| 【発明の名称】 |
微細表面形状測定装置及び触針製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】山本 正樹
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| 【要約】 |
【課題】測定対象物が導電体/非導電体のいかんに関わらず計測でき、表面の汚染やゴミに強く、触針摩耗による計測誤差が少ない機械部品の微小穴や微細溝の内面計測等に好適に用いられる微細表面形状測定装置を実現する。
【解決手段】本発明は、梁構造の触針1と、触針1をその共振周波数付近で振動させる振動手段3等と、触針1の歪みを検出する歪み検出手段2等と、検出される歪みの状態が一定になるように触針をその振動方向に位置決めする位置決め手段48等と、触針1と測定対称面46とを相対的に位置決めする移動手段42等とを有し、測定対象面の形状を測定する微細表面形状測定装置である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 梁構造を有する触針と、前記触針をその共振周波数付近で振動させる振動手段と、前記触針の歪みを検出する歪み検出手段と、検出される歪みの状態が一定になるように前記触針をその振動方向に位置決めする位置決め手段と、前記触針と測定対称面とを相対的に位置決めする移動手段とを備え、前記測定対象面の形状を測定する微細表面形状測定装置。 【請求項2】 触針は、先端に形状測定用の微細突起部を有する硬度の高い導電体よりなる請求項1記載の微細表面形状測定装置。 【請求項3】 触針は、超硬合金製である請求項1または2記載の微細表面形状測定装置。 【請求項4】 触針は、その一部または全体がダイヤモンド焼結体あるいはBN焼結体である請求項1または2記載の微細表面形状測定装置。 【請求項5】 触針は、微細放電加工により加工された請求項1から4のいずれかに記載の微細表面形状測定装置。 【請求項6】 触針は、微細放電加工による加工変質層を、砥粒加工を用いて取り除いた請求項1から5記載の微細表面形状測定装置。 【請求項7】 振動手段が、触針を支持する圧電材料の部材を有する請求項1から6のいずれかに記載の微細表面形状測定装置。 【請求項8】 振動手段が、触針上に設けられた圧電材料の部材を有する請求項1から6のいずれかに記載の微細表面形状測定装置。 【請求項9】 歪み検出手段が、触針上に設けられた圧電材料の部材を有する請求項1から8のいずれかに記載の微細表面形状測定装置。 【請求項10】 歪み検出手段が、触針上に設けられた歪みゲージを有する請求項1から8のいずれかに記載の微細表面形状測定装置。 【請求項11】 位置決め手段が、圧電アクチュエータを有し、触針の変位量は、歪み検出手段からの信号と振動手段からの駆動信号を比較し、位相の変化及び/又は振幅の変化が一定になるように制御される請求項1から10のいずれかに記載の微細表面形状測定装置。 【請求項12】 更に、触針と測定対象面との間に電圧を印加し、前記触針と前記測定対象面との間の電流量を検出することにより前記測定対象面の電気的特性を検出する請求項1から11のいずれかに記載の微細表面形状測定装置。 【請求項13】 触針及び測定対象面は磁性体で構成され、更に前記触針は捲回されたコイルを有し、前記触針の振動により変調された磁束密度が検出されることにより前記測定対象面の磁気特性を検出する請求項1から12のいずれかに記載の微細表面形状測定装置。 【請求項14】板状の梁構造材料を用い、これに歪み検出手段を付加する行程と、梁構造材料を梁構造に加工する行程と、梁構造の加工変質層を取り除く行程とからなることを特徴とする触針製造方法。 【請求項15】前記歪み検出手段を付加する工程が、圧電材料部材の接合と、接合後の圧電部材の形状加工であることを特徴とする請求項14記載の触針製造方法。 【請求項16】前記歪み検出手段を付加する工程が、圧電材料の薄膜形成と、形成中あるいは形成後の圧電部材の形状加工であることを特徴とする請求項14記載の触針製造方法。 【請求項17】前記梁構造材料を梁構造に加工する工程が微細放電加工であることを特徴とする請求項14記載の触針製造方法。 【請求項18】前記加工変質層を取り除く工程が砥粒加工であることを特徴とする請求項14記載の触針製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロマシン用部品の微細構造の形状計測や内燃機関の燃料噴噴射ノズルやインクジェットプリンタノズルの内面形状測定といった、機械部品のサブミリオーダの3次元形状を測定するために用いられる微細表面形状測定装置に関するもので、特に、測定対象面に接触する触針を用いた接触式の微細表面形状測定装置及び触針製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、微小形状の接触式による測定には、特開平5−264214号公報や特開平6−323845号公報に記載されたものに代表される構成が知られている。両者とも微細構造の内部に触針あるいはプローブが挿入できるようになっている構成を有するものであるが、以下具体的に説明する。 【0003】まず、図15に特開平5−264214号公報に代表される第1の従来例の構成図を示す。図15において、101は触針、102は触針101を図中矢印方向に振動させるアクチュエータ、103は触針101が近接する測定対象である。ここで、測定対象103はZ方向に移動自在なZステージ104及びX軸方向に移動自在なXステージ105上に載置され、Zステージ104はZ軸駆動機構106、Xステージ105はX軸駆動機構107に各々連絡されている。更に、108はデューティサイクル測定装置であり、Z軸駆動機構106、X軸駆動機構107及びデューティサイクル測定装置108は、コンピュータ109により制御されている。 【0004】このような構成において、アクチュエータ102は、触針101を一定位置で図中矢印の如く一定振幅で振動させる。そして、この状態で、触針101と測定対象103の電気電導を、直流電圧を印加して短絡電流を見ることで検出し、導通時間の振動周期に対する比率をデューティサイクル測定装置108により検出することになる。 【0005】例えば、図16を参照すると、図16(a)に示されるように振動する触針101がある変位sを越えると、図16(b)に示されるように触針101と測定対象103の測定対象面の間で電気的導通が確保されることになる。そして、触針101と測定対象103の測定対象面の相対距離の変化とデューティサイクルは、図17のような関係を呈する。よって、デューティサイクルを記録しながらZ軸送り機構105を動作させることにより測定対象103の表面形状を検出することができる。 【0006】なお、図17からわかるように、両者の関係は完全に比例はしていないが、触針101の振動をサイン波から三角波に変更することにより比例の度合いを高めることも可能である。また、測定対象103の測定対象面の凹凸が、触針101の振幅を上回る場合は、X軸駆動機構107を動作させ、測定対象103を再位置決めすることにより、測定対象103の表面形状を計測することも可能である。 【0007】次に、第2の従来例は、AFM(走査型原子間力顕微鏡)技術の急速な発展により、微細形状測定への適用の可能性が開けてきたものである。つまり、従来のAFMが触針に働く原子間力を検出するために大がかりな光学系を必要としていたのに対して、近年では、特開平6−323845号公報に見られるような、機械部品の微細形状にも適用可能な極めて簡素化されたAFMプローブが開発されてきている。 【0008】図18及び図19に、第2の従来例の構成図を示す。図18において、201はプローブであり、SiO2等の長さ200〜300 μm、幅40〜50μm、厚さ1.8μmの弾性薄膜により形成され、その先端に ZnOウィスカ等のチップ201aが接着されて設けられている。 【0009】そして、プローブ201の表面には、電極202a、202cにサンドイッチされたZnOの圧電薄膜202bが形成されており、かかるプローブ201がシリコンウエハ203上に設けられている。かかるプローブ201が用いられる具体的構成図である図19において、基体204にZ軸移動機構205を介して試料206が載置されている。一方で、基体204には、XYZ圧電走査体207及び圧電板208を介して、プローブ201が図示するように取り付けられている。 【0010】このような構成において、プローブ201は、圧電板208により共振状態に励振される。そして、試料205とプローブ201のチップ201aとが、原子間力を及ぼし合う程度に接近すると、プローブ201の振動状態が影響を受け、圧電薄膜202bで検出される歪み信号は、振幅や位相が変化するが、この変化を一定に保つように、XYZ圧電走査体207をZ方向に制御することにより、試料206の表面形状を検出するものである。 【0011】ここで、AFMの検出モードには、精密工学会誌Vol.62,No.3,1996,pp.345−350にて紹介されているように、接触モード(タッピングモード)と非接触モードの計測形態がある。この非接触モードは、試料表面へのダメージが少ないため好ましい計測モードではあるが、試料表面の水などの吸着層の影響を受けやすいため、真空中での測定に使われる。 【0012】他方、タッピングモードは、このような欠点がないので、大気中のAFM測定で一般的であって、機械部品の微細形状測定にも適用できる可能性がある。図20に、タッピングモードにおける接触検出原理を示す。 【0013】図20(a)の状態では、プローブ201の励振波形210に対して、位相が90度遅れた触針の歪み波形211が、圧電薄膜202bより得られる。そして、図20(b)において、チップ201aと測定対象206との接触が始まると、プローブ201の振動が制限され歪み波形211の振幅が変化し、測定対象205の形状が測定できる。なお、図示しないが、振幅だけでなく位相の変化によっても接触を検出することが可能である。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】以上の2つの従来例は、ノズル穴や微細溝形状等の形状測定に利用できる可能性を有するとはいえ、以下のような課題を有する。 【0015】まず、特開平5−264214号公報に代表される前者では、接触状態の検出が触針101と測定対象103の電気導通に頼っているため、まず、非導電体の計測ができない。更に、測定対象103が導体であったとしても、表面に酸化膜やほこりの堆積がある場合には、正確な測定が妨げられるという課題もある。 【0016】次に、特開平6−323845号公報に代表される後者では、導体、非導体に関わらず、微細形状の内部を測定することが可能となる可能性がある。 【0017】しかしながら、AFMの通常の計測対象である半導体表面や真空プロセス試料とは異なり、部品に油や汚れが多く付着しやものを測定対象とするため、AFMのプローブ201を汚染して測定不能としたり、更には、硬度の高い部品を計測することでプローブ201を磨耗したり、凹凸の大きな測定対象を計測することで触針を折損したりする等の課題を有する。 【0018】本発明は、以上の課題を解決し、機械部品の微小表面形状計測を可能とするような表面形状測定装置およびその触針製造方法を提供することを目的とする。 【0019】 【課題を解決するための手段】このような課題を解決するために本発明は、梁構造の触針と、触針をその共振周波数付近で振動させる振動手段と、触針の歪みを検出する歪み検出手段と、検出される歪みの状態が一定になるように触針をその振動方向に位置決めする位置決め手段と、触針と測定対称面とを相対的に位置決めする移動手段とを有し、測定対象面の形状を測定する微細表面形状測定装置である。 【0020】より具体的には、まず、微細放電加工により加工された先端に形状測定用の微細突起部を有する超硬合金製の片持ち梁構造の触針を用い、この触針を支持する部材に圧電セラミックを用いて触針をその共振周波数付近で振動させる。ここで、触針の先端の微細突起部が振動により測定対象面に接触すると、その接触の程度に対応して触針の振幅や振動位相は変化する。そこで、触針上にその歪みを検出する圧電セラミックを設けて歪み信号を取り出し、その振幅及び位相の一方又は双方が一定になるように触針をその振動方向にサーボ位置決めする。 【0021】この状態において、測定対称面に対して触針を相対的に位置決め移動してやると、触針は測定対象面の凹凸形状に沿って動くことになり、その形状を測定することができる。 【0022】つまり、測定対象が導電性であるか否かを問わず、かつ、その表面の酸化膜やゴミ、ほこりの影響を受けない、高耐摩耗性、高形状安定性、高耐食性を有する触針を用いた、きわめて安定した測定が可能な微細表面形状測定装置が実現される。 【0023】 【発明の実施の形態】請求項1記載の本発明は、梁構造を有する触針と、前記触針をその共振周波数付近で振動させる振動手段と、前記触針の歪みを検出する歪み検出手段と、検出される歪みの状態が一定になるように前記触針をその振動方向に位置決めする位置決め手段と、前記触針と測定対称面とを相対的に位置決めする移動手段とを備え、前記測定対象面の形状を測定する微細表面形状測定装置である。 【0024】このような構成により、測定対象が導電/非導電性のいかんに関わらず、かつその表面の酸化膜やゴミ、ほこりの影響を受けない形状の測定が行える。 【0025】ここで、請求項2記載のように、触針は、先端に形状測定用の微細突起部を有する硬度の高い導電体よりなることが、精度の高い測定が可能となる点から好ましい。 【0026】そして、請求項3記載のように、触針は、超硬合金製であることが、その高耐摩耗性、高形状安定性、高耐食性故に、機械部品等の形状計測を実環境で安定して行えるため好ましい。 【0027】そして、請求項4記載のように、触針は、その一部あるいは全体が、超硬合金より高硬度であるダイヤモンドあるいはBN(窒化硼素)その高耐摩耗性、高形状安定性を高める上で役立ち、機械部品等の形状計測を実環境で安定して行えるため好ましい。 【0028】更に、請求項5記載のように、触針は、微細放電加工により加工されることが、形状自由度の高い触針形状を実現する上で好ましい。 【0029】更に、請求項6記載のように、触針は、微細放電加工による加工変質層を除去するために砥粒加工されることが、形状安定性の高い触針形状を実現する上で好ましい。 【0030】また、請求項7記載のように、振動手段が、触針を支持する圧電材料の部材を有することが、触針を安定的に振動させ得る点で好ましい。 【0031】または、請求項8記載のように、振動手段が、触針上に設けられた圧電材料の部材を有する構成であってもよく、触針部分の構成を単純化する。 【0032】また、請求項9記載のように、歪み検出手段が、触針上に設けられた圧電材料の部材を有する構成が、振動による歪み最大の場所で触針の振動状態を計測することにより、その振動状態を高精度で計測することが可能となる点で好ましい。 【0033】または、請求項10記載のように、歪み検出手段が、触針上に設けられた歪みゲージを有する構成であってもかまわない。 【0034】また、請求項11記載のように、位置決め手段が、圧電アクチュエータを有し、触針の変位量は、歪み検出手段からの信号と振動手段からの駆動信号を比較し、位相の変化及び/又は振幅の変化が一定になるように制御されることが、触針の迅速かつなめらかなフィードバック位置制御を可能にし、安定な形状計測を実現できる点で好ましい。 【0035】そして、請求項12記載のように、更に、触針と測定対象面との間に電圧を印加し、前記触針と前記測定対象面との間の電流量を検出することにより前記測定対象面の電気的特性を検出する構成であってもよい。 【0036】更に、請求項13記載のように、触針及び測定対象面は磁性体で構成され、更に前記触針は捲回されたコイルを有し、前記触針の振動により変調された磁束密度が検出されることにより前記測定対象面の磁気特性を検出する構成であってもよい。 【0037】請求項14に記載の発明は、板状の梁構造材料を用い、これに歪み検出手段を付加する行程と、梁構造材料を梁構造に加工する行程と、梁構造の加工変質層を取り除く行程とからなる触針製造方法により触針を製造することにより、測定対象が導電/非導電性のいかんに関わらず、かつその表面の酸化膜やゴミ、ほこりの影響を受けない形状の測定が行える。 【0038】請求項15に記載の発明は、請求項14記載の触針製造方法において、前記歪み検出手段を付加する工程が、圧電材料部材の接合と、接合後の圧電部材の形状加工とするものでる。 【0039】請求項16に記載の発明は、請求項14記載の触針製造方法において、前記歪み検出手段を付加する工程が、圧電材料の薄膜形成と、形成中あるいは形成後の圧電部材の形状加工とするものである。 【0040】請求項17に記載の発明は、請求項14記載の触針製造方法において、前記梁構造材料を梁構造に加工する工程が微細放電加工するもので、形状の自由度の高い触針形状を実現できる。 【0041】請求項18に記載の発明は、請求項14記載の触針製造方法において、前記加工変質層を取り除く工程が砥粒加工とするもので、形状安定性の高い触針形状を実現できる。 【0042】以下、本発明の各実施の形態について、図を用いて詳細に説明をしていく。 (実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1における触針部の構成図(側面図)を示す。図1において、1は触針であり、先端に突起部1aを持つような段付き片持ち梁の形状に加工されており、先端から突起部1a、梁部1b及び根本部1cを有する。2は触針1の梁部1bから根本部1cの上部に設けられた圧電板、3は触針1の根本部1cの下部に設けられた圧電素子で、触針1は圧電素子3を介して支持台4上に設けられている。 【0043】ここで、この圧電板2の歪み状態は、プリアンプ5を介して検出され、支持台4上に固定された圧電素子3は、高圧アンプ6により駆動され、触針1を振動方向7に励振するものである。その振動周波数は、触針1の梁部分1bの共振周波数にほぼ一致させられており、梁部分1bの振動は、圧電板2により検出されることになる。 【0044】このような構成において、触針1の先端部分1aが測定対象の測定対象面に接近し、周期的な接触が始まると、振動の振幅が減少したり、振動の位相が変化したりすることにより、測定対象面の形状を検出できる。この検出原理はAFMのタッピングモードと同様である。 【0045】さて、この触針1は、圧電素子3により効果的に共振状態に励振されるように超硬合金からなるものである。ここで用いられる超硬合金は、常温において非常に高い硬度、耐磨耗性、高弾性率、耐食性を有しており、その高硬度、高弾性率、高耐食性、高摩耗性から形状測定用触針としては最適である。 【0046】しかし、反面その加工は硬度の高さから極めて難しいが、微細放電加工によれば極めて容易に加工できる。さらに、超硬合金は焼結材料であることから、製造時に塑性加工を受けておらず、内部応力が小さいため微細加工に適している。もちろん、超硬合金以外の部材でも同様な触針を製作することが可能である。たとえば、超硬合金と同様に工具材料として多用される工具鋼やサーメットなども使用可能であるし、ステンレス綱やタングステンなどの金属材料も利用可能である。ただし、これらの材料を使用した場合、超硬合金を利用する場合に比較して、耐摩耗性・耐食性が犠牲になり、安定な形状測定を妨げる要因となる。 【0047】図2は、微細放電加工を用いて触針1を製作する具体的プロセスを示す説明図である。まず、図2(a)において、触針1の材料となる材料薄板1’は、超硬合金を研削加工により厚さ200μm、長さ10mm、幅2mmに仕上げたものである。 【0048】一方で、圧電板2となる材料薄板2’は、PZTをグリーンシートより20〜30μmの厚さに焼結して作製したもので、触針1の材料薄板1’とほぼ同じ面積であって、その両面には不図示の銀電極が形成されている。そして、圧電板2の材料薄板2’を導電性の接着材にて、触針1の材料薄板1’の上に接着固定している。 【0049】次に、図2(b)において、圧電板2の材料薄板2’だけを幅50μmにダイシングマシンにより加工する。具体的には、切断砥石の切り込み量を微妙に調整することにより、超硬合金の板を残して上部の圧電板2の材料薄板2’のみを削り取る。ここで、超硬合金の板の加工に先だって圧電板2を成形する必要がある理由は、次の微細放電加工では非導電体である圧電板2を加工できないためである。 【0050】次に、図2(c)に示されるように、触針1の材料薄板1’を微細放電加工により加工し、先端の突起部1aと梁部1bを形成する。ここで、突起部1aは、微細放電加工により鋭利な形状に加工したもので、先端の曲率半径は1μm程度とした。 【0051】なお、図2(d)は、形成された触針部の左側面図であり、図2(e)は微細放電加工された触針1の上面図である。また、梁部1bは、微細形状の内部に導入しやすいようにできるだけ細い幅70μmに仕上げ、根元部1cは、取り付けの容易さを考えて、幅2mmに仕上げた。 【0052】そして、梁部1bの厚みが50μmであるのに対し、根元部1cの厚みは500μmとなっており、両者の曲げ剛性は、3桁の違いを持たせた。これにより、梁部1bは片持ち梁と見なせるようになる。ちなみに、片持ち梁の曲げ振動の共振周波数は以下の式で求められる。 【0053】 【数1】
【0054】 【数2】
【0055】 【数3】
【0056】ここで、anは振動の次数により変化する係数、Iは梁部1bの断面2次モーメント、mlは梁部1bの単位長さの質量を表す。この結果、梁部1bの1次共振周波数は、梁部の幅bと厚さhと長さl、梁材料のヤング率Eおよび密度ρを用いて、次のように簡略化される。 【0057】 【数4】
【0058】触針1全体が超硬合金から出来ているとし、そのヤング率6.4×102 Gpaと密度ρ1.4×103 kg/m3を用い、さらに梁部1bの長さを1.5mmとすれば、一次共振周波数は24kHzとなる。 【0059】図3を用いて、図2を用いて説明した加工プロセスを実行するための微細放電加工装置の構成について具体的に説明する。図3は、微細放電加工機MG−ED72(松下電器産業(株)製)をベースにした加工装置の構成を示す。 【0060】図3において、31は基体、32は基体31上に設けられたXYステージ、33はXYステージ32上に設けられ、加工液をためるための加工槽であり、この加工槽33には、支持台34を介してワイヤガイド35が設置されている。そして、このワイヤガイド35の先端には、直径100μmの真鍮ワイヤ36が掛けられており、触針1の材料薄板1’を加工する電極の働きをする。 【0061】一方で、圧電板2の材料薄板2’の加工の済んだ状態の触針1の材料薄板1’は、基体31に設けられたZステージ37及びZステージ37に連結された回転テーブル38を介して、加工槽33の加工液中に、加工される部分がワイヤ36と近接するように配置され、材料薄板1’とワイヤガイド35に取り付けられたワイヤ36との間には、電源39が接続されている。 【0062】このような構成において、放電加工は、電源39により電圧を印加することにより進行するが、同時にワイヤ36も放電により摩耗するので紙面に垂直な方向に常に新しいワイヤが供給されるような仕組みになっており、サブμmの加工精度が可能ないわゆるWEDG法で行われる。 【0063】そして、回転テーブル38が加工の進行に応じて正確に材料薄板1’の角度だしを行い、XYステージ32及びZステージ37が放電加工の進行に応じて協調して位置決めすることにより、前述した図2(c)〜(e)に示したような複雑な形状の軸加工が、完全自動で行えることになる。 【0064】ここで、放電加工は放電時の熱により材料を除去していく加工法であるため、微細放電加工といえども、加工後の加工変質層の存在はまぬがれない。超硬合金を加工した場合、主材料であるWC粉末は融点が高く、結合層のCo金属は融点は低いため、加工表面は結合相が抜けた状態となっていて、WC粉末が容易にこぼれおちる状態になっている。このため、超硬合金製の触針1をそのまま測定に使用すると、測定中に先端の形状が変化し測定誤差を生む恐れがある。 【0065】そこで、加工変質層を効果的に除去するために、図4に示すように砥粒をふくむスラリー21をかけ流しながら、触針1を金属製のあて板に接触させ砥粒加工する。振動発生器23は、あて板22と触針1の相対運動を発生するために、振動数50Hz、振幅5μm程度の振動を任意の方向に発生できる。あて板22には錫や銅などの軟質系材料を使用する。また、図示しない触針1の位置決め機構は、触針1とあて板22の接触を直流電圧24と抵抗26に流れる電流を電流計25により読みとることにより、触針1のあて板に対する位置決めを行う。 【0066】さて、このように作製した触針1を用いた形状測定について、具体的に説明する。図5は、触針1を用いた微細表面形状測定装置の全体構成を示す。図5において、41は基体、42〜44は各々基体41上に設けられたXステージ、Yステージ及びZステージ、45はこれらのステージ42〜44を制御するメインCPU、46はこれらのステージ42〜44上に載置され3次元的に相対移動可能な測定対象である。 【0067】ここで、これらのステージ42〜44の位置決め精度が直接的に形状計測誤差につながるため、本実施の形態ではリニアスケールを内蔵させ位置を管理している。一方、基体41の上方側には、回転テーブル47が設けられ、メインCPU45により制御される。 【0068】そして、この回転テーブル47にはアクチュエータ48が取り付けられ、このアクチュエータ48に、支持台4及び圧電素子3を介し、かつ圧電板2が設けられた触針1が取り付けられている。このアクチュエータ48の可動方向は、圧電素子3の振動方向と同じ方向7であり、アクチュエータ48は、1/100μmオーダの正確な位置決め動作と、可動範囲100μm近い広いダイナミックレンジを持つものであり、本実施の形態では圧電素子と変位拡大機構を併せ持つ構成を有している。そして、このアクチュエータ48は、回転テーブル47に取り付けられているため、触針1の振動方向7は、360度旋回することができる。 【0069】なお、この回転テーブル47は、その回転の真円度が形状計測誤差として加算されるので、高精度のエアベアリングを使用している。ここで、圧電板2の歪み状態を示す信号は、プリアンプ5及び直交検波器49を介してサブCPU51に送出され、このサブCPU51はVCO50及び高圧アンプ5を介して圧電素子3を振動させる。 【0070】なお、サブCPU51は、アクチュエータ48を制御するとともに、メインCPU45にも信号を送出し、またVCO50からの信号は直交検波器49へも送出される。 【0071】更に、微細形状測定においては、触針1を測定対象46の測定ポイントに移動させることが、肉眼では困難になるため、顕微鏡54を設けてアライメントに役立てており、Xステージ42により測定対象46を顕微鏡54の視野下に移動し、顕微鏡画面上で測定ポイントの座標計測を行い、この座標値を用いて測定ポイントを正確に触針1の直下に移動できるようにしている。 【0072】以上のような構成において、本実施の形態における微細表面形状測定装置の動作をを説明する。 【0073】まず、サブCPU51からの指令電圧に基づいて、一定周波数の信号をVCO50が発生する。ついで、この信号は、高電圧アンプ6を介して圧電素子3に与えられ、方向7に振動が発生する。ついで、この振動は、触針1に伝えられ、触針1の振動は、圧電板2からの歪み信号として、プリアンプ5を介して直交検波器49に入力される。 【0074】そして、直交検波器49は、歪み信号のVCO50の出力に対する位相ずれと振幅を計測し、これをサブCPU51に入力する。ここで、VCO50の出力周波数は、触針1が共振状態となるように、つまりプリアンプ5の出力がVCO50の出力に対して位相差90度になるように設定されており、本実施の形態では、25kHz付近に設定した。ここで、VCO50への指令電圧の変化が、触針1の接触状態を表すことになる。 【0075】あるいは、VCO50の出力周波数を、触針1が共振状態となる近辺に設定し、プリアンプ5の出力とVCO50の出力の位相関係、あるいは振幅比をサブCPUが記録しても構わない。この場合、振動の位相・振幅変化が触針1の接触状態を表すことになる。 【0076】また、触針1の先端の振幅は、100nm程度である。ここで、触針1は片持ち梁と考えられるので、先端の振幅から触針1の接触圧力が予想できる。片持ち梁が先端で静的にδたわむために先端に加える力fは次式であらわされる。 【0077】 【数5】
【0078】材料を超硬合金、触針梁部1bの長さを1.5mm、厚さを50μm、幅を70μmとした場合、たわみ100nmでの力fは約3mgとなる。この程度の微小接触圧のもとでは、測定対象の表面に水の膜が存在している場合、その表面張力により測定に誤差を生じやすい。よって、図示しないが測定対象に乾燥空気を吹きかける構造を必要に応じて用意し、測定対象の表面の水分を蒸発させるようにしている。 【0079】このような状態でステージ42〜44の移動により、触針1が測定対象46と接触状態となったときに、触針1の振動状態は共振状態からわずかにずれ、このずれは直交検波回路49の出力となってサブCPU51に伝えられる。 【0080】すると、サブCPU51は、このずれを補正するようにアクチュエータ48を制御するため、触針1は常に測定対象46の表面をなぞるような動作をし、ステージ42〜44の動きに、回転テーブル47によって回転させられるアクチュエータ48の動きを重ね合わせたものが、測定対象46の形状を表すこととなる。 【0081】そして、サブCPU51からメインCPU45には、アクチュエータ48の位置に対応した信号が送出され、また、メインCPU45はステージ42〜44及び回転テーブル47の位置を全て管理しているので、メインCPU上で測定結果を計算し表示することが可能となる。 【0082】なお、図示する直流電圧52及び電流計53は、形状測定には必ずしも必須の構成要素ではないが、以上の形状測定と同時に電流計53の値を記録することにより、測定対象の表面の電気的状態、例えば局所酸化、汚れの状態、導電状態の局所変化等、を知ることができる。 【0083】その具体例としては、金属部品中に非導電体の析出物がある場合、あるいは砥粒加工中に砥粒がワーク中にめり込んでしまった場合、金属表面に部分的に酸化膜が生成している場合、等にその存在を検出することが挙げられる。 【0084】更に、このような電気特性の同時計測と同様な考え方から、磁気特性の同時測定も可能となる。例えば、測定対象46が磁性体で形成されている場合を考えると、測定対象46と強磁性体の触針1の間に磁気回路が形成されるが、触針1の根元部分1cにコイルを巻いておけば、触針1の振動により変調された磁束密度が計測できるため、表面の磁気特性を検出することができる。逆に、触針1が強磁性体であると測定に支障をきたすような場合は、超硬合金の結合相材料を工夫することにより、非磁性の触針を得ることも可能である。 【0085】次に、触針の本微細表面形状測定装置への取り付け方法に関して図6を用いて説明する。本微細表面形状測定装置では触針が機械的片持ち梁であるため、強度の関係上、触針の太さに比して長さを無制限に長くすることはできない。このため、微細な孔を測定するための触針は細く短く設計され、また、深い場所を測定するための触針は太く長く設計されなければならない。よって、測定対象に応じて触針を頻繁に交換する必要が発生し、触針をできるだけ簡単に取り付け、取り外しできることが重要である。 【0086】図6では、支持台4はセラミックの平板となっており、この上に電極80、81、82を形成している。電極80はそのまま圧電素子3の図示しない下部電極と接続され、圧電素子3を駆動する電圧を供給する。電極81はグランド電位を与え、圧電素子3の図示しない上部電極と触針1をグランド電位に保つ。電極82は圧電板2に接続され、歪み検出信号をとりだす。ソケット85は微細表面形状測定装置のアクチュエータ48に挿入側を下向きに固定されており、触針1を取り付けるときは、支持台4をソケット85の相対する穴に挿入固定する。この時、電極80、81、82は受け側電極83と接触し微細表面形状測定装置の他の電気系と接続される。ソケット85は図示しないロック機構により支持台4を硬固に保持できるような仕組みになっている。 【0087】(実施の形態2)本発明の実施の形態2は、触針の他の製造方法について説明する。 【0088】第一の実施形態で示した触針製作プロセスでは個々の触針に対して、圧電材料の接着、圧電材料の加工、触針の加工という加工工程を踏まねば成らず、触針の製作コストを高めている。以下に示す加工工程はこの問題点を解決するためのものである。 【0089】まず、図7(a)では、研削仕上げされた厚さ0.2mm、大きさ20mm四方の触針材料1’’を用意する。これに対してほぼ同じ大きさの圧電板材料2’を導電接着剤により張り合わせる。圧電材料2’の両面には図示しない銀電極が形成されている。この張り合わせた材料をサンドブラスト加工により図7(b)に示すように加工し、複数の圧電板2を触針材料1’’上に形成する。ここで、サンドブラスト加工は砥粒を空気圧力で加速するため、加工中に加工対象である圧電板2に対しても風圧がかかる。このため、アスペクト比を低く保ち風圧による圧電板2の脱落を防ぐために、圧電板2の最小パターン寸法は200μmとなっている。 【0090】次に、図7(c)は図7(b)の触針材料1’’を上方より見た図で、触針材料1’’をワイヤカット放電加工により複数の触針材料1’に切り分けた様子を表している。それぞれの触針材料1’には圧電板2が1つずつ付着している。 【0091】これから後の工程は、図2で示した工程と同じで、微細放電加工により1本1本触針を仕上げていく。ただし、ダイシングによって加工された圧電板2と異なり、サンドブラスト加工された圧電板2は、幅が200μmと広い。このため、図7(d)に示すように、触針1は梁部1bの中に幅の広い部分1dをもつ形となっている。数式4に示したように、触針の共振周波数を決定する触針1の寸法パラメータは長さlと厚さhであり、幅bは無関係である。これより、触針1が幅広部1dをもつ形状となっても性能は変化しない。 【0092】以上のように、接着工程、サンドブラスト加工、ワイヤカット放電加工を一括して行うことができるため、一度に10本から20本の触針をバッチ処理することができ、製造効率を向上できる。ただし、図7(c)から図7(d)の間は微細放電加工で触針1本1本加工する必要がある。反面このことは、ユーザの多種多様な測定ニーズに応えた他品種少量の触針形状を作ることが可能となるメリットを持っている。 【0093】(実施の形態3)本発明の実施の形態3では、触針部の他の構成例について種々説明する。 【0094】図8(a)は、他の構成の触針1の、触針材料1’を示す側面図、及び図8(b)は、その材料を用いて作られる触針1の側面図である。この触針材料1’は超硬合金27の上に焼結ダイヤモンド層28を焼き固めた物である。焼結ダイヤモンド28は超硬合金27同様、コバルトを結合相とした焼結材料であるため、放電加工が可能である。これより、図2または図7に示した方法により触針1を加工することができる。図8(b)に示すように加工された触針1は突起部1aが焼結ダイヤモンドにより構成される。この結果、突起部1aの耐摩耗性が超硬合金の時より飛躍的に向上し、触針寿命を大幅にのばすことができる。なお、焼結ダイヤモンドの代わりに金属結合相を用いた焼結BNを用いることも可能である。また、図8では梁部1bは超硬合金で構成されるが、この部分も焼結ダイヤモンドで置き換えることもできる。ただし、この場合は梁部1bの耐衝撃性が低下するため、触針を細くしたい時は適さない。 【0095】図9(a)は、他の構成の触針1の側面図、及び図9(b)は、その触針1の上面図である。この構成では、触針1の裏面に第2の圧電板51を接着することにより圧電素子3の代用とすることができ、圧電素子3を省略することができる。もちろん、第2の圧電板51は、裏面に限らず、圧電板2の両脇に配置することも可能である。 【0096】このような構成を採用することにより、圧電素子3を計測ループからはずすことができ、圧電素子3の形状ドリフトや熱変形による計測誤差を防止することができる。 【0097】さらに圧電素子3に起因する計測誤差を防止するための他の手法として、図10に示すように、圧電板2自身を触針1の励振に使う方法も考えられる。この構成では圧電板2をインピーダンスメータに接続し、触針1を励振動しながら接触状態をインピーダンスの変化として読みとる。しかしながら、この方法は圧電板2を小型化、薄膜化したときに接触検出の感度が落ちるという問題があり、適用は圧電板2が1mm2 以上の面積を持つ場合に限られる。 【0098】次に、図11(a)は、他の構成の触針1の側面図、及び図11(b)は、その触針1の上面図である。この構成では、圧電板2の代わりに歪みゲージ61を接着して設けたものであり、その機能は同様である。 【0099】なお、この歪みゲージ61は、金属式のものでも半導体式のものでも使用可能である。そして、図12(a)は、他の構成の触針1の側面図、及び図12(b)は、その触針1の上面図である。この構成では、触針1の片側に圧電薄膜71を形成したものであり、その機能は同様である。 【0100】この圧電薄膜71の製作方法は、例えば、FERROELECTRIC THIN FILM ULTRASONIC MICROMOTORS,IEEE,1991(K.R.Udayakumar,et.al)に紹介されているゾルゲル法や、T. KAMADA et. al. Mat. Res. Soc. Syp. Proc. Vol. 433. p377(1996)に紹介されているスパッタ法などを用いることができる。 【0101】具体的には、ラップ仕上げにより表面荒さを向上させた超硬合金製の触針1上にPt/Ti層を形成し、その上に圧電薄膜71を形成する。そして、圧電薄膜62を必要な部分を残してエッチングした後、更にその上に歪みを検出する歪み検出電極72を形成する。 【0102】このような圧電薄膜71の厚さは、高々1〜3μmであるため、バルクの圧電板2を用いる場合に対して幾つかの利点がある。まず、触針1の厚さに比して十分に薄いため、双方の熱膨張率の違いによって引き起こされるバイモルフ効果による触針の曲がりを防ぐことができる。さらに、エッチングによりパターン形成を行うため、圧電薄膜71を10μm程度まで微細化することができ、触針のさらなる微細化に有効である。また、バルクの圧電板2を用いる場合に必要であった導電接着剤が不要になるため振動にたいする内部減衰が減り、触針の共振におけるQ値が高まり、触針の接触検出感度が高まるという効果もある。 【0103】さらに、図13において、圧電薄膜62上の歪み検出部を2つに分けた構成をしめす。図12(a)は触針1の左側面図を表し、図12(b)は触針の平面図を表す。図12(a)において、触針1は振動方向7で振動しており、検出方向73からの接触を想定している。ここで、検出方向74から接触が発生した場合でも、共振状態の変化が起きるため接触検出できるものの、検出方向73と検出方向74の区別ができなかった。これに対し、歪み検出電極を72a、72bと分割することにより、梁部1bのねじれ状態を検出し、これにより検出方向73、74を区別しようとするものである。次に、図14において、2つの検出方向73、74を区別するための別の構成例を示す。圧電素子3には従来の上下電極75の他に左右電極76が設けられている。上下電極には発信器78より方向73に触針1を共振させる周波数f1が供給される。また、左右電極には、検出方向74に触針1を共振させる周波数f2が供給される。ここで、梁部1bは2つの方向73、74への共振周波数が異なるように厚みと幅が設計されている。 【0104】この結果、圧電板2で検出される歪み検出信号は2つの周波数分離可能な歪み検出信号を含むことになり、2台の図示しない直交検波回路49を用いて、2つの方向73、74からの接触状態を独立に検出することができる。さらに、本構成例より容易に類推できることであるが、立方体形状の圧電素子3の残された2面に電極を設け、ここに励振電圧f3を印加することにより、梁部1bを方向79に振動させることができ、これにより方向79からの接触も独立に検出できるようになる。 【0105】以上のような触針は、実施の形態1で説明した微細表面形状測定装置に適用され、測定対象の形状を測定することができるものである。 【0106】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、微細放電加工により加工された、先端に形状測定用の微細突起部を有する超硬合金製の片持ち梁構造の触針を用い、この触針を支持する圧電素子を用いて触針をその共振周波数付近で振動させる。触針の先端の微細突起部が振動により測定対象面に接触すると、その接触の程度にしたがって触針の振幅と振動位相は変化する。そこで、触針上にその歪みを検出する圧電板を設けて歪み信号を取り出し、振動状態が一定になるように触針をアクチュエータにより振動方向にサーボ位置決めする。この状態で、触針をステージ及び回転テーブルにより測定対称に対して移動してやると、触針は測定対象面の凹凸形状に沿って動くことになり、その形状を測定することができる。 【0107】かかる構成によれば、高硬度・高形状安定性・高耐食性をもつ触針を用いて、測定対象が導電性/非導電性のいかんを問わず、その表面の酸化膜やゴミ、ほこりの影響を受けない、より安定した測定が可能である微細表面形状測定装置を構成できるという有利な効果が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)10月29日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−271345 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月8日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−308164 |
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