| 【発明の名称】 |
X線回折顕微装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】間瀬 精士
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| 【要約】 |
【課題】照射X線の発散角を制限するスリット等から発生する散乱X線その他のノイズが回折X線の検出手段に到達することを防止して良好な回折像を得ることができるX線回折顕微装置を提供する。
【解決手段】試料4と回折X線Xdの検出手段たるX線フィルム6との間に設けられるスリット手段として、スリット手段を構成する少なくとも一対のX線遮蔽体の一方たるX線遮蔽体51と他方たるX線遮蔽体52とを、回折X線Xdを通過させるために必要なスリット幅を確保しつつ回折X線Xdの進行方向において互いにずらして配置してなるスリット手段50を用いた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 X線源からのX線を結晶性の試料の各位置に照射したときにこれら各位置から生ずる回折X線をこれら各位置に対応させて検出することによって試料の各位置の結晶状態を調べるX線回折顕微装置において、前記試料からの回折X線を検出する際に試料と回折X線検出手段との間に設けられるスリットであって回折X線は通過させるが照射X線の通過を阻止するとともに散乱X線その他のノイズとなるX線の通過を制限するスリット手段として、スリット手段を構成する少なくとも一対のX線遮蔽体の一方と他方とを、前記回折X線を通過させるために必要なスリット幅を確保しつつ前記回折X線の進行方向において互いにずらして配置してなるスリット手段を用いることを特徴とするX線回折顕微装置。 【請求項2】 前記スリット手段を構成する一対のX線遮蔽体は、少なくともこれらによって形成されるスリット幅を調整できるようにそれぞれ独立に移動できる移動手段を有することを特徴とする請求項1に記載のX線回折顕微装置。 【請求項3】 前記スリット手段を試料と回折X線検出手段との間に複数対設けたことを特徴とする請求項1に記載のX線回折顕微装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、X線源からのX線を結晶性の試料の各位置に照射したときにこれら各位置から生ずる回折X線をこれら各位置に対応させて検出することによって試料の各位置の結晶状態を調べるX線回折顕微装置に関する。 【0002】 【従来の技術】図3は、従来のX線回折顕微装置の構成を示す図である。図3に示されるように、X線源1から出射した照射X線Xoは第1スリット2及び第2スリット3によって発散角が制限された後、試料4に照射される。試料4は、照射X線Xoの進行方向に対してこの試料の特定の結晶格子面による回折X線Xdが生ずる角度関係に設定される。試料4からの回折X線Xdは、第3スリット5を介してX線フィルム6によって検出(撮影)される。第3スリット5は、そのスリット幅が回折X線Xdを通過させるに必要十分な幅に設定され、回折X線Xdは通過させるが照射X線Xoの通過は阻止する。そして、第3スリット5は固定したままで、試料4とX線フィルム6とを上記設定角度関係を維持しながら互いに平行な方向にそれぞれ同期しながら移動されるようになっている。これにより、例えば、シリコン等の半導体結晶その他の結晶性試料の各位置における回折像がX線フィルム6に記録され、各位置における結晶欠陥の有無等の結晶状態を調べることができる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来のX線回折顕微装置においては、照射X線Xoの発散角を制限する第2スリット3から発生する散乱X線Xsが試料4を透過した後第3スリット5を通過してX線フィルム6に達することを防ぐことはできなかった。このため試料の回折像にこの散乱X線によるバックグランド(かぶり)が生じ、良好な回折像を得ることが困難であった。 【0004】本発明は、上述の背景のもとでなされたものであり、照射X線の発散角を制限するスリット等から発生する散乱X線その他のノイズが回折X線の検出手段に到達することを防止して良好な回折像を得ることができるX線回折顕微装置を提供することを目的とするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、X線源からのX線を結晶性の試料の各位置に照射したときにこれら各位置から生ずる回折X線をこれら各位置に対応させて検出することによって試料の各位置の結晶状態を調べるX線回折顕微装置において、前記試料からの回折X線を検出する際に試料と回折X線検出手段との間に設けられるスリット手段であって回折X線は通過させるが照射X線や散乱X線の通過は制限するスリット手段として、スリット手段を構成する少なくとも一対のX線遮蔽体の一方と他方とを、前記回折X線を通過させるために必要なスリット幅を確保しつつ前記回折X線の進行方向において互いにずらして配置してなるスリット手段を用いることを特徴とするX線回折顕微装置。 【0006】請求項2の発明は、前記スリット手段を構成する一対のX線遮蔽体は、少なくともこれらによって形成されるスリット幅を調整できるようにそれぞれ独立に移動できる移動手段を有することを特徴とする請求項1に記載のX線回折顕微装置である。 【0007】請求項3の発明は、前記スリット手段を試料と回折X線検出手段との間に複数対設けたことを特徴とする請求項1に記載のX線回折顕微装置である。 【0008】 【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施の形態に係るX線回折顕微装置の構成を示す図である。以下、図1を参照にしながら一実施の形態を説明する。なお、この実施の形態は、図3に示した従来例と共通する部分が多いので、共通する部分には同一の符号を付して説明する。 【0009】図1において、X線源1から出射した照射X線Xoは第1スリット2及び第2スリット3によって発散角が制限された後、試料4に照射されるようになっている。試料4は、シリコンウエハ等の板状をなした結晶性の試料である。試料4は照射X線Xoの進行方向に対してこの試料の特定の結晶格子面による回折X線Xdが生ずる角度関係に設定される。図示しないが、上記角度関係が設定できるように、試料4に対する照射X線Xoの入射角を調整できる角度調節手段が設けられている。また、上記試料4は、該試料表面に平行な方向に移動できるようになっており、図示しないが、試料4を図の矢印p方向に移動できる移動手段が設けられている。 【0010】また、回折X線Xdの進行方向下流に向かって順次スリット手段50及びX線フィルム6が配置される。スリット手段50は、ともに板状のX線遮蔽部材からなる第1のX線遮蔽体51と第2のX線遮蔽体52とによって構成される。この実施の形態においては、これら第1のX線遮蔽体51及び第2のX線遮蔽体52は、板状の試料4に平行になるように配置され、かつ、回折X線Xdの進行方向に対して互いにずらして配置してある。また、第1のX線遮蔽体51及び第2のX線遮蔽体52は、回折X線を通過させる幅を変えたり、どの格子面からの回折X線を通過させるかを選択することができるように、各々独立に図の矢印方向(この実施の形態では試料4の表面に平行な方向)に移動調節できるようになっている。すなわち、これら第1のX線遮蔽体51及び第2のX線遮蔽体52は、図示しないが、これらをそれぞれ独立に移動できる移動手段が設けられている。 【0011】X線フィルム6は、この実施の形態ではその撮像面が試料4の表面に平行になるように設置されている。また、X線フィルム6も試料4の移動方向と平行な方向に移動できるようになっている。すなわち、図示しないが、X線フィルム6も該X線フィルム6を上記方向に移動する移動手段に取り付けられている。 【0012】上述の構成において、X線源1から出射した照射X線Xoは第1スリット2及び第2スリット3によって発散角が制限された後、試料4に照射される。試料4から生じた回折X線Xdは、スリット手段50を通過し、X線イルム6に到達して検出(撮影)される。 【0013】ここで、スリット手段50を構成する第1のX線遮蔽体51及び第2のX線遮蔽体52は、図示しない移動手段によってその位置を測定目的に応じて適切な位置に設定される。すなわち、測定の際には、まず試料4から生ずる回折X線のうち、どの結晶格子面からの回折X線を通過させて撮影するかが決定される。これによって回折X線Xdの進行方向が決まる。また、同時に、その決定された特定の回折X線のビーム幅も決まる。そこで、この決まった条件を満たして必要十分な回折X線XdがX線フィルム6に到達するように第1のX線遮蔽体51及び第2のX線遮蔽体52の位置をそれぞれ移動して最適な位置に設定する。 【0014】そして、試料4及びX線フィルム6を互いに平行な方向(図の矢印p方向)に所定の速度関係で移動させながら撮影を行なう。これにより、試料4の各位置における回折像がX線フィルム6に記録され、各位置における結晶欠陥の有無等の結晶状態がX線フィルム6に記録される。 【0015】上述の実施の形態によれば、照射X線Xoの一部は試料4を透過してX線フィルム6に向かって直進するが、第2のX線遮蔽体52によって遮られてX線フィルム6には到達できない。また、第2スリット3において照射X線Xoによって散乱X線Xsが生じ、これが試料4を透過してX線フィルム6に向かって直進するが、この実施の形態では、この散乱X線Xsも第2のX線遮蔽体52によって遮られてX線シルム6に到達することはできない。したがって、この実施の形態によれば、照射X線Xoの発散角を制限する第2スリット3から発生する散乱X線XsがX線フィルム6に到達するのをほぼ完全に防止することができ、良好な回折像を得ることが可能になる。 【0016】図2は本発明の実施の形態の変形例を示す図である。図2に示されるように、図1における第1のX線遮蔽体51及び第2のX線遮蔽体52のそれぞれと通常のスリット形成するように同様のX線遮蔽体51a及びX線遮蔽体52aを各々設けてもよい。この変形例によれば、上述の実施の形態の効果を維持しつつさらに試料4等から生ずる二次的な散乱X線がX線フィルム6に到達することを防止する効果も得られ、より鮮明な回折像を得ることを可能にする。 【0017】また、図示しないが、スリット手段50を回折X線Xdの進行方向に沿って複数設けもよい。 【0018】なお、以上説明した実施の形態では、移動調節等の制御を容易にする意味で、試料4の表面に対して第1のX線遮蔽体51、第2のX線遮蔽体52及びX線フィルム6を全て平行に配置する例を掲げたが、これらは必ずしも平行である必要はなく、必要なスリット効果並びに撮像効果を得られる範囲で任意の角度配置関係でもよい。 【0019】また、回折X線検出手段として上述の実施の形態では、X線フィルムを用いた例を掲げたが、X線フィルムと同様の機能を有する二次元検出手段であればX線フィルムに限定されるものではない。X線フィルム以外の二次元検出手段としては例えば、X線テレビカメラや輝尽性螢光体プレート(例えば、富士写真フィルム株式会社から市販されている商品名「イメージングプレート」等がある)等を挙げることができる。 【0020】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、X線回折顕微装置において、試料と回折X線検出手段との間に設けられるスリット手段として、スリット手段を構成する少なくとも一対のX線遮蔽体の一方と他方とを、前記回折X線を通過させるために必要なスリット幅を確保しつつ前記回折X線の進行方向において互いにずらして配置してなるスリット手段を用いることを特徴とするもので、これにより、照射X線の発散角を制限するスリット等から発生する散乱X線その他のノイズが回折X線の検出手段に到達することを防止して良好な回折像を得ることができるX線回折顕微装置を得ている。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000137395 【氏名又は名称】株式会社マック・サイエンス
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)3月6日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】阿仁屋 節雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−248650 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月17日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−55373 |
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