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【発明の名称】 回転速センサ
【発明者】 【氏名】岩村 盛隆

【要約】 【課題】非磁性の弾性体の剥離強度や生産性及び製造コストの各点で大幅な改善が図れる、回転速センサを提供すること。

【解決手段】センササブアッシー10は樹脂製のリールハウジング14にマグネットワイヤ13を巻回したリールアッシー11と、磁石16の両側にポールピース17,17を配置し、これらの積層体を樹脂製のポールピースカバー18で覆い、該ポールピースカバー18のセンシング面に非磁性の弾性体19を一体成形したポールピースアッシー12とよりなり、前記ポールピースアッシー12をリールアッシー11に挿入する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 磁石の両側にポールピースを配置し、これらの積層体の周囲にコイルを外装したセンササブアッシーを備えた回転速センサにおいて、前記センササブアッシーは樹脂製のリールハウジングにマグネットワイヤを巻回したリールアッシーと、磁石の両側にポールピースを配置し、これらの積層体を樹脂製のポールピースカバーで覆い、該ポールピースカバーのセンシング面に非磁性の弾性体を一体成形したポールピースアッシーとよりなり、前記ポールピースアッシーをリールアッシーに挿入して構成することを特徴とする、回転速センサ。
【請求項2】 請求項1に記載の回転速センサにおいて、ポールピースアッシーを収容したリールアッシーと取付ブラケットと、ケーブルの端部とを樹脂製のボディで一体成形したことを特徴とする、回転速センサ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回転速センサに関する。
【0002】
【従来の技術】磁石とこの磁石の両側に配置した磁性体よりなる2枚の極板とによりピックアップ部を構成し、このピックアップ部をケース内に収容し、ピックアップ部と回転ロータ間で発生する磁気変化をピックアップ部に外装したドーナツ状のコイル部が検出する回転速センサが知られている。
【0003】この種の回転速センサはピックアップ部と回転ロータとの隙間で金属片等が入り込むと磁気回路が短絡して検出不能に陥る。この短絡現象の解消手段として、回転ロータと対向するケースの底部表面に非磁性の弾性体を設け、この非磁性の弾性体により金属片の入り込みを阻止する技術が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】非磁性の弾性体を取り付けた回転速センサには次のような課題がある。
<イ> 非磁性の弾性体は回転速センサの最終製造工程でケース底部に接着剤で貼付するが、接着強度を確保するために、接着部の厚さのバラツキを考慮して非磁性の弾性体の高さ寸法公差を厳しく管理する必要がある。
<ロ> 非磁性の弾性体の肉厚はピックアップ部と回転ロータ間のエアギャップに合わせて高精度に製造する必要があり、製造コストが高くつく。
<ハ> 回転速センサの組み立てを完了した後、最後に非磁性の弾性体を設けているが、接着後に養生時間を必要とし、生産性や製造コストを改善する余地がある。
【0005】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、非磁性の弾性体の剥離強度や生産性及び製造コストの各点で大幅な改善が図れる、回転速センサを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、磁石の両側にポールピースを配置し、これらの積層体の周囲にコイルを外装したセンササブアッシーを備えた回転速センサにおいて、前記センササブアッシーは樹脂製のリールハウジングにマグネットワイヤを巻回したリールアッシーと、磁石の両側にポールピースを配置し、これらの積層体を樹脂製のポールピースカバーで覆い、該ポールピースカバーのセンシング面に非磁性の弾性体を一体成形したポールピースアッシーとよりなり、前記ポールピースアッシーをリールアッシーに挿入して構成することを特徴とする、回転速センサである。請求項2に係る発明は、請求項1に記載の回転速センサにおいて、ポールピースアッシーを収容したリールアッシーと取付ブラケットと、ケーブルの端部とを樹脂製のボディで一体成形したことを特徴とする、回転速センサである。
【0007】
【発明の実施の形態1】以下図1〜図3を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0008】<イ>全体の構成図1,2に回転速センサの一例を示す。回転速センサはセンササブアッシー10と、センササブアッシー10を収容するボディ20と、ボディ20に外装した取付ブラケット30とよりなる。以下、各部について詳述する。
【0009】<ロ>センササブアッシーセンササブアッシー10はリールアッシー11と、ポールピースアッシー12とよりなる。センササブアッシー10をこのような単位で分けたのはリールアッシー11をすべてのセンサ型式で共通使用するためである。
【0010】<ハ>リールアッシーリールアッシー11はマグネットワイヤをドーナツ状に巻回したコイル13と、樹脂製のリールハウジング14とよりなり、コイル13の端部に端子42,42が設けられている。リールハウジング14の軸心には、ポールピースアッシー12を収容する収容孔15が形成されている。端子42,42にはケーブル40の端部に露出する導線41,41の裸出部が夫々ハンダ付けにより電気的に接続している。
【0011】<ニ>ポールピースアッシーポールピースアッシー12は磁石16と、磁石16の両側に配置したポールピース17,17と、これらの積層体を覆う樹脂製のポールピースカバー18と、ポールピースカバー18の底部に形成したシリコン等の非磁性の弾性体19とよりなる。
【0012】これまでは非磁性の弾性体を接着剤により貼付していた。
【0013】これに対して本発明は図3に拡大して示すようにポールピースカバー18の底部のセンシング面に一体成形して付着させた。これはポールピースカバー18の底部のセンシング面と非磁性の弾性体19間に高い付着力を確保するためである。 非磁性の弾性体19の付着力を高めるためにポールピースカバー18の底部のセンシング面を凹凸に形成しておくことが望ましい。
【0014】<ホ>ボディボディ20はセンササブアッシー10、ポールピースアッシー12及びケーブル40の端部を一体化する樹脂成型体で、金型内で噴出成型する公知の製法で製作する。この際、金属製の取付ブラケット30の段差付きの挿通孔31とリールアッシー11との間に隙間を介在して成型すると、ボディ20の外周面に取付ブラケット30を一体に固着することができる。また取付ブラケット30はボディ20の成型後に嵌合して取り付けても良い。尚、符号32は回転速センサを固定するためのボルト孔である。
【0015】
【作用】つぎに回転速センサの製作工程を説明する。
【0016】<イ>センササブアッシーの組立工程既述した構造のリールアッシー11と、センシング面に非磁性の弾性体19を予め一体成形したポールピースアッシー12とを夫々製作する。そしてリールアッシー11の収容孔15内にポールピースアッシー12を嵌め込む。ポールピースアッシー12の底部が収容孔15の開口側を閉鎖するまで挿入して、センササブアッシー10を得る。コイル13の端子42,42とケーブル40の導線41,41間をハンダで電気的に接続する。
【0017】<ロ>ボディの一体成形工程金型内にセンササブアッシー10及び取付ブラケット30を収容し、樹脂でボデイ20を噴出成型して回転速センサを得る。
【0018】
【発明の実施の形態2】発明の実施の形態1ではボディ20の底部のセンシング面を形成した突き合わせタイプについて説明したが、図4に示すようにボディ20の底部から延出させたポールピースアッシー12の側部にセンシング面を形成し、このセンシング面を回転ロータ(図示せず)に対向させて設置するクロスタイプに適用することも可能である。 発明の実施の形態1ではポールピースアッシー12の底部のみに非磁性の弾性体19を設けたが、本例ではボディ20の底部から延出する範囲にポールピースカバー18を設けると共に、ポールピースカバー18の全周囲に非磁性の弾性体19を一体に成形するだけである。
【0019】尚、その他、既述した実施の形態1と同一の部位は同一の符号を付して説明を省略する。
【0020】
【発明の効果】本発明は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ> 非磁性の弾性体をポールピースアッシーに一体成形することで高い剥離(付着)強度を確保でき、非磁性の弾性体のセンサロータによる削れ性が向上し、非磁性の弾性体の高さ寸法をラフにできる。
<ロ> 最終工程で非磁性の弾性体を接着した場合、養生時間を必要としていたが、本発明では非磁性の弾性体を一体成形するため養生時間を必要としない。
<ハ> 非磁性の弾性体がシリコンの場合、シリコンを一体成形するときにシリコンに含有されているシロキシ酸がリールアッシーの端子に付着して、ハンダ付けを行ったとき電気的接続障害(接続不良)を誘起するため、センササブアッシーをポールピースアッシーとリールアッシーの2つに分けたことで、電気的接続障害の発生を未然に防止できる。さらに、リールアッシーの共有化が図れ、生産性が著しく向上し、製造コストの低減も図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000004374
【氏名又は名称】日清紡績株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月3日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生 (外1名)
【公開番号】 特開平11−23601
【公開日】 平成11年(1999)1月29日
【出願番号】 特願平9−193150