| 【発明の名称】 |
車輪速度演算装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】江口 恵
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| 【要約】 |
【課題】車種によるタイヤ外径の違いに影響されることなく、部品の共通化を図った車輪速度演算装置を提供する。
【解決手段】車種毎に配設されて車体の走行速度を検出する車体速度センサ14と、タイヤ外径に関係なく車輪に配設されて回転速度を検出する車輪速度センサ11と、車輪速度センサ11からの車輪速度と車体速度センサ14からの車体速度との比較に基づいて各車輪の車輪速度を補正する車輪速度補正手段と、を備える構成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車体の走行速度を検出する車体速度センサと、車輪に配設され車輪の回転速度を検出する車輪速度センサと、前記車輪速度センサからの車輪速度と前記車体速度センサからの車体速度との比較に基づいて前記各車輪の車輪速度を補正する車輪速度補正手段と、を備えたことを特徴とする車輪速度演算装置。 【請求項2】 前記車輪速度演算装置において、前記車体速度センサは、ドライブシャフトの回転速度を検出することを特徴とする請求項1記載の車輪速度演算装置。 【請求項3】 前記車輪速度補正手段は、前記車体速度センサからの出力が所定車体速度以上であるときに車輪速度を補正することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車輪速度演算装置。 【請求項4】 前記車輪速度補正手段が定速走行時に車輪速度を補正することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の車輪速度演算装置。 【請求項5】 前記車輪速度補正手段が直進走行時に車輪速度を補正することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の車輪速度演算装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車輪速度センサからの出力を車体速度に換算する車輪速度演算装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、車輪速度演算装置としては、例えば特開平6-186237号公報に開示されたものがある。この車輪速度演算装置の構成を図4に示す。この中で、各車輪速度センサ41からの出力を車輪速度演算部42で車輪速度Vw1〜Vw4に変換し、変換された車輪速度に基づいて疑似車体速度設定部43により疑似的な車体の速度である疑似車体速度Vvを求めている。そして、例えば、車輪ロック抑制装置(ABS)においては、これらの車輪速度Vw1〜Vw4及び疑似車体速度Vvを用い、ABSロジック制御部44によるロジック制御に基づいて油圧制御手段45によりブレーキ装置46を制御している。 【0003】図3(a)には上記の車輪速度演算装置に使用する一般的な電磁式速度検出センサ30の一例の構成を示した。それによると、ドライブシャフトに回転接続された強磁性体のトーンホィール31は、その全周面に亘って歯32を形成する一方、トーンホィール31の中心から半径方向線上に歯面32aに近接して電極33を配設している。また、電極33のトーンホィール31側に導線を巻回することによりコイル34を形成しており、そのコイル34の反対側には永久磁石35を配設している。 【0004】このような構成の速度検出センサ30によって車体速度を測定する。即ち、図3(b)に示すようにトーンホィール31の回転速度に比例して周期が変動する交流電圧が発生し、図3(b)に示す電圧波形から図3(c)に示す矩形波に変換して単位時間当たりのパルス数を計数したり、周期Tを測定して回転速度を検出し、車体速度を求めている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】このような従来の車輪速度演算装置においては、車輪速度センサの出力に対する単位時間当たりのパルス数やパルス周期Tを車体速度に換算するための換算テーブル(所定タイヤ外径を登録)を、車輪ロック抑制装置(ABS)のコントロールユニットに予め記憶しておき、その換算テーブルに基づいて車輪速度センサからの出力パルス数、又はパルス周期で車体速度を求めている。 【0006】つまり、換算される車体速度は装着されているタイヤの外径が変更されると誤った数値となり、同一仕様の車輪速度演算装置を異なる車種に取り付ける場合には、タイヤの外径を車種間で一致させておく必要がある。また、タイヤ外径が異なる車体に車体速度演算装置を取り付ける場合には、速度センサのトーンホィール歯数を変更するか、コントロールユニット内部の速度演算テーブルを変更する必要がある。 【0007】このことから、異なるタイヤ外径の車種間では、タイヤ外径に適応するようにトーンホィールの歯数又はコントロールユニット内の換算テーブルを変更する必要がある。そのため、仕様が異なる種々の車体を製造するに際し、装着されたタイヤ径が異なる度に専用の車輪速度演算装置を用意しなければならず、車体の製造工程が煩雑となり、部品種類が増大すると共に製造コストが増大することになる。 【0008】本発明の目的は、上記問題点を解決し、車種によるタイヤ外径の違いに影響されることなく、異なる車種間で部品の共通化を図ることのできる車輪速度演算装置を提供することである。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明である、車体の走行速度を検出する車体速度センサと、車輪に配設され車輪の回転速度を検出する車輪速度センサと、前記車輪速度センサからの車輪速度と前記車体速度センサからの車体速度との比較に基づいて前記各車輪の車輪速度を補正する車輪速度補正手段と、を備える構成の車輪速度演算装置により達成される。 【0010】また、前記車輪速度演算装置において、前記車体速度センサは、ドライブシャフトの回転速度を検出することが好ましい。そして、この車体速度センサは各車種別(より詳しくはタイヤ外径別)に備えられ、基準となる車体速度を提供することができるものである。更に、車体速度センサからの車体速度値と比較する車輪速度値としては、各車輪センサからの測定値の一番大きい値、又は、平均値などで疑似車輪速度を1つ算出し、使用することができる。またそれ以外にも、各車輪センサからの測定値をそのまま車体速度値と比較しても良い。 【0011】ここで、車体速度センサは低速域では、ドライブシャフトの1回転当たりの発生パルス数が少ないため速度検出に生ずる誤差が大きくなるので、前記車輪速度補正手段は、前記車体速度センサからの出力が所定車体速度以上であるときにだけ車輪速度を補正することが好ましい。この車体速度としては速度演算周期毎に最低1周期の速度信号(発生パルス)が検出される速度が好ましい。 【0012】さらに、加速又は減速時には車種によるタイヤ外径の違い以外で速度差が発生しているので、前記車輪速度補正手段が定速走行時に車輪速度を補正することが好ましい。また、旋回時には内輪と外輪との速度差が発生するので、前記車輪速度補正手段が直進走行時に車輪速度を補正することが好ましい。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。図1は本発明に係る車輪速度演算装置の構成を示すブロック図である。この実施形態の車輪速度演算装置は車輪ロック抑制装置(ABS)に適用しているものであり、4輪車両の全車輪に対しそれぞれ配設された車輪速度センサ11と、車輪速度センサ11からの出力を車輪速度Vwn(n=1〜4)に変換する車輪速度演算部12と、前記車輪速度演算部12による車輪速度から車体の疑似的な速度Vvを算出する疑似車体速度演算部13とを備えている。 【0014】また、これらに加えて、例えばドライブシャフトに接続さて車体速度を検出するスピードメータ用の車体速度センサ14と、該車体速度センサ14からの出力を車体速度に変換する車体速度演算部15とを備えており、これら車体速度センサ14と車体速度演算部15は各車種のタイヤ径ごとに異なる設定を与えられている。 【0015】そして、前記車輪速度演算部12,疑似車体速度演算部13,車体速度演算部15からの出力に基づいて車輪速度の補正処理を制御する制御部16と、車輪速度に後述する補正係数Cを乗じることにより車輪速度の補正値Vwn+(n=1〜4)を求める速度補正部17とを備えている。ここで、車輪速度演算部12,疑似車体速度演算部13,車輪速度センサ11制御部16,速度補正部17は、本発明の特徴として、いずれの車種にも共通とすることができる。 【0016】この速度補正部17からの出力はABSロジック制御部18に入力され、所定の条件で油圧制御手段19を介してブレーキ装置20を作動させている。尚、本実施の形態においては、制御部16はABS制御用のコントロールユニットであり、図示しない不揮発性のメモリを内蔵している。 【0017】このような構成の車輪速度演算装置による車輪速度補正処理の手順を図2に示すフローチャートを参照しながら説明する。ステップ1(以降、S1と称する。)では、車体速度センサ14からの出力を車体速度演算部15に入力して車体速度Vrefを求める。この車体速度Vrefを基準として以降の補正処理が行われる。この車体速度演算部15は各車両別に設けられているスピードメータ用に備えられているものを使用することで、出力される車体速度Vrefはタイヤ径に対して正確なものとなり、基準値として使用できる。 【0018】S2では、車輪速度センサ11からの各出力を車輪速度演算部12にそれぞれ入力し、制御部16に予め記憶された換算データ、即ち、車体に取り付けられているタイヤの平均的なタイヤ径に対する換算データに基づいて各車輪速度Vwnを求める。そして、S3では、疑似車体速度設定部13により、S2で求められた各車輪速度Vwnのうち最大の車輪速度を抽出し、これを疑似車体速度Vvとする。なお、疑似車体速度は各車輪速度の最大速度の他、各車輪の平均速度等を用いてもよい。以上のS1〜S3の各ステップにより得られた速度値(Vref,Vw1,Vw2,Vw3,Vw4,Vv)は制御部16に入力される。 【0019】次に、S4では、S1で求めた車体速度Vrefが所定速度(例えば時速20km)以上であるかを判断する。このステップは、速度センサ14からのパルスが少ない低速域においては速度の算定誤差が大きいため、この低速域に対しては車輪速度の補正を中止するものである。車体速度Vrefが所定速度以上のときはS5に進み、所定速度より低いときは車輪速度の補正処理は行わずに終了する。 【0020】S5では、車体の加減速度が所定値(例えば0.1G)以下であるかを判断する。このステップは、車体の加速時及び減速時の速度変化が大きいときは車輪速度の補正を行わず、定速走行時にだけ補正を行うようにするものである。尚、この加減速度は車体速度Vrefを微分処理することにより求めてもよく、加速度センサを設けて検出する構成としてもよい。この加減速度が所定値以下であるときはS6に進み、所定値より大きいときは各車輪速度の補正処理は行わずに終了する。 【0021】S6では、疑似車体速度Vvと各車輪速度Vwnを比較して、その速度差が所定速度(例えば、時速2km)以下であるかを判断する。これは、車体の旋回時においては車体速度と車輪速度との差が大きくなるため、旋回時においては車輪速度の補正は行わず、直進走行時だけに補正するものである。所定速度以下であるときはS7に進み、所定速度より速いときは各車輪速度の補正処理は行わずに終了する。以上のS4〜S6のステップにより、以降の処理で車輪速度が不正に補正されることを未然に防止することができる。 【0022】次にS7では、車体速度Vrefと疑似車体速度Vvとの差が所定速度(例えば、時速2km)以上であるかを判断する。これは、各車輪速度センサからの車輪速度Vwnから求める疑似車体速度Vvと車体速度Vrefとの差が少ない場合は、車輪速度を特に補正する必要はないために補正処理を中止するもので、必要な時だけに補正処理が行なわれるようにしたものである。所定速度以上のときはS8に進み、所定速度より低いときは補正処理を行わずに終了する。 【0023】S8以降は車輪速度の補正処理ステップである。まず、S8では、(1)式により速度補正定数Cを算出すると共に、この値を制御部16の不揮発性メモリに記憶する。 C=Vref/Vv (1) 【0024】次にS9では、補正部17において、(2)式に示すように各車輪速度Vwn(n=1〜4)にS8で求めた速度補正定数Cを乗じることにより車輪速度Vwnを補正し、実際の車体速度に近い補正車体速度Vwn+を求める。 Vwn+=C・Vwn (2) 【0025】尚、上記の補正処理においては、速度補正定数Cを基準速度である車体速度Vrefと、疑似車体速度Vvとから算出して各車輪速度を一律に補正しているが、各車輪毎に補正する方式としてもよい。各車輪毎に補正するには、(3)式により速度補正定数Cn(n=1〜4)を各車輪毎に設定し、(4)式から補正車体速度Vwn+を算出すればよい。 Cn=Vref/Vwn (3) Vwn+=Cn・Vwn (4) 【0026】この場合、より正確な車輪速度が得られるため、この補正された車輪速度に基づいて行なわれるABSロジック制御をより適切に行うことができ、以て、ブレーキ装置による制動制御が良好に行われるようになる。また、補正された車輪速度を他の各種制御、例えば駆動力制御、アンチブロック制御、制動制御、サスペンション制御等に適用することにより、これらの制御をより適切に実行することができる。 【0027】尚、本実施の形態においては、4輪車におけるABS制御用の車輪速度センサを用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば2輪車等の異なる種類の車両に対しても、また、いかなる種類の車輪速度センサに対しても適用可能である。 【0028】 【発明の効果】本発明によれば、車種毎に備えられた車体速度センサから検出される車体速度を基準として、共通の車輪速度演算装置において車輪速度の補正値を決定するものであり、車輪速度センサやコントロールユニット等の部品をタイヤの外径に関係なく共通に使用することができるようになり、よって、車体の製造工程をより簡素化することができ、部品種類を減少させて製造コストをより低減することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000516 【氏名又は名称】曙ブレーキ工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月2日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】萩野 平 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−160339 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−331946 |
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