| 【発明の名称】 |
球状黒鉛鋳鉄の熱分析の改良法 |
| 【発明者】 |
【氏名】平岡 秀孝
【氏名】森中 真行
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| 【要約】 |
【課題】球状黒鉛鋳鉄の溶湯の熱分析を行うに当たり、現場における環境の汚染を阻止すること。
【解決手段】球状黒鉛鋳鉄の熱分析において、前記溶湯の試料に希土類元素中から選択した元素の少量を添加する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】球状黒鉛鋳鉄の熱分析において、前記溶湯の試料に希土類元素中から選択した元素の少量を添加することを特徴とする球状黒鉛鋳鉄の熱分析の改良法。 【請求項2】前記希土類元素をセシウムとする請求項1に記載の方法。 【請求項3】前記希土類元素をランタンとする請求項1に記載の方法。 【請求項4】前記希土類元素をセリウム族希土類元素とする請求項1に記載の方法。 【請求項5】球状黒鉛鋳鉄の熱分析において、前記溶湯の試料に希土類元素の混合物の少量を添加することを特徴とする球状黒鉛鋳鉄の熱分析の改良法。 【請求項6】前記希土類元素の混合物をミッシュメタルとする請求項5に記載の方法。 【請求項7】前記希土類元素の添加量を少なくとも0.4(重量)%とする請求項1乃至4に記載の方法。 【請求項8】前記希土類元素の混合物の添加量を少なくとも0.4(重量)%とする請求項5および6に記載の方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は球状黒鉛鋳鉄の熱分析法、より詳細に述べると球状黒鉛鋳鉄の溶湯を炉前で熱分析して、その性状を測定する改良法に関する。 【0002】 【従来の技術】球状黒鉛鋳鉄の溶湯を鋳造する以前に、炉前で熱分析するために球状黒鉛鋳鉄の溶湯の一部を熱電対を具備する熱分析用の試料容器に注入すること、および前記試料容器内にイオウ(S)とテルル(Te)を配置して球状黒鉛鋳鉄を白銑化することは従来から普通に行われている。 【0003】このようにイオウとテルルとを添加材として同時に使用すると、球状黒鉛鋳鉄の球状化元素が優先的にイオウと作用して、たとえば硫化マグネシウム(Mg−S)などの化合物を生成し、テルルは消費することなく白銑化能力を発揮する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、テルルを配置した試料容器に高温度の鋳鉄の溶湯を注入すると、テルルが酸素と作用して人体に有害な酸化テルル(Te−O)となり、試料容器周辺の大気中に放散される。 【0005】酸化テルルは白煙を上げるため、炉前における作業者の視界を妨げると共に、その白煙が作業者の眼を刺激し、一時的に視力を低下させる。凡そ1500℃の高温度の溶湯の炉前で鋳鉄の溶湯の熱分析を行うのであるから、酸化テルルの発生は現場における作業者にとって頗る危険な存在である。 【0006】このような問題点を考慮して、この発明の主目的は、球状黒鉛鋳鉄の溶湯の熱分析を行うに当たり、現場における環境の汚染を阻止することができる球状黒鉛鋳鉄の溶湯の熱分析の改良法を提供することにある。 【0007】この発明のさらに目的とするところは、鋳鉄の溶湯の熱分析を行うために使用する溶湯の試料採取容器に、添加材としてテルルを使用することなく、球状黒鉛鋳鉄の溶湯の採取試料を白銑化する熱分析法を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するために、この発明によれば、従来から一般に使用されている鋳鉄の溶湯の熱分析用の熱電対を具備する試料採取容器に、添加材として希土類元素、およびその混合物を配置することを特徴とする。 【0009】希土類元素としては、セリウム、ランタンを単独で、あるいはセリウム族希土類元素の混合物、すなわちミッシュメタルを選択する。 【0010】この発明によれば、鋳鉄の溶湯の熱分析用の試料採取容器にセリウム、ランタンあるいはセリウム希土類元素の混合物を少量添加し、この試料容器に鋳鉄の溶湯を注入して熱分析試験を行うことにある。 【0011】この熱分析試験によって鋳鉄の溶湯の冷却曲線を観察すると、第一の熱停止を示す初晶温度および第二の熱停止を示す共晶温度が測定でき、鋳鉄の溶湯中の炭素当量、炭素含有量、シリコン含有量等をテルルを添加材として配置した場合と同様に測定することができる。 【0012】球状黒鉛鋳鉄の溶湯の熱分析の目的は、鋳鉄の溶湯の冷却曲線の測定の外に、その溶湯を白銑化することにある。 【0013】鋳鉄の溶湯の白銑化は、溶湯の試料を採取して熱分析によって得られる冷却曲線を観察して、共晶温度の低下を検討することによって行うことができる。 【0014】すなわち、この共晶温度が試料として採取された球状黒鉛鋳鉄の白銑共晶温度(または「セメンタイト共晶温度」ともいう)にまで低下しているかどうかによって判断することができる。 【0015】また、鋳鉄の溶湯が冷却して生成された組織を顕微鏡による検査により、組織中に黒鉛がなく、鉄と炭素との結合から成るセメンタイト(Fe3C)が形成されていれば白銑化することが判る。 【0016】黒鉛球状鋳鉄に含有されている珪素の量は、通常1.4乃至3.0(重量)%の範囲であり、鋳鉄中の珪素の含有量が増加すると、白銑共晶温度が低下すものである。 【0017】そこで、黒鉛球状鋳鉄における珪素の含有量が、それぞれ1.4;2.0および3.0(重量)%の溶湯を試料として、添加材としてミッシュメタルを0.2;0.4および0.6(重量)%添加して、それぞれの共晶温度の変化を測定した。 【0018】その結果として、硅素の含有量が1.4(重量)%であると、その白銑共晶温度が1123℃で、2.0(重量)%であれば1114℃であり、3.0(重量)%であると1101℃であることが判っていることから、黒鉛球状化鋳鉄の溶湯の共晶温度を縦軸に、ミッシュメタルの添加量を横軸にとって示すと図1の通りである。 【0019】図1から、硅素の含有量が2.0(重量)%の黒鉛球状鋳鉄の溶湯に、ミッシュメタルを0.4(重量)%以上添加すると、硅素の含有量の如何に拘わらず、白銑共晶か温度を示すことが判る。 【0020】次に、硅素の含有量が2.0(重量)%の黒鉛粒状か鋳鉄の溶湯にミッシュメタルを添加して、そのミクロ組織を観察した。 【0021】図3はミッシュメタルを添加しない鋳鉄の組織であって、球状黒鉛が明瞭に存在する。 【0022】図3はミッシュメタルを0.2(重量)%添加した場合であって、CV黒鉛組織を呈している。 【0023】図4と図5とは、ミッシュメタルをそれぞれ0.4(重量)%と、0.6(重量)%添加した場合を示すもので、ともに組織中に黒鉛が存在することなく、セメンタイトが認められる。 【0024】以上の事実から、鋳鉄を白銑化させるためには、ミッシュメタルを0.4(重量)%以上添加すればよいことが判る。 【0025】この発明において、熱分析を行う球状黒鉛鋳鉄の溶湯の試料に希土類元素等を添加するには、熱分析用の試料容器の内壁に添加材として必要量の希土類元素等を固定剤、すなわちセメントによって塗布することが好ましい。 【0026】 【発明の効果】この発明は、以上に詳細に説明したように、球状黒鉛鋳鉄の溶湯の熱分析に当たって、その試料採取容器に希土類元素を0.4(重量)% 以上添加することを特徴とする。 【0027】このように鋳鉄の溶湯に希土類元素を少量添加すると、テルルを添加する場合と同様に、鋳鉄の溶湯の熱冷却曲線において、その共晶温度を的確に測定することができ、しかも添加した希土類元素は鋳鉄の溶湯中に溶解している酸素と結合して、主として、例えば酸化セリウムあるいは酸化ランタンとなり、酸化テルルのように大気中に拡散したり、白煙を発生することなく、溶湯の表面に浮遊状態を呈するが、数分を経過すると凝固してしまう。 【0028】従って、球状黒鉛鋳鉄の溶湯の熱分析を行う現場において、テルルを使用した場合のように、大気を汚染することがなく、また作業者の眼を刺激したりすることが全くないという効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】393025002 【氏名又は名称】株式会社日本サブランスプローブエンジニアリング
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月23日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】飯田 幸郷 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−304736 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)11月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−150492 |
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