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【発明の名称】 半導体加速度センサ
【発明者】 【氏名】野原 一也

【氏名】谷口 直博

【要約】 【課題】誤って落下しても半導体センサ部の撓み部が破損することを防止できる半導体加速度センサを提供する。

【解決手段】筒軸11aを有した筒本体11を設け、その筒本体11の基端部11bから筒軸11aに対する略直交方向へ突設されたフランジ部12が加速度の被検知機器3に装着面12aにて装着されるボディ1と、加速度印加時に撓みを生じる撓み部を設けその撓み部が片持ち支持されるとともに、基端部11b側の筒本体11に収容された半導体センサ部とを備え、半導体センサ部が被検知機器3に印加された加速度を撓み部の撓みに基づいて検知する半導体加速度センサにおいて、落下したときの衝撃力を吸収する衝撃吸収部12bが、前記フランジ部12に設けられた構成にしてある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 筒軸を有した筒本体を設け、その筒本体の基端部から筒軸に対する略直交方向へ突設されたフランジ部が加速度の被検知機器に装着面にて装着されるボディと、加速度印加時に撓みを生じる撓み部を設けその撓み部が片持ち支持されるとともに、基端部側の筒本体に収容された半導体センサ部とを備え、半導体センサ部が被検知機器に印加された加速度を撓み部の撓みに基づいて検知する半導体加速度センサにおいて、落下したときの衝撃力を吸収する衝撃吸収手段が、前記フランジ部に設けられたことを特徴とする半導体加速度センサ。
【請求項2】 前記衝撃吸収手段は、ゴム弾性を有したゴムからなる衝撃吸収部でもって形成されたことを特徴とする請求項1記載の半導体加速度センサ。
【請求項3】 前記衝撃吸収手段は、前記フランジ部に設けられた環状溝に嵌合するとともに前記装着面から突出して弾性を有した環状リングでもって形成されたことを特徴とする請求項1記載の半導体加速度センサ。
【請求項4】 前記半導体センサ部は、前記撓み部が前記ボディの筒軸方向の加速度を検知するよう前記筒本体に配置されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいづれかに記載の半導体加速度センサ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車又は家電製品等の被検知機器に装着されて、その被検知機器に負荷された加速度を検知する半導体加速度センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の半導体加速度センサとして、図7及び図8に示す構成のものが存在する。このものは、筒軸A11を有した筒本体A1を設け、その筒本体A1の基端部A12から筒軸A11に対する略直交方向へ突設されたフランジ部A2が加速度の被検知機器(図示せず)に装着面A21にて装着されるボディAと、加速度印加時に撓みを生じる撓み部(図示せず)を設けその撓み部が片持ち支持されるとともに、基端部A12側の筒本体A1に収容された半導体センサ部Bとを備えている。
【0003】さらに詳しくは、半導体センサ部Bは支持部で片持ち支持された撓み部が、筒本体A1の筒軸A11方向に対する略直交方向へ支持部から延設され、筒軸A11方向の加速度が印加されたとき撓んでその撓みに基づいて加速度を検知する。すなわち、筒軸A11方向の加速度のみを検知して、筒軸A11方向に対して互いに直交する他の2軸の加速度を検知しない。そして、半導体センサ部Bが基端部A12側の筒本体A1に収容されているので、重心が基端部A12側へ位置することになる。
【0004】また、ボディAのフランジ部A2は、筒本体A1と一体形成された樹脂により、筒本体A1の基端部A12から筒軸A11に対する両直交方向へそれぞれ突設され、貫通孔A22を有した金属ブッシュA23が設けられて、装着孔A22に挿通される雄ねじCをねじ締めすることによって装着面A21が当接した状態で、加速度を検知される被検知機器に装着される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の半導体加速度センサでは、半導体センサ部Bが被検知機器に印加された加速度を撓み部の撓みに基づいて検知できる。
【0006】しかしながら、このものを落下したとき、重心が筒本体A1の基端部A12側へ位置しているので、ボディAは両フランジ部A2,A2が被衝突物体に装着面A21にて衝突し、衝突したときの衝撃力を吸収されることなく装着面A21に対する直交方向、つまり筒軸A11方向へ負荷される。半導体センサ部Bの撓み部は、片持ち支持されるとともに筒軸A11方向に対する略直交方向へ延設されているので、筒軸A11方向の衝撃力を負荷されると、許容し得る撓み量を越えて折損等の破損を生じる場合があった。
【0007】本発明は、上記問題点に鑑みてなしたもので、その目的とするところは、誤って落下しても半導体センサ部の撓み部が破損することを防止できる半導体加速度センサを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決するために、請求項1記載のものは、筒軸を有した筒本体を設け、その筒本体の基端部から筒軸に対する略直交方向へ突設されたフランジ部が加速度の被検知機器に装着面にて装着されるボディと、加速度印加時に撓みを生じる撓み部を設けその撓み部が片持ち支持されるとともに、基端部側の筒本体に収容された半導体センサ部とを備え、半導体センサ部が被検知機器に印加された加速度を撓み部の撓みに基づいて検知する半導体加速度センサにおいて、落下したときの衝撃力を吸収する衝撃吸収手段が、前記フランジ部に設けられた構成にしてある。
【0009】請求項2記載のものは、請求項1記載のものにおいて、前記衝撃吸収手段は、ゴム弾性を有したゴムからなる衝撃吸収部でもって形成された構成にしてある。
【0010】請求項3記載のものは、請求項1記載のものにおいて、前記衝撃吸収手段は、前記フランジ部に設けられた環状溝に嵌合するとともに前記装着面から突出して弾性を有した環状リングでもって形成された構成にしてある。
【0011】請求項4記載のものは、請求項1乃至請求項3のいづれかに記載のものにおいて、前記半導体センサ部は、前記撓み部が前記ボディの筒軸方向の加速度を検知するよう前記筒本体に配置された構成にしてある。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施形態を図1乃至図4に基づいて以下に説明する。
【0013】1はボディで、筒軸11a、基端部11b及び先端部11cを有した有底筒状の筒本体11と、その筒本体11の基端部11bから筒軸11aに対する両直交方向へそれぞれ突設されたフランジ部12とを有して構成される。筒本体11は絶縁性の樹脂により、先端部11c側を狭くした略四角筒状に形成され、略中央部に底部11dを設けて、第1筒内部11eが基端部11b側へ及び第2筒内部11fが先端部11c側へそれぞれ形成される。また、2段に折曲形成されたリード端子13が底部11dに固着されて、一端部が第1筒内部11eに他端部が第2筒内部11fにそれぞれ導出される。
【0014】フランジ部12は、装着面12aを有し、平板状に形成された衝撃吸収部12bと、金属からなり貫通孔を有してリング状に形成された金属ブッシュ12cとを設け、その金属ブッシュ12cの外周部が衝撃吸収部12bに固着されるとともに、衝撃吸収部12bが筒本体11と一体形成によって成形される。ここで、衝撃吸収部12bがゴム弾性を有したゴムにより、0Hz乃至50Hzの振動で共振を発生することなく、衝撃吸収手段を形成する。
【0015】2はセンサユニットで、半導体センサ部21と、半導体センサ部21を実装する第1プリント基板22と、第1プリント基板22を搭載するセンサボディ23と、センサボディ23を実装する第2プリント基板24とを有して構成される。そして、筒本体11の第1筒内部11eに収容されて、すなわち半導体センサ部21が基端部11b側の筒本体11に収容される。
【0016】半導体センサ部21は、薄板状のシリコン半導体により、図4に示すように、支持部21a、撓み部21b、重り部21c、センサ部21d、第1ストッパ21e、及び第2ストッパ21fを備えている。支持部21aが重り部21cの外周縁を空間を設けて外囲するとともに、撓み部21bが支持部21aによって一端を支持されて、すなわち片持ち支持されて、重り部21cに加速度が印加されたとき撓みを生じるよう、他端を重り部21cに接続している。センサ部21dが、半導体からなるピエゾ抵抗により、撓み部21bに形成されて、撓み部21bの撓みに基づいて加速度を電気信号に変換して電気信号を出力する。
【0017】第1ストッパ21eは、略四角形状に形成されたパイレックスガラスにより、中央部に重り部21cが当接し得る第1当接面を有して、その第1当接面と重り部21cとの間で空隙が形成され、支持部21aの一面側へ固着されている。同様に、第2ストッパ21fは、略四角形状に形成されたパイレックスガラスにより、中央部に重り部21cが当接し得る第2当接面を有して、その第2当接面と重り部21cとの間で空隙が設けられ、支持部21aの他面側へ固着されている。
【0018】ここで、図2及び図4に示すように、半導体センサ部21は重り部21cの重心とセンサ部21dとを結ぶ直線21gが、筒本体11の筒軸11aに対して直交するよう、所定角度傾斜した状態で第1筒内部11eに収容されて、筒軸11a方向の加速度を検知する。したがって、支持部21aで支持された撓み部21bが、筒軸11a方向に対して所定角度傾斜した状態で略直交方向へ支持部21aから延設されることになる。
【0019】そして、センサユニット2はリード端子13が第2プリント基板24と接続され、ボディ1の第1筒内部11eに封止材25でもって封止され収容されて、重心が筒本体11の基端部11b側へ位置することになる。
【0020】3は被検知機器で、自動車であり、印加された0Hz乃至50Hzの振動における加速度が印加される。
【0021】このものの取り扱いについて説明する。ボディ1のフランジ部12は装着面12aが被検知機器3に当接した状態で、雄ねじ(図示せず)が金属ブッシュ12cの貫通孔に挿通されて、被検知機器3に設けられた雌ねじ部と、互いに螺合して被検知機器3に装着される。
【0022】このとき、装着前に誤って床面等の被衝突物体に向かって落下したとき、重心が筒本体11の基端部11b側へ位置しているので、両フランジ部12,12の衝撃吸収部12bが被衝突物体に装着面12aにて衝突し、衝突したときの衝撃力を吸収する。したがって、筒軸11a方向へ負荷される衝撃力が抑制されて、半導体センサ部21の撓み部21bは筒軸11a方向に対する略直交方向へ延設されて衝撃力を直接負荷されるにもかかわらず、許容し得る撓み量を越えることがない。
【0023】このものの動作を説明する。筒軸11a方向へ沿った加速度が印加されると、重り部21cが加速度の印加方向と反対方向へ変位して撓み部21bが撓み、その撓み部21bの一面に形成されたセンサ部21dであるピエゾ抵抗が撓んで、そのピエゾ抵抗の抵抗値が変化する。半導体センサ部21はその抵抗値の変化を電気信号に変換し、その電気信号をリード端子13を介して、筒本体11の第2筒内部11fに挿入されたコネクタのコネクタ端子(図示せず)に伝達して加速度を検知する。
【0024】ここで、半導体センサ部21は所定角度傾斜して第1筒内部11eに収容されているので、重り部21cの重心とセンサ部21dとを結ぶ直線21gが、加速度方向に対して精度良く直交して、加速度を感度よく検知する。
【0025】また、過大な加速度が印加されたときには、重り部21cが第1ストッパ21eの第1当接面に、また逆方向の過大な加速度が印加されたときは、第2当接面に当接する。つまり、第1ストッパ21e及び第2ストッパ21fは、撓み部21bの撓みが一定値以上になるのを防ぎ、撓み部21bの破損を防止する。
【0026】かかる第1実施形態の半導体加速度センサにあっては、上記したように、衝撃吸収手段がフランジ部12に設けられたから、誤って落下したとき、重心が半導体センサ部21を収容した筒本体11の基端部11b側へ位置するので、その基端部11bから突設されたフランジ部12が被衝突物体に衝突し、衝撃吸収手段が衝突したときの衝撃力を吸収するので、半導体センサ部21の片持ち支持された撓み部21bに負荷される衝撃力を軽減して、撓み部21bを破損から防止することができる。
【0027】また、衝撃吸収手段がゴム弾性を有したゴムからなる衝撃吸収部12bでもって形成されたから、筒本体11と衝撃吸収部12bとを一体形成して、衝撃吸収手段をフランジ部12に容易に形成することができる。
【0028】また、半導体センサ部21の撓み部21bがボディ1の筒軸11a方向の加速度を検知するようボディ1の筒本体11に配置されたから、撓み部21bが筒軸11aと略直交して落下したときの衝撃力を直接負荷されるので、その衝撃力によって撓み部21bの多くが破損した従来と比較して、撓み部21bの破損を大幅に抑制することができる。
【0029】なお、第1実施形態では、フランジ部12を衝撃吸収部12bと金属ブッシュ12cとで構成したが、平板状の樹脂部と、衝撃吸収部12bと、金属ブッシュ12cとで構成して、衝撃吸収部12bを樹脂部に装着面12aから突設してもよく、限定されない。
【0030】本発明の第2実施形態を図5及び図6に基づいて以下に説明する。なお、第2実施形態では第1実施形態と異なる機能について述べることとし、第1実施形態と実質的に同一機能を有する部材については、同一符号を付して説明を省略する。
【0031】フランジ部12は、絶縁性の樹脂により、円形状の環状溝12dが金属ブッシュ12cを外囲して装着面12a側へ設けられて、所定深さ寸法に形成される。
【0032】さらに、環状リング12eが、弾性を有したゴムにより、いわゆるOリングであり、断面円形状に形成され、その円形の直径が所定深さ寸法より大きく形成されて、衝撃吸収手段を形成する。そして、フランジ部12の環状溝12dに嵌合されて、装着面12aから突出する。
【0033】かかる第2実施形態の半導体加速度センサにあっては、上記したように、環状溝12dを装着面12a側のフランジ部12に設け、衝撃吸収手段が環状溝12dに嵌合されるとともに装着面12aから突出して、弾性を有した環状リング12eでもって形成されたから、装着面12aから突出した環状リング12eが衝突したときの衝撃力を吸収して、衝撃吸収手段をフランジ部12に容易に形成することができる。
【0034】また、弾性を有した環状リング12eが環状溝12dから突出したから、フランジ部12を被検知機器3に装着したとき、ボディ1に成型時の変形があっても、環状リング12eがその変形量だけ弾性変形して、ボディ1をがたつくことなく被検知機器3に装着することができる。
【0035】
【発明の効果】請求項1記載のものは、衝撃吸収手段がフランジ部に設けられたから、誤って落下したとき、重心が半導体センサ部を収容した筒本体の基端部側へ位置するので、その基端部から突設されたフランジ部が被衝突物体に衝突し、衝撃吸収手段が衝突したときの衝撃力を吸収するので、半導体センサ部の片持ち支持された撓み部に負荷される衝撃力を軽減して、撓み部を破損から防止することができる。
【0036】請求項2記載のものは、請求項1記載のものの効果に加えて、衝撃吸収手段がゴム弾性を有したゴムからなる衝撃吸収部でもって形成されたから、筒本体と衝撃吸収部とを一体形成して、衝撃吸収手段をフランジ部に容易に形成することができる。
【0037】請求項3記載のものは、請求項1記載のものの効果に加えて、環状溝を装着面側のフランジ部に設け、衝撃吸収手段が環状溝に嵌合するとともに装着面から突出して弾性を有した環状リングでもって形成されたから、突出した環状リングが衝突したときの衝撃力を吸収して、衝撃吸収手段をフランジ部に容易に形成することができる。
【0038】請求項4記載のものは、請求項1乃至請求項3のいづれかに記載のものの効果に加えて、半導体センサ部の撓み部がボディの筒軸方向の加速度を検知するようボディの筒本体に配置されたから、片持ち支持する支持部から延設された撓み部が筒軸と略直交するので、落下したときの衝撃力によって撓み部の多くが破損した従来と比較して、撓み部の破損を大幅に抑制することができる。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成9年(1997)11月27日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 淳二 (外1名)
【公開番号】 特開平11−160345
【公開日】 平成11年(1999)6月18日
【出願番号】 特願平9−325852