| 【発明の名称】 |
回転速度センサを備えた軸受 |
| 【発明者】 |
【氏名】糀屋 佳郎
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| 【要約】 |
【課題】部品点数を削減したにもかかわらず、精度良く回転速度を検出できる回転速度センサを備えた軸受を提供する。
【解決手段】内輪組立体に取付けられ、等間隔に周方向に窓部201eと柱部201fとを交互に形成した、磁性材からなるトーンホイール201と、トーンホイール201上に配置された永久磁石Mと、外輪101に取付けられたステータ組立体210とからなり、ステータ組立体210は、トーンホイール201の窓部201eと同ピッチで、周方向に等間隔に凸部211c、212cを形成した、磁性材からなる一対のフランジ211,212と、フランジ211,212を連結する円筒部211bと、円筒部211bと磁性材からなるトーンホイールとの間のラジアル断面に配置されたコイル214とからなり、永久磁石Mは、フランジ211に隣接して配置される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軌道を有する固定輪と、軌道を有し、前記固定輪に対して回転自在な回転輪と、両軌道間に配置された複数の転動部材と、前記回転輪に取付けられ、等間隔に周方向に窓部と柱部とを交互に形成した、磁性材からなる円筒部材と、前記円筒部材上に配置された永久磁石と、前記固定輪に取付けられた環状ステータ装置とからなり、前記環状ステータ装置は、前記円筒部材の窓部と同ピッチで、周方向に等間隔に凹部及び凸部を形成した、磁性材からなる一対のフランジと、前記フランジを連結する磁性材からなるステータ円筒部と、前記ステータ円筒部と前記磁性材からなる円筒部材との間のラジアル断面に配置されたコイルとからなり、前記永久磁石は、前記フランジの一方に隣接して配置され、前記フランジの一方の凸部が、前記円筒部材の柱部に近接したときには、前記フランジの他方の凹部が、前記柱部に近接するようになっている回転速度センサを備えた軸受。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は車両用の軸受に関し、特に回転輪の回転速度を検出できる回転速度センサを備えた軸受に関する。 【0002】近年、交通の安全を確保すべく、車両において各種の安全装置が実用化されるに至った。その一つに、アンチロックブレーキシステムがある。かかるアンチロックブレーキシステムは、車輪の回転速度を検出して、そのロック状態を検出し、それに応じてブレーキ力を制御するようになっている。 【0003】従って、アンチロックブレーキシステムを備えた車両においては、車輪の回転速度を精度良く検出する必要がある。しかし、車輪の回転速度を直接検出することは一般的に困難であることから、その代わりに車輪を回転自在に支持するハブ・ユニットにおいて、軸受の回転輪の回転速度を検出することが多い。 【0004】図4は、独国特許第19612467号公報に開示されている、従来技術による回転速度センサの断面図である。図4において、回転軸10の外周に、磁性材からなる円筒部材11が配置されている。円筒部材11は、周方向に等間隔に窓部11aと柱部11bとを有する。 【0005】円筒部材11の半径方向外方には、固定部12に取り付けられた環状ステータ2が配置されている。環状ステータ2は、磁性材からなる断面L字状の第1フランジ20と、第1フランジ20の端部から半径方向内方に延在する磁性材からなる第2フランジ21と、樹脂材22aを介して第1フランジ20と第2フランジ21との間に配置されたコイル22とからなる。 【0006】第2フランジ21の、コイル22と反対側面には、永久磁石MがN極を外側にして取り付けられている。 【0007】環状ステータ2の第1フランジ20と第2フランジ21は、円筒部材11の窓部11aと同ピッチで、周方向に等間隔に凸部20b、21bを形成しているが、第1フランジ20の凸部20bが、円筒部材11の柱部11bに近接したときには、第2フランジ21の隣接する凸部21b間(即ち凹部)が、柱部11bに近接するようになっている。 【0008】ここで、回転軸10が固定部12に対して回転するとき、第1フランジ20の凸部20bが、円筒部材11の柱部11bに近接したときには、両者間のエアギャップが磁気回路の一部となり、コイル22に鎖交する磁束が流れる。 【0009】一方、円筒部材11が更に窓部11aのピッチの半分だけ回転すると、第2フランジ21の凸部21bが、円筒部材11の柱部11bに近接し、両者間のエアギャップが磁気回路の一部となるため、かかる場合にはコイル22に鎖交する磁束は流れない。 【0010】このようにして、固定部12に対し回転軸10が回転すると、コイル22の両端には正弦波状の出力電圧が発生することとなる。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】ところで、図4に示す従来技術においては、磁気回路を閉回路とし、その磁気抵抗を極力小さくするために、磁石Mの左側面から円筒部材11の先端まで延在する磁性材からなるステータ25を設け、これを磁石Mからの戻り回路を構成する要素として用いている。 【0012】ところが、このようなステータ25を設けることにより、部品点数は増大し、その製造コストも増大する。 【0013】かかる問題点に鑑み、本発明は、部品点数を削減したにもかかわらず、精度良く回転速度を検出できる回転速度センサを備えた軸受を提供することを目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべく、本発明にかかる回転速度センサを備えた軸受は、軌道(101b、101c)を有する固定輪(101)と、軌道(102d、102e)を有し、前記固定輪(101)に対して回転自在な回転輪(102)と、両軌道間に配置された複数の転動部材(103)と、前記回転輪(102)に取付けられ、等間隔に周方向に窓部(201e)と柱部(201f)とを交互に形成した、磁性材からなる円筒部材(201)と、前記円筒部材(201)上に配置された永久磁石(M)と、前記固定輪(101)に取付けられた環状ステータ装置(210)とからなり、前記環状ステータ装置(210)は、前記円筒部材(201)の窓部(201e)と同ピッチで、周方向に等間隔に凹部及び凸部(211c、212c)を形成した、磁性材からなる一対のフランジ(211,212)と、前記フランジ(211,212)を連結する磁性材からなるステータ円筒部(211b)と、前記ステータ円筒部(211b)と前記磁性材からなる円筒部材との間のラジアル断面に配置されたコイル(214)とからなり、前記永久磁石(M)は、前記フランジの一方(211)に隣接して配置され、前記フランジの一方(211)の凸部(211c)が、前記円筒部材(201)の柱部(201f)に近接したときには、前記フランジの他方(212)の凹部が、前記柱部(201f)に近接するようになっている。 【0015】 【作用】本発明の回転速度センサを備えた軸受によれば、前記回転輪(102)に取付けられ、等間隔に周方向に窓部(201e)と柱部(201f)とを交互に形成した、磁性材からなる円筒部材(201)と、前記円筒部材(201)上に配置された永久磁石(M)と、前記固定輪(101)に取付けられた環状ステータ装置(210)とからなり、前記環状ステータ装置(210)は、前記円筒部材(201)の窓部(201e)と同ピッチで、周方向に等間隔に凹部及び凸部(211c、212c)を形成した、磁性材からなる一対のフランジ(211,212)と、前記フランジ(211,212)を連結する磁性材からなるステータ円筒部(211b)と、前記ステータ円筒部(211b)と前記磁性材からなる円筒部材との間のラジアル断面に配置されたコイル(214)とからなり、前記永久磁石(M)は、前記フランジの一方(211)に隣接して配置され、前記フランジの一方(211)の凸部(211c)が、前記円筒部材(201)の柱部(201f)に近接したときには、前記フランジの他方(212)の凹部が、前記柱部(201f)に近接するようになっているので、一つの磁気回路が、前記永久磁石(M)から、前記一方のフランジ(211)と、前記円筒部材(201)とを介して形成され、他の磁気回路が、前記永久磁石(M)から、前記ステータ円筒部材(211b)と、他方のフランジ(212)と、前記円筒部材(201)とを介して形成され、それにより磁気回路を形成するに必要な部品をより少なく抑えることができる。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の態様にかかるハブ・ユニットの断面図である。 【0017】図1において、本実施の形態にかかるハブ・ユニットは、外輪101と、内輪組立体102と、前記外輪101と前記内輪組立体102との間に配置された二列のボール103と、前記ボールを保持する保持器104と、前記外輪101と前記内輪組立体102との間において、ボール103の左方に配置されたシール105と、前記外輪101の端部に取り付けられた蓋部106と、この蓋部106と前記内輪組立体102との間に配置されたセンサユニット200とからなる。 【0018】固定輪である外輪101は、円筒状の本体101aと、その内周に形成された2列の軌道面101b、101cを有し、不図示のボルトにより車体(不図示)に対して固定されるようになっている。 【0019】回転輪である内輪組立体102は、外輪101に内包される円筒状の本体102aと、本体102aから半径方向外方に延在する円板状のフランジ部102bと、本体102aの右端外周に嵌合された環状部材102cとからなる。環状部材102cは、本体102aの端部に形成された雄ねじ(不図示)に、フランジ付きナット107を螺合させることにより本体102aに取り付けられている。 【0020】内輪組立体102の本体102aは、その外周に軌道面102dを有する。一方、環状部材102cは、その外周に軌道面102eを有する。軌道面102d、102eと、それぞれ対向する外輪101の軌道輪101b、101cとの間に、転動体であるボール103が挟持されている。かかる外輪101と、内輪組立体102と、ボール103とでいわゆるアンギュラコンタクトタイプの軸受を構成している。ボール103は、保持器104により適所に保持されている。 【0021】内輪組立体102は、フランジ部102bにボルト孔102fを形成しており、かかるボルト孔102fを介してボルト(不図示)を挿通し、かかるボルトにより不図示の車輪を取り付けている。 【0022】シール105は、通常のシールであって、外輪101と内輪組立体102との間を密封している。 【0023】樹脂製のカバー106は、円筒部106aと、円板部106bとを接合した構成となっており、円板部106bの内側面にステータ組立体210を取り付けている。なお、カバー106は、円筒部106aに鉄製のインサート106cを埋設させ、これを用いて外輪101へのカバー106の取付けを行っている。インサート106cに隣接して、外輪101とカバー106との間を密封するO−リング108が配置されている。カバー106から右方に突出するソケット109内には、後述するコイル214に連結された端子110が配置され、不図示のコネクタをここに差込自在となっている。 【0024】一方、内輪組立体102の環状部材102cには、円筒部材であるトーンホイール201が取り付けられ、更に永久磁石Mがトーンホイール201上に配置されている。 【0025】図2は、センサユニット200を構成する、環状ステータ装置であるステータ組立体210と、トーンホイール201と、永久磁石Mの拡大断面図であり、図2(a)においては一方の磁気回路を形成し、図2(b)おいては他方の磁気回路を形成している。なお、図2においては、見やすいようにハッチングは省略されている。 【0026】トーンホイール201は、1枚の磁性材板をプレスすることにより形成されており、内輪組立体102の環状部材102cよりも大径の円筒部201aと、環状部材102cに嵌合する折り返し部201bと、円筒部201aと折り返し部201bとを連結する外方フランジ部201cと、折り返し部201bから内方に延在する内方フランジ部201dとからなる。 【0027】トーンホイール201の円筒部201aは、周方向に等間隔に窓部201e(点線で示す)と柱部201fとを形成している。環状の永久磁石Mは、N極をステータ組立体210に向けて、トーンホイール201の内方フランジ部201d上に配置されている。なお、外方フランジ部201cに対して、内方フランジ部201dを、ステータ組立体210から離隔する方向にシフトすることにより、外方フランジ部201cの内周で永久磁石Mの位置決めを行えるようにしている。永久磁石Mは、磁力によってトーンホイール201に固着するようになっているが、樹脂モールド等により一体的に固定することもできる。なお、本実施の形態における永久磁石は環状形状のものであるが、必ずしも環状形状にする必要はなく、扇形形状の永久磁石を円周上に数個配置することも可能である。 【0028】ステータ組立体210は、第1フランジ211と、第2フランジ212と、両フランジ間に配置されたボビン213と、ボビン213内に配置されたコイル214とからなる。 【0029】磁性材からなる第1フランジ211は、永久磁石Mに微小スキマを介して対向するフランジ部211aと、フランジ部211aの内周に接合された円筒部211bと、フランジ部211aの半径方向外方端において、トーンホイール201の窓部201eと同ピッチで、周方向に等間隔に配置された断面L字状の凸部(櫛歯)211cとからなる。 【0030】一方、磁性材からなる第2フランジ212は、円筒部211bの内周に嵌合する小円筒212aと、小円筒212aから半径方向外方に延在するフランジ部212bと、フランジ部212bの半径方向外方端において、トーンホイール201の窓部201eと同ピッチで、周方向に等間隔に配置された断面L字状の凸部(櫛歯)212cとからなる。なお、第1フランジ211の凸部211cは、第2フランジ212の凸部212cに対して、トーンホイール201の窓部201eのピッチの半分だけ周方向にシフトして形成されている。 【0031】第1フランジ211と第2フランジ212とで囲まれた溝状空間には、断面U字状の樹脂製ボビン213が配置されている。ボビン213内には、コイル214が配置されている。 【0032】本実施の形態にかかるハブ・ユニットが車輪に取り付けられ、車輪が回転した場合、図2(a)に示すように、トーンホイール201の柱部201fに、第2フランジ212の凸部212cが近接するようになったときは、永久磁石Mから、第1フランジ211のフランジ部211aと円筒部211bと、第2フランジ212の小円筒212aとフランジ部212bと凸部212cと、トーンホイール201とを介して磁気回路が形成される。図2(a)に、かかる場合の磁束の流れを矢印により示す。このときコイル214においては、図2(a)中左から右へと磁束が鎖交する。 【0033】一方、図2(b)に示すように、トーンホイール201の柱部201fに、第1フランジ211の凸部211cが近接するようになったときは、永久磁石Mから、第1フランジ211のフランジ部211aと凸部211cと、トーンホイール201とを介して磁気回路が形成される。図2(b)に、かかる場合の磁束の流れを矢印により示す。このときコイル214においては、磁束は鎖交しない。このように、トーンホイール201とステータ組立体210との相対回転に応じて、鎖交磁束は周期的に変化するため、コイル214に相対回転に応じた正弦波状の電圧が生じ、かかる電圧を端子110(図1)を介して検出することにより回転輪である内輪組立体102の回転数を測定することができる。 【0034】本実施の形態によれば、トーンホイール201に永久磁石Mを直付し、ステータ組立体210の外方で回転させるようにしたので、トーンホイール201を直接戻り回路とすることができ、例えば従来技術で用いていたような別個のステータは不要となり、部品点数を減少させコストダウンを図ることができる。 【0035】図3は、第2の実施の態様にかかるハブ・ユニットの断面図である。なお、第2の実施の形態については、図1に示す第1の実施の形態に対して異なる点を中心に説明し、共通する部分については詳細な説明を省略する。 【0036】第1の実施の形態に対し、第2の実施の形態が異なるのは、センサユニット300の構成である。より具体的には、ステータ組立体310の半径方向内側に、トーンホイール301が配置されている。これに合わせて、ステータ組立体310のフランジ凸部は内方を向いている。その他の構成及び動作については、第1の実施の形態と共通する。 【0037】以上、本発明を実施の態様を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の態様に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、トーンホイールはプレス成形により形成されても、溶接により形成されても良い。 【0038】 【発明の効果】本発明の回転速度センサを備えた軸受によれば、軸受の回転輪に取付けられ、等間隔に周方向に窓部と柱部とを交互に形成した、磁性材からなる円筒部材と、前記円筒部材上に配置された永久磁石と、前記固定輪に取付けられた環状ステータ装置とからなり、前記環状ステータ装置は、前記円筒部材の窓部と同ピッチで、周方向に等間隔に凹部及び凸部を形成した、磁性材からなる一対のフランジと、前記フランジを連結する磁性材からなるステータ円筒部と、前記ステータ円筒部と前記磁性材からなる円筒部材との間のラジアル断面に配置されたコイルとからなり、前記永久磁石は、前記フランジの一方に隣接して配置され、前記フランジの一方の凸部が、前記円筒部材の柱部に近接したときには、前記フランジの他方の凹部が、前記柱部に近接するようになっているので、一つの磁気回路が、前記永久磁石から、前記一方のフランジと、前記円筒部材とを介して形成され、他の磁気回路が、前記永久磁石から、前記ステータ円筒部材と、他方のフランジと、前記円筒部材とを介して形成され、それにより磁気回路を形成するに必要な部品をより少なく抑えることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004204 【氏名又は名称】日本精工株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】井上 義雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−23599 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月29日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−186017 |
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