| 【発明の名称】 |
X線断層撮影装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】越柴 洋哉
【氏名】吉井 美保子
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| 【要約】 |
【課題】対象物内部の焦点面以外での像をぼかした状態で、X線断層像を鮮明かつ高解像度に撮影し、かつ、実時間で表示すること。
【解決手段】X線源と、撮影対象となる対象物を回転させる手段と、前記X線源から発射されて前記対象物を透過したX線の像を検出する手段と、該検出する手段によって検出された透過X線の画像を前記対象物の回転と同期させて回転処理する手段と、該回転処理する手段によって回転させた前記画像を実時間で加算する加算手段と、該加算手段によって実時間で加算された画像を映像情報として表示する表示手段とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 X線源と、撮影対象となる対象物を回転させる手段と、前記X線源から発射されて前記対象物を透過したX線の像を検出する手段と、該検出する手段によって検出された透過X線の画像を前記対象物の回転と同期させて回転処理する手段と、該回転処理する手段によって回転させた前記画像を実時間で加算する加算手段と、該加算手段によって実時間で加算された画像を映像情報として表示する表示手段とを備えたX線断層撮影装置。 【請求項2】 前記対象物を回転させる手段が回転ステージからなり、前記X線像を検出する手段がX線イメージセンサからなることを特徴とする請求項1記載のX線断層撮影装置。 【請求項3】 前記X線像を検出する手段がX線像を光学像に変換するX線イメージインテンシファイアと光学像を検出する撮像管とからなり、前記画像を回転処理する手段が撮像管のラスタ走査を回転させる回路からなることを特徴とする請求項1記載のX線断層撮影装置。 【請求項4】 前記X線像を検出する手段が撮像管からなることを特徴とする請求項1記載のX線断層撮影装置。 【請求項5】 前記X線源として、透過型ターゲットを偏心させ、回転させる手段を有するマイクロフォーカスX線管を用いることを特徴とする請求項1記載のX線断層撮影装置。 【請求項6】 前記マイクロフォーカスX線管に含まれる透過型ターゲットが、X線発生層と支持層との少なくとも2層からなることを特徴とする請求項5記載のX線断層撮影装置。 【請求項7】 前記映像情報から前記対象物の欠陥を検出する画像処理回路を更に備えたことを特徴とする請求項1記載のX線断層撮影装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、透過X線による断層像撮影装置に係り、特に、多層構造の回路基板の内部構造の検査および測定に適したX線断層撮影装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から透過X線により対象物内部のある着目焦点面での断層像を検出する技術として、ラミノグラフィが知られている。この技術は、X線源、対象物、検出器の3つの要素のうち2つの要素を同期させて動かし、断層像を検出するものである。 【0003】この種の技術として例えば特開昭59−116040号公報記載のものが公知である。この技術は、物体を固定放射線源によって照射する段階にして、前記物体と、放射線を感受するとともに放射線源に関して前記物体の次に位置し、かつ一つの面内に含まれている表面とをそれぞれ第1軸線および第2軸線のまわりにおいて同じ方向に同期的に回転させるようになっており、このとき第1軸線および第2軸線が相互に平行であり、かつ前記第1軸線が正の比の相似変換および放射線源の中心によって第2軸線に変換されるように配設され、前記放射線源、物体および感受面がその回転時に放射線にさらされる状態にとどまるように配置されている段階と、前記物体の断面を含む面が前記第1軸線を第2軸線に変換する相似変換によって前記感受面を含む面に変換されるようになった段階と、前記面が前記軸線と0度またはこれより大にして90度より小なる同じ値の角度を形成し、前記感受面上に前記断面の少なくとも一部分の像を形成するようになった段階とを有し、これにより一つの面内に含まれる物体の断面に沿って該物体の断層撮影を行うように構成されたものである。この技術は、簡単に言えば、対象物とフィルムを同期回動させて断面撮像を行なう方法に関するものである。 【0004】また、さらに、特開平2−501411号公報記載の公知例は、電子ビームを回転偏向することで、X線源を円形パターンで動かすと共に、蛍光スクリーンを円形経路に沿って進むようにすることで、断層撮像を行なっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記第1の従来技術では、検出部にフィルムを使用しているため、実時間で検出画像を見ることができない。また、像はフィルム面上で平行移動するため、移動する方向にのびる線状の構造体は、焦点面以外の面にあってもその像はぼやけずに鮮明に検出される欠点がある。 【0006】また、第2の従来技術では、電子ビームを回転偏向しているため、電子光学系に収差が発生し、微細な電子ビームを得ることができない。このため、微小焦点のX線源を得ることができず、検出解像度が低い。 【0007】この発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、焦点面以外の面にある直線状の構造体の像ををぼかすことができるX線断層撮影方法及び装置を提供することにある。また、本発明の目的とするところは、フィルムを使用することなく実時間で断層像を表示することができるX線断層撮影装置を提供することにある。さらに、本発明の目的とするところは、解像度の高いX線断層撮影装置を提供することにある。加えて、本発明の目的とするところは、多層構造の回路基板に対して、はんだ付け部等の回路接続部を自動検査する装置を実現できるようにすることにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するために、本発明によるX線断層撮影装置は、X線源と、撮影対象となる対象物を回転させる手段と、前記X線源から発射されて前記対象物を透過したX線の像を検出する手段と、該検出する手段によって検出された透過X線の画像を前記対象物の回転と同期させて回転処理する手段と、該回転処理する手段によって回転させた前記画像を実時間で加算する加算手段と、該加算手段によって実時間で加算された画像を映像情報として表示する表示手段とを備えた、構成をとる。また、前記対象物を回転させる手段が回転ステージからなり、前記X線像を検出する手段がX線イメージセンサからなるように、構成される。また、前記X線像を検出する手段がX線像を光学像に変換するX線イメージインテンシファイアと光学像を検出する撮像管とからなり、前記画像を回転処理する手段が撮像管のラスタ走査を回転させる回路からなるように、構成される。また、前記X線像を検出する手段が撮像管からなるように、構成される。また、前記X線源として、透過型ターゲットを偏心させ、回転させる手段を有するマイクロフォーカスX線管を用いるように、構成される。また、前記マイクロフォーカスX線管に含まれる透過型ターゲットが、X線発生層と支持層との少なくとも2層からなるように、構成される。また、前記映像情報から前記対象物の欠陥を検出する画像処理回路を更に備えるように、構成される。 【0009】本発明によるX線断層撮影の原理を図1にしたがって説明する。この図から分かるように、固定されたX線源1から放射状にX線27が発生し、撮影対象となる対象物2は、光軸7に対して傾斜した回転軸5の回りに回転する。検出器3は回転軸5と平行な回転軸6の回りに対象物2と同期して回転する。光軸7と回転軸5の交点を含み、かつ、回転軸5に垂直な平面(以下、焦点面と称する)4の投影像は、検出器3により静止した像として検出されるが、焦点面4以外の投影像は回転している像として検出されるためぼやけている。このため、当該焦点面4外にある構造体の像をぼかすことができ、当該焦点面4のX線断層像のみが鮮明に得られる。 【0010】本発明によるX線断層撮影装置の原理的構成を図2に示す。この図から分かるように、固定されたX線源1より放射状にX線27が発生し、撮影対象となる対象物2は、光軸7に対して傾斜した回転軸5の回りに回転する。X線検出系は、X線像を光学像に変換する手段8と、光学像を回転させる手段9と、光学像を映像信号となる電気信号に変換する手段10とからなり、光学的な補助手段として光学像を伝達する手段12,13が設けられている。光学像は光学像を回転させる手段9により対象物2と同期して回転させ、電気信号を映像情報として表示する手段11により実時間でX線断層像を得る。 【0011】本発明による微小焦点X線源の原理的構成を図3に示す。この手段は、解像度を向上させるためのもので、解像度を向上させるには、投影像の半影ぼけを小さくする必要があり、微小な焦点サイズのX線源が必要である。このX線源の動作原理は、以下のようなものである。 【0012】すなわち、陰極20から発生した電子線21をレンズ22で集束させてターゲット23に照射するとX線27が発生する。ターゲット23は、重金属のX線発生層24と、軽元素の支持層25から構成される。この場合、例えば重金属としてタングステン、軽元素としてベリリウムが選択される。このとき、電子線21を十分に小さく集束させ、また、X線発生層24を薄くすることで、微小な焦点サイズを実現できる。さらに、電子線21が衝突する際に発生する熱によってターゲット23が破損することを防止するため、回転軸26の回りにターゲット23を回転させる。 【0013】本発明によるX線断層撮影装置を応用した自動検査装置の原理的構成を図4に示す。図4に示すように、X線源1と回路基板30を保持する試料ステージ31と回路基板30のX線断層像を検出する検出部32と欠陥判定部33から構成される。試料ステージ31は、回路基板30を回転軸5の回りに回転駆動させる回転機能と、検出視野をステップアンドリピートに変えるための回路基板30を送る機能とを有する。検査の手順は、まず、検査を対象となるはんだ付け部等のある断面に焦点面を合わせ、断層像を検出する。次いで、検出された画像を欠陥判定部33で処理し、欠陥部を抽出する。次に、試料ステージ31を送って検出視野を変え、変えられた検出視野における断層像を検出し、欠陥部を抽出する。同様の操作を繰り返して回路基板30の全面を検査する。なお、検出部32は、図2に示した構成になっている。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、これまでに説明した各構成要素と同一と見なせる構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。 【0015】図5は本発明による断層撮影装置の一例を示す図である。この断層撮影装置は、X線検出系、試料ステージ系および表示系から基本的に構成される。試料ステージ系は、XYステージ37と回転ステージ38とZステージ39とから構成されており、XYステージ37に回路基板などの対象物2をチャック36を介して保持する。各々のステージ37,38,39は光軸7を遮らない透過型のものである。X線検出系は、X線源たるX線管35側からX線イメージインテンシファイア40、レンズ41、イメージローテータ42、レンズ44および固体撮像素子(CCD)45から構成される。また、表示系はディスプレイ46からなっている。 【0016】このように大略構成された断層撮影装置では、X線管35から発生したX線27は対象物2側に出射し、対象物2を透過してX線イメージインテンシファイア40に入射する。X線像はX線イメージインテンシファイア40で明るさが増幅され、光学像に変換される。この光学像はレンズ41とレンズ44とによりCCD45に結像し、CCD45で映像情報として電気信号に変換され、ディスプレイ46に表示される。 【0017】断層像を得る手順を以下に示す。対象物2とX線イメージインテンシファイア40は、各々の回転軸5,6が平行になるように位置し、回転軸5に対して光軸7が傾斜するようにする。回転ステージ38により対象物2を回転させ、同時に回転ステージ43によりイメージローテータ42を回転させる。 【0018】イメージローテータ42には、ダブプリズム(像回転プリズム)と3枚のミラーで構成される像回転ミラーとが挙げられ、両者とも使用できる。ダブプリズムを使用するときは、収差の発生を抑えるため、ダブプリズムに入射する光線が平行光となるようにしなければならない。レンズ41でコリメートした光を、ダブプリズムに入射させ、レンズ44でCCD45に結像させる様にする。図5は、ダブプリズムを使用した例を示している。像回転ミラーを使用するときは、必ずしも、平行光とする必要はない。イメージローテータ42を1回転させると光学像が2回転するため、ドライバ47で回転ステージ43の速度が回転ステージ38の速度の半分となるように制御し、対象物2と光学像を同期回転させる。この制御としては、例えばステッピングモータを使用して、駆動パルスの周波数を2:1に制御するか、あるいは、エンコーダ付のモータを使用して回転を監視し、同期するようにモータ回転を制御することも可能である。 【0019】次に、CCD45の蓄積時間を回転ステージ38が1回転に要する時間とし、像が1回転する毎に画像を読み出すようにする。したがって、焦点面4以外の像はCCD45面上で回転してぼけるため、焦点面4のみのX線断層像が得られる。もちろん、CCD45の読み出し周期を像の1回転以上に長くすることも可能であるが、長時間露光で使用すると熱雑音が多くなるため、CCD45を冷却して熱雑音を減らすことは有効である。焦点面4は、光軸7と回転ステージ38の回転軸5との交点を含む平面であるので、上下方向の移動を行うZステージ39を上下させれば対象物2の任意の平面における断層像が得られる。また、視野は、XYステージ37を移動させて任意に変えることができる。これにより、多層構造の回路基板であっても、任意の位置の断層面の検査が可能になる。 【0020】X線管35は、検出解像度を向上させるため、マイクロフォーカスタイプが好適である。X線管35と試料ステージ及びX線検出系をそれぞれ移動可能にすると、検出倍率の変更や断層像の合焦点範囲の調節ができる。この場合、試料ステージをX線管35に近づけると高倍率になり、離すと低倍率になる。また、光軸7と回転軸5のなす角度を大きくすると合焦点範囲が狭くなり、小さくすると合焦点範囲が広くなる。 【0021】イメージローテータ42に、3枚ミラーで構成した像回転ミラーを使用した実施例を図6に示す。像回転ミラー94は、3枚のミラー95から構成されている。像回転ミラーは、ダブプリズムと違い入射光を平行光にする必要が無いので、X線イメージインテンシファイア40の出力像をCCD45に結像させる光学系を、コリメータレンズとイメージングレンズに分ける必要がなく、1本のレンズ41で実現できる。 【0022】X線断層撮影装置で使用されるX線検出系については、上記実施例の他にいくつかの実施例が挙げられるので、引き続いてX線検出系の他の実施例について説明する。なお、以下に示すX線検出系の実施例は、図5に示したX線検出系(以下、X線検出系の第1の実施例とも称する)と該当する構成要素を交換することで、そのままX線断層撮影装置となる。 【0023】図7にX線検出系の第2の実施例を示す。この実施例では、X線像をX線イメージインテンシファイア40で光学像に変換し、その光学像をレンズ41,44で撮像管50の検出面に結像させる。光路の途中にはイメージローテータ42が挿入され、回転ステージ43を介してこのイメージローテータ42を回転させることができるようになっている。これにより、変換された光学像が回転する。イメージローテータ42を回転させる回転ステージ43は、対象物を回転させる回転ステージ38の半分の速度で回転するようにドライバ47により制御されている。さらに、光学像は撮像管50で映像情報となる電気信号(映像信号)に変換される。撮像管50はTVレート、すなわち1/30秒毎に映像を出力しているため、光学像が1回転する時間の映像を加算回路51で加算する。例えば、回転の周期が0.5秒とすると、15枚の画像を加算する。加算回路51は、例えば、映像信号をA/Dコンバータでデジタル信号に換えてサンプリングし、フレームメモリに15枚分の画像を加算し、D/Aコンバータで映像信号に戻すことで実現でき、加算された画像はディスプレイ46に表示される。 【0024】図8にX線検出系の第3の実施例を示す。この実施例では、蛍光スクリーン52によってX線像を光学像に変換する。第1および第2の実施例で使用したX線イメージインテンシファイア40は、像歪が約5%もあり、解像度が約5lp(line pair)/mmと低い。しかし、蛍光スクリーン52は、像歪が無く、解像度も20lp/mm程度まで得られる。蛍光スクリーン52としては、解像度の向上を図るため、単結晶シンチレータ、例えば、CsI(Tl)(タリウム活性化ヨウ化セシウム)、あるいは、CaF2(Eu)などを0.4mm程度の薄さに研磨したものが好ましい。また、X線照射により励起された光は微弱なため、十分な光量の光学像が得られない。このため、蛍光スクリーン52の像をレンズ53でイメージインテンシファイア54に結像させ、このイメージンテンシファイア54で明るさを増幅させる。イメージインテンシファイア54には、像歪の無い近接型イメージインテンシファイアが好適である。また、ここで、レンズ53の代わりにイメージファイバを使用してもよいことはいうまでもない。イメージインテンシファイア54で増幅された光学像は、レンズ41とレンズ44によりCCD45に結像され、光路の途中にあるイメージローテータ42により像は回転する。そして、CCD45で電気信号(映像信号)に変換され、ディスプレイ46に表示される。イメージインテンシファイア54以後の構成は、X線検出系の第1の実施例(図5)と同一である。この場合、CCD45の代わりにX線検出系の第2の実施例(図7)に示したような撮像管の使用も可能である。 【0025】図9にX線検出系の第4の実施例を示す。この実施例では、X線検出系の第3の実施例(図8)と同様に蛍光スクリーン52によりX線像を光学像に変換する。蛍光スクリーン52は回転ステージ55により回転可能に構成され、ドライバ47によって対象物2と同じ速度で回転するように制御される。蛍光スクリーン52と対象物2とを同期回転させることにより、対象物2の焦点面4の像が蛍光スクリーン52上に静止する。このため、蛍光スクリーン52に残光時間の長い材質を使用することで、焦点面4の像が明るく検出される。そして、蛍光スクリーン52上の光学像はレンズ41とレンズ44によりCCD45に結像され、光路の途中に挿入したイメージローテータ42によりその像は回転することになる。CCD45は、像が1回転に要する時間を露光時間とし、検出した電気信号(映像信号)をディスプレイ46に表示する。レンズ41以後の構成はX線検出系の第1の実施例(図5)の構成と同様である。また、光路の途中にイメージインテンシファイアを挿入して、明るさを増幅することも可能である。また、CCD45の代わりにX線検出系の第3の実施例(図7)に示したような撮像管を使用することも可能である。撮像管は高感度のものが好適であり、例えば、SIT(Silicon Intensified Target)管やアバランシュ増倍型撮像管、あるいはICCD(Image Intensified CCD)カメラなどが挙げられる。 【0026】図10にX線検出系の第5の実施例を示す。この実施例はイメージローテータを使用しないで、画像処理により像を回転させる例である。この実施例におけるX線検出系は、X線イメージセンサ56、A/Dコンバータ57、画像処理部58、フレームメモリ59およびD/Aコンバータ60から基本的に構成される。 【0027】このようなX線検出系では、まず、X線像をX線イメージセンサ56で電気信号(映像信号)に変換する。X線イメージセンサ56は、TVレート、即ち1/30秒毎に電気信号(映像信号)を出力する。この映像信号はA/Dコンバータ57によりデジタル信号に変換させ、これによりデジタル画像が得られる。次に、得られたデジタル画像は画像処理部58で対象物の回転に同期した角度分回転させられ、1回転分の画像がフレームメモリ59に加算されていく。例えば、対象物を周期2秒で回転させる時、1/30秒間に6°像が回転する。そこで、最初に検出した像を0°回転とし、2回目に検出した像を6°回転させ、n回目に検出した像を6×(n−1)°回転させる。そして、60回目に検出した像までをフレームメモリ59に足し込んでいく。このようにして積算されたデジタル画像はD/Aコンバータ60でアナログの映像信号に変換され、デイスプレイ46に表示される。なお、この実施例におけるX線イメージセンサ56は、例えば、X線ビジコン、X線イメージインテンシファイアと撮像管を組み合わせた系、蛍光スクリーンと撮像管を組み合わせた系などに代えることもできる。 【0028】図11にX線検出系の第6の実施例を示す。この実施例は、ロータリーラスタ走査の撮像管を使用した実施例である。この実施例におけるX線検出系は、X線イメージインテンシファイア40、レンズ90、撮像管50、回転ラスタ波形発生回路91、クロック発生回路92、加算回路51およびドライバ47から基本的に構成される。 【0029】この実施例では、X線像をX線イメージインテンシファイア40で光学像に変換し、その光学像をレンズ90で撮像管50の検出面に結像させる。撮像管50は、回転ラスタ波形発生回路91で発生したドライブ波形により、ロータリーラスタ走査される。このため、回転像が静止像として検出される。X線検出系の第1の実施例(図5)に示した対象物2を回転させる回転ステージ38の回転速度と撮像管50のロータリーラスタ走査の速度を同期させるために、クロック発生回路92からのクロック信号にしたがって回転ラスタ波形発生回路91とドライバ47が駆動される。撮像管50で検出された画像は加算回路51で像の1回転分以上の時間の画像が加算され、ディスプレイ46に表示される。この実施例では、X線イメージインテンシファイア40の代わりに、蛍光スクリーン、あるいは蛍光スクリーンとイメージインテンシファイアを組み合わせたものを使用することもできる。 【0030】図12にX線検出系の第7の実施例を示す。この実施例におけるX線検出系は、X線ビジコン93、加算回路51、クロック発生回路92、回転ラスタ波形発生回路91およびドライバ47から基本的に構成される。 【0031】この実施例では、まず、X線像をX線ビジコン93で検出する。このとき、回転ラスタ波形発生回路91で発生したドライブ波形により、ロータリーラスタ走査することで、回転像が静止像として検出される。回転ステージ38(図5)の回転速度と撮像管50のロータリーラスタ走査の速度を同期させるために、クロック発生回路92からのクロック信号にしたがって回転ラスタ波形発生回路91とドライバ47が駆動される。撮像管50で検出した画像は、加算回路51で像の1回転分以上の時間の画像が加算され、ディスプレイ46に表示される。 【0032】本発明によるX線断層撮影装置の検出解像度を向上させるためには、X線源の微小化が必要である。このためには、照射する電子ビームの微小化とともに、ターゲットを薄膜透過形にする必要がある。 【0033】図13に、微小焦点サイズを得るためのX線管の実施例を示す。X線管は、フィラメント61、ウエネルト62、電界レンズ63、X線発生層24、支持層25、ターゲット23から主に構成され、ガラスバルブ64内に収容されている。そして、ターゲット23に対向したガラスバルブ64部分に設けられたX線透過窓69からX線27が出射できるようになっている。 【0034】すなわち、X線管では、フィラメント61から発生した電子線21をウエネルト62及び電界レンズ63でターゲット23に集束させる。ターゲット23は、周囲をベアリング軸68に固定されており、ベアリング67により回転可能な構造となっている。ガラスバルブ64の外にはステータ65が設けられ、このステータ65を励磁することによって、ガラスバルブ64の内部のロータ66が回転し、これによってターゲット23が回転する。電子線21の照射によりターゲット23で発生したX線27は、前述のようにX線透過窓69から外部に出射され、取り出される。 【0035】X線源径を微小化するためには、ターゲット23に照射する電子線21のビーム径を微小化しなければならない。このため、フィラメント61は、高輝度な物が良く、従来より使用されているタングステンフィラメントより、LaB6 (ランタンヘキサボライト)フィラメントが好適であり、寿命が長いというメリットもある。あるいは、電界放射形フィラメントでも良い。また、電子線21を集束する電界レンズ63は、複数枚としたほうが、微細な電子ビーム径を得やすい。 【0036】ターゲット23に入射した電子は、原子と衝突・散乱し、ターゲット内部に拡がる。管電圧100kVにおける拡がりの大きさは5μm程度と言われており、このため、たとえ電子ビームを1点に集束(拡がり0)させても、X線源径は5μm以上になる。X線源径を微小化するためには、薄膜のターゲットを用いて、電子の散乱領域を制限する必要がある。本発明では、ターゲット23をX線発生層24と支持層25の多層構造とする。X線発生層24は、タングステン、あるいは、タングステンとレリウムの合金が最適であり、その膜厚は、目標とするX線源径に依存するが、0.5から5μmである。支持層25は軽元素であるベリリウムが最適であり、10μm程度で良い。支持層25はターゲット23の機械的強度を増すと同時に、電子線21の照射により発生する熱を逃す作用がある。さらに、ターゲット23の1ヶ所に電子線21を照射しないようにステータ65とロータ66でターゲット23を回転させ、熱に対する強度を増加させ、破損の防止を図る。 【0037】図13に示した実施例(以下、X線管の第1の実施例とも称する)は、電子レンズに電界レンズを使用した実施例であるが、電磁レンズを使用した実施例を図14に示す。この実施例では、フィラメント61から発生した電子線21をウエネルト62及び磁界レンズ70でターゲット23に集束させる。ターゲット23は周囲をベアリング軸68に固定されており、ベアリング67により回転可能な構造となっており、X線管の第1の実施例を同様にステータ65とロータ66により回転駆動される。ガラスバルブ64の内部は、高真空である。X線管の第1の実施例の電界レンズ63は、ガラスバルブ64の内部にあったが、この実施例では、電磁レンズ70の中心にガラスバルブ64が通っている。このため、フィラメント61あるいは、ターゲット23の寿命が尽きた時は、ガラスバルブ64を交換するだけで良く、電磁レンズ70は、そのまま使用できる。 【0038】また、X線管の第1の実施例と同様、電磁レンズ70は、複数個のほうが微小な焦点サイズが得やすい。 【0039】以上の2つの実施例は、ガラスバルブ64内に諸要素を封じ込めた封じ管式X線管の実施例であるが、開放式のX線管の実施例を図15に示す。このX線管の実施例は開放式のものであって、X線管の第1の実施例におけるガラスバルブ64の代わりに真空容器71を使用し、容器内の空気を真空ポンプ74で吸引して真空状態を保持させ、ステータ65とロータ66の組み合わせをモータ72とギア75の組み合わせに置き換え、さらに、電界レンズ63の代わりに磁界レンズ70を使用している。 【0040】この実施例では、フィラメント61から発生した電子線21をウエネルト62及び磁界レンズ70でターゲット23に集束させる。ターゲット23は周囲をベアリング軸68に固定されており、ベアリング67により回転可能な構造となっている。ターゲット23は、真空容器71の外にあるモータ72を回転させ、回転導入軸73とギヤ75を介して回転駆動される。なお、ターゲット23はX線管の第1の実施例と同様にステータとロータにより回転させても良いことはいうまでもない。電子線21の照射によりターゲット23で発生したX線27は、X線透過窓69より、外部に取り出される。真空容器71は真空ポンプ74により真空に保たせている。ターゲット23の構造は、前述の図12に示したX線管の第1の実施例と同じである。 【0041】また、X線源として、他にシンクロトロン放射光(SR光)を使用して検出分解能を上げることも可能である。この場合、SR光は平行光であるため半影ぼけが生じることがなく、それゆえ解像度が低下することもない。 【0042】次に、本発明によるX線断層撮影装置を使用した回路基板のはんだ付部や回路接続部の自動検査装置の実施例を図16に示す。この自動検査装置は、X線管35からCCD45までのX線断層撮影装置の部分は、図5で説明した第1のX線検出系の実施例と同一であり、これにさらに、A/Dコンバータ57、画像処理部80、結果出力部81および制御コンピュータ82が付加された構成になっている。 【0043】この自動検査装置では、CCD45から出力される映像信号をA/Dコンバータ57によりデジタル画像とし、画像処理部80で欠陥部を抽出し、結果出力部81より欠陥の位置や種類を出力する。制御コンピュータ82は、検査装置全体の動作を制御し、検査手順を管理する。 【0044】以下、検査手順を示す。 【0045】(1)回路基板30をステージにセットする。 【0046】(2)XYステージ37とZステージ39を動かし、検査部分を視野に入れる。 【0047】(3)回転ステージ38と回転ステージ43を回転させ、CCD45を露光し、検査部分の断層像を得る。 【0048】(4)Zステージ39を動かし、検査部分の第2の断層像を得る。さらに、Zステージ39を少しずつ動かし、必要な枚数の断層像を得る。もし、1枚の断層像のみで十分であれば、この操作は必要無い。 【0049】(5)n枚の断層像より、良品であるか欠陥であるかを判定画像処理部80でする。はんだはX線吸収率が高いので、暗い影として検出される。検出した影を良品の影と比較したり、検出した影を設計データに基づいて計算した影と比較したり、検出した影の特徴量を計算することで、欠陥判定を行う。 【0050】(6)XYステージ37を動かして検査部分を変更する。そして、(3)から(5)の操作を繰返す。さらに、XYステージ37を動かし、回路基板30の全面の検査を行う。 【0051】(7)欠陥の位置及び種類を出力する。 【0052】(8)回路基板30を取り外す。 【0053】このような検査手順をとることにより、検査対象となる回路基板30のX線による断層像を得て、多層構造であっても確実に欠陥の位置と種類を確実に把握することができる。 【0054】 【発明の効果】これまでの説明で明らかなように、本発明によれば以下のような効果がある。すなわち、X線源と、撮影対象となる対象物を回転させる手段と、X線源から発射されて対象物を透過したX線の像を検出する手段と、該検出する手段によって検出された透過X線の画像を前記対象物の回転と同期させて回転処理する手段と、該回転処理する手段によって回転させた前記画像を実時間で加算する加算手段と、該加算手段によって実時間で加算された画像を映像情報として表示する表示手段とを、備えたX線断層撮影装置によれば、焦点面以外の面にある直線状の構造体の像はぼけて検出され、検出対象面のみ鮮明に検出することが可能になる。加えて、この検出は映像情報を表示する手段によって実時間で表示することにより実行できる。 【0055】また、X線源として、透過型ターゲットを偏心させ、回転させる手段を有するマイクロフォーカスX線管を用いると、X線源径が微小化され、さらにターゲットの1ヶ所に電子線が照射されないので熱的強度が増し、解像度の高い検出を安定して行うことが可能になる。 【0056】また、マイクロフォーカスX線管に含まれる透過型ターゲットを、X線発生層と支持層との少なくとも2層から構成すると、X線発生層を薄くして電子の散乱領域を制限してX線源径を微小化し、さらにターゲットの機械的強度を支持層によって確保するとともに電子線の照射によって発生する熱を支持層から放射させることができるので、解像度の高い検出を安定して行うことが可能になる。 【0057】また、映像情報となる電気信号から被検査物の欠陥を検出する画像処理回路をさらに備えた構成をとると、検査対象物の任意の断面の断層像が得られるので、当該断層像から画像処理回路により対象物の複雑な内部構造の欠陥を自動的に検出でき、多層基板のはんだ付け部等の回路接続部の検査も自動的に行うことが可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成4年(1992)6月17日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】武 顕次郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−248648 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)9月17日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−372934 |
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