| 【発明の名称】 |
回転速度センサを備えた軸受 |
| 【発明者】 |
【氏名】大内 英男
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】シール体205が、エンコーダ202よりも外方に配置され、シール体205を取り付けるカバー204は磁性材から形成されており、シールリップ205a、205bには透磁率の高い磁性粉末が混入されているので、エンコーダ202を外部の強磁場から保護する磁気シールドとして機能し、それによりセンサ203が内輪組立体102の回転速度を正確に検出できるようにしている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軌道を有する固定輪と、軌道を有し、前記固定輪に対して回転自在な回転輪と、両軌道間に配置された複数の転動部材と、前記回転輪に取り付けられたエンコーダと、前記エンコーダに対向して配置され、前記回転輪の回転速度を磁気的に検出する回転速度センサと、両輪間を密封するシールリップと、前記シールリップを前記固定輪又は前記回転輪に取り付ける芯金とを有するシールとからなり、前記シールは、前記エンコーダよりも外方に配置され、前記シールの芯金は磁性材から形成されており、前記シールリップには透磁率の高い磁性粉末が混入されている回転速度センサを備えた軸受。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は車両用の軸受に関し、特に回転輪の回転速度を検出できる回転速度センサを備えた軸受に関する。 【0002】車両の制御を行う場合において、車速をパラメータの一つとして用いる場合がある。ここで、車速を正確に検出するには、車輪の回転数を検出することが考えられる。しかし、車輪の回転速度を直接検出することは一般的に困難であることから、その代わりに車輪を回転自在に支持するハブ・ユニットにおいて、軸受の回転輪の回転速度を検出することが多い。 【0003】図2は、特開平6−281018号公報に開示されている、回転輪の回転速度を検出するために用いるエンコーダ及びシールの断面図である。図2において、回転輪1の外周には、円筒部材3が取り付けられている。円筒部材3の端部には、半径方向に延在する回転ディスク2が接合されている。回転ディスク2の右方面には、磁性粒子を添加したエラストマからなるエンコーダ4が接着されている。 【0004】一方、固定輪6の内周には、芯金7が嵌合され、かかる芯金7の内周から、回転ディスク2の左方面に向かって、2つのシールリップ11a、11bが延在している。 【0005】エンコーダ4は、周方向に等ピッチで交互にN極とS極とが多極的に着磁されている。不図示のセンサが、エンコーダ4に近接して配置されており、回転輪1が回転することにより、エンコーダ4の磁極がセンサの前面を横切るため、センサは磁束密度の変化を検知し、回転輪1の回転速度に対応する周波数を備えた出力信号を出力する。従って、かかる出力信号に基づき、回転輪1の回転速度を検出することができる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、図2に示す従来技術においては、以下に述べるような問題がある。エンコーダ4は、磁気的にシールドされていないため、強磁界が発生している場所を車両が通過すると、センサがノイズを拾いやすく、それによりノイズを含んだ信号を出力する恐れがある。そこで、制御装置は車速を求めるために、例えばかかるノイズを排除して車速信号のみを取り出す回路等を設けなくてはならず、製造コストの増大等を招くこととなっていた。 【0007】これに対し、かかるエンコーダを、例えば駆動輪用ハブ・ユニットに用いた場合には、軸受の内周に等速ジョイントが取り付く構成となっているため、磁気シールド用のカバーを取り付けるに十分なスペースがないという問題がある。 【0008】かかる問題点に鑑み、本発明は、安価でありながら、回転速度を信頼性高く検出でき、制御の精度を向上することのできる回転速度センサを備えた軸受を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべく、本発明にかかる回転速度センサを備えた軸受は、軌道(101c、101d)を有する固定輪(101)と、軌道(102d、102e)を有し、前記固定輪(101)に対して回転自在な回転輪(102)と、両軌道間に配置された複数の転動部材(103)と、前記回転輪(102)に取り付けられたエンコーダ(202)と、前記エンコーダ(202)に対向して配置され、前記回転輪(102)の回転速度を磁気的に検出する回転速度センサ(203)と、両輪間を密封するシールリップ(205a、205b)と、前記シールリップ(205a、205b)を前記固定輪(101)又は前記回転輪(102)に取り付ける芯金(204)とを有するシール(204,205)とからなり、前記シール(204、205)は、前記エンコーダ(202)よりも外方に配置され、前記シール(205)の芯金(204)は磁性材から形成されており、前記シールリップ(205a、205b)には透磁率の高い磁性粉末が混入されている。 【0010】 【作用】本発明の回転速度センサを備えた軸受によれば、前記シール(204,205)が、前記エンコーダ(202)よりも外方に配置され、前記シール(204,205)の芯金(204)は磁性材から形成されており、前記シールリップ(205a、205b)には透磁率の高い磁性粉末が混入されているので、前記シール(204,205)は、前記エンコーダ(202)を外部の強磁場から保護する磁気シールドとして機能し、それにより前記センサ(203)が前記回転輪の回転速度を正確に検出できるようにしている。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の態様にかかるハブ・ユニットの断面図である。 【0012】図1において、本実施の形態にかかるハブ・ユニットは、外輪101と、内輪組立体102と、前記外輪101と前記内輪組立体102との間に配置された二列のボール103と、前記ボールを保持する保持器104と、前記外輪101と前記内輪組立体102との間において、ボール103の左方に配置されたシール105と、前記外輪101と前記内輪組立体102との間において、ボール103の右方に配置されたセンサ・シールユニット200とからなる。 【0013】固定輪である外輪101は、円筒状の本体101aと、本体101aから半径方向外方に延在する円板状のフランジ部101bとからなる。外輪101は、内周に2列の軌道面101c、102dを有し、不図示のボルトにより車体(不図示)に対して固定されるようになっている。 【0014】回転輪である内輪組立体102は、外輪101に内包される円筒状の本体102aと、本体102aから半径方向外方に延在する円板状のフランジ部102bと、本体102aの右端外周に嵌合された環状部材102cとからなる。 【0015】内輪組立体102の本体102aは、その外周に軌道面102dを有する。一方、環状部材102cは、その外周に軌道面102eを有する。軌道面102d、102eと、それぞれ対向する外輪101の軌道輪101d、101eとの間に、転動体であるボール103が挟持されている。かかる外輪101と、内輪組立体102と、ボール103とでいわゆるアンギュラコンタクトタイプの軸受を構成している。ボール103は、保持器104により適所に保持されている。 【0016】内輪組立体102は、フランジ部102bにボルト孔102fを形成しており、かかるボルト孔102fに挿通されたボルト106を用いて、不図示の車輪を取り付けている。 【0017】シール105は、その芯金105aを外輪101に取り付け、かつ3つのシールリップ105b、105c、105dを内輪組立体102に当接させている。 【0018】エンコーダユニットは、ホルダ201と、ホルダ201に取り付けられた多極磁石エンコーダ202とからなり、センサ・シールユニット200は、多極磁石エンコーダ202に対向するセンサ203と、センサ203を保持するカバー204と、カバー204から延在するシール体205とからなる。 【0019】断面L字状のホルダ201は、内輪組立体102の環状部材102cの外周に圧入固定され、ボール103と干渉しない位置に取付けられている。SPCC等の磁性体の板材からなるホルダ201のフランジ部には、フェライトを混入したゴム磁石からなる環状の多極磁石エンコーダ202が、焼付固定されている。エンコーダ202の側面は、N極とS極とが周方向に交互に等ピッチで多極的に着磁されている。エンコーダ202は、環状部材102cの端面と面一になるまで仮圧入した時点で着磁され、着磁後、圧入治具(不図示)にて正規の軸線方向位置まで圧入される。 【0020】SPCC等の磁性体の板材からプレス加工して製作されたカバー204は、後述するシールリップ205a、205bの芯金として機能し、かつ第1の円筒部204aの右端と、第1の円筒部204aより小径の第2の円筒部204bの左端を、大フランジ204cにより半径方向に連結し、更に第2の円筒部204bから内方に、小フランジ204dを延在させた構成を有してなる。 【0021】第1の円筒部204aを環状部材102cの外周に嵌合し、大フランジ204cを環状部材102cの端部に当接させることにより、後述するセンサ203とエンコーダ202との間隔を規定するようにして、カバー204は内輪組立体102に取り付けられている。第2の円筒部204bと小フランジ204dとの間の空間には、回転速度センサとしてのセンサ203が取り付けられ、多極磁石エンコーダ202に対向している。なお、センサ203は、カバー204に対して、円周方向の一部のみに取り付けられているが、センサ203の収納スペースを確保するため、その部分のみ軸線方向外方に延長している。 【0022】センサ203は、MR素子あるいはホール素子と波形整形回路が組み込まれた検出器が樹脂モールドされてなる。センサの検知部はエンコーダ202に近接配置され、エンコーダ202の回転速度に比例した信号を出力している。 【0023】シール体205は、カバー204の小フランジ204dの内周端から内方に延在する2つのシールリップ205a、205bとを有する。かかるシールリップ205a、205bは、二点鎖線で示す等速ジョイント206の外周に当接し、外部からの塵埃や水の侵入を防止する。なお、シールリップ205a、205bは、透磁率の高い磁性粉末(例えば、純鉄の粉末など)を混入したエラストマ材から作られている。 【0024】本実施の形態にかかるハブ・ユニットが車輪に取り付けられ、車輪が回転したときには、多極磁石エンコーダ202の端面が、センサ203の前面を横切るので、センサ203は、内輪組立体102の回転に応じた周波数を含む出力信号を出力する。 【0025】かかる出力信号は不図示の制御装置に送られて、それに基づき回転速度が検出されるようになっている。 【0026】本実施の形態によれば、センサ203は、磁性体であるカバー204と、磁性シール体205と、磁性体である等速ジョイント206と、内輪組立体102と、ボール103と、外輪101とによりスキマなく囲まれている。従って、本実施の形態のハブ・ユニットを取り付けた車両が、強磁界のあるところを走行しても、磁束のほとんどは、センサ203の周囲の磁性体に沿って流れ、センサ203に影響を及ぼす恐れが少ない。従って、外部磁界に起因するセンサ203の出力信号に生じるノイズをより低減させることができ、より信頼性の高い回転速度信号を供することができる。なお、本実施の形態においては、磁性体カバー204におけるセンサ203が取り付けられた円周方向の一断面の内径寸法は、環状部材102cの外径寸法よりも小さくなっていて、側面から眺めたとき、カバー204と環状部材102cの一部がオーバーラップするようにしている。このため、シールリップ205a、205bの透磁率をあまり高くできなくとも、等速自在継手の円筒部の外周に対して平行に流れるノイズ磁束が、環状部材102cの外径寸法よりも外側(大径部)に取り付いた多極磁石エンコーダ202とセンサ203に流れる可能性は極めて低くなっている。 【0027】以上、本発明を実施の態様を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の態様に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、カバーはプレス成形により形成されても、溶接により形成されても良い。 【0028】 【発明の効果】本発明の回転速度センサを備えた軸受によれば、シールが、エンコーダよりも外方に配置され、シールの芯金は磁性材から形成されており、シールのシールリップには透磁率の高い磁性粉末が混入されているので、前記シールは、前記エンコーダを外部の強磁場から保護する磁気シールドとして機能し、それによりセンサが前記回転輪の回転速度を正確に検出できるようにしている。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004204 【氏名又は名称】日本精工株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)6月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】井上 義雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−23597 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月29日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−186015 |
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