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【発明の名称】 半導体加速度センサ及びその製造方法並びに検査方法
【発明者】 【氏名】山本 治彦

【要約】 【課題】重り部に重力のかかっていない状態での特性検査の行える半導体加速度センサ及びその製造方法並びに検査方法を提供する。

【解決手段】半導体基板1により、外周をなす支持部10と重り部8と両者を接続する梁部11とを形成し、梁部11には、重り部8に加わる加速度により抵抗値の変化する歪み検出部2が形成され、半導体基板1の両面側に台座6,9が接合されてなる半導体加速度センサにおいて、歪み検出部は、梁部11の表面と裏面の各々に、同一構造の歪み検出素子2,20を形成することにより構成するようにし、半導体基板1の表面側の歪み検出素子2の出力と裏面側の歪み検出素子20の出力の両方の出力を用いて算出した値を重り部8に加速度がかかっていない状態での特性検査の値とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 半導体基板により、外周をなす支持部と重り部と両者を接続する梁部とを形成し、前記梁部には、重り部に加わる加速度により抵抗値の変化する歪み検出部が形成され、前記半導体基板の両面側に台座が接合されてなる半導体加速度センサにおいて、前記歪み検出部は、前記梁部の表面と裏面の各々に、同一構造の歪み検出素子を形成することにより構成するようにしたことを特徴とする半導体加速度センサ。
【請求項2】 請求項1記載の半導体加速度センサの製造方法であって、半導体基板の表面側にイオン注入や熱拡散により歪み検出素子及び配線抵抗を形成し、半導体基板の裏面側をエッチングすることにより薄膜部を形成し、半導体基板の裏面側にイオン注入や熱拡散により表面側の歪み検出素子と同一構造の歪み検出素子及び配線抵抗を形成し、半導体基板の表面側に、前記半導体基板の両面に形成された歪み検出素子の各々に前記配線抵抗を介して接続される電極を形成し、半導体基板の裏面側に台座を接合し、前記薄膜部の1部を梁部として残すようにエッチングにより空隙部を形成することにより重り部を形成し、次いで、半導体基板の表面側に台座を接合するようにしたことを特徴とする半導体加速度センサの製造方法。
【請求項3】 請求項1記載の半導体加速度センサの特性を検査する検査方法であって、前記半導体基板の表面側の歪み検出素子の出力と裏面側の歪み検出素子の出力の両方の出力を用いて算出した値を重り部に加速度がかかっていない状態での特性検査の値とするようにしたことを特徴とする半導体加速度センサの検査方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板により形成された重り部に加わる加速度を、梁部に形成された歪み検出部の抵抗値の変化として検出するようにした半導体加速度センサ及びその製造方法並びに検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、加速度検出用のセンサとしては、圧電セラミック、有機薄膜、シリコン単結晶等、様々な材料を用いた多種多様の加速度センサが開発され、商品化されている。これらの加速度センサは、ヒステリシス、クリープ、疲労等がなく、また、構造が簡単で、電圧感度が極めて高い、容易に増幅できる、使い勝手が優れている等の利点があり、様々な分野で広く用いられている。
【0003】これらの加速度センサの中でも特に、シリコン単結晶を用いた半導体加速度センサは、シリコン自体の格子欠陥が極めて少ないために理想的な弾性体となることと、半導体プロセス技術をそのまま転用することができることから、特に、近年注目されている。
【0004】この半導体加速度センサの製造方法の一例を図3に示す。まず、図3(a)に示すように、半導体基板1の表面側に、イオン注入や熱拡散により、歪み検出部としてのピエゾ抵抗2により構成されたブリッジ回路を形成し、半導体基板1の裏面側を異方性エッチングすることにより薄膜部3を形成する。次に、図3(b)に示すように、半導体基板1の表面側に電極4や配線5等を形成した後、裏面側からガラス製等の台座6を陽極接合等により接合する。さらに、RIE等により空隙部7を形成することにより重り部8が形成される。次に、図3(c)に示すように、半導体基板1の表面側にガラス製等の台座9を陽極接合等により接合することにより完成する。なお、図4は、半導体加速度センサの台座6,9等を省略した状態を示す外観図である。
【0005】ここで、重り部8は、薄膜部3の残った部分により周囲の支持部10と接続されており、この残った部分が梁部11となる。つまり、重り部8は梁部11の弾性により支持部10に支えられているのである。そして、梁部11にはピエゾ抵抗2が形成されており、重り部8に加えられた加速度は、梁部11の歪みとなり、ピエゾ抵抗2の抵抗値の変化として検出されるのである。
【0006】通常、半導体素子の場合、パッケージに組み込む前にウエハの状態で特性の検査が行われる。プローブ検査装置を用い、検査ステージにウエハを自動搬送し、ボンディングパッドへプロービングすることにより、電気的特性の計測を行い、不良のチップにマーキングを行うのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のような半導体加速度センサでは、ウエハの状態でプロービングにより特性を検査する場合、検査ステージに水平にウエハがセットされるので、ウエハに形成されている半導体加速度センサの重り部8に重力が加わり、梁部11に応力がかかり歪んでしまい、重力がかかっていない状態での特性の計測ができないという問題があった。
【0008】本発明は、上記の点に鑑みてなしたものであり、その目的とするところは、重り部に重力のかかっていない状態での特性検査の行える半導体加速度センサ及びその製造方法並びに検査方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、半導体基板により、外周をなす支持部と重り部と両者を接続する梁部とを形成し、前記梁部には、重り部に加わる加速度により抵抗値の変化する歪み検出部が形成され、前記半導体基板の両面側に台座が接合されてなる半導体加速度センサにおいて、前記歪み検出部は、前記梁部の表面と裏面の各々に、同一構造の歪み検出素子を形成することにより構成するようにしたことを特徴とするものである。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の半導体加速度センサの製造方法であって、半導体基板の表面側にイオン注入や熱拡散により歪み検出素子及び配線抵抗を形成し、半導体基板の裏面側をエッチングすることにより薄膜部を形成し、半導体基板の裏面側にイオン注入や熱拡散により表面側の歪み検出素子と同一構造の歪み検出素子及び配線抵抗を形成し、半導体基板の表面側に、前記半導体基板の両面に形成された歪み検出素子の各々に前記配線抵抗を介して接続される電極を形成し、半導体基板の裏面側に台座を接合し、前記薄膜部の1部を梁部として残すようにエッチングにより空隙部を形成することにより重り部を形成し、次いで、半導体基板の表面側に台座を接合するようにしたことを特徴とするものである。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1記載の半導体加速度センサの特性を検査する検査方法であって、前記半導体基板の表面側の歪み検出素子の出力と裏面側の歪み検出素子の出力の両方の出力を用いて算出した値を重り部に加速度がかかっていない状態での特性検査の値とするようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づき説明する。図1は、本発明の実施の形態の一例に係る半導体圧力センサの表面状態を示す模式図であり、図2は、図1のA−A’における断面状態を示す模式図である。本実施形態の半導体圧力センサの基本的構成は、従来例として説明した図3、図4のものと同等であるので、同一個所には同一符号を付して説明を省略する。
【0013】本実施形態の半導体圧力センサは、図3、図4で示した半導体圧力センサにおいて、さらに、半導体基板1の裏面側に、表面側のピエゾ抵抗2と同一構造(寸法、濃度等が同一)のピエゾ抵抗20からなるブリッジ回路が形成されるとともに、このブリッジ回路の出力電圧を取り出すための拡散抵抗による配線50、5a及び電極4aが形成されている。
【0014】本実施形態の半導体圧力センサの製造方法は、まず、図2(a)に示すように、半導体基板1の表面側に、イオン注入や熱拡散により、歪み検出部としてのピエゾ抵抗2により構成されたブリッジ回路及び拡散抵抗による配線5、5aを形成する。図1に示すように、配線5は表面側のピエゾ抵抗2間の接続及びピエゾ抵抗2と表面側のピエゾ抵抗2用の電極4を接続させるためのものであり、配線5aは裏面側のピエゾ抵抗20(後述)と裏面側のピエゾ抵抗20用の電極4a(後述)を接続させるためのものである。従って、半導体基板1の表面側のピエゾ抵抗2は配線5を介して電極4に接続され、半導体基板1の裏面側のピエゾ抵抗20は配線50、5aを介して電極4aに接続される。
【0015】次に、図2(b)に示すように、水酸化カリウムを主成分とするエッチング液により、半導体基板1の裏面側を異方性エッチングし、薄膜部3を形成し、裏面側にイオン注入や熱拡散によりピエゾ抵抗20により構成されたブリッジ回路及び拡散抵抗による配線50を形成する。ここで、裏面側のピエゾ抵抗20は表面側のピエゾ抵抗2と同一構造(寸法、濃度等が同一)となるように形成する。また、配線50は拡散の深さを調節させる等により表面側の配線5aと電気的に接続されるようにする。次に、図4(c)に示すように、半導体基板1の表面側に、ピエゾ抵抗2用の電極4とピエゾ抵抗20用の電極4aをAl−Siのスパッタリング、エッチングにより形成した後、裏面側からガラス製等の台座6を陽極接合等により接合する。さらに、RIE等により空隙部7を形成することにより重り部8が形成される。次に、図2(d)に示すように、半導体基板1の表面側にガラス製等の台座9を陽極接合等により接合することにより半導体加速度センサが完成する。重り部8は、薄膜部3の残った部分により周囲の支持部10と接続されており、この残った部分が梁部11となる。つまり、重り部8は梁部11の弾性により支持部10に支えられているのである。そして、梁部11の両面にはピエゾ抵抗2、20が形成されており、重り部8に加えられた加速度は、梁部11の歪みとなり、ピエゾ抵抗2、20の抵抗値の変化として検出されるのである。
【0016】本実施形態の半導体圧力センサを用いてウエハ状態での特性検査を行う場合、プローブ検査装置を用い、検査ステージにウエハを自動搬送し、ボンディングパッド(電極4、4a)へプロービングすることにより、電気的特性の計測を行う。まず、電極4へプロービングすることにより、半導体基板1の表面側のピエゾ抵抗2により形成されたブリッジの出力電圧を計測する。この場合は、重力による応力がピエゾ抵抗2にかかっているので+1Gでの出力となる。次に、電極4aへプロービングすることにより、半導体基板1の裏面側のピエゾ抵抗20により形成されたブリッジの出力電圧を計測する。この場合は、上述の場合と同じ大きさの応力がピエゾ抵抗20にかかっているが、向きが反対となるので、−1Gの応力が加わった場合の出力と同等となる。
【0017】従って、重り部8に重力がかかっていない状態、つまり、0Gでの特性となるオフセット電圧は、上記+1Gの場合の出力と−1Gの場合の出力とから計算により求めることができる。簡易的なけ計算方法としては、0Gは+1Gと−1Gとの中点であるので、両者の出力電圧を加え、2で割ることにより算出できるのである。
【0018】
【発明の効果】以上のように、請求項1乃至請求項3記載の発明によれば、半導体基板により、外周をなす支持部と重り部と両者を接続する梁部とを形成し、前記梁部には、重り部に加わる加速度により抵抗値の変化する歪み検出部が形成され、前記半導体基板の両面側に台座が接合されてなる半導体加速度センサにおいて、前記歪み検出部は、前記梁部の表面と裏面の各々に、同一構造の歪み検出素子を形成することにより構成するようにしたので、前記半導体基板の表面側の歪み検出素子の出力と裏面側の歪み検出素子の出力の両方の出力を用いて算出した値を重り部に加速度がかかっていない状態での特性検査の値とすることにより、重り部に重力のかかっていない状態での特性検査が行えるのである。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月28日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 淳二 (外1名)
【公開番号】 特開平11−160346
【公開日】 平成11年(1999)6月18日
【出願番号】 特願平9−327277