| 【発明の名称】 |
コンクリート強度の推定方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】秩父 顕美
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| 【要約】 |
【課題】打撃時に得られる複数の計測データを用いることによって信頼性の高いコンクリート強度の推定を行う。
【解決手段】打撃装置11には、コンクリート2の打撃によって跳ね返るテストハンマ11aの反発力を検出する反発力センサ12が設けられている。コンクリート2の表面の所定の位置には、打撃されることによってコンクリート2に発生し表面を伝播される振動を検出する加速度センサ15が取り付けられる。打撃の際に、反発力センサ12による反発力の検出と加速度センサ15による振動検出が行われる。加速度センサ15からの検出信号はA/D変換され、信号処理によって卓越周波数、最大振幅値、AR係数等の波形パラメータ解析が行われ、パーソナルコンピュータ20で、前記反発力データと、卓越周波数、最大振幅値及びAR係数等の解析値データから、コンクリート強度が求められる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コンクリート表面の任意の位置に加速度センサを取り付け、前記コンクリート表面のうち前記加速度センサの取付位置から一定距離離れた箇所を所定質量の打撃部材で所定の打撃速度で打撃し、前記加速度センサを介して計測された前記打撃部材の反発力及び前記コンクリートの振動パラメータから、前記コンクリートの強度を求めることを特徴とするコンクリート強度の推定方法。 【請求項2】 請求項1の記載において、コンクリートの振動パラメータは、振動の卓越周波数、最大振幅値及びAR係数であることを特徴とするコンクリート強度の推定方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】コンクリート構築物等におけるコンクリート強度を容易に、しかも高い信頼性をもって推定するためコンクリート強度の推定方法に関する。 【0002】 【従来の技術】コンクリート強度を推定する方法としては、従来から、例えばテストハンマ等でコンクリート表面を打撃し、その時のテストハンマの反発力、すなわち反発速度等を計測して、その計測値の大小からコンクリート強度を推定する方法や、あるいは打撃音をマイクロフォン等の音波センサで検出して、その音波信号の波形分析等によってコンクリート強度を推定する方法が広く採用されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、打撃の際のテストハンマの反発力の計測による方法においては、前記反発力とコンクリート強度との間には大まかな相関性は認められるものの、個々の計測値はバラつきがあるため、信頼性の高いコンクリート強度の推定を行うことが困難であった。また、音波信号の分析による方法においては、マイクロフォン等の音波センサで検出されるのが空気伝送音であり、コンクリート自体の振動とは異なるため、この場合も信頼性の高いコンクリート強度の推定を行うことが困難であった。 【0004】本発明は、上記のような事情のもとになされたもので、その技術的課題とするところは、打撃時に得られる複数の計測データを用いることによって信頼性の高いコンクリート強度の推定方法を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上述した技術的課題は、本発明によって有効に解決することができる。すなわち本発明に係るコンクリート強度の推定方法によれば、コンクリート表面の任意の位置に加速度センサを取り付け、前記コンクリート表面のうち前記加速度センサの取付位置から所定距離離れた箇所を所定質量の打撃部材で所定の打撃速度で打撃し、前記加速度センサを介して計測された前記打撃部材の反発力及び前記コンクリートの振動波形の複数のパラメータから、前記コンクリートの強度を求めるものである。この場合、前記パラメータとしては、例えば振動の卓越周波数、最大振幅値及びAR係数等がある。 【0006】本発明のコンクリート強度の推定方法によれば、打撃によるコンクリート自体の振動の伝送波を加速度センサで検出するため、コンクリート表面から放射される空気伝送音では得られない振動波形も検出される。打撃箇所を加速度センサの取付位置から一定の距離とするのは、打撃箇所からの距離によって振動の減衰が異なるからである。また、加速度センサの取付位置を中心とする一定の半径の円周上で複数箇所の打撃試験を行うことができる。 【0007】本発明によるコンクリート強度の推定の原理は、概略次のとおりである。まずコンクリート供試体に打撃部材(例えば鋼球)を落下させると、この鋼球がコンクリート供試体に衝突した瞬間、その表面には鋼球による加振力とコンクリートの材質により決まる固有の振動が発生する。図1は鋼球落下による打撃を模式的に示すものであり、図2は落下した鋼球1がコンクリート2に衝突することによって与えられる加振力Fmax とその時の鋼球の接触時間TC との関係を示す説明図、図3はコンクリート2に発生した振動の卓越周波数fC の説明図である。 【0008】いま、加振力Fmax を一定としてコンクリート2の材質を変えた場合、その材質のみに対応してそれぞれ固有の卓越周波数をもった固有の振動が発生することになる。この場合の加振力Fmax 、接触時間TC 及び卓越周波数fC は、それぞれ次式(1) 〜(3) を用いて求めることができる。 Fmax =m√2・g・h/(0.633・TC) ・・・・・・・・・・(1) 但し、 m;鋼球の質量g;重力加速度h;鋼球の落下高さ TC =5.97[ ρS(δP +δS)]2/5・R/ (h)0.1 ・・・・・・・・・・(2) 但し、 δP = (1−νP2) /πEPδS = (1−νS2) /πESνP ;コンクリートのポアソン比νS ;鋼球のポアソン比EP ;コンクリートの弾性係数ES ;鋼球の弾性係数ρS ;鋼球の密度R ;鋼球の半径 fC =p/TC ・・・・・・・・・・・・・・・・(3) 但し、打撃が半正弦波の場合p=3/2【0009】したがってコンクリート強度Yを目的関数とし、加振力Fmax を一定としてコンクリートを打撃したときの反発力、卓越周波数fC 、最大振幅、AR係数等をパラメータ変数として加算して求めることにより、信頼性の高い強度推定が可能となる。 Y=a1 X1 +a2 X2 +・・・ +an Xn ・・・・・・・・・・・・・・・・・(4) 但し、 a1 ,a2 ・・・ an ;定数X1 ,X2 ・・・ Xn ;パラメータ変数【0010】 【発明の実施の形態】図4は、本発明に係るコンクリート強度の推定方法の好ましい実施形態を示すシステムブロック図で、参照符号11は打撃装置であり、例えば先端のテストハンマ11aが、モータで回転されるカムによる後退動作とバネの反発力による打撃動作が一定の周期で反復され、コンクリート2の表面を打撃するものである。打撃装置11には例えばセンシングコイル等からなる反発力センサ12が設けられており、打撃によって跳ね返るテストハンマ11aの移動速度から反発力を検出するようになっている。 【0011】反発力センサ12から出力される電気信号は、増幅部13によって増幅された後、A/D変換部14へ送られ、ディジタル信号に変換される。このディジタル信号はパーソナルコンピュータ20に送られ、そのメモリに記憶される。 【0012】一方、コンクリート2の表面の所定の位置には加速度センサ15が取り付けられる。すなわち打撃装置11(テストハンマ11a)で打撃されることによってコンクリート2に発生した振動は、このコンクリート2の表面を周囲へ伝播されるが、加速度センサ15はこの伝播される振動を検出するものであり、例えば共振周波数が25kHz の、広い周波数域に対してフラットな特性を持つものが用いられる。また、打撃箇所から検出位置までの距離によって振動の伝播過程での減衰量が異なるので、打撃装置11によるコンクリート2の打撃は、図5に点P1 〜P4 で示すように加速度センサ15の取付位置から一定の距離Lの位置、すなわち加速度センサ15を中心とする半径Lの円周上の複数箇所で行われ、打撃の際に、反発力センサ12による反発力の検出と加速度センサ15による振動検出が行われる。 【0013】加速度センサ15からは、コンクリート2の振動波形に対応する電気信号が出力され、この信号は、増幅部16によって増幅された後A/D変換部17へ送られ、ここでディジタル信号に変換されて、信号処理部18に送られる。この信号処理部18は、A/D変換部17から逐次入力されるディジタル信号のFFT(高速フーリエ変換)による分析を行い、卓越周波数や、信号の最大振幅値や、AR係数等の波形パラメータ解析を行うものである。これらの解析値データはパーソナルコンピュータ20に送られ、そのメモリに記憶される。 【0014】パーソナルコンピュータ20には、コンクリート強度推定のための計算プログラムがインストールされた計算ソフトウェア19が用いられ、反発力センサ12から増幅部13及びA/D変換部14を介して与えられる反発力データと、信号処理部18で解析された振動の卓越周波数、最大振幅値及びAR係数等の解析値データから、先の(4) 式によってコンクリート強度が求められる。 【0015】図6に示すように、打撃の際のテストハンマの反発力や打撃によって発生する振動特性(上述の卓越周波数、最大振幅値及びAR係数等の波形パラメータ)とコンクリート強度との間には大まかな相関性は認められるが、内部の鉄筋等の位置、コンクリート2の表面性状、コンクリートの端部からの距離等、種々の誤差要因の存在により、必ずしも明確ではない。このためコンクリート強度推定のための推定式の導入は、強度が判明しているコンクリート供試体を用いて予めコンクリート強度と各波形パラメータとの相関を求めることによって行う。 【0016】 【発明の効果】本発明に係るコンクリート強度の推定方法によると、コンクリート強度の推定のためのデータとして、空気伝送音ではなく、コンクリート自体の振動計測データを採用しており、しかも打撃の際の反発力データ及び振動検出による複数の波形パラメータを変数として多変量解析を行うことによって、強度推定の信頼性を向上することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000112668 【氏名又は名称】株式会社フジタ
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月24日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】野本 陽一
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| 【公開番号】 |
特開平11−271286 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−93865 |
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