| 【発明の名称】 |
加速度センサ及び三軸加速度センサ |
| 【発明者】 |
【氏名】中溝 佳幸
【氏名】小林 英樹
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| 【要約】 |
【課題】加速度検出電極から出力電極までの間の静電容量が原因となって発生する出力の低下を抑制できる加速度センサを得る。
【解決手段】重錘固定領域5A内において、接続線LX1と圧電セラミックス基板5との間に低誘電率層8を形成する。中間領域5Bの外側において、接続線LX2,LY1,LZ4及び出力電極OXと圧電セラミックス基板5との間に低誘電率層9を形成する。低誘電率層8及び9を、圧電セラミックス基板5の比誘電率よりも比誘電率が十分に小さい低誘電率物質により形成する。低誘電率層8,9の存在により、配線パターン及び出力電極と対向電極パターンとの間に生じる静電容量が小さくなって、この静電容量に蓄積される自発分極電荷の量を少なくできる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧電セラミックス基板と、前記圧電セラミックス基板の表面上に形成された、加速度に応じた信号を出力する加速度検出用電極、前記加速度検出用電極の出力を外部に出力する出力電極、及び前記加速度検出用電極と前記出力電極とを電気的に接続する配線パターンを含む表面電極パターンと、前記圧電セラミックス基板の裏面上に形成されて、少なくとも前記加速度検出用電極と対向する対向電極パターンと、前記圧電セラミックス基板に対して固定状態に配置されて前記加速度検出用電極が形成された領域に前記加速度に応じた応力を発生させる重錘と、少なくとも前記配線パターンの全部またはその主要部と前記圧電セラミックス基板との間に配置された低誘電率層とを具備し、前記低誘電率層は、前記圧電セラミックス基板の比誘電率よりも比誘電率が十分に小さく、前記圧電セラミックス基板の前記加速度検出用電極と前記対向電極パターンとの間の部分が分極処理されている加速度センサ。 【請求項2】 前記重錘は、前記圧電セラミックス基板の裏面の中央部に直接接合されている請求項1に記載の加速度センサ。 【請求項3】 前記圧電セラミックス基板の裏面にはダイアフラムが接合されており、前記重錘は前記ダイアフラムの中央部に設けられている請求項1に記載の加速度センサ。 【請求項4】 前記低誘電層は、前記配線パターンのうち前記加速度検出用電極が形成された領域の外側に位置する配線パターン部分と前記圧電セラミックス基板との間に配置されている請求項1に記載の加速度センサ。 【請求項5】 前記低誘電層が、前記出力電力と前記前記圧電セラミックス基板との間に更に配置されている請求項4に記載の加速度センサ。 【請求項6】 前記配線パターン及び前記出力電極と前記対向電極パターンとの間に形成される静電容量の存在により前記出力電極から出力される加速度信号のレベルの低下が、実質的に無視できる程度になるように前記低誘電率層の比誘電率及び厚みが選択されている請求項1に記載の加速度センサ。 【請求項7】 前記低誘電率層の比誘電率は、前記圧電セラミックス基板の比誘電率の1/100以下であり、前記低誘電率層の厚みは、前記圧電セラミックス基板の厚みの0.2倍以上である請求項1に記載の加速度センサ。 【請求項8】 前記低誘電率層は、ガラスまた熱硬化性樹脂を主成分として形成されている請求項7に記載の三軸加速度センサ。 【請求項9】 前記低誘電率層は熱硬化性樹脂を主成分として形成され、前記配線パータン及び前記加速度出力電極は熱硬化性樹脂に導電性粉末が含まれてなる導電性ペーストを用いて形成されている請求項7に記載の加速度センサ。 【請求項10】 圧電セラミックス基板と、前記圧電セラミックス基板の表面上に形成されたX軸方向加速度を検出する1以上のX軸方向加速度検出用電極、Y軸方向加速度を検出する1以上のY軸方向加速度検出用電極、Z軸方向加速度を検出する1以上のZ軸方向加速度検出用電極、1以上のX軸方向加速度出力電極、1以上のY軸方向加速度出力電極、1以上のZ軸方向加速度出力電極、前記1以上のX軸方向加速度検出用電極と前記1以上のX軸方向加速度出力電極を接続する第1の配線パターン、前記1以上のY軸方向加速度検出用電極と前記1以上のY軸方向加速度出力電極を接続する第2の配線パターン、前記1以上のZ軸方向加速度検出用電極と前記1以上のZ軸方向加速度出力電極を接続する第3の配線パターンを含む表面電極パターンと、前記圧電セラミックス基板の裏面上に形成されて、少なくとも前記1以上のX軸方向加速度検出用電極、前記1以上のY軸方向加速度検出用電極及び前記1以上のZ軸方向加速度検出用電極と対向する対向電極パターンと、前記圧電セラミックス基板に対して固定状態に配置されて前記1以上のX軸方向加速度検出用電極、前記1以上のY軸方向加速度検出用電極及び前記1以上のZ軸方向加速度検出用電極が形成された領域に前記加速度に応じた応力を発生させる重錘と、少なくとも前記第1乃至第3の配線パターンの全部またはその主要部と前記圧電セラミックス基板との間に配置された低誘電率層とを具備し、前記低誘電率層は、前記圧電セラミックス基板の比誘電率よりも比誘電率が十分に小さく、前記1以上のX軸方向加速度検出用電極、前記1以上のY軸方向加速度検出用電極及び前記1以上のZ軸方向加速度検出用電極と前記対向電極パターンとの間の部分が分極処理されている三軸加速度センサ。 【請求項11】 前記重錘は、前記圧電セラミックス基板の裏面の中央部に直接接合されている請求項10に記載の三軸加速度センサ。 【請求項12】 前記圧電セラミックス基板の裏面にはダイアフラムが接合されており、前記重錘は前記ダイアフラムの中央部に設けられている請求項10に記載の三軸加速度センサ。 【請求項13】 前記低誘電層は、前記第1〜第3の配線パターンのうち前記1以上のX軸方向加速度検出用電極、前記1以上のY軸方向加速度検出用電極及び前記1以上のZ軸方向加速度検出用電極が形成された領域の外側に位置する配線パターン部分と前記圧電セラミックス基板との間に配置されている請求項10に記載の三軸加速度センサ。 【請求項14】 前記低誘電層が、前記1以上のX軸方向加速度出力電極、前記1以上のY軸方向加速度出力電極及び前記1以上のZ軸方向加速度出力電極と前記圧電セラミックス基板との間に更に配置されている請求項13に記載の三軸加速度センサ。 【請求項15】 前記第1乃至第3の配線パターンと前記対向電極パターンとの間に形成される静電容量の存在によって前記1以上のX軸方向加速度出力電極、前記1以上のY軸方向加速度出力電極及び前記1以上のZ軸方向加速度出力電極に現われる加速度信号のレベルの低下が実質的に無視できる程度になるように前記低誘電率層の比誘電率及び厚みが選択されていることを特徴とする請求項10に記載の三軸加速度センサ。 【請求項16】 前記低誘電率層の比誘電率は、前記圧電セラミックス基板の比誘電率の1/100以下であり、前記低誘電率層の厚みは、前記圧電セラミックス基板の厚みの0.2倍以上である請求項10に記載の三軸加速度センサ。 【請求項17】 前記低誘電率層は、ガラスまた熱硬化性樹脂を主成分として形成されている請求項16に記載の三軸加速度センサ。 【請求項18】 前記低誘電率層は熱硬化性樹脂を主成分として形成され、前記配線パータン及び前記加速度出力電極は熱硬化性樹脂に導電性粉末が含まれてなる導電性ペーストを用いて形成されている請求項16に記載の三軸加速度センサ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、圧電セラミックスを利用して加速度を検出する加速度センサ及び三軸加速度センサに関するものである。 【0002】 【従来の技術】表面に加速度検出用電極と、出力電極と、加速度検出用電極と出力電極とを接続する配線パターンが形成され、裏面に少なくとも加速度検出用電極と対向する対向電極が形成された圧電セラミックス基板と、圧電セラミックス基板の裏面に接合されたダイアフラムと、ダイアフラムの裏面に接合されて圧電セラミックス基板の加速度検出用電極が形成された領域に加速度に応じた応力を発生させる重錘を備えた構造の加速度センサが、知られている。 【0003】また圧電セラミックス基板と重錘とを用いて相互に直交するX軸,Y軸及びZ軸方向の加速度を検出することができる三軸加速度センサの基本技術が国際公開WO93/02342(PCT/JP92/00882,USP5,365,799号)、USP5,571,972号等に開示されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、圧電セラミックス基板は比誘電率が高いため、従来の加速度センサでは、配線パターン及び出力電極と対向電極パターンとの間にも当然にして静電容量が発生する。加速度検出用電極と対向電極パターンとの間に発生した自発分極電荷は、この静電容量にも蓄積される。そのため従来の加速度センサでは、出力電極から外部に取り出される加速度信号(電圧信号または電流信号)の出力がある程度低下するという問題が生じる。そのため、従来は、増幅器を用いて加速度信号を所望の値まで増幅している。しかしながら、増幅度が大きくなればなるほど、増幅器の増幅特性が原因となって検出精度が低下する。 【0005】また従来の三軸加速度センサでは、重錘に等量のX軸方向加速度、Y軸方向加速度またはZ軸方向加速度が単独で加わったときに、X軸方向加速度出力電極Xから出力されるX軸方向加速度信号、Y軸方向加速度出力電極Yから出力されるY軸方向加速度信号及びZ軸方向加速度出力電極Zから得られるZ軸方向加速度信号のレベルが一致しないのが一般的であった。このレベルの差が大きくなると、検出精度が低下する。そこで、従来は、増幅器を用いて加速度信号の増幅レベルを調整することにより、各方向の加速度信号のレベルを一致させる補正を行っていた。しかしながら、増幅レベルの調整作業は繁雑であるため、生産性を低下させる大きな原因となっていた。 【0006】本発明の目的は、加速度検出用電極から出力電極までの静電容量が原因となって発生する出力の低下を抑制できる加速度センサ及び三軸加速度センサを提供することにある。 【0007】本発明の他の目的は、出力電極の出力を増幅する増幅器の増幅度をあまり大きくする必要のない加速度センサを提供することにある。 【0008】本発明の他の目的は、増幅器を用いて信号レベルの調整をする必要がないか、または調整作業が僅かですむ三軸加速度センサを提供することにある。 【0009】本発明の他の目的は、各方向の加速度信号の信号レベルをできるだけ近付けることができる三軸加速度センサを提供することにある。 【0010】本発明の他の目的は、少なくとも配線パターンと対向電極パターンとの間に形成される静電容量を小さくできる加速度センサ及び三軸加速度センサを提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】発明者は、従来の三軸加速度センサにおける各方向の信号レベルの不一致の原因を探求した結果、圧電セラミックス基板は比誘電率が高いため、各出力電極及び配線パターンと対向電極パターンとの間に静電容量が発生し、この静電容量が出力の低下と信号レベルの不一致の原因の一つになっていることを見出した。加速度検出電極で発生した自発分極電荷は、加速度検出電極と出力電極との間の静電容量にも蓄積される。この蓄積量が多くなればなるほど、出力電極から出力される加速度信号が小さくなるのである。また三軸加速度センサの場合には、各出力電極及び配線パターンはその形状及び面積が異なるため、X軸加速度出力電極及びこの電極に接続される配線パターンと対向電極パターンとの間で発生する静電容量と、Y軸加速度出力電極及びこの電極に接続される配線パターンと対向電極パターンとの間で発生する静電容量と、Z軸加速度出力電極及びこの電極に接続せれる配線パターンと対向電極パターンとの間で発生する静電容量とが異なってくるの普通である。前述の通りこれらの静電容量にも、対応する加速度検出用電極で発生した自発分極電荷が蓄積されるため、X軸方向加速度信号、Y軸方向加速度信号及びZ軸方向加速度信号のレベルが異なってくるのである。 【0012】本発明が改良の対象とする加速度センサは、基本的な構成要素として、圧電セラミックス基板と、圧電セラミックス基板の表面上に形成された、加速度に応じた信号を出力する加速度検出用電極、加速度検出用電極の出力を外部に出力する出力電極及び加速度検出用電極と出力電極とを電気的に接続する配線パターンを含む表面電極パターンと、圧電セラミックス基板の裏面上に形成されて少なくとも加速度検出用電極と対向する対向電極パターンと、圧電セラミックス基板に対して固定状態に配置されて加速度検出用電極が形成された領域に加速度に応じた応力を発生させる重錘とを具備している。なお圧電セラミックス基板の加速度検出用電極と対向電極パターンとの間の部分は分極処理が施されている。 【0013】このような加速度センサにおいて、本発明では、表面電極パターンのうち少なくとも配線パターンの全部またはその主要部と圧電セラミックス基板との間に低誘電率層を配置する。そしてこの低誘電率層の比誘電率を、圧電セラミックス基板の比誘電率よりも十分に小さくする。 【0014】このような低誘電率層を形成すると、比誘電率の高い圧電セラミックス基板と比誘電率の低い低誘電率層とが直接に接続された関係になり、言い換えれば圧電セラミックス基板のみにより発生する静電容量C1と低誘電率層により発生する静電容量C2とが直列接続された関係になる。単純に考えて、低誘電率層を設けた場合の電極間の静電容量CはC=C1・C2/(C1+C2)となり、C2がC1よりも十分に小さいとすると、CはC1よりも大幅に小さくなる。例えばC2がC1の1/10以下であれば、静電容量CはC1の0.09倍まで低下する。そのため、本発明によれば、少なくとも配線パターンの全部または主要部と圧電セラミックス基板との間の静電容量を大幅に小さくして、出力の低下を抑制できる(即ち静電容量に蓄積される自発分極電荷の量を小さくすることができる)。 【0015】最も静電容量を小さくするためには、配線電極パターンの全部及び出力電極と圧電セラミックス基板との間に低誘電率層を配置すべきである。しかしながら実際に低誘電率層を形成してみると、配線電極パターンの全部及び出力電極と圧電セラミックス基板との間に低誘電率層を配置しなくても、実用上は差し支えない程度まで静電容量を小さくできることが分かった。具体的には、低誘電層を、配線パターンのうち加速度検出用電極が形成された領域の外側に位置する配線パターン部分と圧電セラミックス基板との間に配置するだけでも、実用上差し支えない程度まで静電容量を小さくできる。低誘電層を設ける部分が少なくなれば、それだけ低誘電層の印刷が容易になるだけでなく、低誘電層の形成材料が少なくとも済む。 【0016】なお対向電極パターンは、圧電セラミックス基板の裏面上に少なくとも加速度検出用電極と対向するように形成されていればよい。対向電極パターンは、加速度検出用電極のみと対向するように形成されていてもよく、また表面電極パターン全体と対向するように形成されていてもよい。対向電極パターンが加速度検出用電極のみと対向するように形成されている場合は、対向電極パターンは、配線パターン及び出力電極とは直接対向せず、斜めに対向する。その結果、容量値は低くなる。しかし、斜めに対向している部分の静電容量が無くなるわけではない。本発明のように低誘電率層を用いれば、斜めに対向する配線パターン及び出力電極と対向電極パターンとの間の静電容量も小さくすることができる。 【0017】また、対向電極パターンが表面電極パターン全体と対向するように形成されている場合には、対向電極パターンは、配線パターン及び出力電極と直接対向するため、比較的大きな静電容量が発生する。このような場合に低誘電率層を用いれば、静電容量の低減の効果は大きなものとなる。また、この場合、加速度検出用電極を除く圧電セラミックス基板全体に低誘電率層を形成すれば、静電容量の低減効果はより大きくなる。 【0018】圧電セラミックス基板に対しては、従来と同様にダイアフラムをその裏面に接合してもよい。この場合には、重錘をダイアフラムの中央部に接合すればよい。しかしダイアフラムを用いずに、圧電セラミックス基板の裏面の中央部に直接重錘を設けても構わない。このようにすれば、重錘の変位により圧電セラミックス基板が直接撓む。そのため、重錘に作用した加速度によって生じた重錘の変化による応力が圧電セラミックス基板内に直接発生するため、加速度センサの測定精度または感度を高くできる。また、ダイアフラムを用いる必要がないので、部品点数を少なくできる。 【0019】また、配線パターン及び加速度出力電極と対向電極パターンとの間に形成される静電容量の存在により出力電極に現われる加速度信号のレベルの低下が、実質的に無視できる程度になるように低誘電率層の比誘電率及びその厚みを選択すれば、従来のように増幅器を用いて出力信号を大きく増幅する必要がなくなる場合もある。実際的には、低誘電率層の比誘電率を圧電セラミックス基板の比誘電率の1/100以下とし、低誘電率層の厚みを圧電セラミックス基板の厚みの0.2倍以上にすればよい。低誘電率層の厚みが0.2倍を下回ると、静電容量を効果的に低下させることができない。 【0020】低誘電率層は、ガラスまたは、エポキシ等の熱硬化性樹脂を用いて形成することができる。熱硬化性樹脂を主成分として低誘電率層を形成する場合には、配線パータン及び加速度出力電極は熱硬化性樹脂に導電性粉末が含まれてなる樹脂系の導電性ペーストを用いて形成する。このようにすれば、配線パータン及び加速度出力電極を形成するときの熱で、低誘電率層が変質するのを防止できる。 【0021】本発明を三軸加速度センサに適用する場合は、X軸方向加速度を検出する1以上のX軸方向加速度検出用電極、Y軸方向加速度を検出する1以上のY軸方向加速度検出用電極、Z軸方向加速度を検出する1以上のZ軸方向加速度検出用電極、1以上のX軸方向加速度出力電極、1以上のY軸方向加速度出力電極、1以上のZ軸方向加速度出力電極、1以上のX軸方向加速度検出用電極と1以上のX軸方向加速度出力電極を接続する第1の配線パターン、1以上のY軸方向加速度検出用電極と1以上のY軸方向加速度出力電極を接続する第2の配線パターン、1以上のZ軸方向加速度検出用電極と1以上のZ軸方向加速度出力電極を接続する第3の配線パターンを含む電極パターンが表面上に形成され、裏面上に電極パターンと全体的に対向する対向電極パターンが形成され、1以上のX軸方向加速度検出用電極、1以上のY軸方向加速度検出用電極及び1以上のZ軸方向加速度検出用電極と対向電極パターンとの間の部分が分極処理されている圧電セラミックス基板を用いる。そして、少なくとも第1乃至第3の配線パターンの全部またはその主要部と圧電セラミックス基板との間に、圧電セラミックス基板の比誘電率よりも比誘電率が小さい低誘電率層を形成すればよい。 【0022】本発明により、少なくとも第1〜第3の配線パターンの全部または主要部と対向電極パターンとの間に形成される静電容量を小さくすると、この静電容量が原因となって生じる各方向の加速度出力電極に現われる加速度信号のレベルの低下を大幅に抑制できる。その結果、電極の寸法及び配線パターンの形状及び長さをほとんど気にすることなく、三軸加速度センサを設計することができる。また従来のように各出力電極から出力される各信号レベルのズレが大きくなることが少なく、信号レベルの補正をする必要が殆どなくなる。各信号レベルにズレが発生しても、その差は僅かであり、簡単に信号レベルの調整を行える。そのため、本発明によれば設計が容易で、しかも生産性を大幅に高めることができる。また、三軸加速度センサの組立精度を高めれば、加速度信号の補正を行う必要が全くなくなって、三軸加速度センサの製造を更に容易にすることができる。 【0023】 【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施の形態の一例を説明する。図1は本発明の実施の形態の三軸加速度センサ1の平面図であり、図2は図1のII−II線端面図である。両図に示すように、この三軸加速度センサ1はセンサ本体3とこのセンサ本体3の外周部を支持する筒形の金属製の台座(支持部材)4とから構成されており、台座4が接着剤により取付部材2に接合されることにより、三軸加速度センサ1は金属製の取付部材2に取付けられている。センサ本体3は、圧電セラミックス基板5と、この圧電セラミックス基板5に接合された金属製ダイアフラム6と、この金属製ダイアフラム6に接合された重錘7とから構成されている。圧電セラミックス基板5は、内部に応力が加わると自発分極電荷が発生するように分極処理が施されている圧電セラミックス基板であり、この圧電セラミックス基板5は輪郭形状が四角形をなしている。分極処理については後に詳細に説明する。また、圧電セラミックス基板5の一方の面(表面)には表面電極パターンE1が形成され、圧電セラミックス基板5の他方の面(裏面)には、対向電極パターンE0が形成されている。圧電セラミックス基板5の裏面側には、対向電極パターンE0を介して金属製ダイアフラム6が接着剤を用いて接合されている。 【0024】圧電セラミックス基板5は、重錘固定領域5Aと中間領域5Bと外周領域5Cを有している。重錘固定領域5Aは、圧電セラミックス基板1の中心部において円形の形状を有している。この重錘固定領域5Aには、対向電極パターンE0及び金属製ダイアフラム6を介して重錘7が固定状態に配置されている。重錘7はアルミ合金、銅合金、鉄合金により円柱状に形成されている。重錘7は、静止状態においてその重心を通る軸線が重錘固定領域5Aの中心を通って圧電セラミックス基板5の面と直交するように、金属製ダイアフラム6に固定されている。 【0025】中間領域5Bは、重錘固定領域5Aを囲む環状の形状を有している。中間領域5Bは、重錘7に対して圧電セラミックス基板1と平行な方向(X軸方向またはY軸方向)に加速度が作用すると、重錘7の重心を中心として点対称に異なった状態(引っ張り応力が加わった状態と、圧縮応力が加わった状態と)に変形する領域である。また、重錘7に対して圧電セラミックス基板1と直交する方向(Z軸方向)に加速度が作用すると、中間領域5Bの各部は同じ状態(引っ張り応力が加った状態)に変形する。 【0026】圧電セラミックス基板5の表面及び裏面に形成された表面電極パターンE1及び対向電極パターンE0は、いずれも熱硬化性樹脂に銀粉からなる導電性粉末が含まれてなる銀ペーストを用いてスクリーン印刷により形成されている。これらの表面電極パターンE1と対向電極パターンE0との間に発生する自発分極電荷の変化により、重錘7に加わった三軸(X軸,Y軸,Z軸)方向の加速度が測定される。なお、ここでいうX軸,Y軸,Z軸は互いに直交する方向に延びる軸である。X軸及びY軸は圧電セラミックス基板5の面方向に延びており、Z軸は圧電セラミックス基板5の面方向と直交する方向に延びている。この例では、対向電極パターンE0は、表面電極パターンE1の全てに対応する部分に形成されており、10μmの厚みを有している。圧電セラミックス基板5の裏面は、対向電極パターンE0を介して接着剤により金属製ダイアフラム6に接合されている。図示していないが、対向電極パターンE0の裏面には凹凸があり、接着剤は、対向電極パターンE0の裏面の凹部に入り込んで対向電極パターンE0と金属製ダイアフラム6とを接合している。そして、対向電極パターンE0の凸部は、金属製ダイアフラム6と接合している。これにより、対向電極パターンE0は、金属製ダイアフラム6及び台座(支持部材)4を介して取付部材2に接地される。なお、接地用パターンを別に設け、接地用パターンを導電性接着剤を介して金属製ダイアフラム6に接合することにより、接地をより確実なものとしてもよい。表面電極パターンE1は、三軸(X軸,Y軸,Z軸)方向のそれぞれの電極パターン部を有しており、対向電極パターンE0と同様に10μmの厚みを有している。表面電極パターンE1のX軸方向の電極パターン部は、2つのX軸方向加速度検出用電極DX1,DX2とX軸方向出力電極OXとが接続線LX1,LX2により直列に接続された構造を有している。本例では、2つのパターン部LX1,LX2により第1の配線パターンが構成されている。なお、パターン部LX1は、検出用電極DX1,DX2と接続される端部に銀ペーストからなる接続部を有している。また、パターン部LX2は、検出用電極DX2と接続される端部に銀ペーストからなる接続部を有している。 【0027】検出用電極DX1及びDX2は、いずれも大部分が中間領域5Bに位置する面上に形成され、しかも一部が重錘固定領域5Aと中間領域5Bとに跨がるように形成された弧状をなしている。そして、検出用電極DX1及びDX2は、圧電セラミックス基板5の面上を延びる仮想X軸直線XL(II−II線と重複する線)上に位置し且つ重錘固定領域5Aを間に挟むように対称的に配置されている。接続線LX1は、検出用電極DX1と検出用電極DX2とを最短で接続するように重錘固定領域5A上を延びている。出力電極OXは、ほぼ正方形の形状を有しており、中間領域5Bの外側にある外周領域5Cに形成されている。 【0028】Y軸方向の電極パターン部は、2つのY軸方向加速度検出用電極DY1,DY2とY軸方向出力電極OYとが接続線LY1〜LY3により直列に接続された構造を有している。具体的には、Y軸方向加速度検出用電極DY1とY軸方向加速度検出用電極DY2とが接続線LY1,LY2により接続されており、Y軸方向加速度検出用電極DY1とY軸方向出力電極OYとが接続線LY2,LY3により接続されている。本例では、接続線LY1〜LY3により第2の配線パターンが構成されている。なお、接続線LY1及びLY2も銀ペーストからなる接続部を有している。 【0029】Y軸方向加速度検出用電極DY1及びDY2は、X軸方向加速度検出用電極DX1及びDX2と同様に弧状をなしており、大部分が中間領域5Bに位置する面上に形成され、しかも一部が重錘固定領域5Aと中間領域5Bとに跨がるように形成されている。そしてY軸方向加速度検出用電極DY1及びDY2は、一対のX軸方向加速度検出用電極DX1,DX2を結ぶ仮想X軸直線XLと直交して圧電セラミックス基板5の面と水平に延びる仮想Y軸直線YL上に位置し且つ重錘固定領域5Aを間に挟むようにして対称的に配置されている。仮想Y軸直線YLと仮想X軸直線XLとは互いに直交するので、検出用電極DX1、DY1、DX2及びDY2はそれぞれ90度の角度間隔をあけて配置されることになる。接続線LY1〜LY3は、接続線LX1等と交差しないように中間領域5Bの外側の外周領域5Cに形成されている。接続線LY1,LY3は連続する円弧状に形成されており、接続線LY2は接続線LY1と接続線LY3との連結部から検出用電極DY2に延びる直線形状を有している。Y軸方向出力電極OYはほぼ正方形の形状を有しており、中間領域5Bの外側にある外周領域5CにX軸方向出力電極OXと並んで形成されている。 【0030】Z軸方向の電極パターン部は、パイロ対策用電極(焦電対策用電極)AZ1,Z軸方向加速度検出用電極DZ1,Z軸方向加速度検出用電極DZ2,パイロ対策用電極AZ2,パイロ対策用電極AZ3,Z軸方向加速度検出用電極DZ3,Z軸方向加速度検出用電極DZ4,パイロ対策用電極AZ4,Z軸出力電極OZが、これらの順に接続線LZ1〜LZ8によって直列に接続された構造を有している。本例では、接続線LZ1〜LZ8により第3の配線パターンが構成されている。なお、接続線LZ2,LZ4,LZ6及びLZ8も銀ペーストからなる接続部を有している。検出用電極DZ1と検出用電極DZ2とを接続する接続線LZ2と、検出用電極DZ3と検出用電極DZ4とを接続する接続線LZ6とは、X軸方向の電極パターン部の接続線LX1を挟んで並ぶように重錘固定領域5A上を延びている。パイロ対策用電極AZ2とパイロ対策用電極AZ3とを接続する接続線LZ4は、接続線LY1の円弧の内側(圧電セラミックス基板5の中心寄り)を円弧形状に延びている。Z軸出力電極OZはほぼ正方形の形状を有しており、中間領域5Bの外側の外周領域5Cに位置するようにX軸方向出力電極OX及びY軸方向出力電極OYと並んで形成されている。これらX軸方向出力電極OX,Y軸方向出力電極OY,Z軸方向出力電極OZは図示しない演算回路に接続されており、各電極からは演算回路に電圧信号または電流信号の加速度信号が送られる。 【0031】4つのZ軸方向加速度検出用電極DZ1〜DZ4は、いずれも大部分が中間領域5Bに位置する面上に形成され、しかも一部が重錘固定領域5Aと中間領域5Bとに跨がるように形成された矩形状をなしている。4つのZ軸方向加速度検出用電極DZ1〜DZ4は、検出用電極DX2と検出用電極DY1との間,検出用電極DY1と検出用電極DX1との間,検出用電極DX1と検出用電極DY2との間,検出用電極DY2と検出用電極DX2との間の各中央部にそれぞれ配置されている。したがって、検出用電極DZ1〜DZ4は、それぞれ90度の角度間隔をあけて配置されている。また、このような配置により、検出用電極DX1,DX2,DY1,DY2,DZ1〜DZ4は、重錘固定領域5Aと中間領域5Bとに跨がった環状の電極列を構成している。 【0032】Z軸方向加速度検出用電極DZ1〜DZ4にそれぞれ直列接続されたパイロ対策用電極AZ1〜AZ4は、中間領域5Bに近接した応力発生領域の表面上に形成されており、いずれも矩形に近い形状を有している。パイロ対策用電極AZ1〜AZ4は、温度変化により圧電セラミックス基板5の内部に発生する引っ張り応力や圧縮応力によりZ軸方向加速度検出用電極DZ1〜DZ4より生じる出力を中和する役割を果たしている。なおこのパイロ対策用電極AZ1〜AZ4を設けることについては、本出願の出願人の先願である特願平8−288080号に詳細に説明してある。 【0033】X軸方向加速度検出用電極DX1,DX2に対応する圧電セラミックス基板5の各部分には、各部分に同種類の応力が発生したとき(Y軸方向またはZ軸方向にのみ加速度が発生したとき)に重錘固定領域5Aの一方の側に位置するX軸方向加速度検出用電極DX1と他方の側に位置するX軸方向加速度検出用電極DX2とにそれぞれ逆極性の自発分極電荷が現れるように分極処理が施されている。この例では、X軸方向加速度検出用電極DX1,DX2に対応する圧電セラミックス基板5の各部分に引っ張り応力が発生したときに、X軸方向加速度検出用電極DX1にプラスの自発分極電荷が現れ、X軸方向加速度検出用電極DX2にマイナスの自発分極電荷が現れるように分極処理が施されている。 【0034】また、Y軸方向加速度検出用電極DY1,DY2に対応する圧電セラミックス基板5の各部分もX軸方向加速度検出用電極DX1,DX2に対応する圧電セラミックス基板5の各部分と同様に、各部分に同種類の応力が発生したとき(X軸方向またはZ軸方向にのみ加速度が発生したとき)に重錘固定領域5Aの一方の側に位置するY軸方向加速度検出用電極DY1と他方の側に位置するY軸方向加速度検出用電極DY2とにそれぞれ逆極性の自発分極電荷が現れるように分極処理が施されている。この例では、Y軸方向加速度検出用電極DY1,DY2に対応する圧電セラミックス基板5の各部分に引っ張り応力が発生したときに、Y軸方向加速度検出用電極DY1にプラスの自発分極電荷が現れ、Y軸方向加速度検出用電極DY2にマイナスの自発分極電荷が現れるように分極処理が施されている。 【0035】また、Z軸方向加速度検出用電極DZ1〜DZ4に対応する圧電セラミックス基板5の各部分は、各部分に同種類の応力が発生したとき(Z軸方向にのみ加速度が発生したとき)にすべてのZ軸方向加速度検出用電極DZ1〜DZ4に同じ極性の自発分極電荷が現れるように分極処理が施されている。この例では、Z軸方向加速度検出用電極DZ1〜DZ4に対応する圧電セラミックス基板5の部分に引っ張り応力が生じた際にZ軸方向加速度検出用電極DZ1〜DZ4にプラスの自発分極電荷が現れるように分極処理が施されている。これらの分極処理は、表面電極パターンE1の各検出用電極DX1…及び対向電極パターンE0を形成した後に圧電セラミックス基板5に直流電圧を印加することにより行った。 【0036】分極処理が施された圧電セラミックス基板5の表面側には、重錘固定領域5Aとパイロ対策用電極AZ1〜AZ4が形成された部分を除く外周領域5Cの大部分に対応して低誘電率層8及び9が形成されている。低誘電率層8及び9は、いずれも圧電セラミックス基板5よりも比誘電率が十分に小さいガラスペーストからなる熱硬化性樹脂(比誘電率:10)を用いてスクリーン印刷により形成されており、約20μmの厚みを有している。低誘電率層は、圧電セラミックス基板5の1/100以下の比誘電率を有する誘電物質を用いて圧電セラミックス基板5の厚みの0.2倍以上に形成するのが好ましい。誘電物質としては、圧電セラミックス基板5よりも比誘電率が十分に小さいものであればよく、ガラス及びエポキシ等の熱硬化性樹脂を用いることができる。低誘電率層8は、重錘固定領域5A内において、接続線LZ2,LX1,LZ6と、圧電セラミックス基板5との間に位置するように形成されており、円形の形状を有している。低誘電率層9は、中間領域5Bの外側において、接続線LX2,LY1,LY2,LY3,LZ4,LZ8及び出力電極OX,OY,OZと圧電セラミックス基板5との間に位置するように形成されており、環状の電極列(DX1…)及びパイロ対策用電極AZ1〜AZ4が形成された領域を隔てて、低誘電率層8を囲む形状を有している。 【0037】本例では、接続線LZ2,LX1,LZ6と圧電セラミックス基板5との間に形成された低誘電率層8の部分の面積と、接続線LX2,LY1,LY2,LY3,LZ4,LZ8及び出力電極OX,OY,OZと圧電セラミックス基板5との間に形成された低誘電率層9の部分の面積の合計(S1)が約19.3mm2である。そして圧電セラミックス基板5の比誘電率が2150(誘電率19.03×10-9F/m)で、しかもその厚みが約100μmであり、低誘電率層8及び9がないとすると、この合計面積S1のパターンと対向電極パターンE0との間に形成される静電容量Cは、ほぼ3.67×10-9Fである。これに対して本実施例のように低誘電率層8及び9を形成した場合には、圧電セラミックス基板5の上に重ねられる低誘電率層8及び9の比誘電率が小さいために、この合計面積S1のパターンと対向電極パターンE0との間に形成される静電容量C´は、ほぼ4.22×10-11 となる。静電容量CとC´とを比較すると、その値はほぼ1/100近くに小さくなっている。その結果、各接続線(LX1…)及び各出力電極(OX…)と、対向電極パターンE0との間に形成される静電容量の存在によって各出力電極(OX…)に現われる加速度信号のレベルが低下するのを大幅に抑制できる(またはを実質的に無視することができる)。 【0038】図3は本発明の他の実施の形態の三軸加速度センサ10の端面図である。本実施の形態の三軸加速度センサ10の平面図は、図1に示す三軸加速度センサ1の平面図と同じである。この例では、対向電極パターンE10は、表面電極パターンE1の検出用電極DX1,DX2,DY1,DY2,DZ1〜DZ4と対向するように、円環状に形成されている。言い換えるならば、各出力電極OX1…及び各配線パターンLX1…と直接対向しないように対向電極パターンE10は形成されている。対向電極パターンE10が形成されていない部分では、圧電セラミックス基板5は接着層Sにより金属製ダイアフラム6と接合されている。また、対向電極パターンE10が形成されている部分では、対向電極パターンE10を介して、接着剤により圧電セラミックス基板5は金属製ダイアフラム6と接合されている。この例においても、図2に示す実施の形態の三軸加速度センサ1と同様に、対向電極パターンE10は、金属製ダイアフラム6及び台座(支持部材)4を介して取付部材2に接地されている。この例では、各出力電極OX1…及び各配線パターンLX1…と対向電極パターンE10とは、斜めに対向している。この場合でも、両者の間で発生する静電容量は、低誘電率層8及び9により低下する。 【0039】なお、上記例においては、ダイアフラム6は金属製であるが、ダイアフラムは金属に限られるものではない。ダイアフラムをガラス等の非金属で形成する場合には、対向電極パターンE0は、図示しない演算回路に直接接続すればよい。また上記例では、重錘7とダイアフラム6を別体に構成しているが、これらを一体に構成してもよいのは勿論である。 【0040】図4は、本発明の更に他の実施の形態の三軸加速度センサ11の平面図であり、図5は図4のV−V線端面図である。本実施の形態の三軸加速度センサでは、図1乃至図3に示した三軸加速度センサと異なって、ダイアフラムを用いずに、圧電セラミックス基板5の裏面側に接着剤層を介して重錘7及び台座4を直接接合している。また、この三軸加速度センサ11では、外周領域5Cの上に形成された第1〜第3の配線パターンのパターン部と圧電セラミックス基板5との間にのみ低誘電率層18,19及び20が形成されている。具体的には、パターン部LX2と圧電セラミックス基板5との間に低誘電率層18が形成され、パターン部LY1〜LY3及びLZ4と圧電セラミックス基板5との間に低誘電率層19が形成され、パターン部LZ8と圧電セラミックス基板5との間に低誘電率層20が形成されている。特に、対向電極パターンE10が、電極パターンE1の検出用電極DX1…とだけ対向するように形成されている場合には、本例のように配線パターンの主要なパターン部と圧電セラミックス基板5との間にのみに低誘電率層を形成するだけでも、静電容量の低減の効果は大きなものとなる。また、このように低誘電率層を形成すれば、図1に示す例に比べて低誘電率層の形成部分の面積を小さくすることができて、三軸加速度センサの製造コストをさげることができる。 【0041】なお、この例では、配線パターンの主要なパターン部と圧電セラミックス基板5との間にのみ低誘電率層を形成したが、配線パターンのパターン部に加えて各出力電極(OX…)と圧電セラミックス基板5との間に低誘電率層を形成しても構わない。 【0042】また、上記各例では、パイロ対策用電極AZ1〜AZ4が形成されているが、本発明は、パイロ対策用電極AZ1〜AZ4を有しないタイプの三軸加速度センサにも当然にして適用できる。また上記例では、X軸方向出力電極及びY軸方向出力電極をそれぞれ1つずつ設けているが、検出用電極DX1及びDX2にそれぞれ出力電極を設け、更に検出用電極DY1及びDY2にそれぞれ出力電極を設けるようにしてもよい。 【0043】本発明を三軸加速センサに適用する場合、各方向の加速度信号のレベルを一致させるためには、X,Y及びZの各方向にそれぞれ同じ大きさの加速度が加わった場合に、各方向の検出電極に発生する自発分極電荷の総量が同じになるように、各検出電極のパターン及び配置を考えるのが好ましい。 【0044】また上記例は、本発明を三軸加速度センサに適用した例であるが、本発明は一軸及び二軸の加速度センサにも当然適用できる。 【0045】 【発明の効果】本発明によれば、少なくとも配線パターンの全体または主要部と対向電極パターンとの間の静電容量を小さくすることができ、その結果出力の低下を抑制することができる。 【0046】また、本発明を三軸加速度センサに適用にすれば、各方向における加速度出力電極及び配線パターンと対向電極パターンとの間で発生する静電容量の相違を実質的に無視できる程度まで小さくすることができる。そのため、各方向の加速度信号を増幅処理して信号レベルの補正をする必要がなくなる。なお実際上は、信号レベルを完全に一致させることは容易ではない。しかしながら本発明によれば、ある程度実用上許容できる範囲まで信号レベルを等しくすること(または一致させること)ができる。もし更に高精度を必要とする用途に用いる三軸加速度センサを製造する場合には、従来のように増幅器を用いて各方向の加速度信号のレベルの調整を行えばよい。但し、この場合でも、本発明によれば、すでに各方向の加速度信号のレベルは、ほぼ一致しているため、レベル調整は容易に行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000242633 【氏名又は名称】北陸電気工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)9月21日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】松本 英俊 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−160344 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−266323 |
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