| 【発明の名称】 |
光検出器を用いた物体の運動測定方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】有賀 規
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| 【要約】 |
【課題】高速で機能する光検出器を用いた物体の運動測定方法を提供する。
【解決手段】運動物体1からの放射光2をアレイ素子検出手段5と単素子検出器6上に結像して相関をとる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 CCDカメラ等のアレイ素子光検出器と単素子光検出器で、ある遅延時間だけ時間をずらして、運動物体からの光を各々検出し、両者の光強度の相関を計算して相関のピークの位置から物体の運動の速度と方向を求めることを特徴とする光検出器を用いた物体の運動測定方法。 【請求項2】 上記アレイ素子光検出器と上記単素子光検出器の出力の相関を求める掛算で、上記単素子光検出器の信号強度と(ある誤差以内で)等しい信号強度をもつアレイ型素子光検出器の画素のみを残し、他の画素の信号強度は0にして演算することを特徴とする請求項1に記載の光検出器を用いた物体の運動測定方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は光学的に物体の速さや方向を求める方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、流体等の物体の運動の速度や方向を測定する手段として、物体の運動をCCDカメラ等の撮像装置を用いて画像をとり、時間の異なる画面(フレーム)相互の相関をとり、相関のピークの位置から速度や方向を求める方法が用いられてきている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般のテレビカメラでは露光時間がフレーム間隔の1/30秒とほぼ等しい値になっているので、1/30秒以内に画面を通過してしまうような高速の物体は測定できない。一方、フレーム間隔を定格より短くした特殊な高速撮像装置もあるが、高速のため画像データの蓄積や処理が大変なうえに、装置が非常に高価になるという問題を有していた。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の欠点に鑑み提案されたもので、CCDカメラ等のアレイ素子光検出器と単素子光検出器で、ある遅延時間だけ時間をずらして、運動物体からの光を各々検出し、両者の光強度の相関を計算して相関のピークの位置から物体の運動の速度と方向を求める光検出器を用いた物体の運動測定方法を提供するものである。 【0005】また、本発明は、上記アレイ素子光検出器と上記単素子光検出器の出力の相関を求める掛算で、上記単素子光検出器の信号強度と(ある誤差以内で)等しい信号強度をもつアレイ型素子光検出器の画素のみを残し、他の画素の信号強度は0にして演算する光検出器を用いた物体の運動測定方法を提供するものである。 【0006】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、簡単のため、本発明の原理は一次元で説明する(現実には一般に二次元のアレイを用いて二次元で信号処理を行うことが多い)。 【0007】従来の方法では、上記したように1台のアレイ素子光検出器で物体の運動の状態の画像を撮り(図1で、ビームスプリッタ4と単素子光検出器6は用いない)、時間がτだけ異なるtとt+τでのアレイ素子光検出器の信号(画像)の相関をとり、相関のピークの位置から物体の運動の速度を求める。(図2参照)(二次元の場合、相関のピークの位置から運動の方向も同時に求まる。) 【0008】これに対して、本発明ではアレイ素子光検出器と単素子光検出器を対として用いる(図1参照)。この際、単素子光検出器の視野はピンホールの大きさで決定する。ここでは、原理を簡単に説明するためアレイ素子光検出器の画素のうちの1個相当の空間領域(視野)で物体を見ることにする。 【0009】この2個の検出器で各々t及びt+τの時間で光を検出し、両者の信号の掛算を行う。(図3参照) 【0010】運動物体の各部分からの放射光は一般にランダムであるので、アレイ素子光検出器で検出された各画素の光強度はランダムとなる。従って、アレイ素子光検出器の各素子と単素子光検出器の信号の掛算を複数回のデータについて行えば相関を求めることができるという原理である。 【0011】統計的には、アレイ素子光検出器5の画素数に等しい回数のデータによる掛算が、アレイ素子光検出器5同志の1回のデータの相関計算に相当する。流体等のような連続物体に対しては、測定時間が長くとれるのでその分多くのデータを取得することによってより高精度に相関を求めることができる。高速で動く物体に対しては、アレイ素子光検出器に高速シッターをつけるなどして露光時間を十分短くする必要がある。但し、フレーム速度は定格でもかまわない。 【0012】簡単のため、ビームスプリッタ4の透過率と反射率を等しくしてアレイ素子光検出器と単素子光検出器には等しい光強度が入射するものとする。また、信号はランダムと仮定する。ここでも一次元で考え、アレイ素子光検出器のi番目のフレームのj番の画素の信号強度をAij、i番のフレームと同期した単素子光検出器の強度をBiとする。 【0013】アレイ素子光検出器の各画素及び単素子光検出器の信号強度の平均値をAとし、平均値からのずれを各々△Aij、△Biとすると、これらは下記の数式で表される。 【0014】 【数1】
【0015】N回のフレームデータに対する相関の平均は下記の数式で表される。 【0016】 【数2】
【0017】また、十分大きな回数のデータ(N→∞)については下記の数式で表される。 【0018】 【数3】
【0019】アレイ素子光検出器の画素の強度と単素子光検出器の強度が等しくない場合と等しい場合に対して下記の数式のようになる。 【0020】 【数4】
【0021】各々の場合に対して数式2のN回のフレームデータの平均は、下記のようになる。 【0022】 【数5】
【0023】 【数6】
【0024】数式5、数式6から、単素子光検出器の強度と等しい強度の画素の場所に相関のピークが現れる(平均値に対してσ2 だけ大きくなる)ので、この画素の位置より運動の速度が決定できる。これが従来の相関計算法の原理である。例えば、光強度信号が0と1の間で一様に分布する場合、A2 =1/4、σ2 =1/12となる。 【0025】この際、一般にはガウス分布等が多いが、この場合σの値はずっと小さくなる。 【0026】本発明による相関の計算では、単素子光検出器の強度と等しいアレイ素子光検出器の画素の値のみ残し、他の画素の値を0とする。これは、物体が変形せずに検出器の視野を通過するという条件では、単素子光検出器の見る物体の部分と同じ部分をアレイ素子光検出器の中の1画素が見ているはずであるので、この画素の強度は単素子光検出器の強度と等しいので相関がある。しかし、物体がランダムな形状故に他の部分は等しくなく相関がない、という原理に基づいている。この場合、数式5、数式6は下記のようになる。 【0027】 【数7】
【0028】 【数8】
【0029】現実にはアレイ素子光検出器の中の該当する1画素以外の画素でもたまたま強度が単素子光検出器の強度と等しい場合もある(数式7が完全に0にならない)が統計的には0に近い値となる。従って相関のピークはA2 +σ2 となり(従来の方法ではσ2 )、従来の方法より大きな相関のピークを得ることができる。 【0030】さらに注目すべきことは、従来の相関計算法では、相関のピークを十分なコントラストで得るのには非常に多くのフレーム回数が必要である。例えば、物体からの光強度がガウス分布とした場合、1000回のフレームでもσはAの0.3%程度である。これに対し、本発明による方法では下記の数式の通りである。 【0031】 【数9】
【0032】 【数10】
【0033】従って、相関のピーク値は0に対する有限値となり、理想的な場合1個のフレーム回数(N=1)でも相関のピークが求まり、従来の計算法に比較して著しく少ないフレーム回数でも求まることになる。 【0034】ここでは、単素子光検出器側ではアレイ素子光検出器の1画素相当の視野で物体からの光を検出するとして原理を説明した。実際には、測定対象物体の形状や光学系の理由から複数画素相当の視野(ピンホールの大きさにより決定する)で測定することもあるが、複数画素分を1画素と考えれば原理的には変わらない。 【0035】現実には、信号には雑音が含まれる。従って単素子光検出器の信号にアレイ素子光検出器の画素の信号が等しいか否かの判定をする際、等しいと判定する際の誤差の範囲を設定する必要がある。この場合数式9が0でなく有限値となり、その分相関のピーク値が小さくなるが、雑音があっても、本発明の相関計算方法が有利なことは変わりない。 【0036】以上、本発明を図面に記載された実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記した実施形態だけではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。 【0037】 【発明の効果】以上要するに、本発明によれば、CCDカメラ等のアレイ素子光検出器とフォトダイオードや光電子増倍管等の単素子光検出器とを組合せ、ある一定の時間ずらして(一方に対して他方を遅延させて)運動物体からの光を検出し、両者の相関を求めて、物体の運動速度や方向を決定するので、従来に比較して、画像の蓄積・処理が容易で且つ装置も簡単である。 【0038】更に本発明では、相関のピークを求める際、バイナリー的な特殊演算を行うことによって従来 フ演算方法より著しく演算時間を短縮できることが可能になる等、多大な効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】391027413 【氏名又は名称】郵政省通信総合研究所長
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月28日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−160336 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−344339 |
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