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【発明の名称】 ステッピングモータ式計器の駆動装置
【発明者】 【氏名】浅井 智

【要約】 【課題】測定信号が急激な変化あるいは不規則な変動を伴う場合にも、ステッピングモータ式計器の指針の動作を二重平均化と分解平均化処理により針飛びや針振れのない円滑なものとする。

【解決手段】周期測定回路2にて入力パルス信号周期を計数演算し、処理回路3にて平均仮目標振れ角値を求め、指示目標振れ角値として出力するものであり、駆動回路4を介してステッピングモータ式計器6を駆動し、また、駆動回路4では、指示目標振れ角値と最新振れ角値との差を1/N分解し、この1/N分解値ずつ増加した値を平均算出周期より短い周期毎に順次仮現在振れ角値として出力するとともに、この連続する複数の仮現在振れ角値の平均を求めて最終的に指示する現在振れ角値として出力することにより、電圧変換等をなす出力回路5を介してステッピングモータ式計器6を駆動し、文字板7の目盛8に対応した角度指示にて駆動軸端に固着した指針9を回動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 測定量に対応したデジタル信号に基づいてステッピングモータを駆動する駆動回路を有し、このステッピングモータの駆動軸端に固定した指針により、前記測定量に対応した文字板上の目盛を指示して前記測定量を表示するステッピングモータ式計器の駆動装置であって、前記駆動回路は、所定の周期で送信される前記測定量に対応したデジタル信号Dを入力し、この入力される連続する複数のデジタル信号Dの第1の平均値H1を求め、さらに連続して求められた複数の第1の平均値H1の第2の平均値H2を算出して指示目標振れ角値Sとして出力するよう構成してなるステッピングモータ式計器の駆動装置。
【請求項2】 前記指示目標振れ角値Sと最新振れ角値との差を1/N分解し、この1/N分解値ずつ増加した値を順次仮現在振れ角値として出力するとともに、この連続する複数の仮現在振れ角値の平均を求めて順次指針を指示する現在振れ角値として出力することを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータ式計器の駆動装置。
【請求項3】 測定量に比例した周波数のパルス信号周期を計測しこれに対応したデジタル信号に基づいて指示計器を駆動する駆動回路を有し、この指示計器の駆動軸端に固定した指針により、前記測定量に対応した文字板上の目盛を指示して前記測定量を表示する指示計器の駆動装置であって、前記駆動回路は、所定の周期毎に連続する複数のパルス信号周期の平均周期を算出し、この平均周期に基づく仮目標振れ角値を求めるとともに、求められた連続する複数の仮目標振れ角値の平均仮目標振れ角値を指示目標振れ角値として出力するよう構成してなるステッピングモータ式計器の駆動装置。
【請求項4】 測定量に比例した周波数のパルス信号周期を計測しこれに対応したデジタル信号に基づいて指示計器を駆動する駆動回路を有し、この指示計器の駆動軸端に固定した指針により、前記測定量に対応した文字板上の目盛を指示して前記測定量を表示する指示計器の駆動装置であって、前記駆動回路は、前記パルス信号周期に基づき最終目標振れ角値を算出し所定の周期毎に連続する複数の最終目標振れ角値の平均を算出して仮目標振れ角値を求めるとともに、求められた連続する複数の仮目標振れ角値の平均値を指示目標振れ角値として出力するよう構成してなるステッピングモータ式計器の駆動装置。
【請求項5】 前記指示目標振れ角値と最新振れ角値との差を1/N分解し、この1/N分解値ずつ増加した値を順次仮現在振れ角値として出力するとともに、この連続する複数の仮現在振れ角値の平均を求めて現在振れ角値として出力することを特徴とする請求項3もしくは請求項4に記載のステッピングモータ式計器の駆動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル制御の容易な計器ムーブメントとして用いられ、たとえば、車輌用の走行速度やエンジン回転数のごとき測定量をこれに比例した周波数信号入力に基づいて計測指示するステッピングモータ式計器の駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にこの種の計器装置にあっては、計器ムーブメントの駆動軸端に固着した指針を入力信号に対応して回動し、計測する測定量を表す数字や目盛を施した文字板との対比判読にて測定指示するようにしており、通常は略均等の目盛によるリニアな指示特性にて指示するよう構成される。
【0003】特に、ステッピングモータは、くし歯ヨークの歯数やその形成ピッチによってマグネットロータのステップ動作が決定し、円滑な回転動作を得るためには、歯数を多くしてくし歯のピッチを微小にするかあるいは駆動信号により所謂マイクロステップ駆動する必要があり、使用条件に応じたステッピングモータ本体の許容できる大きさや駆動回路を含むコストによってそれらの形態が選択される。
【0004】また、こうしたステッピングモータは、その使用用途の如何にかかわらず小型であることが望まれており、所謂PM型ステッピングモータが簡単な構成のため、ロータマグネットやくし歯ヨークの改良によって使い易くなっている。
【0005】さらに、処理回路のデジタル化(マイクロコンピュータによる制御)に対して、パルス信号制御がなされるこうしたステッピングモータは、指針による文字板目盛との対比読み取りを行なう指示計器のムーブメントとしても注目され、たとえば、自動車用の走行速度計やエンジン回転計さらには検出信号のA/D処理により燃料計や温度計にも利用が可能であり、特開昭61−129575号,特開平1−223312号等にて開示されているように実用化に向けての種々の提案がなされている。
【0006】また、交差コイル式計器のようなコイルへの通電電流に基づいた磁界ベクトル方向にマグネットロータを追従させて指示する指示計器にあっても、sin,cos波形の駆動信号を計測量に対応して記憶したメモリデータにて生成し、たとえばPWM変換にて通電するようにしたデジタル制御方式の駆動が行われるようになってきている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような計器装置では前記速度計や回転計のように複数の指示計器が同時に使用されるのが一般的であり、こうした計器毎に処理回路を用意する場合には製品コストとの関係でできるだけ安価な回路素子を用いる必要があり、それだけ演算処理速度の遅い指示制御を余儀なくされていた。
【0008】また、信号処理のデジタル化に伴って各指示計器が独立に平行して処理されていた制御方式からマイクロコンピュータのごときデジタル処理回路によって時分割処理がなされるようになってきており、各計器の指示計測対象に対応した応答性によって演算処理周期が割り振られ(速度計や回転計は早い周期、燃料計や温度計は遅い周期)、駆動する指示計器の増加により演算処理速度の高速な処理回路が必要とされてきている。
【0009】しかしながら、製品コストとの関係で、高価な処理回路を使えない場合や、多くの指示計器を時分割駆動する場合には、ひとつの指示計器に割り振られる演算処理周期の短縮に限界を生じ、たとえば、エンジン回転数のように変化の激しい測定量に対応して指針を円滑に回動させるに必要な駆動更新周期が10msecだとして処理回路の演算処理周期の割り振り限界が20msecしかとれないとすれば、指針は測定量の変化に対して間欠的な動きしかできなくなり、指示計器としての円滑な指示特性が得られない。
【0010】たとえば、交差コイル式計器のような磁界ベクトル追従型の指示計器にあっては、更新される指示角データの更新周期が短く設定できないとすれば、測定量の急な変化に対して更新される磁界ベクトルが大きな角度変化し、これに追従するマグネットロータの回転も間欠的に動作することになり、指針の指示動作も円滑な回動を得ることができず、こうした間欠的動作をダンパーオイルなどでの機械的制動によって吸収するようにしているが、逆に測定量の早い変化に対する追従性が大きく損なわれるという問題がある。
【0011】また、ステッピングモータは、くし歯ヨークの歯のピッチに対応したステップ動作を基本として、駆動信号波形の補正によって円滑性を得るようにしているが、測定量の変化に対して測定データ更新周期が大きい場合はステッピングモータそのものへの駆動信号の変化も大きくなり、測定量の変化が早いときにはそうした指針の間欠的動きも指針の早い動きによって比較的目立たないが、ステッピングモータ自体の応答性が優れていることから逆に測定量の変化が緩やかな場合にはそうしたデータの大きな変化がただちに指針の間欠的動作となって確認され、指示計器としての円滑な指示特性が得られないという問題を有している。
【0012】本発明は、測定データを演算処理し指示角信号に変換出力する処理回路の変換処理能力すなわち変換処理周期が、測定量の変化に対する指示計器の円滑な動作を得るに十分短くとれない場合にも、十分に円滑な駆動ができかつ指針の動きにオーバーシュートのような不自然な動きが生じないようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、測定量に対応したデジタル信号に基づいてステッピングモータを駆動する駆動回路を有し、このステッピングモータの駆動軸端に固定した指針により、前記測定量に対応した文字板上の目盛を指示して前記測定量を表示するステッピングモータ式計器の駆動装置であって、前記駆動回路は、所定の周期で送信される前記測定量に対応したデジタル信号Dを入力し、この入力される連続する複数のデジタル信号Dの第1の平均値H1を求め、さらに連続して求められた複数の第1の平均値H1の第2の平均値H2を算出して指示目標振れ角値Sとして出力するよう構成したものである。
【0014】また本発明は、前記指示目標振れ角値Sと最新振れ角値との差を1/N分解し、この1/N分解値ずつ増加した値を順次仮現在振れ角値として出力するとともに、この連続する複数の仮現在振れ角値の平均を求めて順次指針を指示する現在振れ角値として出力することを特徴とする。
【0015】また本発明は、測定量に比例した周波数のパルス信号周期を計測しこれに対応したデジタル信号に基づいて指示計器を駆動する駆動回路を有し、この指示計器の駆動軸端に固定した指針により、前記測定量に対応した文字板上の目盛を指示して前記測定量を表示する指示計器の駆動装置であって、前記駆動回路は、前記パルス信号周期毎に連続する複数のパルス信号周期の平均周期を算出し、この平均周期に基づく仮目標振れ角値を求めるとともに、求められた連続する複数の仮目標振れ角値の平均仮目標振れ角値を指示目標振れ角値として出力するよう構成したものである。
【0016】また本発明は、測定量に比例した周波数のパルス信号周期を計測しこれに対応したデジタル信号に基づいて指示計器を駆動する駆動回路を有し、この指示計器の駆動軸端に固定した指針により、前記測定量に対応した文字板上の目盛を指示して前記測定量を表示する指示計器の駆動装置であって、前記駆動回路は、前記パルス信号周期に基づき最終目標振れ角値を算出しこの算出周期毎に連続する複数の最終目標振れ角値の平均を算出して仮目標振れ角値を求めるとともに、求められた連続する複数の仮目標振れ角値の平均値を指示目標振れ角値として出力するよう構成したものである。
【0017】また本発明は、前記指示目標振れ角値と最新振れ角値との差を1/N分解し、この1/N分解値ずつ増加した値を順次仮現在振れ角値として出力するとともに、この連続する複数の仮現在振れ角値の平均を求めて現在振れ角値として出力することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】周期測定回路2にて入力パルス信号周期を計数演算し、その測定周期をこれに対応した指示をなすべき最終振れ角値(測定周期もしくは最終振れ角値をデジタル信号Dとする)として求め、処理回路3にて連続する複数の最終振れ角値の平均(デジタル信号Dの第1の平均値H1)が仮目標振れ角値として所定の周期毎に算出される。さらに、こうして求めた連続する複数の仮目標振れ角値の平均値(平均仮目標振れ角値)を求め、指示目標振れ角値として出力するものであり、駆動回路4および出力回路5(駆動回路4の出力で駆動可能な場合は不要)を介してステッピングモータ式計器6を駆動し、文字板7の目盛8に対応した角度指示にて駆動軸端に固着した指針9を回動するものである。
【0019】また、駆動回路4では、前記指示目標振れ角値と最新振れ角値との差を1/N分解し、この1/N分解値ずつ増加した値を前記平均算出周期より短い周期毎に順次仮現在振れ角値として出力するとともに、この連続する複数の仮現在振れ角値の平均を求めて最終的に指示する現在振れ角値として出力することにより、電圧変換等をなす出力回路5(駆動回路4の出力で駆動可能な場合は不要)を介してステッピングモータ式計器6を駆動し、文字板7の目盛8に対応した角度指示にて駆動軸端に固着した指針9を回動するものである。
【0020】これにより、指示目標振れ角値は測定量の急激は変化や不規則な変動に対しても指針9がそれに忠実に追従した針飛びや針振れ現象を生じることがなく、円滑な回動指示を行なうことができる。また、指示目標振れ角値と現在の最新振れ角値との差を1/N分解し仮現在振れ角値を求めさらに複数平均するにより、指示分解能を高めながらさらに不自然な動きのない円滑なものとすることができる。
【0021】
【実施例】図1は、本発明の基本的構成を示すもので、ステッピングモータを使用した計器として車輌用の速度計を例にとって説明すると、測定量である走行速度に比例した周波数のパルス信号が入力端子1から入力されると、車両の所定の箇所(速度センサーに近い箇所や計器装置内)に配置した周期測定回路2において入力信号の立上がりや立下がりを検出して別の高周波クロック信号を入力信号にてカウント(周期測定方式)し、刻々と変化する走行速度を2進数計数値として算出し所定の演算を行なってパルス信号周期(デジタル信号Dであり、この周期測定回路2にてこの周期をさらに演算し指針9における測定にもっとも忠実な最終目標振れ角値に変換してもよい)を測定する。
【0022】前記周期測定回路2にて求められた測定周期データは順次処理回路3に送られ、処理回路3にて指針9における測定にもっとも忠実な最終振れ角値(2進パラレルデータあるいは2進シリアルデータ形式でのデジタル信号D)に変換され、連続して変換される複数(たとえば4回分)の最終振れ角値を所定の周期(たとえば15.6msec)で加算し1/4して平均化し、第1の平均値H1としての仮目標振れ角値を算出する。この仮目標振れ角値は、振れ角値に変換することなく前記周期データをそのまま平均化して求めてもよく、前記所定の周期内に入力されるパルス信号に変化がない場合には、同一の内容にて平均化されることになる。
【0023】さらに、こうして順次求めた仮目標振れ角値の連続する複数(たとえば4個分)の値を平均化して第2の平均値H2(平均仮目標振れ角値)を指針9により指示すべき指示目標振れ角値として出力する。
【0024】こうして平均化した指示目標振れ角値は、駆動回路4および必要に応じて出力回路5を介してステッピングモータ式計器6の2相の励磁コイルに供給され、指針9の角度回動にて走行速度を指示するものであり、このときの指示目標振れ角値が2度の平均化処理を施されているため、速度の急激な変化や不規則な変動に対しても十分な緩衝効果を果たして円滑な指示を行なうことができるものである。
【0025】このように、平均化して求めた指示目標振れ角値に基づいて指針9を駆動する場合、駆動回路4では、入力される指示目標振れ角値に基づきたとえば内蔵のメモリ10(ROM)に記憶してあるSIN,COS波形の励磁信号データから対応するデータを読み出し出力回路5にて電圧信号に変換してステッピングモータ式計器6の励磁コイルに通電し指針9を駆動するものであるが、本発明ではさらに指示目標振れ角値への変換周期による微小なステップ動作に対しての円滑化処理を行なうこともできる。
【0026】すなわち、駆動回路4では、処理回路3にて求められた指示目標振れ角値に対して、現在の最新振れ角値との差を求め、この正負符号を含む差を1/N(たとえばN=8)分解し、この1/N分解値ずつ最新振れ角値に増加した値を順次仮現在振れ角値(最終振れ角値を決定するための仮値)として算出し、この連続する複数(たとえば8個分)の仮現在振れ角値の平均を前記の平均化周期よりも短い周期(たとえば3.9msec)にて求めて現在振れ角値として出力する。
【0027】こうして求められた現在振れ角値に基づき、駆動回路4にて前述したような励磁データへの変換処理を行いステッピングモータ式計器6にて走行速度の変化に応じたを指示をなす出力処理がなされる。
【0028】前記各回路は入力信号を適宜処理しステッピングモータ式計器6を駆動するものであり、処理回路3は、計器指示特性を任意に設定して走行速度を指示できるよう周期測定回路2を含んでマイクロコンピュータにて構成することができるものである。
【0029】この処理回路3は、ここで説明する走行速度計のような単一の指示計器駆動に対して処理速度の遅い安価なICを用いる場合や、図示しない他の指示計器たとえばエンジン回転計、燃料計、温度計、油圧計、電圧計(これら指示計器は、全てをステッピングモータ式計器としてもよいし、あるいは交差コイル式計器や可動コイル式計器等の他の計器ムーブメントを併用してもよい)を同時に時分割駆動する場合に、走行速度計に割り振られる処理周期が円滑な応答性を得るに不十分な処理能力のものである。
【0030】また、処理回路3のメモリ10へのデジタルの記憶は、測定量に対応したデジタルデータDのMINからMAXまでの前指示領域に対応して所望の分解能を得るためのデータ数を持たせ、たとえば指示角0度(MIN)から360度(MAX)に対して0.5度単位のデジタル信号Dを記憶させておき、計数値に対応してこの記憶したデジタル信号Dを所定の変換周期Tで読み出すものである。
【0031】処理回路3におけるデジタル信号Dのおよび前記差に相当するデジタル信号dの生成方法については、前記メモリ10内への特性データの記憶構成の他にも単純に所定の演算式を用いた演算出力構成とすることもできる。
【0032】ステッピングモータを駆動する信号波形はそのくし歯ヨークの歯数やピッチによって任意の2相信号を設定でき、360度の全指示角度に対応した全駆動波形のデータを電圧メモリ12に記憶させておくこともできるが、ここでは、ステッピングモータ式計器6のステッピングモータ駆動信号として360度を1/6した60度分の電圧データを電圧メモリ12に用意し、このデータを各角度領域に展開使用する方式でメモリ容量を軽減する構成をとっている。
【0033】すなわち、ステッピングモータ式計器6の指針9(連結したマグネットロータ)の回動角360度に対して2相式励磁コイルA,Bに加える駆動信号の電圧波形は、図2に示すごとく、60度の角度内で略SIN,COS波形の変化を呈し、この電圧波形にて各60度の全角度領域a〜fに展開する。この展開処理はデジタルデータDの指示領域に対応した指示角データθによって判定すればよく、メモリ10には60度を512分割した分解能の励磁データV(0度に対するθ0から60度に対するθ60まで60/512度の角度差でデータを記憶)を記憶させておき、デジタルデータDに対応してこの励磁データVを読み出すとともに指示角領域b〜fのデジタルデータDに対しては、各指示領域の判定とともに、その判定領域内における励磁データVをメモリ10から読み出し、その判定領域との組み合わせで指示計器としての指示位置を求めることができる。
【0034】これについては、ステッピングモータはそのくし歯ヨークの歯が図2の各指示領域に少なくとも一組づつ配置されていれば、マグネットロータの磁極位置はその領域内での励磁位置に移動するだけであるため、駆動信号が各指示領域にて異なるということではなく、デジタルデータDに基づく指示領域の判定により、メモリ10から読み出す励磁データVを読み出せばよいということであり、たとえばデジタルデータDが指示角150度に相当するとすれば、指示領域はcと判定し、この領域内での30度相当のデータをメモリ10から読み出すことによって、駆動信号としては図2に示したようになる。
【0035】ここで、図2に示した駆動波形は、ステッピングモータのくし歯ヨークのくし歯ピッチで決定する機械的ステップ動作を所謂マイクロステップ駆動によって円滑な動作を得るための典型的な近似波形であり、実際にはSIN,COS波形はデジタル的な微細階段波形となっており、そのマイクロステップのピッチは指示計器にて指示する測定量の変化速度すなわち指針の角速度と処理回路の処理能力にて設定される。
【0036】本発明の駆動装置にて円滑駆動されるステッピングモータ式計器6への現在振れ角値の入力信号(走行速度測定信号)変化に対する変化特性を図3にて示す。
【0037】前述した平均化処理および周期分解処理によって、計測信号Aが図のように急激に変化あるいは不規則に変動していたとしても、本発明の駆動装置によれば、走行速度に比例した周波数のパルス信号周期がそのパルス単位で計測され、計測信号Aの変化に対し所定周期で複数の計測周期(あるいは最終目標振れ角値であるデジタルデータD)の平均化処理とその第1の平均値H1のさらなる平均化処理によって所定周期での針飛びや針振れを防止し、さらに平均化処理による指示目標振れ角値Sを1/N分解し、この分解値毎に順次増加処理して仮現在振れ角値を求めるとともにこの仮現在振れ角値をさらに平均化することで、特に低速時(周波数が低くパルス周期が長い)において前記平均化処理周期毎に生じる可能性のある脈動や高速動作からの急激な停止動作時におけるオーバーシュートを防止するようその分解能を高めかつ円滑化がなされて指針9を駆動する現在振れ角値Bのようにきわめて滑らかで応答性の優れた指示特性を得ることができるものである。
【0038】また、本発明になる駆動装置の平均化処理や分解処理はマイコン構成にて行うことができ、特にその実効処理アルゴリズムを、指示目標振れ角値を求める平均化処理と、さらにその後の現在振れ角値を得るための分解平均化処理の2つのタスクにより構成(マルチタスク構成)することで、各々独立した処理にて実効周期を任意に設定することができる。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明によるステッピングモータ式計器の駆動装置によれば、計測信号が急激に変化あるいは不規則に変動したとしても、計測信号の変化に対し所定周期で複数の計測周期の二重の平均化処理を行うことによって針飛びや針振れを防止し、さらに平均化処理による指示目標振れ角値Sを1/N分解し、この分解値毎に順次増加処理して仮現在振れ角値を求めるとともにこの仮現在振れ角値をさらに平均化することで、特に低速時において前記平均化処理周期毎に生じる可能性のある脈動や高速動作からの急激な停止動作時におけるオーバーシュートを防止することができ、きわめて滑らかな指示特性を得ることができ、視覚的に不自然さのない円滑な指針動作の指示計器を得ることができた。
【出願人】 【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月30日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−23603
【公開日】 平成11年(1999)1月29日
【出願番号】 特願平9−173998