| 【発明の名称】 |
カンチレバー変位検出装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】大野 修
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| 【要約】 |
【課題】カンチレバーからの反射光のみを確実に取り込むことによって、カンチレバーの変位を正確に検出可能なカンチレバー変位検出装置を提供する。
【解決手段】カンチレバー変位検出装置16は、アクチュエータ14の可動端に取り付けられた変位検出装置本体18と、この変位検出装置本体に支持された変位検出光学系とを備えており、カンチレバー10は、ホルダ22を介して変位検出装置本体に所定の傾斜角度で取り付けられている。変位検出光学系は、変位検出用光をカンチレバーの背面に集光させる光源部20と、カンチレバーの背面からの反射光のみを受光可能な受光部21とを備えており、受光部には、カンチレバーからの反射光を受光して、その受光量及び受光位置に対応した電気信号を出力する受光素子28と、カンチレバーからの反射光のみを受光素子に向けて射出し且つそれ以外の光をほぼ遮光可能な絞りユニット30とが設けられている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 変位検出用光をカンチレバーに向けて集光させることが可能な光源部と、カンチレバーから反射した反射光のみを受光可能な受光部とを備えており、この受光部には、カンチレバーの背面から反射した反射光を受光して、その受光量に対応した電気信号を出力することが可能な受光素子と、カンチレバーから反射した反射光のみを受光素子に向けて射出し、且つ、それ以外の光をほぼ遮光可能な絞りユニットとが設けられていることを特徴とするカンチレバー変位検出装置。 【請求項2】 前記絞りユニットは、前記受光素子の受光面上に直接貼り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のカンチレバー変位検出装置。 【請求項3】 前記受光素子は、前記絞りユニット内に一体的に収容されていることを特徴とする請求項1に記載のカンチレバー変位検出装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば走査型プローブ顕微鏡に用いられるカンチレバーの変位を検出するためのカンチレバー変位検出装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種のカンチレバー変位検出装置を用いた走査型プローブ顕微鏡は、自由端に尖鋭化した探針を持つカンチレバーと、探針と試料とを相対的に移動させるスキャナとを備えている。そして、探針を試料に対向して近接させると、探針先端と試料表面との間に働く相互作用(原子間力、斥力、引力、粘性、磁気力など)によって、カンチレバーの自由端が変位する。この自由端に生じる変位量を電気的あるいは光学的に検出しながら、探針を試料表面に沿ってXY方向に相対的に走査することによって、試料の表面情報等(例えば、凹凸情報)を三次元的に測定している。 【0003】このような走査型プローブ顕微鏡に用いられるカンチレバーとしては、極めて微弱な相互作用を検出できるように、できるだけ柔軟である一方、共振周波数が高いことが望まれている。従って、このような相反する要求を満足するために、カンチレバーは、可能な限り小型化することが望まれている。実際には、幅40μm、長さ100〜200μm程度のカンチレバーが多用されている。 【0004】このような小型のカンチレバーの変位を検出するためのカンチレバー変位検出装置としては、例えば特開平9−15250号公報に開示されたような光てこ方式の変位センサが一般的に用いられている。 【0005】図3に示すように、光源(図示しない)から出射した変位検出用光Lをカンチレバー2の背面(探針4が形成された面とは反対側の面)に集光させると、カンチレバー2が変位していない場合には、カンチレバー2からの反射光は、2分割フォトディテクタ6の中心に入射する。これに対して、探針4先端と試料8表面との間に働く相互作用によって、カンチレバー2が変位すると、その変位量に対応して、2分割フォトディテクタ6上のスポット位置が変動する。 【0006】2分割フォトディテクタ6は、スポット位置の変化に対応した変位信号を出力することができるようになっているため、この変位信号の変化を計測することによって、カンチレバー2の変位を検出することが可能となる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のカンチレバー変位検出装置では、小型のカンチレバー2に対して正確に変位検出用光Lを集光させることは困難であり、変位検出用光Lの一部が漏れ光Laとなって、カンチレバー2から外れて試料8に照射されてしまう場合がある。漏れ光Laが試料8表面に照射されると、試料8表面の凹凸形状や反射率の相違等に対応した反射光や散乱光が試料8から発生して、2分割フォトディテクタ6に入射してしまう場合がある。 【0008】このような反射光や散乱光が2分割フォトディテクタ6に入射されると、その反射光や散乱光の光量変化に対応した電気信号が、ノイズとなって上記の変位信号に重畳され、カンチレバー2の変位を正確に検出できなくなってしまう。 【0009】本発明は、上述の問題を解決するために成されており、その目的は、カンチレバーからの反射光のみを確実に取り込むことによって、カンチレバーの変位を正確に検出することが可能なカンチレバー変位検出装置を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明のカンチレバー変位検出装置は、変位検出用光をカンチレバーに向けて集光させることが可能な光源部と、カンチレバーから反射した反射光のみを受光可能な受光部とを備えており、この受光部には、カンチレバーの背面から反射した反射光を受光して、その受光量に対応した電気信号を出力することが可能な受光素子と、カンチレバーから反射した反射光のみを受光素子に向けて射出し、且つ、それ以外の光をほぼ遮光可能な絞りユニットとが設けられている。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態に係るカンチレバー変位検出装置について、図1及び図2を参照して説明する。なお、本実施の形態のカンチレバー変位検出装置を用いた走査型プローブ顕微鏡の測定法としては、探針接触圧設定時のカンチレバーの撓み状態を一定に維持しながら、カンチレバーを励振させること無く探針を試料に沿って走査することによって、試料の表面情報を測定するスタティックモード測定法と、所定の共振周波数でカンチレバーを励振させた状態において、振動中心と試料表面との間の距離を一定に維持しながら、探針を試料に沿って走査することによって、試料の表面情報を測定するダイナミックモード測定法とが知られているが、以下の説明では、両測定法を総称して単にSPM測定ということとする。 【0012】図1に示すように、本実施の形態では、その一例として、固定された試料(図示しない)に対してカンチレバー10先端の探針12を所定方向に移動(走査)させることによって、試料の表面情報をSPM測定する探針走査型のプローブ顕微鏡を想定している。 【0013】探針走査型のプローブ顕微鏡は、カンチレバー10の探針12を試料表面に対して3次元方向に走査させることが可能なアクチュエータ14(例えば、チューブ型圧電体スキャナ)を備えており、本実施の形態のカンチレバー変位検出装置16は、このアクチュエータ14に支持されている。なお、探針走査型のプローブ顕微鏡は、アクチュエータ14に印加する電圧を制御することによって、カンチレバー10の探針12を試料に沿って所定方向に所定量だけ移動させることができるように構成されている。 【0014】カンチレバー変位検出装置16には、アクチュエータ14の可動端に取り付けられた変位検出装置本体18と、この変位検出装置本体18に支持された変位検出光学系とが設けられており、カンチレバー10は、ホルダ22を介して変位検出装置本体18に所定の傾斜角度で取り付けられている。 【0015】変位検出光学系は、変位検出用光をカンチレバー10の背面(探針12が配置された面とは反対側の面)に向けて集光させることが可能な光源部20と、カンチレバー10の背面から反射した反射光のみを受光可能な受光部21とから構成されており、光源部20及び受光部21は、夫々、光源部20からの変位検出用光がカンチレバー10の背面を経由して受光部21の所望の位置(後述する)に導光されるように位置決め調整可能になっている。 【0016】光源部20には、例えば半導体レーザ24と、この半導体レーザ24から出射したレーザー光即ち変位検出用光をカンチレバー10の背面に向けて集光させる集光レンズ26とが設けられている。 【0017】受光部21には、カンチレバー10の背面から反射した反射光を受光して、その受光量及び受光位置に対応した電気信号を出力することが可能な受光素子28(例えば、2分割フォトダイオード)と、カンチレバー10の背面から反射した反射光のみを受光素子28に向けて射出し且つそれ以外の光をほぼ遮光可能な絞りユニット30とが設けられている。 【0018】絞りユニット30は、図示しない固定部材によって所望の位置に固定されており、図2(a)に示すように、遮光性を有する薄板部材32と、この薄板部材32に形成された所定径を有する円形穴34とから構成されている。なお、薄板部材32は、光学的に不透明であれば特にその材質には限定されない。 【0019】円形穴34の径寸法D1は、SPM測定中にカンチレバー10が変位した場合でも、カンチレバー10の背面からの反射光を円形穴34を介して受光素子28に導光させることができるように設計されている。 【0020】この場合、カンチレバー12の背面からの反射光を円形穴34に確実に導光させるために、例えば絞りユニット30とカンチレバー10の背面との間の光路中に、集光レンズ36を配置して、この集光レンズ36によって、カンチレバー10の背面からの反射光を絞りユニット30の円形穴34の中心に集光させるように構成することが好ましい。 【0021】このような構成によれば、カンチレバー10が変位していない状態では、カンチレバー10の背面からの反射光は、集光レンズ36によって絞りユニット30の円形穴34の中心に集光した後、この円形穴34を通過して受光素子28の中央に照射される。 【0022】これに対して、SPM測定中、探針12先端と試料表面との間に働く相互作用(原子間力、斥力、引力、粘性、磁気力など)によって、カンチレバー10先端が変位したとき、その変位状態に対応して、絞りユニット30の円形穴34に集光したカンチレバー10の背面からの反射光は、図中矢印S方向(以下、集光点移動方向Sという)に移動する。 【0023】従って、円形穴34の径寸法D1を充分に確保しておけば、SPM測定中、集光レンズ36によって円形穴34方向に導光されたカンチレバー10の背面からの反射光は、円形穴34以外の他の部分で蹴られること無く、この円形穴34を通過して受光素子28に照射される。 【0024】このような構成によれば、SPM測定中、カンチレバー10の背面からの反射光は、集光レンズ36を介して絞りユニット30の円形穴34に集光した後、その大部分の反射光が円形穴34を通過して受光素子28に照射される。また、SPM測定中にカンチレバー10の背面以外の部分(例えば、試料表面)から反射した反射光は、絞りユニット30の薄板部材32でほぼ遮光されるため、受光素子28にほとんど照射されることは無い。この結果、受光素子28から出力される電気信号には、従来技術のようなノイズが重畳されることはほとんど無く、この電気信号は、カンチレバー10の変位状態(例えば、変位量、変位方向など)に対応した出力特性となる。従って、この電気信号の変化を計測することによって、カンチレバー10の変位を正確に検出することが可能となる。 【0025】なお、上述した実施の形態では、薄板部材32に円形穴34を形成した絞りユニット30を用いたが、例えば図2(b)に示すように、集光点移動方向Sに沿って延出した長円状穴38を薄板部材32に形成しても上述した作用効果を実現することができる。 【0026】このような長円状穴38によれば、集光点移動方向Sに沿って充分な光通過領域を確保することができるため、集光レンズ36を介して絞りユニット30の長円状穴38に集光したカンチレバー10の背面からの反射光は、長円状穴38以外の他の部分で蹴られること無く、この長円状穴38を通過して受光素子28に照射される。 【0027】また、上述した実施の形態では、受光素子28と絞りユニット30とを分離した状態で光路上に配置しているが、例えば図2(c)に示すように、受光素子28の受光面28a上に絞りユニット30を直接貼り付けても良い。 【0028】具体的には、図2(c)に示した絞りユニット30は、遮光性を有し且つ受光素子28の受光面28a上に直接貼り付け可能な薄板部材40と、この薄板部材40に形成された切欠部42とから構成されており、切欠部42は、集光点移動方向Sに沿って延出している。なお、薄板部材40は、光学的に不透明であれば特にその材質には限定されない。 【0029】このような構成によれば、絞りユニット30を受光素子28と一体的に構成することができるため、絞りユニット30と受光素子28との間の位置合わせを容易に行うことができると共に、その交換も容易となる。 【0030】具体的には、絞りユニット30と受光素子28との間の位置合わせに際し、例えばカンチレバー10が変位していない状態において、カンチレバー10から集光レンズ36を介して受光素子28の受光面28aに集光したスポットPが、受光面28aの中央位置(2分割線28bに対して対称な位置)に形成されているものとすると、このスポットPの両側(即ち、2分割線28bに沿った両側)が均等に遮光されるように切欠部42を位置決めすれば良い。 【0031】更に、上述した実施の形態では、受光素子28と絞りユニット30とを分離した状態で光路上に配置しているが、例えば図2(d)に示すように、絞りユニット30内に受光素子28を収容して、絞りユニット30と受光素子28とを一体としたユニット状に構成しても良い。 【0032】具体的には、図2(d)に示した絞りユニット30は、遮光性を有し且つ受光素子28を収容可能な筐体44と、この筐体44に形成された切欠部46とから構成されており、切欠部46は、集光点移動方向Sに沿って延出している。なお、筐体33は、光学的に不透明であれば特にその材質には限定されない。 【0033】このような構成によれば、絞りユニット30内に受光素子28を収容して一体的に構成することができるため、絞りユニット30と受光素子28との間の位置合わせを容易に行うことができると共に、その交換も容易となる。 【0034】具体的には、絞りユニット30内に受光素子28を収容するに際し、例えばカンチレバー10が変位していない状態において、カンチレバー10から集光レンズ36を介して受光素子28の受光面28aに集光したスポットPが、受光面28aの中央位置(2分割線28bに対して対称な位置)に形成されているものとすると、このスポットPの両側(即ち、2分割線28bに沿った両側)が均等に遮光されるように切欠部46を位置決めすれば良い。 【0035】なお、上述した実施の形態では、探針走査型のプローブ顕微鏡を想定したが、固定した探針に対して試料を所定方向に移動させることによって、試料の表面情報をSPM測定する試料走査型のプローブ顕微鏡にも本実施の形態のカンチレバー変位検出装置を用いることが可能である。試料走査型の走査型プローブ顕微鏡は、特に図示しないが、アクチュエータの可動端に試料を載置することができるようになっており、アクチュエータに印加する電圧を制御することによって、試料を探針に対して所定方向に移動させることができるように構成されている。 【0036】 【発明の効果】本発明によれば、カンチレバーからの反射光のみを確実に取り込むことによって、カンチレバーの変位を正確に検出することが可能なカンチレバー変位検出装置を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000376 【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月23日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−271341 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月8日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−73921 |
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