウエハに形成されている半導体加速度センサの重り部8がウエハステージの上面に接し、重り部8に重力が加わらず、重力がかかっている状態、つまり、加速度が働いている状態での特性の計測ができないという問題があった。
【0008】本発明は、上記の点に鑑みてなしたものであり、その目的とするところは、重り部に上下方向の加速度が働いておる状態と働いていない状態での特性検査の行える半導体加速度センサの検査装置及びその検査方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、半導体基板により、外周をなす支持部と重り部と両者を接続する梁部とを形成し、前記梁部には、重り部に加わる加速度により抵抗値の変化する歪み検出部が形成されてなる半導体加速度センサの特性を検査するための検査装置であって、前記半導体加速度センサを乗せるウエハステージの前記重り部に対応する位置に、前記重り部を収納できる凹部を形成し、該凹部を塞ぎ、ウエハステージの上面を同一平面とするための磁石を設けるとともに、該磁石を反発力により浮上させるための磁界を発生することのできる電磁石を、前記ウエハステージの凹部近傍に内蔵させたことを特徴とするものである。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の半導体加速度センサの特性検査装置を用い、前記ウエハステージの凹部の磁石を凹部に嵌めた状態と、外した状態、及び嵌めた状態でさらに前記電磁石のコイルに通電することにより、前記磁石を浮上させた状態の各々の状態で検査を行うようにしたことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づき説明する。図1乃至図3は、本発明の実施の形態の一例に係る半導体加速度センサを検査装置のウエハステージに乗せた状態を示す模式図である。本実施形態に係る半導体加速度センサは、従来例として説明した図4、図5のものと同等であるので、同一個所には同一符号を付して説明を省略する。
【0012】本実施形態に係る半導体加速度センサは、図4、図5で示した半導体加速度センサにおいて、半導体基板1の両面側の台座6、9を設置する前のウエハ状態のものを示している。
【0013】本実施形態の半導体加速度センサの検査装置の特徴は、半導体加速度センサをウエハステージにセットした状態で、ウエハステージ12における半導体加速度センサの重り部8と対応する位置に凹部13が形成されるとともに、凹部13に収容された状態で上面がウエハステージ12の上面と同一平面となるようになっている磁石14を備えており、更には、ウエハステージ12内で凹部13の近傍に電磁石15が設置されている点にある。電磁石15のコイル16に通電することにより凹部13の底面近傍を磁石14と反発力が働くように磁気化させるための磁界を発生し、凹部13内の磁石14を浮上させることができるようになっている。
【0014】従って、ウエハステージ12の凹部13内に磁石14を設置した状態で半導体加速度センサをウエハステージ12にセットすれば、図1に示すように、重り部8は磁石14の上面により支えられ、水平に維持された状態での特性計測になるので、重り部8に重力のかかっていない状態、つまり、加速度の働いていない状態における特性の計測が行える。この状態で電磁石15のコイル16に通電することにより凹部13の底面近傍を磁石14と反発力が働くように磁気化させれば、図2に示すように、磁石14の浮上により重り部8に上向きの振れが生じ、上向きの加速度が働いた場合における特性の計測が行えるのである。ここで、ウエハステージ12の材質を鉄系の合金としておけば、磁気化され易い。
【0015】また、凹部13は、重り部8よりも大きな形状を有し、凹部13内の磁石14を除去しておけば、図3に示すように、半導体加速度センサをウエハステージにセットした状態で、重り部8が凹部13内に入ることにより、重力による下方向の振れを生じるようにでき、下向きに1Gの加速度が働いた場合における特性の計測が行えるのである。
【0016】なお、本実施形態ではコイル16を横向きに巻いた例を示しているが、縦向きに巻いたものを使用しても構わない。
【0017】本実施形態の半導体加速度センサの検査装置により特性検査を行う場合、電極4と電気的に接続するためのプローブ(図示せず)とプローブを介して測定機器に電気信号を取り出すためのプリント配線が設けられたプローブカード(図示せず)を有するプローブ検査装置のウエハステージ12にウエハをセットし、プローブカードをチップ毎にアライメントさせた状態で、ピエゾ抵抗やオフセット電圧等の電気的特性の計測を行う。磁石14を凹部13に嵌め込んだ状態において、図1に示すように、通電せずに磁気化させない状態と、図2に示すように、電磁石15のコイル16に通電することにより凹部13の底面近傍を磁石14と反発力が働くように磁気化させた状態と、図3に示すように、磁石14を除去した状態の各々の状態において、特性の計測を行うことにより、重り部8に加速度が働いていない状態と、上向きの加速度が働いた状態と、下向きの加速度が働いた状態での特性検査が行えるのである。
【0018】なお、上述の実施形態では、台座をウエハに接合する前の状態での特性検査であったが、ウエハの上面にパイレックスガラス等の台座9を接合した状態での特性検査も可能である。
【0019】
【発明の効果】以上のように、請求項1及び請求項2記載の発明によれば、半導体基板により、外周をなす支持部と重り部と両者を接続する梁部とを形成し、前記梁部には、重り部に加わる加速度により抵抗値の変化する歪み検出部が形成されてなる半導体加速度センサの特性を検査するための検査装置であって、前記半導体加速度センサを乗せるウエハステージの前記重り部に対応する位置に、前記重り部を収納できる凹部を形成し、該凹部を塞ぎ、ウエハステージの上面を同一平面とするための磁石を設けるとともに、該磁石を反発力により浮上させるための磁界を発生することのできる電磁石を、前記ウエハステージの凹部近傍に内蔵させ、前記ウエハステージの凹部の磁石を凹部に嵌めた状態と、外した状態、及び嵌めた状態でさらに前記電磁石のコイルに通電することにより、前記磁石を浮上させた状態の各々の状態で検査を行うようにしたので、重り部に上下方向の加速度が働いておる状態と働いていない状態での特性検査が行えるのである。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 淳二 (外1名)
【公開番号】 特開平11−160351
【公開日】 平成11年(1999)6月18日
【出願番号】 特願平9−323452