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【発明の名称】 ハプテンの免疫学的測定法
【発明者】 【氏名】黒川 祐人

【氏名】天野 善之

【要約】 【課題】ハプテンの免疫学的測定法おいて、低濃度のハプテンでも精度良く測定することができること。

【解決手段】検体中のハプテンと、ハプテンを認識する抗体(A)との免疫反応をハプテン乖離剤(B)の存在下で行う方法であり、検体中のハプテンと、抗体(A)と、抗体(A)を認識する抗体の不溶化抗体(C)と、標識化ハプテン(D)とを同時または逐次に免疫反応させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】検体中のハプテンと、ハプテンを認識する抗体(A)との免疫反応をハプテン乖離剤(B)の存在下で行う方法であり、検体中のハプテンと、抗体(A)と、抗体(A)を認識する不溶化抗体(C)と、標識化ハプテン(D)とを同時または逐次に免疫反応させることを特徴とするハプテンの免疫学的測定法。
【請求項2】ハプテン乖離剤(B)が、8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸、サリチル酸またはこれらの塩類である請求項1記載の免疫学的測定法。
【請求項3】検体中のハプテンと、抗体(A)と、不溶化抗体(C)とを同時または逐次に免疫反応させ、次いで、未反応物を除去した後に標識化ハプテン(D)を免疫反応させる請求項1または2記載の免疫学的測定法。
【請求項4】抗体(A)がモノクローナル抗体であり、不溶化抗体(C)がポリクローナル抗体である請求項1〜3の何れか記載の免疫学的測定法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハプテンの免疫学的測定法に関する。さらに詳しくは、検体中のハプテンの濃度を精度良く測定できるハプテンの免疫学的測定法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハプテンの免疫学的測定法としては、検体中のハプテンと、ハプテンを認識する抗体との免疫反応をハプテン乖離剤の存在下で行う方法であって、検体中のハプテンと、ハプテンを認識する抗体の不溶化抗体と、標識化ハプテンとを同時または逐次に免疫反応させる方法(一抗体競合法)が知られていた。具体的には、「ホルモンと臨床,31巻,p.89,1983年(文献■)」や「医学と薬学,21巻,2号,p.315,1989年(文献■)」に記載のハプテンの免疫学的測定法が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の一抗体競合法による免疫学的測定法では、検体中のハプテンが低濃度の場合、ハプテンの濃度を精度良く測定することができなかった。例えば、文献■記載のトリヨードサイロニン(以下、T3とする)の免疫学的測定法において、測定検体のT3濃度が1.1ng/mLの場合の同時再現性(CV)は7%である。又、文献■記載のサイロキシン(以下、T4とする)の免疫学的測定法において、測定検体のT4濃度が3.1μg/dlの場合の同時再現性(CV)は7%である。文献■、■の何れの方法も測定精度の面で不十分なハプテンの免疫学的測定法であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を解決するため鋭意検討した結果、低濃度のハプテンでも精度良く測定することができるハプテンの二抗体競合法による免疫学的測定法を見出し、本発明に到達した。すなわち本発明は、検体中のハプテンと、ハプテンを認識する抗体(A)との免疫反応をハプテン乖離剤(B)の存在下で行う方法であり、検体中のハプテンと、抗体(A)と、抗体(A)を認識する不溶化抗体(C)と、標識化ハプテン(D)とを同時または逐次に免疫反応させることを特徴とするハプテンの免疫学的測定法である。
【0005】
【発明の実施の形態】従来の一抗体競合法は、免疫反応の中で最も重要な、検体中のハプテンと、ハプテンを認識する抗体との反応が、液相−固相のみの反応である。それに対し、本発明の二抗体競合法は、検体中のハプテンとハプテンを認識する抗体との反応が、液相−液相および液相−固相の反応である。よって、本発明の方法では従来の方法と比べ、免疫反応の効率が格段に向上し、低濃度のハプテンでも精度良く測定することが可能になると推測される。
【0006】本発明の方法では、検体中のハプテンと、ハプテンを認識する抗体(A)と、不溶化抗体(C)と、標識化ハプテン(D)とを同時または逐次に免疫反応させるが、好ましくは、検体中のハプテンと、抗体(A)と、不溶化抗体(C)とを同時または逐次に免疫反応させ、次いで、未反応物を除去した後に標識化ハプテン(D)を免疫反応させる(二抗体競合法&二段階反応)。
【0007】本発明の方法において、ハプテンを認識する抗体(A)としては、ポリクローナル抗体および/またはモノクローナル抗体が使用できるが、抗体の特異性の面からモノクローナル抗体が好ましく使用される。
【0008】本発明の方法において、抗体(A)を認識する不溶化抗体(C)は、抗体(A)を認識する抗体が不溶性担体に結合し、不溶化されたものである。抗体(A)を認識する抗体としては、ポリクローナル抗体および/またはモノクローナル抗体が使用できるが、HAMAの影響を避けるために、抗体(A)にモノクローナル抗体を使用した場合は、抗体(A)を認識する抗体には、ポリクローナル抗体を使用することが好ましい。尚、HAMAとは、ヒト検体中に存在する抗体で、二つのモノクローナル抗体を架橋するように結合するので、免疫学的測定法における干渉物として知られている「例えば、臨床化学,18巻,4号,p.202,1989年」。
【0009】抗体(A)を得るために用いる免疫動物や、抗体(A)を認識する抗体を得るために用いる免疫動物としては、抗体を産生できる動物であれば特に限定されない。好ましい動物は、ウサギ、ヤギ、ロバ、ヒツジ、マウス及びモルモットである。
【0010】本発明の方法において、検体中のハプテンは、血中に一部は遊離状態で存在し大部分はキャリアー蛋白に結合した状態で存在する。ハプテンとしては、例えば、甲状腺ホルモン(ジヨードサイロニン(T2)、T3、T4、リバースT3(rT3))、ステロイドホルモン(コーチゾール、エストラジオール、テストステロン、アルドステロン、プロゲステロンおよびそれらの誘導体など)、薬剤(ジゴキシン、ジギトキシン、ジフェニルヒダントイン、テオフィリン、モルフィン、ペニシリンなど)が挙げられる。これらのうち、測定対象として好ましいものは、甲状腺ホルモンであり、さらに好ましいものは、T3、T4である。また、標識化ハプテン(D)に用いられるハプテンとしても、検体中のハプテンと同様のものが使用でき、好ましいものも同様である。
【0011】上記血中のキャリアー蛋白は、例えば、TBG、TBPA、アルブミン、性ホルモン結合グロブリン、コーチゾール結合蛋白などである。
【0012】本発明の方法において、ハプテン乖離剤(B)は、ハプテンとキャリアー蛋白の結合を切断するものであれば特に限定されない。また、ハプテン乖離剤(B)は、単独でも複数の混合でも使用できる。ハプテン乖離剤(B)として、好ましいものは、分子量500以下のものであり、例えば、8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸、サリチル酸、ジフェニルヒダントイン、トルブタミド、フロセミドなどや、それらの塩類である。ハプテン乖離剤(B)として、さらに好ましいものは、8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸、サリチル酸、それらの塩類であり、最も好ましいものは、サリチル酸、サリチル酸塩である。
【0013】不溶化抗体(C)に用いる不溶性担体の材質としては、ケイ酸質無機担体[ガラス(ポ−ラス、ツヤ消しガラスなど)、シリカゲル、ベンナイトなど]、磁性体、有機担体(プラスチック、デキストラン、ロ紙など)などいずれも公知のものが使用される。また、これらの不溶性担体は微粒子にされ懸濁の状態で使用される場合もある。
【0014】上記不溶性担体の形状としては、B/F分離が可能である形状であれば特に限定されない。不溶性担体の好ましい形状は、B/F効率が高いことより、球体(ビーズ、パーティクル)、試験管、チューブ、ウエルであり、さらに好ましくは、B/F効率が最も高いことより、ビーズである。
【0015】抗体(A)を認識する抗体を不溶性担体に結合させ、不溶化抗体(C)とする方法としては、抗体をガラスに化学的に結合させる方法(例えば、米国特許第4280992号明細書及び同第3652761号明細書)や、抗体をプラスチックに物理吸着させる方法(例えば、イ−・エングバル等;バイオシム・バイオフィズ・アクタ、251巻、427貢、1971年)などがある。さらに、抗体にビオチンを結合させ担体にはストレプトアビジンを結合させることにより、抗体を不溶化させる方法など、間接的に抗体を不溶化抗体にさせる方法がある。
【0016】標識化ハプテン(D)は、ハプテンを標識物に結合させたものである。この標識物としては、アイソト−プ[I125など]、酵素[ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、βガラクトシダーゼなど]、蛍光物質[ユーロピウム誘導体など]、発光物質[アクリジウム誘導体など]等いずれも公知のものが使用される。
【0017】ハプテンを標識物に結合させ、標識化ハプテン(D)とする方法としては、ハプテンを標識物に結合させる方法(例えば、生化学実験法15、東京化学同人、p.308〜330、1993年)がある。さらに、ハプテンにストレプトアビジンを結合させ標識物にビオチンを結合させることによりハプテンを標識物に結合させる方法など、間接的にハプテンを標識物に結合させる方法がある。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0019】免疫反応用緩衝液の調製;0.02Mのリン酸緩衝液(pH8.0)に、牛血清アルブミンを3g/Lおよび塩化ナトリウムを8.5g/Lの濃度になるように添加し、免疫反応用緩衝液(a)を調製した。緩衝液(a)中に8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸アンモニウムを0.1g/L含有させたものを(b)、緩衝液(a)中に8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸アンモニウムを0.2g/L含有させたものを(c)、緩衝液(a)中にサリチル酸ナトリウムを5g/L含有させたものを(d)、緩衝液(a)中にサリチル酸ナトリウムを10g/L含有させたものを(e)とした。
【0020】比較例1および2T3免疫学的測定法(一抗体競合法&二段階反応)
全自動酵素免疫分析装置OLYDAS−120(オリンパス光学工業株式会社製)を用い、第一反応として、(b)または(d)の0.3mLと、標準T3液または同時再現性用検体の0.02mLと、抗T3モノクローナル抗体(ヒツジ)結合ポリスチレンビーズ(以下G1とする)1個とを反応管中で37℃,15分間免疫反応させ、T3+G1複合体を形成させた。反応後、装置専用のB/F分離液にて洗浄させ、B/F分離を行った。
【0021】第二反応として、反応管中のT3+G1複合体1個に、ペルオキシダーゼ標識T3(以下P1とする)を200μg/L含有する(a)を0.3mL分注させ、反応管中で37℃,15分間免疫反応させ、T3+G1+P1複合体を形成させた。反応後、装置専用のB/F分離液にて洗浄させ、B/F分離を行った。
【0022】第三反応として、反応管中のT3+G1+P1複合体1個に、過酸化水素を0.1g/Lおよびテトラメチルベンジジンを0.17g/L含有する酢酸緩衝液を0.3mL分注させ、反応管中で37℃,15.5分間発色反応させ、反応後、0.7mLの脱イオン水を混合させ、380nmで測光させた。
【0023】最後に、各標準T3液の濃度値と測光値を2次式の逆数(1/(Ax2+Bx+C))で自動回帰させ、その検量線から、同時再現性用検体の測光値に対する濃度値を算出させた。
【0024】実施例1および2T3免疫学的測定法(二抗体競合法&二段階反応)
全自動酵素免疫分析装置OLYDAS−120(オリンパス光学工業株式会社製)を用い、第一反応として、抗T3モノクローナル抗体(ヒツジ)(以下M1とする)を20μg/Lの濃度でそれぞれ含有する(b)または(d)の0.3mLと、標準T3液または同時再現性用検体の0.02mLと、抗ヒツジIgポリクローナル抗体(ウサギ)結合ポリスチレンビーズ(以下G2とする)1個とを反応管中で37℃,15分間免疫反応させ、T3+M1+G2複合体を形成させた。反応後、装置専用のB/F分離液にて洗浄させB/F分離を行った。
【0025】第二反応として、反応管中のT3+M1+G2複合体1個に、P1を400μg/L含有する(a)を0.3mL分注させ、反応管中で37℃,15分間免疫反応させ、T3+M1+G2+P1複合体を形成させた。反応後、装置専用のB/F分離液にて洗浄させB/F分離を行った。
【0026】第三反応として、反応管中のT3+M1+G2+P1複合体1個に、過酸化水素を0.1g/Lおよびテトラメチルベンジジンを0.17g/L含有する酢酸緩衝液を0.3mL分注させ、反応管中で37℃,15.5分間発色反応させ、反応後、0.7mLの脱イオン水を混合させ、380nmで測光させた。
【0027】最後に、各標準T3液の濃度値と測光値を2次式の逆数(1/(Ax2+Bx+C))で自動回帰させ、その検量線から、同時再現性用検体の測光値に対する濃度値を算出させた。
【0028】比較例3および4T3免疫学的測定法(一抗体競合法、一段階反応)
全自動酵素免疫分析装置OLYDAS−120(オリンパス光学工業株式会社製)を用い、第一反応として、P1を200μg/Lの濃度でそれぞれ含有する(b)または(d)の0.3mLと、標準T3液または同時再現性用検体の0.02mLと、G1の1個とを反応管中で37℃,15分間免疫反応させ、T3+G1+P1複合体を形成させた。反応後、装置専用のB/F分離液にて洗浄させB/F分離を行った。
【0029】第二反応として、反応管中のT3+G1+P1複合体1個に、過酸化水素を0.1g/Lおよびテトラメチルベンジジンを0.17g/L含有する酢酸緩衝液を0.3mL分注させ、反応管中で37℃,15.5分間発色反応させ、反応後、0.7mLの脱イオン水を混合させ、380nmで測光させた。
【0030】最後に、各標準T3液の濃度値と測光値を2次式の逆数(1/(Ax2+Bx+C))で自動回帰させ、その検量線から、同時再現性用検体の測光値に対する濃度値を算出させた。
【0031】実施例3および4T3免疫学的測定法(二抗体競合法、一段階反応)
全自動酵素免疫分析装置OLYDAS−120(オリンパス光学工業株式会社製)を用い、第一反応として、P1を500μg/Lの濃度でそれぞれ含有する(b)または(d)の0.15mLと、M1を40μg/Lの濃度でそれぞれ含有する(b)または(d)の0.15mLと、標準T3液または同時再現性用検体の0.02mLと、G2の1個とを反応管中で37℃,15分間免疫反応させ、T3+M1+G2+P1複合体を形成させた。反応後、装置専用のB/F分離液にて洗浄させB/F分離を行った。
【0032】第二反応として、反応管中のT3+M1+G2+P1複合体1個に、過酸化水素を0.1g/Lおよびテトラメチルベンジジンを0.17g/L含有する酢酸緩衝液を0.3mL分注させ、反応管中で37℃,15.5分間発色反応させ、反応後、0.7mLの脱イオン水を混合させ、380nmで測光させた。
【0033】最後に、各標準T3液の濃度値と測光値を2次式の逆数(1/(Ax2+Bx+C))で自動回帰させ、その検量線から、同時再現性用検体の測光値に対する濃度値を算出させた。
【0034】比較例5および6T4免疫学的測定法(一抗体競合法、二段階反応)
全自動酵素免疫分析装置OLYDAS−120(オリンパス光学工業株式会社製)を用い、第一反応として、(c)または(e)の0.3mLと、標準T4液または同時再現性用検体の0.02mLと、抗T4モノクローナル抗体(マウス)結合ポリスチレンビーズ(以下G3とする)1個とを反応管中で37℃,15分間免疫反応させ、T4+G3複合体を形成させた。反応後、装置専用のB/F分離液にて洗浄させB/F分離を行った。
【0035】第二反応として、反応管中のT4+G3複合体1個に、ペルオキシダーゼ標識T4(以下P2とする)を300μg/L含有する(a)を0.3mL分注させ、反応管中で37℃,15分間免疫反応させ、T4+G3+P2複合体を形成させた。反応後、装置専用のB/F分離液にて洗浄させB/F分離を行った。
【0036】第三反応として、反応管中のT4+G3+P2複合体1個に、過酸化水素を0.1g/Lおよびテトラメチルベンジジンを0.17g/L含有する酢酸緩衝液を0.3mL分注させ、反応管中で37℃,15.5分間発色反応させ、反応後、0.7mLの脱イオン水を混合させ、380nmで測光させた。
【0037】最後に、各標準T4液の濃度値と測光値を2次式の逆数(1/(Ax2+Bx+C))で自動回帰させ、その検量線から、同時再現性用検体の測光値に対する濃度値を算出させた。
【0038】実施例5および6T4免疫学的測定法(二抗体競合法、二段階反応)
全自動酵素免疫分析装置OLYDAS−120(オリンパス光学工業株式会社製)を用い、第一反応として、抗T4モノクローナル抗体(以下M2とする)を300μg/Lの濃度でそれぞれ含有する(c)または(e)の0.3mLと、標準T4液または同時再現性用検体の0.02mLと、抗マウスIgポリクローナル抗体(ヤギ)結合ポリスチレンビーズ(以下G4とする)1個とを反応管中で37℃,15分間免疫反応させ、T4+M2+G4複合体を形成させた。反応後、装置専用のB/F分離液にて洗浄させB/F分離を行った。
【0039】第二反応として、反応管中のT4+M2+G4複合体1個に、P2を600μg/L含有する(a)を0.3mL分注させ、反応管中で37℃,15分間免疫反応させ、T4+M2+G4+P2複合体を形成させた。反応後、装置専用のB/F分離液にて洗浄させB/F分離を行った。
【0040】第三反応として、反応管中のT4+M2+G4+P2複合体1個に、過酸化水素を0.1g/Lおよびテトラメチルベンジジンを0.17g/L含有する酢酸緩衝液を0.3mL分注させ、反応管中で37℃,15.5分間発色反応させ、反応後、0.7mLの脱イオン水を混合させ、380nmで測光させた。
【0041】最後に、各標準T4液の濃度値と測光値を2次式の逆数(1/(Ax2+Bx+C))で自動回帰させ、その検量線から、同時再現性用検体の測光値に対する濃度値を算出させた。
【0042】比較例7および8T4免疫学的測定法(一抗体競合法、一段階反応)
全自動酵素免疫分析装置OLYDAS−120(オリンパス光学工業株式会社製)を用い、第一反応として、P2を300μg/Lの濃度でそれぞれ含有する(c)または(e)の0.3mLと、標準T4液または同時再現性用検体の0.02mLと、G3の1個とを反応管中で37℃,15分間免疫反応させ、T4+G3+P2複合体を形成させた。反応後、装置専用のB/F分離液にて洗浄させB/F分離を行った。
【0043】第二反応として、反応管中のT4+G3+P2複合体1個に、過酸化水素を0.1g/Lおよびテトラメチルベンジジンを0.17g/L含有する酢酸緩衝液を0.3mL分注させ、反応管中で37℃,15.5分間発色反応させ、反応後、0.7mLの脱イオン水を混合させ、380nmで測光させた。
【0044】最後に、各標準T4液の濃度値と測光値を2次式の逆数(1/(Ax2+Bx+C))で自動回帰させ、その検量線から、同時再現性用検体の測光値に対する濃度値を算出させた。
【0045】実施例7および8T4免疫学的測定法(二抗体競合法、一段階反応)
全自動酵素免疫分析装置OLYDAS−120(オリンパス光学工業株式会社製)を用い、第一反応として、P2を800μg/Lの濃度でそれぞれ含有する(c)または(e)の0.15mLと、M2を600μg/Lの濃度でそれぞれ含有する(c)または(e)の0.15mLと、標準T4液または同時再現性用検体の0.02mLと、G4の1個とを反応管中で37℃,15分間免疫反応させ、T4+M2+G4+P2複合体を形成させた。反応後、装置専用のB/F分離液にて洗浄させB/F分離を行った。
【0046】第二反応として、反応管中のT4+M2+G4+P2複合体1個に、過酸化水素を0.1g/Lおよびテトラメチルベンジジンを0.17g/L含有する酢酸緩衝液を0.3mL分注させ、反応管中で37℃,15.5分間発色反応させ、反応後、0.7mLの脱イオン水を混合させ、380nmで測光させた。
【0047】最後に、各標準T4液の濃度値と測光値を2次式の逆数(1/(Ax2+Bx+C))で自動回帰させ、その検量線から、同時再現性用検体の測光値に対する濃度値を算出させた。
【0048】■比較例1〜4および実施例1〜4のT3免疫学的測定法の同時再現性:低濃度のハプテンでも精度良く測定することができるハプテンの免疫学的測定法であることを確かめるため、比較例1〜4および実施例1〜4のT3免疫学的測定法で、低濃度(1ng/mL)および高濃度(4ng/mL)の同時再現性用検体をそれぞれn=40で測定し、同時再現性[測定値の標準偏差値/平均値×100(%)]を求めた。1ng/mLの検体の同時再現性の結果を表1に示し、4ng/mLの検体の同時再現性の結果を表2に示す。
【0049】
【表1】

【0050】
【表2】

【0051】■比較例5〜8および実施例5〜8のT4免疫学的測定法の同時再現性:さらに、比較例5〜8および実施例5〜8のT4免疫学的測定法で、低濃度(3μg/dL)および高濃度(12μg/dL)の同時再現性用検体をそれぞれn=40で測定し同時再現性[測定値の標準偏差値/平均値×100(%)]を求めた。3μg/dLの検体の同時再現性の結果を表3に示し、12μg/dLの検体の同時再現性の結果を表4に示す。
【0052】
【表3】

【0053】
【表4】

【0054】
【発明の効果】従来は、低濃度のハプテンを精度良く測定することができなかったが、本発明によって、低濃度のハプテンおよび高濃度のハプテンが極めて精度良く測定することができるようになる。さらに、本発明によって液体中のハプテン濃度が正確に得られ、血中のハプテン濃度が臨床診断に利用される場合には、従来よりも極めて正確な診断が可能となり、さらには極めて正確な治療も可能となる。
【出願人】 【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月4日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−248702
【公開日】 平成11年(1999)9月17日
【出願番号】 特願平10−71291