| 【発明の名称】 |
表面近傍結晶欠陥の検出方法及びその装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】古川 純
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| 【要約】 |
【課題】結晶表面に入射する入射光の進路を妨害することなく高倍率の光学系レンズを結晶表面に接近させて深さ分解能を向上させる。
【解決手段】結晶表面11の同一位置に侵入深さの異なる複数の波長の光12をそれぞれ入射し、それらの散乱光13を光学系のレンズ14を介して検出し、これらの検出値の差に基づいて結晶欠陥を検出する表面近傍の結晶欠陥を検出する。入射光12は光学系のレンズ14の上方に設けられた半透鏡10を介してレンズ14の側方からレンズ14を通って結晶表面11に入射する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 結晶表面(11)の同一位置に侵入深さの異なる複数の波長の光(12)をそれぞれ入射し、それらの散乱光(13)を光学系のレンズ(14)を介して検出し、これらの検出値の差に基づいて結晶欠陥を検出する表面近傍の結晶欠陥を検出する方法において、前記入射光(12)を前記光学系のレンズ(14)を通して結晶表面(11)に入射することを特徴とする表面近傍結晶欠陥の検出方法。 【請求項2】 入射光(12)は光学系のレンズ(14)の上方に設けられた半透鏡(10)を介して前記レンズ(14)の側方から前記レンズ(14)を通って結晶表面(11)に入射する請求項1記載の検出方法。 【請求項3】 結晶表面(11)の同一位置に侵入深さの異なる複数の波長の光(12)をそれぞれ入射するための光源(15)と、前記光源(15)からの入射光(12)が結晶表面(11)で散乱する散乱光(13)を集光する光学系のレンズ(14,16)を含む集光手段(17)と、前記集光手段(17)からの散乱光(13)を検出する検出手段(18)と、前記検出手段(18)の検出結果に基づいて結晶欠陥を算出する算出手段(19)と、前記光源(15)からの入射光(12)を前記光学系のレンズ(14)を通して結晶表面(11)に入射する入射手段とを備えた表面近傍結晶欠陥の検出装置。 【請求項4】入射手段は光学系のレンズ(14)の上方に設けられた半透鏡(10)を含む請求項3記載の検出装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、半導体等の結晶体表面に赤外線レーザビームのような光を入射し、その散乱光に基づいて結晶体の表面近傍に存在する酸素析出物、転位等の母相と異なる屈折率をもつ内部欠陥を光散乱中心として検出する表面近傍結晶欠陥の検出方法及びこの方法に使用する検出装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より半導体結晶は赤外線を透過する性質を有することを利用して半導体表面近傍の結晶欠陥を検出する方法が知られている(特開平7−294422)。この従来方法において図4に示すように、ステージ2上に載置されて水平のX方向及びY方向に可動なシリコンウエーハ1の表面に斜めから所定の角度で赤外線レーザ光を複数のレーザ発振器から構成される光源4から入射する。入射したレーザ光はその波長に対応した深さまでシリコンウエーハ1の内部に侵入し、結晶内部に結晶欠陥が存在するとレーザ光により光散乱が生じる。この散乱光をシリコンウエーハ1の上方に位置する赤外顕微鏡5で集光し、赤外ビジコン6により検出する。結晶欠陥は散乱中心(散乱体)として検出される。赤外ビジコン6の出力はパソコン3で制御されるモニタ7に表示される。この散乱中心(散乱体)の検出を同一の入射位置に光源4から波長を変えたレーザ光を照射して再び行う。その結果、これらの散乱中心(散乱体)の検出値の差に基づいてその深さでの内部欠陥を算出することができる。またステージ2のX方向及びY方向への動き、光源4の発振のオン/オフ動作、赤外顕微鏡5のピント合わせ動作等はいずれもパソコン3で制御される。 【0003】この従来法において、深さ分解能は図3に示すように赤外顕微鏡5に収納された光学系の対物レンズ8の焦点深度に依存する。例えば50倍の対物レンズを赤外顕微鏡5に取付けた場合、約±10μmの範囲で焦点が合う。即ちこの場合、深さ分解能は約20μmとなる。深さ分解能を上げるためには、対物レンズを高倍率に変える方法が考えられる。一般に光学系において、対物レンズを高倍率化すると、それに比例して作動距離(対物レンズと結晶表面との間の距離)が短縮されることが知られている。例えば、対物レンズの倍率を80倍、100倍、150倍とした場合、作動距離はそれぞれ4.10mm、3.18mm、1.00mmとなる。これは対物レンズの高倍率化に比例して対物レンズを試料に接近させないと焦点が合わなくなることを意味している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従って上記従来例において、図3に示すように対物レンズ8を収納する赤外顕微鏡5を試料のシリコンウエーハ1の表面に接近させようとした場合には、シリコンウエーハ1の表面に斜めから入射するレーザ光9が対物レンズ8を収納する赤外顕微鏡5の側面に衝突し、レーザ光9がシリコンウエーハ1の表面に入射できない不都合が生じる。本発明の目的は、結晶表面に入射する入射光の進路を妨害することなく高倍率の光学系レンズを結晶表面に接近させて深さ分解能を向上させることができる表面近傍結晶欠陥の検出方法を提供することにある。 【0005】本発明の別の目的は、結晶表面に入射する入射光の進路を妨害することなく高倍率の光学系レンズを結晶表面に接近させて深さ分解能を向上させることができる表面近傍結晶欠陥の検出装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、図1に示すように、結晶表面11の同一位置に侵入深さの異なる複数の波長の光12をそれぞれ入射し、それらの散乱光13を光学系のレンズ14を介して検出し、これらの検出値の差に基づいて結晶欠陥を検出する表面近傍の結晶欠陥を検出する方法の改良であって、入射光12を光学系のレンズ14を通して結晶表面11に入射することを特徴とする方法である。この発明によれば、結晶表面11に入射する入射光12の進路を光学系のレンズ14が妨害することがない。従って高倍率の光学系レンズを使用し、これを結晶表面11に接近させて深さ分解能を向上させることができる。請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、入射光12は光学系のレンズ14の上方に設けられた半透鏡10を介してレンズ14の側方からレンズ14を通って結晶表面11に入射する方法である。この発明によれば、入射光12は半透鏡10で反射した後、レンズ14の側方からレンズ14を通って結晶表面11に入射するため、入射光12の進路をレンズ14が妨害することなくレンズ14を結晶表面11に接近させることができる。また半透鏡10は散乱光13を透過させるため、半透鏡10の存在によって結晶欠陥の検出精度は低下しない。 【0007】請求項3に係る発明は、図1及び図2に示すように、結晶表面11の同一位置に侵入深さの異なる複数の波長の光12をそれぞれ入射するための光源15と、光源15からの入射光12が結晶表面11で散乱する散乱光13を集光する光学系のレンズ14,16を含む集光手段17と、集光手段17からの散乱光13を検出する検出手段18と、検出手段18の検出結果に基づいて結晶欠陥を算出する算出手段19と、光源15からの入射光12を光学系のレンズ14を通して結晶表面11に入射する入射手段とを備えた表面近傍結晶欠陥の検出装置である。この発明によれば、光源15からの入射光12を光学系のレンズ14を通して結晶表面11に入射する入射手段とを備えているので、入射光12の進路を光学系のレンズ14が妨害することなく、高倍率の光学系レンズを使用し、これを結晶表面11に接近させて深さ分解能を向上させることができる。請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明であって、入射手段は光学系のレンズ14の上方に設けられた半透鏡10を含む装置である。この発明によれば、入射光12は半透鏡10で反射した後、レンズ14の側方からレンズ14を通って結晶表面11に入射するため、入射光12の進路をレンズ14が妨害することなくレンズ14を結晶表面11に接近させることができる。また半透鏡10は散乱光13を透過させるため、半透鏡10の存在によって結晶欠陥の検出精度は低下しない。 【0008】 【発明の実施の形態】次に本発明の表面近傍結晶欠陥の検出方法を実施するのに用いる検出装置の実施例を図1及び図2に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、結晶欠陥が検出される結晶体のシリコンウエーハ11はその表面が鏡面研磨されており、ステージ20上に載置される。ステージ20はパソコン19により制御される図示しない駆動機構により水平面内で互いに直交するX方向及びY方向に可動である。シリコンウエーハ11の斜め上方にはその表面に赤外線レーザ光12を入射するための光源15が配置される。光源15は例えば複数のレーザ発振器で構成され、各レーザ発振器の発するレーザ光の波長はそれぞれ異なるが、その他に波長を連続的に変化させることのできるレーザ発振器を使用してもよい。 【0009】シリコンウエーハ11の上方には入射光であるレーザ光12がシリコンウエーハ11の表面に入射することにより生じる散乱光13を集光する集光手段の赤外顕微鏡17が配置される。この赤外顕微鏡17の上部には赤外ビジコン18が配置され、赤外顕微鏡17で集光された散乱光13は赤外ビジコン18により検出される。図1に示すように、赤外顕微鏡17内には一対の対向離間する対物レンズ14、16が収納され、これらのレンズの間には半透鏡10が設けられる。光源15から水平に進行するレーザ光12は赤外顕微鏡17内の半透鏡10に入射し、ここでその方向をほぼ90度垂直に変えて下側の対物レンズ14に入射し、屈折してシリコンウエーハ11表面の所定位置に入射する。 【0010】シリコンウエーハ11表面に入射したレーザ光12はその波長に対応した深さまでシリコンウエーハ11の内部に侵入し、結晶内部に結晶欠陥が存在するとレーザ光12はこの結晶欠陥を中心として散乱光13を生じる。散乱光13は赤外顕微鏡17内の対物レンズ14、16で集光されて、赤外ビジコン18に入り、検出される。赤外顕微鏡17内の下側の対物レンズ14を通過した散乱光13の一部は半透鏡10を透過した後、上側の対物レンズ16で屈折して赤外ビジコン18に入り、検出される。 【0011】図2に示すように、赤外ビジコン18で検出された散乱光13の出力、即ち検出された散乱光13の中心である結晶欠陥の位置がパソコン19で制御されるモニタ21に表示される。ステージ20のX方向及びY方向への動き、光源15の発振のオン/オフ動作、赤外顕微鏡17のピント合わせ動作等はいずれもパソコン19で制御される。 【0012】 【実施例】次に本発明の実施例の表面近傍結晶欠陥の検出方法を図1及び図2に示す上記検出装置に基づいて説明する。 <実施例1>上記装置において、光源15としてシリコンウエーハ11表面から約20μmの深さまでの結晶欠陥を検出できる波長810nmの半導体レーザ(以下、レーザAと略称する)及びシリコンウエーハ11表面から約1.5μmの深さまでの結晶欠陥を検出できる波長670nmの半導体レーザ(以下、レーザBと略称する)を使用した。また赤外顕微鏡17の対物レンズ14は倍率が150倍であり、焦点を表面に合せた作動距離(対物レンズ14とシリコンウエーハ11の距離)は1mmであった。まず対物レンズ14の焦点を表面に合わせて、X方向2mm、Y方向2mmの領域を走査し、散乱欠陥をカウントした。 【0013】レーザAを使用した場合、散乱欠陥の個数は23個であり、このときレーザBを使用した場合、結晶欠陥の個数は21個であった。従って、結晶表面11から波長が異なることによる侵入長が異なってもほぼ同数の結晶欠陥を検出していた。次に対物レンズ14の焦点を表面から3μmの深さにずらして、同様な測定を行った。レーザAでは20個、レーザBでは0個であった。従って今回の対物レンズの焦点深度は±1.5μm以内と考えられる。 【0014】<比較例1>図3及び図4に示すように、光源4からの入射光を斜め上方からシリコンウエーハ1の表面に直接に入射したことを除いては実施例1と実質的に同じ方法(対物レンズ150倍)使用を繰り返した。その結果、入射光は対物レンズ8を収納した赤外顕微鏡5の側面に衝突し、シリコンウエーハ1の表面近傍の結晶欠陥を検出することは不可能であった。 【0015】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、結晶表面の同一位置に侵入深さの異なる複数の波長の光をそれぞれ入射し、それらの散乱光を光学系のレンズを介して検出し、これらの検出値の差に基づいて結晶欠陥を検出する表面近傍の結晶欠陥を検出する方法であって、入射光を検出光学系のレンズを通して結晶表面に入射するようにしたので、結晶表面に入射する入射光の進路を妨害することなく高倍率の光学系レンズを結晶表面に接近させて深さ分解能を向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000228925 【氏名又は名称】三菱マテリアルシリコン株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月28日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】須田 正義
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| 【公開番号】 |
特開平11−160230 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−327857 |
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