| 【発明の名称】 |
樹脂成形体の密着力測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡部 順
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| 【要約】 |
【課題】本発明はプラスチック等の樹脂成形体の密着力を高精度に測定する樹脂成形体の密着力測定装置を提供する。
【解決手段】密着力測定装置1は、可動ダイプレート4を下方に移動して、圧縮力検出部5、圧縮ロッド6、引張力検出部7及び引張ロッド8を一緒に下方に移動し、圧縮ロッド6により接続治具9を下方に押して樹脂成形体10を被密着部材12に押圧して、樹脂成形体10に所定の押圧力を付与する。このときの圧縮圧力を圧縮力検出部5で検出しつつ、恒温槽13内の雰囲気温度を所定の温度まで昇温させて樹脂成形体10に圧力を発生させた後、所定の低温まで冷却する。次に、可動ダイプレート4を上方に移動させて、圧縮力検出部5、圧縮ロッド6、引張力検出部7及び引張力ロッド8を上方に移動し、引張ロッド8の下板によりストッパー11とともに接続治具9と樹脂成形体10を上方に引き上げて、樹脂成形体10と被密着部材12とを剥離させる。このときに発生する密着力を引張力検出部7により検出する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】一対のプレス部材を相互に接近する方向及び離隔する方向に移動するプレス手段と、前記プレス部材の一方側に所定の接続部材を介して取り付けられた樹脂成形体と、前記プレス部材の他方側に前記樹脂成形体と対向する状態で交換可能に取り付けられた被密着部材と、前記プレス手段により前記プレス部材が接近する方向に移動されて前記樹脂成形体と前記被密着部材とが押圧されたときの当該押圧力を測定する圧縮力検出手段と、前記プレス手段により前記プレス部材が離隔する方向に移動されて前記樹脂成形体と前記被密着部材とが剥離されるときの前記樹脂成形体と前記被密着部材との密着力を測定する引張力検出手段と、少なくとも前記樹脂成形体と前記被密着部材とを所定の高温から所定の低温まで温度制御する温度制御手段と、を備え、前記プレス手段により前記プレス部材を近接する方向に移動させて前記樹脂成形体と前記被密着部材とを所定圧力で押圧させて、当該押圧力を前記圧縮力検出手段で検出し、前記温度制御手段により所定温度に加熱した後、所定温度に冷却して、前記プレス手段により前記プレス部材を離隔する方向に移動して、前記樹脂成形体と前記被密着部材とを剥離させ、当該剥離時の前記樹脂成形体と前記被密着部材との密着力を前記引張力検出手段で測定することを特徴とする樹脂成形体の密着力測定装置。 【請求項2】前記圧縮力検出手段は、前記一方のプレス部材に固定され、当該圧縮力検出手段には、前記樹脂成形体を前記被密着部材方向に押圧する圧縮部材が固定され、前記引張力検出手段は、前記圧縮部材に固定され、当該引張力検出手段には、前記樹脂成形体を前記被密着部材から離隔する方向に移動させる引張部材が固定され、当該引張部材に前記接続部材を介して前記樹脂成形体を取り付け、前記圧縮力検出手段、前記圧縮部材、前記引張力検出手段、前記引張部材及び前記接続部材は、前記プレス手段により前記プレス部材が近接する方向に移動される際、前記引張力検出手段に荷重がかからない状態で、同一直線上に配設されていることを特徴とする請求項1記載の樹脂成形体の密着力測定装置。 【請求項3】前記温度制御手段は、少なくとも前記樹脂成形体と前記被密着部材とを覆い、前記所定の低温から高温までの広範囲で温度制御する恒温槽で形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の樹脂成形体の密着力測定装置。 【請求項4】前記樹脂成形体は、前記接続部材と一体成形されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の樹脂成形体の密着力測定装置。 【請求項5】一対のプレス部材を相互に接近する方向及び離隔する方向に移動するプレス手段と、前記プレス部材の一方側に所定の接続部材を介して取り付けられた樹脂成形体と、前記プレス部材の他方側に前記樹脂成形体と対向する状態で交換可能に取り付けられた被密着部材と、前記プレス手段により前記プレス部材が接近する方向に移動されて前記樹脂成形体と前記被密着部材とが押圧されたときの当該押圧力を測定する圧縮力検出手段と、前記プレス手段により前記プレス部材が離隔する方向に移動されて前記樹脂成形体と前記被密着部材とが剥離されるときの前記樹脂成形体と前記被密着部材との密着力を測定する引張力検出手段と、前記樹脂成形体を所定の高温から所定の低温まで温度制御する樹脂成形体温度制御手段と、前記被密着部材を所定の高温から所定の低温まで温度制御する被密着部材温度制御手段と、を備え、前記樹脂成形体を前記樹脂成形体温度制御手段で所定温度に加熱し、前記被密着部材を前記被密着部材温度制御手段で所定温度に加熱した状態で、前記プレス手段により前記プレス部材を近接する方向に移動させて前記樹脂成形体と前記被密着部材とを所定圧力で押圧させて、当該押圧力を前記圧縮力検出手段で検出し、その後、前記プレス手段により前記プレス部材を離隔する方向に移動して、前記樹脂成形体と前記被密着部材とを剥離させ、当該剥離時の前記樹脂成形体と前記被密着部材との密着力を前記引張力検出手段で測定することを特徴とする樹脂成形体の密着力測定装置。 【請求項6】前記樹脂成形体の密着力測定装置は、前記樹脂成形体温度制御手段が、前記樹脂成形体を覆うとともに、前記所定の低温から高温までの広範囲で温度制御する恒温槽で構成され、前記被密着部材温度制御手段が、前記恒温槽外に配設され、前記測定に際して、前記樹脂成形体温度制御手段である前記恒温槽内で前記樹脂成形体を前記所定温度に加熱し、前記恒温槽外の前記被密着部材温度制御手段で前記被密着部材を前記所定温度に加熱し、前記プレス手段により前記プレス部材を介して前記恒温槽内の前記樹脂成形体を前記被密着部材方向に移動させて、前記恒温槽外の前記被密着部材に押圧させることを特徴とする請求項5記載の樹脂成形体の密着力測定装置。 【請求項7】前記樹脂成形体の密着力測定装置は、前記樹脂成形体温度制御手段と前記被密着部材温度制御手段が、それぞれ前記所定の低温から高温までの広範囲で温度制御する恒温槽で構成されているとともに、前記プレス部材の移動方向に並んで配設され、前記測定に際して、前記樹脂成形体温度制御手段である前記恒温槽で前記樹脂成形体を前記所定温度に加熱し、前記被密着部材温度制御手段である前記恒温槽で前記被密着部材を前記所定温度に加熱し、前記プレス手段により前記プレス部材を介して前記樹脂成形体温度制御手段である前記恒温槽内の前記樹脂成形体を前記被密着部材方向に移動させて、前記被密着部材温度制御手段である前記恒温槽内の前記被密着部材に押圧させることを特徴とする請求項5または請求項6記載の樹脂成形体の密着力測定装置。 【請求項8】前記圧縮力検出手段及び前記引張力検出手段は、前記樹脂成形体温度制御手段及び前記被密着部材温度制御手段から所定距離離れて配設されているとともに、前記樹脂成形体温度制御手段及び前記被密着部材温度制御手段との間に所定の断熱層が配設されていることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれかに記載の樹脂成形体の密着力測定装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂成形体の密着力測定装置に関し、詳細には、樹脂成形体の密着力を高精度に測定する樹脂成形体の密着力測定装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、高精度なプラスチック成形品を作製する場合、成形品離型時のわずかな変形が成形品品質を左右する。一方、樹脂とキャビティ壁面の密着力は、成形品の転写性に大きく影響する。 【0003】そのため、樹脂成形体のキャビティ壁面との離型性あるいは転写性を把握するためには、樹脂成形体とキャビティ壁面との密着力を精度良く測定し、密着力を左右する因子を明確にするための装置が必要となる。 【0004】従来、密着力を評価する方法としては、キャビティ部材の接触角を測定する方法が用いられているが、この方法では、使用樹脂の相違による密着力の相違を調べることができないだけでなく、成形時の温度や圧力に対する密着力の変化を調べることができない。 【0005】また、従来、特開昭63−144026号公報及び特開平9−123231号公報及び特開平5−149869号公報等に樹脂成形体の離型抵抗力を測定する方法が提案されており、これらは、いずれも樹脂成形体を成形後、樹脂を離型させるためのエジェクタピンを介して、荷重検出器によりそのときの抵抗力を測定している。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の樹脂成形体の離型抵抗力の測定にあっては、樹脂の離型抵抗力が、エジェクタピンの位置や大きさに左右されるため、特定成形品の場合の評価は可能であるが、密着力を左右する因子を把握するための汎用性を持ったデータを得ることができない。また、樹脂成形体の離型抵抗力の測定にあっては、樹脂成形体と密着面の間に少しでも空気が介在すると、空気の介在する部分からの剥離が優先的に進行し、密着力測定値がばらついて、精度良く密着力を測定することができないが、上記従来の測定方法にあっては、エジェクタピンと密着面に加工された挿入穴のわずかなクリアランスに空気が介在し、当該クリアランス部分から剥離が優先的に進行して、密着力を精度良く測定することができないという問題があった。 【0007】そこで、請求項1記載の発明は、相互に接近する方向及び離隔する方向に移動される一対のプレス部材のうち、一方側に所定の接続部材を介して樹脂成形体を取り付け、他方側のプレス部材に樹脂成形体と対向する状態で被密着部材を交換可能に取り付け、プレス手段によりプレス部材を近接する方向に移動させて樹脂成形体と被密着部材とを所定圧力で押圧させて、当該押圧力を圧縮力検出手段で検出し、温度制御手段により所定温度に加熱した後、所定温度に冷却して、プレス手段によりプレス部材を離隔する方向に移動して、樹脂成形体と被密着部材とを剥離させ、当該剥離時の樹脂成形体と被密着部材との密着力を引張力検出手段で測定することにより、被密着部材の密着面にエジェクタピンの挿入穴を形成することなく、樹脂成形体の密着力を精度良く、かつ、容易に測定し、密着力の要因(密着面の表面粗さ、表面処理、温度、圧力)を精度良く把握することのできる樹脂成形体の密着力測定装置を提供することを目的としている。 【0008】請求項2記載の発明は、圧縮力検出手段を、一方のプレス部材に固定し、当該圧縮力検出手段に、樹脂成形体を被密着部材方向に押圧する圧縮部材を固定し、引張力検出手段を、当該圧縮部材に固定し、当該引張力検出手段に、樹脂成形体を被密着部材から離隔する方向に移動させる引張部材を固定し、当該引張部材に接続部材を介して樹脂成形体を取り付け、これら圧縮力検出手段、圧縮部材、引張力検出手段、引張部材及び接続部材を、少なくともプレス手段によりプレス部材が近接する方向に移動される際、引張力検出手段に荷重がかからない状態で、同一直線上に配設することにより、引張力検出手段の許容荷重に関わらず、密着力測定時に任意の大きさの圧縮力を負荷することができるとともに、樹脂成形体の押圧力に関わらず、適宜密着力に合わせた最適な分解能を備えた引張力検出手段を使用することができ、樹脂成形体の密着力をより一層高精度に測定することのできる樹脂成形体の密着力測定装置を提供することを目的としている。 【0009】請求項3記載の発明は、温度制御手段として、少なくとも樹脂成形体と被密着部材とを覆い、所定の低温から高温までの広範囲で温度制御する恒温槽を用いることにより、樹脂成形体と被密着部材の加熱・冷却時に、密着面と樹脂成形体の温度分布が生じるのを防止し、樹脂成形体の密着力をより一層高精度に測定することのできる樹脂成形体の密着力測定装置を提供することを目的としている。 【0010】請求項4記載の発明は、樹脂成形体を、接続部材と一体成形することにより、密着力測定用サンプルの作製を容易なものとするとともに、接続部材と樹脂成形体との接続の手間を省いて、利用性が良好で、樹脂成形体の密着力を高精度に測定することのできる樹脂成形体の密着力測定装置を提供することを目的としている。 【0011】請求項5記載の発明は、相互に接近する方向及び離隔する方向に移動される一対のプレス部材のうち、一方側に所定の接続部材を介して樹脂成形体を取り付け、他方のプレス部材に樹脂成形体と対向する状態で被密着部材を交換可能に取り付け、樹脂成形体を樹脂成形体温度制御手段で所定温度に加熱し、被密着部材を被密着部材温度制御手段で所定温度に加熱した状態で、プレス手段によりプレス部材を近接する方向に移動させて樹脂成形体と被密着部材とを所定圧力で押圧させて、当該押圧力を圧縮力検出手段で検出した後、プレス手段によりプレス部材を離隔する方向に移動して、樹脂成形体と被密着部材とを剥離させ、当該剥離時の樹脂成形体と被密着部材との密着力を引張力検出手段で測定することにより、被密着部材の密着面にエジェクタピンの挿入穴を形成することなく、樹脂成形体と被密着部材を独立に温度制御して、実際の樹脂の射出成形と略同様の状態で樹脂成形体の密着力を測定し、樹脂成形体の密着力をより一層精度良く、かつ、容易に測定して、密着力の要因をより一層精度良く把握することのできる樹脂成形体の密着力測定装置を提供することを目的としている。 【0012】請求項6記載の発明は、樹脂成形体温度制御手段を、樹脂成形体を覆うとともに、所定の低温から高温までの広範囲で温度制御する恒温槽で構成し、被密着部材温度制御手段を、恒温槽外に配設し、測定に際して、樹脂成形体温度制御手段である恒温槽内で樹脂成形体を所定温度に加熱し、恒温槽外の被密着部材温度制御手段で被密着部材を所定温度に加熱し、プレス手段によりプレス部材を介して恒温槽内の樹脂成形体を被密着部材方向に移動させて、恒温槽外の被密着部材に押圧させることにより、樹脂成形体を短時間で均一に加熱し、樹脂成形体と被密着部材をより一層正確に密着させて、樹脂成形体の密着力をより一層精度良く、かつ、容易に測定して、樹脂成形体の密着力をより一層高精度に測定することのできる樹脂成形体の密着力測定装置を提供することを目的としている。 【0013】請求項7記載の発明は、樹脂成形体温度制御手段と被密着部材温度制御手段を、それぞれ所定の低温から高温までの広範囲で温度制御する恒温槽で構成するとともに、プレス部材の移動方向に並んで配設し、測定に際して、樹脂成形体温度制御手段である恒温槽で樹脂成形体を所定温度に加熱し、被密着部材温度制御手段である恒温槽で被密着部材を所定温度に加熱し、プレス手段によりプレス部材を介して樹脂成形体温度制御手段である恒温槽内の樹脂成形体を被密着部材方向に移動させて、被密着部材温度制御手段である恒温槽内の被密着部材に押圧させることにより、シリンダとキャビティを想定した温度の異なる2つの恒温槽の間を樹脂成形体を連続的に移動させて、樹脂成形体の密着力を測定し、実際の射出成形の形態により一層近似した形態で、樹脂成形体の密着力をより一層高精度に測定することのできる樹脂成形体の密着力測定装置を提供することを目的としている。 【0014】請求項8記載の発明は、圧縮力検出手段及び引張力検出手段を、樹脂成形体温度制御手段及び被密着部材温度制御手段から所定距離離れて配設するとともに、樹脂成形体温度制御手段及び被密着部材温度制御手段との間に所定の断熱層を配設することにより、樹脂成形体温度制御手段及び被密着部材温度制御手段の温度を高くした場合にも、圧縮力検出手段及び引張力検出手段が測定許容温度を超えることを防止し、樹脂成形体の密着力をより一層高精度に測定することのできる樹脂成形体の密着力測定装置を提供することを目的としている。 【0015】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の樹脂成形体の密着力測定装置は、一対のプレス部材を相互に接近する方向及び離隔する方向に移動するプレス手段と、前記プレス部材の一方側に所定の接続部材を介して取り付けられた樹脂成形体と、前記プレス部材の他方側に前記樹脂成形体と対向する状態で交換可能に取り付けられた被密着部材と、前記プレス手段により前記プレス部材が接近する方向に移動されて前記樹脂成形体と前記被密着部材とが押圧されたときの当該押圧力を測定する圧縮力検出手段と、前記プレス手段により前記プレス部材が離隔する方向に移動されて前記樹脂成形体と前記被密着部材とが剥離されるときの前記樹脂成形体と前記被密着部材との密着力を測定する引張力検出手段と、少なくとも前記樹脂成形体と前記被密着部材とを所定の高温から所定の低温まで温度制御する温度制御手段と、を備え、前記プレス手段により前記プレス部材を近接する方向に移動させて前記樹脂成形体と前記被密着部材とを所定圧力で押圧させて、当該押圧力を前記圧縮力検出手段で検出し、前記温度制御手段により所定温度に加熱した後、所定温度に冷却して、前記プレス手段により前記プレス部材を離隔する方向に移動して、前記樹脂成形体と前記被密着部材とを剥離させ、当該剥離時の前記樹脂成形体と前記被密着部材との密着力を前記引張力検出手段で測定することにより、上記目的を達成している。 【0016】上記構成によれば、相互に接近する方向及び離隔する方向に移動される一対のプレス部材のうち、一方側に所定の接続部材を介して樹脂成形体を取り付け、他方側のプレス部材に樹脂成形体と対向する状態で被密着部材を交換可能に取り付け、プレス手段によりプレス部材を近接する方向に移動させて樹脂成形体と被密着部材とを所定圧力で押圧させて、当該押圧力を圧縮力検出手段で検出し、温度制御手段により所定温度に加熱した後、所定温度に冷却して、プレス手段によりプレス部材を離隔する方向に移動して、樹脂成形体と被密着部材とを剥離させ、当該剥離時の樹脂成形体と被密着部材との密着力を引張力検出手段で測定しているので、被密着部材の密着面にエジェクタピンの挿入穴を形成することなく、樹脂成形体の密着力を精度良く、かつ、容易に測定することができ、密着力の要因(密着面の表面粗さ、表面処理、温度、圧力)を精度良く把握することができる。 【0017】この場合、例えば、請求項2に記載するように、前記圧縮力検出手段は、前記一方のプレス部材に固定され、当該圧縮力検出手段には、前記樹脂成形体を前記被密着部材方向に押圧する圧縮部材が固定され、前記引張力検出手段は、前記圧縮部材に固定され、当該引張力検出手段には、前記樹脂成形体を前記被密着部材から離隔する方向に移動させる引張部材が固定され、当該引張部材に前記接続部材を介して前記樹脂成形体を取り付け、前記圧縮力検出手段、前記圧縮部材、前記引張力検出手段、前記引張部材及び前記接続部材は、前記プレス手段により前記プレス部材が近接する方向に移動される際、前記引張力検出手段に荷重がかからない状態で、同一直線上に配設されていてもよい。 【0018】上記構成によれば、圧縮力検出手段を、一方のプレス部材に固定し、当該圧縮力検出手段に、樹脂成形体を被密着部材方向に押圧する圧縮部材を固定し、引張力検出手段を、当該圧縮部材に固定し、当該引張力検出手段に、樹脂成形体を被密着部材から離隔する方向に移動させる引張部材を固定し、当該引張部材に接続部材を介して樹脂成形体を取り付け、これら圧縮力検出手段、圧縮部材、引張力検出手段、引張部材及び接続部材を、少なくともプレス手段によりプレス部材が近接する方向に移動される際、引張力検出手段に荷重がかからない状態で、同一直線上に配設しているので、引張力検出手段の許容荷重に関わらず、密着力測定時に任意の大きさの圧縮力を負荷することができるとともに、樹脂成形体の押圧力に関わらず、適宜密着力に合わせた最適な分解能を備えた引張力検出手段を使用することができ、樹脂成形体の密着力をより一層高精度に測定することができる。 【0019】また、例えば、請求項3に記載するように、前記温度制御手段は、少なくとも前記樹脂成形体と前記被密着部材とを覆い、前記所定の低温から高温までの広範囲で温度制御する恒温槽で形成されていてもよい。 【0020】上記構成によれば、温度制御手段として、少なくとも樹脂成形体と被密着部材とを覆い、所定の低温から高温までの広範囲で温度制御する恒温槽を用いているので、樹脂成形体と被密着部材の加熱・冷却時に、密着面と樹脂成形体の温度分布が生じるのを防止することができ、樹脂成形体の密着力をより一層高精度に測定することができる。 【0021】さらに、例えば、請求項4に記載するように、前記樹脂成形体は、前記接続部材と一体成形されていてもよい。 【0022】上記構成によれば、樹脂成形体を、接続部材と一体成形しているので、密着力測定用サンプルの作製を容易なものとすることができるとともに、接続部材と樹脂成形体との接続の手間を省くことができ、樹脂成形体の密着力測定装置の利用性を向上させることができるとともに、樹脂成形体の密着力を高精度に測定することができる。 【0023】請求項5記載の発明の樹脂成形体の密着力測定装置は、一対のプレス部材を相互に接近する方向及び離隔する方向に移動するプレス手段と、前記プレス部材の一方側に所定の接続部材を介して取り付けられた樹脂成形体と、前記プレス部材の他方側に前記樹脂成形体と対向する状態で交換可能に取り付けられた被密着部材と、前記プレス手段により前記プレス部材が接近する方向に移動されて前記樹脂成形体と前記被密着部材とが押圧されたときの当該押圧力を測定する圧縮力検出手段と、前記プレス手段により前記プレス部材が離隔する方向に移動されて前記樹脂成形体と前記被密着部材とが剥離されるときの前記樹脂成形体と前記被密着部材との密着力を測定する引張力検出手段と、前記樹脂成形体を所定の高温から所定の低温まで温度制御する樹脂成形体温度制御手段と、前記被密着部材を所定の高温から所定の低温まで温度制御する被密着部材温度制御手段と、を備え、前記樹脂成形体を前記樹脂成形体温度制御手段で所定温度に加熱し、前記被密着部材を前記被密着部材温度制御手段で所定温度に加熱した状態で、前記プレス手段により前記プレス部材を近接する方向に移動させて前記樹脂成形体と前記被密着部材とを所定圧力で押圧させて、当該押圧力を前記圧縮力検出手段で検出し、その後、前記プレス手段により前記プレス部材を離隔する方向に移動して、前記樹脂成形体と前記被密着部材とを剥離させ、当該剥離時の前記樹脂成形体と前記被密着部材との密着力を前記引張力検出手段で測定することにより、上記目的を達成している。 【0024】上記構成によれば、相互に接近する方向及び離隔する方向に移動される一対のプレス部材のうち、一方側に所定の接続部材を介して樹脂成形体を取り付け、他方のプレス部材に樹脂成形体と対向する状態で被密着部材を交換可能に取り付け、樹脂成形体を樹脂成形体温度制御手段で所定温度に加熱し、被密着部材を被密着部材温度制御手段で所定温度に加熱した状態で、プレス手段によりプレス部材を近接する方向に移動させて樹脂成形体と被密着部材とを所定圧力で押圧させて、当該押圧力を圧縮力検出手段で検出した後、プレス手段によりプレス部材を離隔する方向に移動して、樹脂成形体と被密着部材とを剥離させ、当該剥離時の樹脂成形体と被密着部材との密着力を引張力検出手段で測定しているので、被密着部材の密着面にエジェクタピンの挿入穴を形成することなく、樹脂成形体と被密着部材を独立に温度制御して、実際の樹脂の射出成形と略同様の状態で樹脂成形体の密着力を測定することができ、樹脂成形体の密着力をより一層精度良く、かつ、容易に測定して、密着力の要因をより一層精度良く把握することができる。 【0025】この場合、例えば、請求項6に記載するように、前記樹脂成形体の密着力測定装置は、前記樹脂成形体温度制御手段が、前記樹脂成形体を覆うとともに、前記所定の低温から高温までの広範囲で温度制御する恒温槽で構成され、前記被密着部材温度制御手段が、前記恒温槽外に配設され、前記測定に際して、前記樹脂成形体温度制御手段である前記恒温槽内で前記樹脂成形体を前記所定温度に加熱し、前記恒温槽外の前記被密着部材温度制御手段で前記被密着部材を前記所定温度に加熱し、前記プレス手段により前記プレス部材を介して前記恒温槽内の前記樹脂成形体を前記被密着部材方向に移動させて、前記恒温槽外の前記被密着部材に押圧させるものであってもよい。 【0026】上記構成によれば、樹脂成形体温度制御手段を、樹脂成形体を覆うとともに、所定の低温から高温までの広範囲で温度制御する恒温槽で構成し、被密着部材温度制御手段を、恒温槽外に配設し、測定に際して、樹脂成形体温度制御手段である恒温槽内で樹脂成形体を所定温度に加熱し、恒温槽外の被密着部材温度制御手段で被密着部材を所定温度に加熱し、プレス手段によりプレス部材を介して恒温槽内の樹脂成形体を被密着部材方向に移動させて、恒温槽外の被密着部材に押圧させるので、樹脂成形体を短時間で均一に加熱することができ、樹脂成形体と被密着部材をより一層正確に密着させて、樹脂成形体の密着力をより一層精度良く、かつ、容易に測定して、樹脂成形体の密着力をより一層高精度に測定することができる。 【0027】また、例えば、請求項7に記載するように、前記樹脂成形体の密着力測定装置は、前記樹脂成形体温度制御手段と前記被密着部材温度制御手段が、それぞれ前記所定の低温から高温までの広範囲で温度制御する恒温槽で構成されているとともに、前記プレス部材の移動方向に並んで配設され、前記測定に際して、前記樹脂成形体温度制御手段である前記恒温槽で前記樹脂成形体を前記所定温度に加熱し、前記被密着部材温度制御手段である前記恒温槽で前記被密着部材を前記所定温度に加熱し、前記プレス手段により前記プレス部材を介して前記樹脂成形体温度制御手段である前記恒温槽内の前記樹脂成形体を前記被密着部材方向に移動させて、前記被密着部材温度制御手段である前記恒温槽内の前記被密着部材に押圧させるものであってもよい。 【0028】上記構成によれば、樹脂成形体温度制御手段と被密着部材温度制御手段を、それぞれ所定の低温から高温までの広範囲で温度制御する恒温槽で構成するとともに、プレス部材の移動方向に並んで配設し、測定に際して、樹脂成形体温度制御手段である恒温槽で樹脂成形体を所定温度に加熱し、被密着部材温度制御手段である恒温槽で被密着部材を所定温度に加熱し、プレス手段によりプレス部材を介して樹脂成形体温度制御手段である恒温槽内の樹脂成形体を被密着部材方向に移動させて、被密着部材温度制御手段である恒温槽内の被密着部材に押圧させているので、シリンダとキャビティを想定した温度の異なる2つの恒温槽の間を樹脂成形体を連続的に移動させて、樹脂成形体の密着力を測定することができ、実際の射出成形の形態により一層近似した形態で、樹脂成形体の密着力をより一層高精度に測定することができる。 【0029】さらに、例えば、請求項8に記載するように、前記圧縮力検出手段及び前記引張力検出手段は、前記樹脂成形体温度制御手段及び前記被密着部材温度制御手段から所定距離離れて配設されているとともに、前記樹脂成形体温度制御手段及び前記被密着部材温度制御手段との間に所定の断熱層が配設されていてもよい。 【0030】上記構成によれば、請求項8記載の発明は、圧縮力検出手段及び引張力検出手段を、樹脂成形体温度制御手段及び被密着部材温度制御手段から所定距離離れて配設するとともに、樹脂成形体温度制御手段及び被密着部材温度制御手段との間に所定の断熱層を配設しているので、樹脂成形体温度制御手段及び被密着部材温度制御手段の温度を高くした場合にも、圧縮力検出手段及び引張力検出手段が測定許容温度を超えることを防止することができ、樹脂成形体の密着力をより一層高精度に測定することができる。 【0031】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。 【0032】図1〜図6は、本発明の樹脂成形体の密着力測定装置の第1の実施の形態を示す図である。 【0033】図1は、本発明の樹脂成形体の密着力測定装置の第1の実施の形態を適用した密着力測定装置1の概略正面断面図である。図1において、密着力測定装置1は、平板状の固定ダイプレート(プレス部材)2に垂直に複数本のガイドポール3が配設されており、ガイドポール3には可動ダイプレート(プレス部材)4が当該ガイドポール3に沿って図1中上下方向に移動可能に配設されている。この可動ダイプレート4は、図示しないダイプレート駆動機構により上下方向に移動される。なお、本実施の形態では、可動ダイプレート4を移動させているが、固定ダイプレート2を移動させるものであってもよいし、可動ダイプレート4と可動ダイプレート2の双方を移動させるようにしてもよい。上記固定ダイプレート2、ガイドポール3、可動ダイプレート4及びダイプレート駆動機構は、全体としてプレス手段として機能する。 【0034】可動ダイプレート4には、その中央部分に圧縮力検出部(圧縮力検出手段)5が固定的に取り付けられており、圧縮力検出部5の下端部には、中空の箱形等に形成された圧縮ロッド(圧縮部材)6が固定されている。 【0035】圧縮ロッド6内には、引張力検出部(引張力検出手段)7が固定的に配設されており、引張力検出部7の下端には、上下が閉止された中空の箱形(ロ型)あるいは円筒形に形成された引張ロッド(引張部材)8が固定されている。引張ロッド8は、図2に示すように、その下板部分の中央部に挿入穴8aが形成されており、挿入穴8aには、略T字型に形成されアーム部9aと平板部9bを備えた接続治具(接続部材)9のアーム部9aが摺動自在に挿入される。接続治具9のアーム部9aは、上記圧縮ロッド6の下板部分の中央部に形成された挿入穴6aをも摺動自在に貫通し、引張ロッド8の挿入穴8aと圧縮ロッド6の挿入穴6aは、同一直線上に形成されている。 【0036】接続治具9のアーム部9aの圧縮ロッド6外の先端には、上記平板部9bが形成されており、接続治具9の平板部9bの下面には、測定対象の樹脂成形体10が形成されている。これら接続治具9と樹脂成形体10とは、一体成形されており、接続治具9の引張ロッド8内の先端には、引張ロッド8の下板に当接可能なストッパー11が固定されている。ストッパー11は、引張ロッド8の下板に形成された挿入穴8aを通過不可能な大きさに形成されており、引張ロッド8が上方に移動されるとき、引張ロッド8の下板に当接して引張ロッド8により上方に引き上げられる。 【0037】再び図1において、上記接続治具9の下端面に形成された樹脂成形体10の下方の固定ダイプレート2上には、被密着部材12が交換可能に固定され、被密着部材12としては、測定対象の樹脂成形体10の測定に応じて、表面粗さや表面処理等を変化させたものが固定される。 【0038】上記圧縮ロッド6と引張ロッド8、圧縮力検出部5と引張力検出部7及び接続治具9は、同一直線上に配設されており、可動ダイプレート4をガイドポール3に沿って上下方向に移動させた際、同一直線上を接続治具9のアーム部9aに沿って移動する。 【0039】上記引張力検出部7を収納する圧縮ロッド6、引張ロッド8、接続治具9、樹脂成形体10、ストッパー11及び被密着部材12は、固定ダイプレート2上に設置された箱形状の恒温槽(温度制御手段)13内に収納されており、恒温槽13は、図示しない温度制御装置により加熱・冷却を行って、恒温槽13内の雰囲気温度を所定の低温から所定の高温まで広範囲で温度制御可能となっている。恒温槽13は、その上板部分が圧縮力検出部5の外周面に摺接した状態で形成されており、可動ダイプレート4の移動により圧縮力検出部5が上下方向に移動する際、圧縮力検出部5の外周面が恒温槽13の上板部分に摺接しつつ移動する。また、恒温槽13は、図示しないが、一体成形された樹脂成形体10と接続治具9を恒温槽13内に挿入して、アーム部9aを圧縮ロッド6の挿入穴6aと引張ロッド8の挿入穴8aに挿入して、アーム部9aの先端にストッパー11を取り付け、また、被密着部材12を固定ダイプレート2に設置するための窓部等が設けられており、この窓部は、開閉可能な扉部材で閉止可能となっている。なお、恒温槽13に窓部を設けずに、恒温槽13を上下方向に移動可能としてもよい。 【0040】なお、上記圧縮力検出部5及び引張力検出部7は、図示しないアンプ及びA/D変換部等を介して図示しないコンピュータ等の処理制御部に接続されており、処理制御部は、アンプ及びA/D変換部等を介して圧縮力検出部5及び引張力検出部7から出力される検出信号を解析して、圧縮力データ及び引張力データを、図示しない表示部に表示出力し、また、図示しない記録部で記録紙に記録出力する。 【0041】次に、本実施の形態の作用を説明する。密着力測定装置1は、樹脂成形体10の密着力の測定に際して、測定対象の樹脂成形体10と一体成形された接続治具9のアーム部9aが圧縮ロッド6の挿入穴6aと引張ロッド8の挿入穴8aに挿入され、アーム部9aの先端にストッパー11が取り付けられることにより、樹脂成形体10と接続治具9が密着力測定装置1に装着され、また、被密着部材12が固定ダイプレート2に設置される。 【0042】このようにして、一体成形された樹脂成形体10と接続治具9及び被密着部材12が装着されると、図3に示すように、ダイプレート駆動機構により可動ダイプレート4を、図3中矢印で示す下方向に移動し、可動ダイプレート4が下方に移動されると、可動ダイプレート4に固定されている圧縮力検出部5、圧縮力検出部5に固定されている圧縮ロッド6、圧縮ロッド6に固定されている引張力検出部7及び引張力検出部7に固定されている引張ロッド8が一緒に下方に移動される。このようにして可動ダイプレート4を下方に移動させて、樹脂成形体10と被密着部材12とを密着させる。 【0043】ダイプレート駆動機構により可動ダイプレート4を、図4に示すように、さらに下方に移動させて、圧縮ロッド6の下板により接続治具9の平板部9bを下方に押し、樹脂成形体10を被密着部材12に押圧して、樹脂成形体10に所定の押圧力を付与する。このときの圧縮圧力を圧縮力検出部5で検出する。 【0044】このとき、接続部材9のアーム部9aが、図2に示したように、圧縮ロッド6の挿入穴6a及び引張ロッド8の挿入穴8aに摺動自在に挿入されているため、引張力検出部7には、負荷がかからない。その結果、引張力検出部7の許容荷重に制限されることなく、樹脂成形体10に必要な圧縮荷重をかけることができる。また、引張力検出部7は、樹脂成形体10と被密着部材12との密着力の大きさに合わせた高分解能な引張力検出部7を使用することができ、高精度な密着力の測定を行うことができる。さらに、可動ダイプレート4を下降させて圧縮ロッド6により樹脂成形体10に付与する初期圧力は、任意に設定することができ、かつ、このときの圧縮圧力を、上述のように、圧縮力検出部5で検出することにより、密着力と押圧力の関係を測定することができる。 【0045】上述のようにして、可動ダイプレート4を下降させて圧縮ロッド6により樹脂成形体10を被密着部材12に押圧し、このときの圧縮圧力を圧縮力検出部5で検出すると、恒温槽13内の雰囲気温度を所定の温度まで昇温させて、樹脂成形体10に圧力を発生させ、このときの圧力を圧縮力検出部5で検出して、再度、所定の温度まで冷却する。 【0046】このように、恒温槽13内の雰囲気温度を制御して、樹脂成形体10と被密着部材12の加熱と冷却を行うので、樹脂成形体10と被密着部材12の温度分布が生じることを防止することができ、密着力の測定精度を向上させることができる。 【0047】上記恒温槽13内を所定温度に冷却すると、ダイプレート駆動機構により可動ダイプレート4を、図5に示すように、上方に移動させる。可動ダイプレート4が上方に移動されると、圧縮力検出部5とともに圧縮ロッド6、引張力検出部7及び引張ロッド8が上方に移動して、圧縮ロッド6の下板が接続治具9の平板部9bから離れる。このとき、圧縮ロッド6と引張ロッド8は、その挿入穴6a、7aにより接続治具9のアーム部9aに摺動して上方に移動し、密着力測定に影響を与えることがない。 【0048】さらに可動ダイプレート4を上方に移動させると、図6に示すように、引張ロッド8の下板が接続治具9の上端に固定されたストッパー11に当接し、接続治具9と一体成形された樹脂成形体10を上方に引き上げようとする。 【0049】この状態でさらに可動ダイプレート4を上方に移動させると、樹脂成形体10と被密着部材12との剥離が開始され、そのときに発生する密着力を引張力検出部7により検出する。その後、樹脂成形体10と被密着部材12とが完全に剥離されると、密着力の測定を終了する。 【0050】そして、この密着力の測定において、上述のように、圧縮ロッド6と引張ロッド8、圧縮力検出部5と引張力検出部7及び接続治具9が、同一直線上に配設されているため、可動ダイプレート4をガイドポール3に沿って上下方向に移動させた際、樹脂成形体10が斜め方向に押圧されたり、引っ張られたりせず、同一直線上を移動し、密着力を正確に測定することができる。 【0051】また、被密着部材12は、恒温槽13内の平坦な固定ダイプレート2上に設置するだけでよいため、形状の制約がほとんどなく、表面粗さや表面処理等の異なる被密着部材12と容易に交換することができ、各種条件の被密着部材12を使用した比較測定を容易に行うことができる。 【0052】さらに、樹脂成形体10と接続治具9を一体成形により作製しているため、測定サンプルの作製が容易であるとともに、樹脂成形体10と接続治具9を接続する手間を省くことができ、密着力測定の操作性・利用性を向上させることができる。 【0053】このように、本実施の形態の密着力測定装置1によれば、樹脂成形体10と被密着部材12の密着力を容易に、かつ、高精度に測定することができるとともに、温度、圧力及び被密着部材12等の因子を適宜変更して、これらの因子と密着力との関係を正確に測定することができる。 【0054】図7〜図12は、本発明の樹脂成形体の密着力測定装置の第2の実施の形態を示す図である。 【0055】図7は、本発明の樹脂成形体の密着力測定装置の第2の実施の形態を適用した密着力測定装置20の概略正面断面図である。図7において、密着力測定装置20は、平板状の固定ダイプレート(プレス部材)21に垂直に複数本のガイドポール22が配設されており、ガイドポール22には可動ダイプレート(プレス部材)23が当該ガイドポール22に沿って図7において上下方向に移動可能に配設されている。この可動ダイプレート23は、図示しないダイプレート駆動機構により上下方向に移動される。なお、本実施の形態では、可動ダイプレート23を移動させているが、固定ダイプレート21を移動させるものであってもよいし、可動ダイプレート23と可動ダイプレート23の双方を移動させるようにしてもよい。上記固定ダイプレート21、ガイドポール22、可動ダイプレート23及びダイプレート駆動機構は、全体としてプレス手段として機能する。 【0056】可動ダイプレート23には、その中央部分に圧縮力検出部(圧縮力検出手段)24が固定的に取り付けられており、圧縮力検出部24の下端部には、中空の箱形等に形成された圧縮ロッド25が固定されている。 【0057】圧縮ロッド25内には、引張力検出部(引張力検出手段)26が固定的に配設されており、引張力検出部26の下端には、上下が閉止された中空の箱形(ロ型)あるいは円筒形に形成された引張ロッド27が固定されている。引張ロッド27は、図8に示すように、その下板部分の中央部に挿入穴27aが形成されており、挿入穴27aには、略T字型に形成されアーム部28aと平板部28bを備えた接続治具28のアーム部28aが摺動自在に挿入される。接続治具28のアーム部28aは、上記圧縮ロッド25の下板部分の中央部に形成された挿入穴25aをも摺動自在に貫通し、引張ロッド27の挿入穴27aと圧縮ロッド25の挿入穴25aは、同一直線上に形成されている。 【0058】接続治具28のアーム部28aの圧縮ロッド25外の先端には、上記平板部28bが形成されており、接続治具28の平板部28bの下面には、測定対象の樹脂成形体29が形成されている。これら接続治具28と樹脂成形体29とは、一体成形されており、接続治具28の引張ロッド27内の先端には、引張ロッド27の下板に当接可能なストッパー30が固定されている。ストッパー30は、引張ロッド27の下板に形成された挿入穴27aを通過不可能な大きさに形成されており、引張ロッド27が上方に移動されるとき、引張ロッド27の下板に当接して引張ロッド27により上方に引き上げられる。 【0059】圧縮ロッド25の下端には、所定長さの延長ロッド31が固定されており、延長ロッド31は、円筒状に形成されているとともに、当該円筒状の中空部分31aが圧縮ロッド25の挿入穴25aと一致する状態で固定されている。上記接続治具28のアーム部28aは、上記引張ロッド27の挿入穴27a、圧縮ロッド25の挿入穴25a及び延長ロッド31の中空部分31aを貫通している。 【0060】再び図1において、上記接続治具28の下端面に形成された樹脂成形体29の下方の固定ダイプレート21上には、加熱プレート32が配設されており、加熱プレート32上には、被密着部材33が交換可能に固定されている。加熱プレート32には、ヒーター32aが設けられており、ヒーター32aは、加熱プレート32上の被密着部材33を任意の温度に加熱する。加熱プレート32を加熱する手段としては、ヒーター32aに限るものではなく、例えば、水、あるいは、油等の熱媒体をヒーター管等に通して加熱するものであってもよい。被密着部材33としては、測定対象の樹脂成形体29の測定に応じて、表面粗さや表面処理等を変化させたものが固定される。上記加熱プレート32及びヒーター32aは、全体として被密着部材温度制御手段として機能している。 【0061】この被密着部材33の載置された加熱プレート32の上方には、恒温槽34が配設されており、恒温槽34は、少なくとも当該平板部28bと樹脂成形体29を収納可能な箱形状に形成されている。恒温槽34は、上記接続治具28の待機時に、接続治具28の平板部28bと樹脂成形体29が位置するときに、当該平板部28bと樹脂成形体29を収納する位置でガイドポール22に固定されることにより、配設されている。恒温槽34は、図示しない温度制御装置により加熱・冷却を行って、恒温槽34内の雰囲気温度を所定の低温から少なくとも樹脂成形体29の溶融温度以上までの広範囲で温度制御可能となっている。上記恒温槽34及び温度制御装置は、全体として樹脂成形体温度制御手段として機能している。 【0062】恒温槽34の上壁には、上記接続治具28のアーム部28aの挿入された上記延長ロッド31の侵入する挿入穴34aが形成されており、アーム部28aの挿入された延長ロッド31が当該挿入穴34aを通して上下方向に移動可能となっている。恒温槽34の下壁には、例えば、スライド式に開閉可能な開閉扉35が配設されており、開閉扉35は、開いた状態で樹脂成形体29の取り付けられた平板部28bが通過可能な大きさに形成されている。 【0063】上記延長ロッド31は、少なくとも上記恒温槽34内に位置する部分は、例えば、セラミックス等の断熱材(断熱層)36が設けられている。 【0064】上記圧縮ロッド25と引張ロッド27と延長ロッド31、圧縮力検出部24と引張力検出部26及び接続治具28は、同一直線上に配設されており、可動ダイプレート23をガイドポール22に沿って上下方向に移動させた際、同一直線上を接続治具28のアーム部28aに沿って移動する。 【0065】なお、上記圧縮力検出部24及び引張力検出部26は、図示しないアンプ及びA/D変換部等を介して図示しないコンピュータ等の処理制御部に接続されており、処理制御部は、アンプ及びA/D変換部等を介して圧縮力検出部24及び引張力検出部26から出力される検出信号を解析して、圧縮力データ及び引張力データを、図示しない表示部に表示出力し、また、図示しない記録部で記録紙に記録出力する。 【0066】次に、本実施の形態の作用を説明する。密着力測定装置20は、樹脂成形体29の密着力の測定に際して、測定対象の樹脂成形体29と一体成形された接続治具28のアーム部28aが圧縮ロッド25の挿入穴25aと引張ロッド27の挿入穴27a及び延長ロッド31の中空部分31aに挿入され、アーム部28aの先端にストッパー30が取り付けられることにより、樹脂成形体29と接続治具28が密着力測定装置20に装着され、また、被密着部材33が固定ダイプレート21に固定された加熱プレート32上に設置される。 【0067】このようにして、一体成形された樹脂成形体29と接続治具28及び被密着部材33が装着されると、接続治具28の平板部28bに取り付けられた樹脂成形体29が収納されている恒温槽34の雰囲気温度を当該樹脂成形体29の溶融温度以上の温度に加熱し、加熱プレート32により被密着部材33を当該被密着部材33の熱変形温度以下の所定温度に加熱する。すなわち、樹脂成形体29と被密着部材33をそれぞれ別の恒温槽34と加熱プレート32により樹脂成形体29の溶融温度以上の温度と被密着部材33の熱変形温度以下の温度に別々に加熱する。 【0068】このとき、延長ロッド31の少なくとも恒温槽34内に位置する部分に断熱材36が設けられているので、恒温槽34内の温度が延長ロッド31を介して圧縮力検出部24及び引張力検出部26に伝達されて圧縮力検出部24及び引張力検出部26の温度が測定許容温度を超えることを防止することができる。 【0069】この状態で、図9に示すように、ダイプレート駆動機構により可動ダイプレート23を、図9中矢印で示す下方向に移動し、可動ダイプレート23が下方に移動されると、可動ダイプレート23に固定されている圧縮力検出部24、圧縮力検出部24に固定されている圧縮ロッド25、圧縮ロッド25の下端に固定されている延長ロッド31、圧縮ロッド25に固定されている引張力検出部26及び引張力検出部26に固定されている引張ロッド27が一緒に下方に移動される。この可動ダイプレート23の下方への移動に際して、開閉扉35を開いて、恒温槽34内に位置していた樹脂成形体29を、当該開閉扉35部分を通過させて、下方に移動させ、加熱プレート32上の被密着部材33に密着させる。 【0070】ダイプレート駆動機構により可動ダイプレート23を、図10に示すように、さらに下方に移動させて、圧縮ロッド25の下板に固定された延長ロッド31により接続治具28の平板部28bを下方に押し、樹脂成形体29を被密着部材33に押圧して、樹脂成形体29に所定の押圧力を付与する。このときの圧縮圧力を圧縮力検出部24で検出する。 【0071】このとき、接続治具28のアーム部28aが、図8に示したように、圧縮ロッド25の挿入穴25a、引張ロッド27の挿入穴27a及び延長ロッド31の中空部分31aに摺動自在に挿入されているため、引張力検出部26には、負荷がかからない。その結果、引張力検出部26の許容荷重に制限されることなく、樹脂成形体29に必要な圧縮荷重をかけることができる。また、引張力検出部26は、樹脂成形体29と被密着部材33との密着力の大きさに合わせた高分解能な引張力検出部26を使用することができ、高精度な密着力の測定を行うことができる。さらに、可動ダイプレート23を下降させて圧縮ロッド25により延長ロッド31を介して樹脂成形体29に付与する初期圧力は、任意に設定することができ、かつ、このときの圧縮圧力を、上述のように、圧縮力検出部24で検出することにより、密着力と押圧力の関係を測定することができる。 【0072】上述のようにして、可動ダイプレート23を下降させて圧縮ロッド25により延長ロッド31を介して樹脂成形体29を被密着部材33に押圧し、このときの圧縮圧力を圧縮力検出部24で検出する。 【0073】次に、ダイプレート駆動機構により可動ダイプレート23を、図11に示すように、上方に移動させる。可動ダイプレート23が上方に移動されると、圧縮力検出部24とともに圧縮ロッド25、延長ロッド31、引張力検出部26及び引張ロッド27が上方に移動して、圧縮ロッド25に固定された延長ロッド31の下板が接続治具28の平板部28bから離れる。このとき、圧縮ロッド25、延長ロッド31及び引張ロッド27は、その挿入穴25a、7a及び中空部分31aにより接続治具28のアーム部28aに摺動して上方に移動し、密着力測定に影響を与えることがない。 【0074】さらに可動ダイプレート23を上方に移動させると、図12に示すように、引張ロッド27の下板が接続治具28の上端に固定されたストッパー30に当接し、接続治具28と一体成形された樹脂成形体29を上方に引き上げようとする。 【0075】この状態でさらに可動ダイプレート23を上方に移動させると、樹脂成形体29と被密着部材33との剥離が開始され、そのときに発生する密着力を引張力検出部26により検出する。その後、樹脂成形体29と被密着部材33とが完全に剥離されると、密着力の測定を終了する。 【0076】そして、この密着力の測定において、上述のように、圧縮ロッド25と引張ロッド27と延長ロッド31、圧縮力検出部24と引張力検出部26及び接続治具28が、同一直線上に配設されているため、可動ダイプレート23をガイドポール22に沿って上下方向に移動させた際、樹脂成形体29が斜め方向に押圧されたり、引っ張られたりせず、同一直線上を移動し、密着力を正確に測定することができる。 【0077】また、被密着部材33は、固定ダイプレート21上に固定された加熱プレート32上に設置するだけでよいため、形状の制約がほとんどなく、表面粗さや表面処理等の異なる被密着部材33と容易に交換することができ、各種条件の被密着部材33を使用した比較測定を容易に行うことができる。 【0078】さらに、樹脂成形体29と接続治具28を一体成形により作製しているため、測定サンプルの作製が容易であるとともに、樹脂成形体29と接続治具28を接続する手間を省くことができ、密着力測定の操作性・利用性を向上させることができる。 【0079】また、本実施の形態では、特に、樹脂成形体29と被密着部材33をそれぞれ別の恒温槽34と加熱プレート32により樹脂成形体29の溶融温度以上の温度と被密着部材33の熱変形温度以下の温度に別々に加熱しているため、樹脂成形体29を溶融温度以上に加熱した後、熱変形温度以下の被密着部材33に高温で密着させるという、実際の射出成形の形態とほぼ同様の形態で密着力の測定を行うことができ、より一層正確に密着力を測定することができる。 【0080】さらに、延長ロッド31の少なくとも恒温槽34内に位置する部分に断熱材36が設けられているので、恒温槽34内の温度が延長ロッド31を介して圧縮力検出部24及び引張力検出部26に伝達されて圧縮力検出部24及び引張力検出部26の温度が測定許容温度を超えることを防止することができ、正確に密着力を測定することができる。 【0081】このように、本実施の形態の密着力測定装置20によれば、樹脂成形体29と被密着部材33の密着力を容易に、かつ、より一層高精度に測定することができるとともに、温度、圧力及び被密着部材33等の因子を適宜変更して、これらの因子と密着力との関係をより一層正確に測定することができる。 【0082】なお、本実施の形態では、恒温槽34を樹脂成形体29の溶融温度以上の温度に加熱し、加熱プレート32により被密着部材33を当該被密着部材33の熱変形温度以下の所定温度に加熱しているが、密着力測定に際して制御する温度は、上記温度に限るものではなく、例えば、樹脂成形体29と被密着部材33を同一温度に加熱して、密着力を測定してもよい。 【0083】図13は、本発明の本発明の樹脂成形体の密着力測定装置の第3の実施の形態を示す図であり、本実施の形態は、待機位置に位置するときの樹脂成形体と被密着部材を別々の恒温槽内に位置させて、それぞれの恒温槽内で加熱するものである。 【0084】なお、本実施の形態は、上記第2の実施の形態と同様の密着力測定装置に適用したものであり、本実施の形態の説明においては、上記第2の実施の形態と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。 【0085】図13において、密着力測定装置40は、固定ダイプレート23上に第1恒温槽41と第2恒温槽42が可動ダイプレート23の移動方向、すなわち、上下方向に重なって配設されており、第1恒温槽41と第2恒温槽42は、仕切り部材43で仕切られている。少なくとも上側の第1恒温槽41は、図示しない温度制御装置により所定の広範囲で温度制御可能となっている。 【0086】第1恒温槽41と第2恒温槽42を仕切る仕切り部材43には、スライド式の開閉扉44が配設されており、開閉扉44が開かれることにより、樹脂成形体29の取り付けられた接続治具28の平板部28bが通過可能となっている。 【0087】上側の第1恒温槽41内には、待機時に樹脂成形体29の取り付けられた接続治具28の平板部28bが位置し、下側の第2恒温槽42内には、第2恒温槽42の下壁上に加熱プレート32が配設されている。第1恒温槽41の上壁には、接続治具28のアーム部28aの挿入された上記延長ロッド31の侵入する挿入穴41aが形成されており、アーム部28aの挿入された延長ロッド31が当該挿入穴41aを通して上下方向に移動可能となっている。加熱プレート32上には、被密着部材33が交換可能に固定される。 【0088】本実施の形態の密着力測定装置40では、樹脂成形体29の密着力の測定に際して、接続治具28の平板部28bに形成された樹脂成形体29を上側の第1恒温槽41内に位置させ、開閉扉44を閉じた状態で、第1恒温槽41で樹脂成形体29を樹脂成形体29の溶融温度以上に加熱するとともに、第2恒温槽42内の加熱プレート32上の被密着部材33を加熱プレート32により被密着部材33の熱変形温度以下の温度に加熱する。 【0089】このとき、第1恒温槽41と第2恒温槽は、仕切り部材43により仕切られているとともに、開閉扉44が閉じられているため、樹脂成形体29を均一に溶融温度以上に加熱することができ、また、第2恒温槽42内の被密着部材33を均一に熱変形温度以下の温度に加熱することができる。 【0090】次に、開閉扉44をスライドさせて開き、ダイプレート駆動機構により可動ダイプレート23を下方に移動させて、接続治具28の平板部28bに形成された樹脂成形体29を接続治具28とともに下方に移動させ、樹脂成形体29開閉扉44を通過させて第2恒温槽42内に侵入させて、第2恒温槽42内の加熱プレート32上に固定され熱変形温度以下の温度に加熱されている被密着部材33上に密着させる。 【0091】ダイプレート駆動機構により可動ダイプレート23を、さらに下方に移動させて、圧縮ロッド25の下板に固定された延長ロッド31により接続治具28の平板部28bを下方に押し、樹脂成形体29を被密着部材33に押圧して、樹脂成形体29に所定の押圧力を付与する。このときの圧縮圧力を圧縮力検出部24で検出する。 【0092】次に、ダイプレート駆動機構により可動ダイプレート23を、上方に移動させる。可動ダイプレート23が上方に移動されると、圧縮力検出部24とともに圧縮ロッド25、延長ロッド31、引張力検出部26及び引張ロッド27が上方に移動して、圧縮ロッド25に固定された延長ロッド31の下板が接続治具28の平板部28bから離れる。 【0093】さらに可動ダイプレート23を上方に移動させると、引張ロッド27の下板が接続治具28の上端に固定されたストッパー30に当接し、接続治具28と一体成形された樹脂成形体29を上方に引き上げようとする。 【0094】この状態でさらに可動ダイプレート23を上方に移動させると、樹脂成形体29と被密着部材33との剥離が開始され、そのときに発生する密着力を引張力検出部26により検出する。その後、樹脂成形体29と被密着部材33とが完全に剥離されると、密着力の測定を終了する。 【0095】このように、樹脂成形体29は、開かれた開閉扉44部分を通って、樹脂成形体29の溶融温度以上の温度に温度制御された第1恒温槽41から加熱プレート32により被密着部材33の熱変形温度以下の所定温度に加熱された第2恒温槽42へと連続的に移動され、通常の射出成形で樹脂が溶融温度以上に加熱されたシリンダーから熱変形温度以下に加熱された金型キャビティ内へ連続的に移動する状態と同様の状態を、第1恒温槽41と第2恒温槽42という2つの恒温槽41、42で再現した状態で移動されることとなる。その結果、実際の射出成形と同様の形態をより一層再現した状態で、樹脂成形体29と被密着部材33との密着力を検出することができ、より一層簡単に、かつ、より一層高精度に樹脂成形体29と被密着力33の密着力を測定することができる。 【0096】以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。 【0097】例えば、上記第2及び第3の実施の形態においては、恒温槽34、第1恒温槽41及び第2恒温槽42に内部の空気を対流させるファンを取り付けてもよい。このようにすると、恒温槽34、第1恒温槽41及び第2恒温槽42の内部の温度を均一にすることができ、密着力測定力の測定精度をより一層向上させることができる。 【0098】また、上記各実施の形態において、樹脂成形体10、29と被密着部材12、33との接触時及び剥離時の状態を、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラ等でモニタしてもよい。このようにすると、場所による剥離挙動の相違等を樹脂の成形にフィードバックすることができる。 【0099】 【発明の効果】請求項1記載の発明の樹脂成形体の密着力測定装置によれば、相互に接近する方向及び離隔する方向に移動される一対のプレス部材のうち、一方側に所定の接続部材を介して樹脂成形体を取り付け、他方のプレス部材に樹脂成形体と対向する状態で被密着部材を交換可能に取り付け、プレス手段によりプレス部材を近接する方向に移動させて樹脂成形体と被密着部材とを所定圧力で押圧させて、当該押圧力を圧縮力検出手段で検出し、温度制御手段により所定温度に加熱した後、所定温度に冷却して、プレス手段によりプレス部材を離隔する方向に移動して、樹脂成形体と被密着部材とを剥離させ、当該剥離時の樹脂成形体と被密着部材との密着力を引張力検出手段で測定しているので、被密着部材の密着面にエジェクタピンの挿入穴を形成することなく、樹脂成形体の密着力を精度良く、かつ、容易に測定することができ、密着力の要因(因子)を精度良く把握することができる。 【0100】請求項2記載の発明の樹脂成形体の密着力測定装置によれば、圧縮力検出手段を、一方のプレス部材に固定し、当該圧縮力検出手段に、樹脂成形体を被密着部材方向に押圧する圧縮部材を固定し、引張力検出手段を、当該圧縮部材に固定し、当該引張力検出手段に、樹脂成形体を被密着部材から離隔する方向に移動させる引張部材を固定し、当該引張部材に接続部材を介して樹脂成形体を取り付け、これら圧縮力検出手段、圧縮部材、引張力検出手段、引張部材及び接続部材を、少なくともプレス手段によりプレス部材が近接する方向に移動される際、引張力検出手段に荷重がかからない状態で、同一直線上に配設しているので、引張力検出手段の許容荷重に関わらず、密着力測定時に任意の大きさの圧縮力を負荷することができるとともに、樹脂成形体の押圧力に関わらず、適宜密着力に合わせた最適な分解能を備えた引張力検出手段を使用することができ、樹脂成形体の密着力をより一層高精度に測定することができる。 【0101】請求項3記載の発明の樹脂成形体の密着力測定装置によれば、温度制御手段として、少なくとも樹脂成形体と被密着部材とを覆い、所定の低温から高温までの広範囲で温度制御する恒温槽を用いているので、樹脂成形体と被密着部材の加熱・冷却時に、密着面と樹脂成形体の温度分布が生じるのを防止することができ、樹脂成形体の密着力をより一層高精度に測定することができる。 【0102】請求項4記載の発明の樹脂成形体の密着力測定装置によれば、樹脂成形体を、接続部材と一体成形しているので、密着力測定用サンプルの作製を容易なものとすることができるとともに、接続部材と樹脂成形体との接続の手間を省くことができ、樹脂成形体の密着力測定装置の利用性を向上させることができるとともに、樹脂成形体の密着力を高精度に測定することができる。 【0103】請求項5記載の発明の樹脂成形体の密着力測定装置によれば、相互に接近する方向及び離隔する方向に移動される一対のプレス部材のうち、一方側に所定の接続部材を介して樹脂成形体を取り付け、他方のプレス部材に樹脂成形体と対向する状態で被密着部材を交換可能に取り付け、樹脂成形体を樹脂成形体温度制御手段で所定温度に加熱し、被密着部材を被密着部材温度制御手段で所定温度に加熱した状態で、プレス手段によりプレス部材を近接する方向に移動させて樹脂成形体と被密着部材とを所定圧力で押圧させて、当該押圧力を圧縮力検出手段で検出した後、プレス手段によりプレス部材を離隔する方向に移動して、樹脂成形体と被密着部材とを剥離させ、当該剥離時の樹脂成形体と被密着部材との密着力を引張力検出手段で測定しているので、被密着部材の密着面にエジェクタピンの挿入穴を形成することなく、樹脂成形体と被密着部材を独立に温度制御して、実際の樹脂の射出成形と略同様の状態で樹脂成形体の密着力を測定することができ、樹脂成形体の密着力をより一層精度良く、かつ、容易に測定して、密着力の要因をより一層精度良く把握することができる。 【0104】請求項6記載の発明の樹脂成形体の密着力測定装置によれば、樹脂成形体温度制御手段を、樹脂成形体を覆うとともに、所定の低温から高温までの広範囲で温度制御する恒温槽で構成し、被密着部材温度制御手段を、恒温槽外に配設し、測定に際して、樹脂成形体温度制御手段である恒温槽内で樹脂成形体を所定温度に加熱し、恒温槽外の被密着部材温度制御手段で被密着部材を所定温度に加熱し、プレス手段によりプレス部材を介して恒温槽内の樹脂成形体を被密着部材方向に移動させて、恒温槽外の被密着部材に押圧させるので、樹脂成形体を短時間で均一に加熱することができ、樹脂成形体と被密着部材をより一層正確に密着させて、樹脂成形体の密着力をより一層精度良く、かつ、容易に測定して、樹脂成形体の密着力をより一層高精度に測定することができる。 【0105】請求項7記載の発明の樹脂成形体の密着力測定装置によれば、樹脂成形体温度制御手段と被密着部材温度制御手段を、それぞれ所定の低温から高温までの広範囲で温度制御する恒温槽で構成するとともに、プレス部材の移動方向に並んで配設し、測定に際して、樹脂成形体温度制御手段である恒温槽で樹脂成形体を所定温度に加熱し、被密着部材温度制御手段である恒温槽で被密着部材を所定温度に加熱し、プレス手段によりプレス部材を介して樹脂成形体温度制御手段である恒温槽内の樹脂成形体を被密着部材方向に移動させて、被密着部材温度制御手段である恒温槽内の被密着部材に押圧させているので、シリンダとキャビティを想定した温度の異なる2つの恒温槽の間を樹脂成形体を連続的に移動させて、樹脂成形体の密着力を測定することができ、実際の射出成形の形態により一層近似した形態で、樹脂成形体の密着力をより一層高精度に測定することができる。 【0106】請求項8記載の発明の樹脂成形体の密着力測定装置によれば、請求項8記載の発明は、圧縮力検出手段及び引張力検出手段を、樹脂成形体温度制御手段及び被密着部材温度制御手段から所定距離離れて配設するとともに、樹脂成形体温度制御手段及び被密着部材温度制御手段との間に所定の断熱層を配設しているので、樹脂成形体温度制御手段及び被密着部材温度制御手段の温度を高くした場合にも、圧縮力検出手段及び引張力検出手段が測定許容温度を超えることを防止することができ、樹脂成形体の密着力をより一層高精度に測定することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006747 【氏名又は名称】株式会社リコー
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)2月5日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−160228 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−39549 |
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