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【発明の名称】 流速測定装置
【発明者】 【氏名】渡部 公介

【氏名】内野 隆

【要約】 【課題】ピトー管が長大化し、支持が大掛かりとなり、また計測準備に時間を要し、多数の計測員が必要となる不具合を解消できる流速測定装置の提供を課題とする。

【解決手段】本発明の流速測定装置は、大口径の配管ダクト06の壁面に開口させた取付孔07から内方に向けて挿入され、配管ダクト06の壁面に一時的に固定される第1の円管2、先端部に圧力孔02,03が設けられ、第1の円管2の内部を摺動して第1の円管の先端から伸退して、圧力孔02,03を流速計測を行う所定位置に設定する第2の円管4、第1の円管2および第2の円管4の内部に配設され、これらの円管の摺動による伸縮に対応して、自在に伸縮し、圧力孔02,03に作用する流体圧を外方まで伝送する圧力導管04,05、および第2の円管4を第1の円管2の先端から伸退させる伸縮手段9とを設けるものとした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 大口径の配管ダクト内の各部を流れる流体の流速を、前記配管ダクト内に挿入された円管に穿設された圧力孔に作用する流体圧によって、測定するようにした流速測定装置において、前記配管ダクトに開口させた取付孔から内方に向けて挿入された第1の円管と、先端部に前記圧力孔が設けられ、前記第1の円管の内部を摺動して前記第一の円管の先端から伸退する第2の円管と、前記第1の円管および前記第2の円管の内部に伸縮自在にして配設され、前記圧力孔に作用する流体圧を前記取付孔の外方まで伝送する圧力導管と、前記第2の円管を前記第1の円管から伸退させ、前記圧力孔を流速測定位置に設置する伸縮手段とを設けたことを特徴とする流速測定装置。
【請求項2】 前記取付孔の開口周辺に設置され、前記第1の円管を軸心回りに回動させ、前記圧力孔の向きを流体の流れ方向に設定する回動手段を設けたことを特徴とする請求項1の流速測定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種プラントにおいて敷設される断面積が大きくされた大口径の配管ダクト内を流れる気体、液体等の流体の流速を測定するための装置に係り、特に、圧力孔を穿設した円管を配管ダクトの側部から内部に挿入し、この円管の位置調整操作により、配管ダクト内の流速を測定する位置に圧力孔を配置して、その位置における総圧と静圧とを計測するようにして、配管ダクト断面内の各部を流れる流体の流速を計測できるようにした流速測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】発電所等のプラントでは、所期のプラント稼動を行うために、ボイラ内の燃焼に必要な空気量や、煙突から排出される排ガス量等、プラント内に敷設された大口径の各種配管ダクト内を流れる流体の流量を正確に把握する必要がある。通常、配管ダクト内を流れる流体の流れは、配管ダクトの断面内において一様ではなく、断面内の各位置において流速に差異が生じており、流量を正確に把握するためには、配管ダクト内断面における、できるだけ多くの位置における流速を測定する必要がある。
【0003】このため、通常は配管ダクト内の流速のトラバース計測を行い、トラバース計測で得られた多数の位置における流速の平均値で、配管ダクト内には流体が流れているものとして、この平均流速から、配管ダクト内を流れる流体の流量を算出するようにしている。
【0004】図3は、このような大口径の配管ダクト内の流速のトラバース計測に、従来から使用されている流速測定装置を示す断面図である。図に示すように、先端に圧力孔02,03を設けた円管01(以下ピトー管という)を製作し、これを図4に示すように、大口径の配管ダクト06内に挿入し、配管ダクト06内を流れる流れFの流速を測定する場所に、図3(b)に示すように、一方の圧力孔02を流れFの方向に正対させて配置し、圧力孔02に作用する総圧と、圧力孔03に作用する静圧とを、それぞれ圧力導管04,05でピトー管01の外部まで伝送し、それらの圧力差を測定し、算出することにより、圧力孔02,03設置位置における流速を求めるようにしている。
【0005】このような流速の計測を必要とする配管ダクト06には、煙突から排出される排ガス等を流すようにした配管ダクト06のように、高さが10m程度になるものがあり、このような大きな配管ダクト06内を流れる排ガス等の流速を測定する場合は、図4に示すように、ピトー管01は配管ダクト06の大きさに合せて長いものに製作して、このようなピトー管01の先端に設けた圧力孔02,03を、流速計測位置に設置して計測を行う必要がある。
【0006】このため、流速を計測する必要のある配管ダクト06の近傍まで移動させた、図示省略したクレーン車等から吊り下り降ろしたクレーンフック09に、吊りワイヤー010を介して吊り下げピトー管01を、配管ダクト06の幅方向に複数個設けられた取付孔07のうちから選択された、1つの取付孔07に貫通させて吊り下ろし、圧力孔02の高さを流速の計測を行う高さに調整した後、取付孔07の開口部周辺に設けた計測座08でピトー管01を固定して、圧力孔02,03が設置された配管ダクト06の断面内の一点における排ガス流速を計測するようにしている。
【0007】この計測の後、再びクレーン車を使って、当該取付孔07位置における配管ダクト06の断面内の異る高さの計測位置に、圧力孔02,03が設置されるように、ピトー管01を揚降させて、固定した後、計測を行い、このような操作を反復して行い、当該取付孔07の上下方向の計測を必要とする各高さにおける排ガス流速を計測を行う。さらに、当該取付孔07の上下方向の計測が終了したら、次いで、例えば隣接する取付孔07内にピトー管01の吊り替えを行い、同様に、隣接取付孔07の各高さの排ガス流速を計測を行うようにして、配管ダクト06の全断面における排ガス流速を順次計測するようにしたトラバース計測により、配管ダクト06全断面における流速を計測するようにしている。
【0008】上述の説明から明らかなように、従来の流速計測装置を使用しての配管ダクト06の流速計測では、配管ダクト06の口径が大きなものになると、言葉を代えて云えば、流速を計測するピトー管01の長さが長くなると、計測座08だけでは、ピトー管01の安定した支持が困難となり、排ガス流速測定時に通過する排ガスの圧力を受け、大きな荷重が発生するピトー管01を保持するものが必要となり、配管ダクト06の上方に大がかりな支持装置を必要としたり、また、人力によるピトー管01の吊上げ、吊下しが到底困難となり、クレーン車を利用し、クレーンでピトー管01の吊上げ、吊下しが必須のものとなり、上述した支持装置の設置と相俟って、配管ダクト06に足場の架設が必要となり、さらには、圧力孔02を計測を行う所定の位置に設置するためのピトー管01の吊上げ、吊下げの微小な操作が必要となる等、準備作業を含めた流速の計測に長時間を要するようになる。
【0009】すなわち、内部の流体の流速を計測する配管ダクト06の大きさが大きくなると、従来から採用されている流速測定装置による計測では、足場架設や、クレーン車の手配、操作等に費用が嵩み、計測人員を多く要するとともに、計測に長時間要するという不具合が生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従来の流速測定装置の不具合を解消するため、ピトー管を複数の短い円管で構成し、しかも、これらの円管のうちの先端に流速を計測するようにした圧力孔を設けた円管は、流速の計測を行う配管ダクトの壁面に開口させた取付孔から内方へ向け挿入され、取付孔の周辺に一時的に固定するようにした、より大径にされた円管の内部を摺動させて、この円管の先端から伸退させて、圧力孔を流速の計測を行う配管ダクトの断面の所定位置に設置するようにして、より大きな配管ダクト内の流速計測時においても、所定位置への圧力孔の設置が、クレーン車等の重機類を必要とすることなく、容易にでき、さらに計測時において流体圧を受ける円管の保持のため等の足場架設等が少くとも簡略化でき、また、少い計測人員で短時間で、より大きな配管ダクトにおいても、内部の多数の計測点における流速計測ができるようにした流速測定装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の流速測定装置は、次の手段とした。
【0012】(1)挿入された円管に穿設された圧力孔に作用する流体圧によって、断面内の各部を流れる流体の流速を測定するようにした、大口径の配管ダクトの壁面に開口させた取付孔から内方に向けて挿入され、配管ダクトの壁面に一時的に固定されて、ピトー管の一部を構成するようにした第1の円管を設けた。
【0013】なお、第1の円管は、大掛かりの装置を必要とすることなく、計測員が配管ダクトの取付孔内に挿入でき、配管ダクトに一時的に連結固定できる程度の長さ、重量のものにすることが好ましく、さらに、配管ダクトの取付孔内への第1の円管の挿入は、配管ダクトの上方から重力を利用して挿入できるように、水平に設置された配管ダクトの場合、上端部の壁面に取付孔を設けるようにしたものが、より好ましい。また、第1の円管を取付ける配管ダクトの断面形状は、円形、方形、多角形等のいずれの形状のものであってもよい。
【0014】(2)第1の円管の内部に挿入できるように、第1の円管より小径にされるとともに、先端部に圧力孔が設けられ、第1の円管の内部を摺動して第1の円管の先端から伸退して、圧力孔を流速計測を行う配管ダクト断面の所定位置に設定する、第1の円管とともにピトー管の一部を構成するようにした第2の円管を設けた。
【0015】なお、第1の円管と第2の円管との間に、第1の円管および第2の円管のそれぞれと互いに摺動できるようにし、第1の円管および第2の円管とともに、ピトー管の一部を構成するようにした第3の円管を一本以上設けるようにすることが好ましい。また、第1の円管と第2の円管との間の摺動部、また第3の円管を設ける場合には、これに加えて第1の円管および第2の円管のそれぞれと第3の円管との摺動部には、摺動部における、相互の軸心まわりの回動を規制する溝をそれぞれ設けるようにすることが好ましい。また、第2の円管の後端部には、第1の円管の先端、また第3の円管を設けるようにした場合には第3の円管の先端から、第2の円管が抜け出るのを防止するためのストッパを設けるようにすることが好ましい。
【0016】(3)第1の円管および第2の円管の内部、また第3の円管を設ける場合は、これに加えて、第3の円管の内部に配設され、これらの円管の摺動による伸縮に対応して、自在に伸縮し、圧力孔に作用する流体圧を取付孔の外方まで伝送するようにした圧力導管を設けた。なお、圧力導管は、第1の円管および第2の円管の伸縮時等に圧力導管自身が伸縮して、圧力導管自体に荷重が発生するようにしたものではなく、例えば、螺旋状に旋回されて形成された導管の形状が変形することによって、円管の伸縮に対応して、伸縮できるようにしたものにすることが好ましい。
【0017】(4)第2の円管を第1の円管の先端から伸退させ、第2の円管の先端に設けた圧力孔を、流速計測を行う配管ダクト断面の流速測定位置に設置するようにした伸縮手段とを設けた。なお、伸縮手段は第2の円管に作用する重力を利用して、第2の円管を第1の円管から伸長させて、圧力孔を流速測定位置に正確に設置できるようにしたものが好ましい。
【0018】本発明の流速測定装置は、上述(1)〜(4)の手段により、(a)大口径の配管ダクト内の流速を計測するときにおいても、従来のピトー管の少くとも1/2の長さにはでき、重量的にも顕著に軽くされた第1の円管を、好ましくは、配管ダクトの上端部に穿設された取付孔に挿入して、第1の円管の上端部を配管ダクトに連結、固定した後、第1の円管の上端から内部に第2の円管を挿入し、伸縮手段により第2の円管を第1の円管の内部を摺動させて、下降させることにより、第2の円管の先端部に設けられた圧力孔は、配管ダクトの断面における流速測定位置に設定されることになる。
【0019】また、圧力孔に作用する流体圧を配管ダクトの外方に設けた計測装置まで伝送する圧力導管も第1の円管、第2の円管の内部で、第2の円管の第1の円管先端からの伸退に対応して伸縮するので、流速測定時に圧力孔に作用する流体圧は、継続して計測でき、配管ダクトの断面における流速測定位置が、取付孔から最も離れた場所になる場合においても、正確に計測できる。
【0020】このように、配管ダクトが、より大口径のものになり、流速測定位置がピトー管を挿入する取付孔より著しく離隔した位置になる場合でも、軽量で、短い複数の円管で流速測定位置に圧力孔が設置できることになり、クレーン車等の重機類を必要とすることなく、また、架設足場を必要とすることなく、計測員の操作若しくは簡易な補助装置のみで計測準備ができるようになる。
【0021】また、第2の円管を小径にすることができるため、流速を計測するときの流体の第1の円管、第2の円管に作用する流体圧も小さくでき、計測時の第1の円管、および第2の円管を保持する支持装置若しくは架設足場も簡略化、若しくは廃止することができる。さらに、流速測定位置への圧力孔の設置作業が容易になり、短時間でできるようになることから、計測人員を少くできるとともに、計測時間の大幅な短縮化が図れる。
【0022】さらに、ピトー管の構成を第1の円管、第2の円管の他に、第3の円管を設けるようにすることにより、ピトー管の短縮化、軽量化がさらに促進され、計測準備作業を含む計測作業がより容易になる。また、第1の円管と第2の円管との摺動部等に溝を設けるようにすることにより、摺動がより滑らかになり、伸縮がスムーズにできるようになるとともに、第1の円管と第2の円管の相対的な捩れがなくなり、第2の円管に設けた圧力孔を、常に流れの向きに精確に正対させることができるようになり、流速計測精度を向上させることができる。
【0023】また、ストッパを設けるようにすることにより、第2の円管が第1の円管若しくは第3の円管の先端から抜け出るのが確実に防止でき、操作上の信頼性を向上させることができる。また、第1の円管および第2の円管等の伸縮に対応する圧力導管の伸縮を、スパイラル状等に形成された形状の変形により行うようにすることにより、圧力導管の切断、小径化等が発生しなくなり、圧力孔に作用する流体圧は、配管ダクトの外部まで確実に、しかも正確に伝送できるようになる。さらに、伸縮手段が第2の円管に作用する重力を利用したものにしたことにより、構造が簡単になるとともに、流速計測位置への圧力孔設定の精度を向上させることができる。
【0024】また、第2番目の本発明の流速測定装置は、上述(1)〜(4)の手段に加え、次の手段とした。
【0025】(5)配管ダクトの壁面に開口させた取付孔の開口周辺に設置され、配管ダクトの壁面に一時的に固定されて、ピトー管の一部を構成するようにした、第1の円管を軸心回りに回動させ、第1の円管内を摺動して伸縮する第2の円管を軸心回りに回動させて、第2の円管の先端にもうけられた圧力孔の向きを、流体の流れ方向に正対するように設定する回動手段を設けた。なお、圧力孔としては、総圧孔と静圧孔とか設けられるのが通常であり、この回動手段では、総圧を計測するようにした圧力孔の向きを、流体の流れ方向に正対させて設定することとなる。
【0026】本発明の流速測定装置は、上述(5)の手段により、上述(a)に加え、配管ダクト内の流れの方向が変り、または第1の円管又は第2の円管の捩れ等により、圧力孔の向きが流れの方向からずれることが生じても、直ちに、圧力孔の向きを流れの方向に正対するように修正することができ、流速計測位置における正確な流速を常に計測できるようになり、計測データを向上させることができ、ひいては、プラント等の稼動効率向上に寄与できるようになる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の流速計測装置の実施の一形態を図面にもとづき説明する。図1は、本発明の流速計測装置の実施の第1形態を示す断面図で、図1(a)は縮退時を示す図、図1(b)は延伸時を示す図である。なお、図において、従来の部材と同一部材には、同一符号を付して説明は極力省略するようにした。
【0028】図に示すように、本実施の形態では、ピトー管20は第1の円管2、第3の円管3、第2の円管4で構成され、従来のピトー管01と同じように、最先端に配置される第2の円管4の先端に圧力孔02,03を設けるようにしてある。なお、第3の円管3は1本だけ設けるようにしたものを示しているが、2本以上設けるようにすることもできるものである。また、この圧力孔02,03には、圧力導管04,05の一端がそれぞれ接続されており、またこの圧力導管04,05は、コイル状に巻かれて、第2の円管4、第3の円管3および第1の円管2の内部を挿通されて、配管ダクト06に穿設された取付穴07から外部まで配設され、他端が図示省略した圧力計測器に接続されている。
【0029】また、第2の円管4は、第3の円管3の内部をスライドできるようになっており、第3の円管3の内周には、第2の円管4の動きをガイドするガイド溝5が設けてある。また、第2の円管4の基端部外周には、第3の円管に設けた、前述したガイド溝5をスライドする突起6が設けてある。この突起6は、第2の円管4の第3の円管3に対する回転を拘束するとともに、第2の円管4が、第3の円管3の先端から伸長するとき、第2の円管4の後端(基端部)が第3の円管3の先端から抜け出るのを防止してはずれないようにしている。
【0030】また、第3の円管3は、第1の円管2の内部をスライドできるようになっており、第1の円管2の内周には、前述した第3の円管3の内周に設けたガイド溝5と同様な構造にされ、第3の円管3の動きをガイドする溝7が設けてある。また、第3の円管3の基端部にも、第1の円管2に設けたガイド溝7をスライドする突起8が設けてあり、この突起8は、第3の円管3の第1の円管2に対する回転を拘束するとともに、第3の円管4が、第1の円管1の先端から伸長するとき、第3の円管3の基端部が第1の円管2の先端から抜け出るのを防止し、はずれないようにしている。
【0031】突起6が外周側に設けられた第2の円管4の基端部内周面には、第2の円管4を第3の円管3の先端から伸退させ、移動させるため、第1の円管2の上方から、第1の円管2、第3の円管3の内部を挿通させた、伸縮手段としての連結棒9の下端が接続されている。この連結棒9は、任意の長さの位置にヒンジ10が設けてあり、図1(a)に示すように、ピトー管1を縮退させたときには、折り曲げられる構造にされている。
【0032】また、第1の円管2は、図4に示すように、配管ダクト06の上端に配管ダクト06の幅方向に等ピッチで設けられた取付孔07の周縁に立設された計測座08に、外側を固定して配管ダクト06に連結固定される。
【0033】本実施の形態の流速計測装置11は、上述の様に構成されているので、連結棒9を動かすことにより、第2の円管4が上、下動し、第2の円管4の下端に設けられた圧力孔02,03、配管ダクト06断面内の所定の計測位置にセットされ、その計測位置における流速が測定される。
【0034】まず、配管ダクト06の取付孔07下方の最上段に設定された、所定の計測位置に連結棒9を動かして圧力孔02,03を設定し、流速計測を行った後、再度連結棒9を動かし第2の円管4を下方に移動させ、下方の次の計測位置に圧力孔02,03が移動して計測を行う。このようにして、配管ダクト06の上方の計測位置から下方の計測位置へと流速を計測していき、第2の円管4の基端部に設けた突起6が第3の円管3のガイド溝5の下端に当ると、次に第3の円管3が下方に移動して、さらに下方に位置する計測位置の流速計測ができるようになる。
【0035】従って、ピトー管1を構成する第3の円管3を多くすることにより、第1の円管2、第2の円管4を含めた円管個々の長さを短くしても、さらに長い距離まで、測定可能になるとともに、ピトー管1を構成する個々の円管を短くすることにより、ピトー管1を保持するクレーン、架設足場等の大掛かりな装置等の必要がなくなり、コストが低減するとともに、少人数の計測員で短時間で、配管ダクト06内の全断面における流速計測が可能となる。
【0036】図2は、本発明の流速計測装置の実施の第2形態を示す断面図で、図2(a)は縮退時を示す図、図2(b)は延伸時を示す図である。
【0037】図に示すように、本実施の形態においては、実施の第1形態における伸縮手段としての連結棒9に代えて、第2の円管4、第3の円管3を吊り下ろし、第2の円管4の先端部に設けた圧力孔02,03を、所定の計測位置に設定するためのワイヤー12を設けるようにしている。このワイヤー12は、巻き取り部13と、これを駆動するモータ14から構成される巻き取り装置における、巻き取り部13に巻回されるようにしている。
【0038】さらに、取付孔07の周縁に立設された計測座08の端面には、スラスト軸受15を介して歯車16,17が設置され、さらに、これらを駆動させるモータ18が設けられて、第1の円管2を軸心まわりに回動させて、ピトー管1を回転させる回動手段19を構成するようにしている。
【0039】本実施の形態の流速計測装置20は、上述のように構成されてモータ14を動かし、巻き取り部13を動かすと伸縮手段としてのワイヤ12が巻き出し、巻き戻しされて、第2の円管4が上、下動し、実施の第1形態と同様に圧力孔02,03を所定の計測位置に設置できるという作用、効果が得られる。なお、ワイヤ12は連結棒9のように、第2の円管4を下動させる力は発生できないので、ワイヤ12の巻き出しにより、第2の円管4は自重により下動することになる。
【0040】すなわち、流速測定を行う配管ダクト06に設けた計測座08に、ピトー管1を設置し、ワイヤー12で第2の円管4を上下動させることにより、圧力孔所定の計測位置にセットし、流速を測定できるようになり、換言すれば、モータ14駆動のみにより、圧力孔02,03の位置設定ができることになり、計測人員が少なく、また、自動計測も可能となる。
【0041】さらに、スラスト軸受15、歯車16,17とモータ18から構成されている回動手段により、ピトー管1を回転させ、配管ダクト06内の流れ方向が変化しても、また、ピトー管1の捩れ等により、第2の円管3の先端に設けられている圧力孔02,03の方向が、その流れの方向と合致しなくなったときでも、圧力孔02が流れの方向に正対するように、正確に合わせることができるようになる。従って、モータ18を駆動のみで、圧力孔02,03が変えることができるようになり、この点からも、自動計測ができ、計測人員を減少させることができる。
【0042】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の流速計測装置によれば、大口径の配管ダクトの側壁に開口させた取付孔から内方に向けて挿入され、配管ダクトの側壁に一時的に固定されて、ピトー管の一部を構成するようにした第1の円管、第1の円管より小径にされるとともに、先端部に圧力孔が設けられ、第1の円管の内部を摺動して第1の円管の先端から伸退して、圧力孔を流速計測を行う配管ダクト断面の所定位置に設定し、第1の円管とともに、ピトー管を構成する第2の円管、第1の円管および第2の円管の内部に配設され、これらの円管の摺動による伸縮に対応して、自在に伸縮し、圧力孔に作用する流体圧を取付孔の外方まで伝送する圧力導管、および、第2の円管を第1の円管の先端から伸退させ、先端に設けた圧力孔を、流速計測を行う配管ダクト断面の流体測定位置に設置するようにした伸縮手段とを設ける構成にした。
【0043】これにより、配管ダクトがより大口径のものになり、流速測定位置がピトー管を挿入する取付孔より著しく離隔した位置になる場合でも、軽量で、短い複数の円管伸展させることで、流速測定位置に圧力孔が設置できることになり、クレーン車等を必要とすることなく、また、架設足場を必要とすることなく、計測員の簡易な操作のみで計測準備ができるようになる。
【0044】また、第2の円管を小径にすることができるため、流速を計測する流体の第1の円管、第2の円管に作用する計測を行う流体の圧力の大きさも小さくでき、計測時の第1の円管、および第2の円管を保持する架設足場を簡略化、若しくは廃止することができる。さらに、流速測定位置への圧力孔の設置作業が容易になり、短時間でできるようになることから、計測人員を少くできるとともに、計測時間の大幅な短縮化が図れ、正確な流速計測ができるようになる。
【0045】さらに、本発明の流速測定装置によれば、取付孔の開口周辺に設置され、配管ダクトの側壁に一時的に固定されて、ピトー管の一部を構成するようにした、第1の円管を軸心回りに回動させ、第1の円管内を摺動して伸縮する第2の円管の先端にもうけられた圧力孔の向きを、流体の流れ方向に設定する回動手段を設ける構成にした。
【0046】これにより、配管ダクト内の流体の流れの方向が変り、又は第1の円管と第2との円管の捩れ等により、圧力孔の方向が流れの方向からずれることが生じても、直ちに流れの方向に正対させるように修正することができ、流速計測位置における正確な流速が常に計測できるようになり、計測データを向上させることができ、ひいては、プラント等の稼動効率向上に寄与できるようになる。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月8日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】石川 新 (外1名)
【公開番号】 特開平11−23605
【公開日】 平成11年(1999)1月29日
【出願番号】 特願平9−182260