| 【発明の名称】 |
生化学自動分析装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】中野 清和
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| 【要約】 |
【課題】生化学自動分析装置で待機状態から測定を再開する場合の待ち時間を抑える。
【解決手段】特定分析項目格納部4は、一定時間以上前のセルブランク値でも採用可能な特定分析項目名を格納しており、測定順位決定部6は、測定開始時に登録された依頼項目名を入力し、状態判定部2の判定結果が分析稼働状態であるときは依頼項目の登録順に測定順序を決定し、状態判定部2の判定結果が待機状態であるときは依頼項目のうちで特定分析項目格納部4に格納されている分析項目は再度のセルブランク測定をしないですぐに測定を開始する優先測定項目とし、特定分析項目格納部4に格納されていない分析項目は再度のセルブランク測定を経た後に測定を開始する測定項目とするように優先順位をつけた測定順位を決定する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 繰返し使用される反応容器兼測光セルを備え、セル洗浄後、セルに水を収容して分析波長光でセルブランク値の吸光度を測定した後、試料と分析試薬からなる反応液をセル内に調製して、その試料中の目的成分を吸光光度測定法により定量する生化学自動分析装置において、この生化学自動分析装置が分析稼働状態であるか所定時間以上の待機状態であるかを判定する状態判定部と、一定時間以上前のセルブランク値でも採用可能な特定分析項目名を格納している特定分析項目格納部と、測定開始時に登録された依頼項目名を入力し、前記状態判定部の判定結果が分析稼働状態であるときは依頼項目の登録順に測定順序を決定し、前記状態判定部の判定結果が待機状態であるときは依頼項目のうちで前記特定分析項目格納部に格納されている分析項目は再度のセルブランク測定をしないですぐに測定を開始する優先測定項目とし、前記特定分析項目格納部に格納されていない分析項目は再度のセルブランク測定を経た後に測定を開始する測定項目とするように優先順位をつけた測定順位を決定する測定順位決定部と、を備えたことを特徴とする生化学自動分析装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は血液、血清(血漿)、尿などの生体試料成分の濃度を測定する生化学自動分析装置に関し、特に繰返し使用される反応容器兼測光セルを備え、セル洗浄後、セルに水を収容して分析波長光でセルブランク値の吸光度を測定した後、試料と分析試薬からなる反応液を調製してセルに収容し、その反応液中の目的成分を吸光光度測定法により定量する生化学自動分析装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】調製した反応液を反応容器兼測光セルに収容して吸光度測定法により試料中の目的成分を定量する生化学自動分析装置(反応セル直接測光型自動分析装置)では、複数の目的項目を同一セルを繰り返し使用して分析している。一つの試料の分析後、セルは洗剤や水洗浄処理により洗浄されるが、それでも試薬成分や反応生成物が付着して次の分析項目の定量に影響を与えることがある。そのため、洗浄後、セルに水を充填してそのセルを使用する次の分析項目の定量に使用される測定波長での吸光度を測定し、これをセルブランク値としてセルに付着した汚れを補正している。具体的には、セルブランク測定による吸光度を次の分析時の吸光度0としている。このセルブランク時の測定は、セルを駆動して行なわれるために、分析稼働中は常時実行され、この値はただちに次の分析項目の定量に使用される。このような分析動作の流れを図1にまとめて示してある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】生化学自動分析装置は待機状態に入るとセルの駆動は停止される。そのため、つぎに待機状態から測定を開始する場合は、待機状態になる前に測定したセルブランク値は測定を再開したときのものとは異なっている可能性がある。つまり、待機状態での時間経過や、セルを恒温に保つための反応槽内の状態の変化、例えば槽内の水の汚れや気泡の発生など、によって、セルの吸光度が変化していることがありうるのである。 【0004】そのため、通常は、測定再開時にセルの洗浄工程及びセルブランク値の測定を再度行った後に、分析項目の定量を開始するような制御方式を採用している。また、待機状態に入る前のセルブランク値を採用するか否かを待機時間の長さで判断する制御方式もある。待機状態以前のセルブランク値を採用するにしろ、再度セルブランク測定を行うにしろ、いずれの場合も分析項目によらず、一律に又は待機時間の長さによって判断している。 【0005】仮に、待機状態後に測定を再開する際に必ずセルブランク測定を再度行うものとすると、現行の生化学自動分析装置の構造では待機状態から最初の分析項目のサンプリングが開始されるまでに、図1に示される時間(ブランク水供給からセルブランク測定を経て試料サンプリングに至るまでの時間)をToとして2〜3分の時間が必要となる。その時間は、至急に分析しなければならない検体にとっては無駄な時間となる。本発明は生化学自動分析装置で待機状態から測定を再開する場合の待ち時間を抑えることができるようにすることを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明を図2に示す。本発明は、繰返し使用される反応容器兼測光セルを備え、セル洗浄後、セルに水を収容して分析波長光でセルブランク値の吸光度を測定した後、試料と分析試薬からなる反応液をセル内に調製して、その試料中の目的成分を吸光光度測定法により定量する生化学自動分析装置に関するものである。状態判定部2は、この生化学自動分析装置が分析稼働状態であるか所定時間以上の待機状態であるかを判定するものである。特定分析項目格納部4は、一定時間以上前のセルブランク値でも採用可能な特定分析項目名を格納しており、測定順位決定部6は、測定開始時に登録された依頼項目名を入力し、状態判定部2の判定結果が分析稼働状態であるときは依頼項目の登録順に測定順序を決定し、状態判定部2の判定結果が待機状態であるときは依頼項目のうちで特定分析項目格納部4に格納されている分析項目は再度のセルブランク測定をしないですぐに測定を開始する優先測定項目とし、特定分析項目格納部4に格納されていない分析項目は再度のセルブランク測定を経た後に測定を開始する測定項目とするように優先順位をつけた測定順位を決定する。 【0007】本発明の動作を図3のフローチャートを参照して説明する。分析稼働中は測定を終了した各セルについて洗浄処理を行い、次の分析のためのセルブランク値を測定し、その値をセルブランク値格納部に格納していく。セルブランク測定を行う測定波長は、そのセルで行われる次の分析項目が決まっている場合もあるが、緊急検体が割り込まされる場合もあるので、一般的には測定波長全域についてセルブランク測定を行い、その結果を格納することが行われている。 【0008】分析項目としてTA……TM,TN……TXの依頼が登録され、それぞれの分析項目のワークシートも登録されて測定開始が指示されると、状態判定部2がこの生化学自動分析装置が分析稼働状態であるか待機状態であるかを判定する。分析稼働状態である場合には登録した依頼項目順に測定順位を決定し、反応液を調整して測定を開始し、通常の動作にしたがって、反応液の測定値と格納されているセルブランク値を用いて定量計算を行い測定結果を出力する。 【0009】一方、測定開始が指示されたときに状態判定部2により待機状態であると判定された場合は、依頼項目のうちで特定分析項目格納部4に格納されている測定項目、例えばTMとTNについては、改めてセルブランク測定を行わないで優先測定を行うものとし、その他の分析項目については再度セルの洗浄からセルブランク測定を行った後に測定を行うものとする順位を決定する。その後、反応液を調整し、優先測定に指定された分析項目については待機状態に入る前に行われたセルブランク値を用いて直ちに測定を開始し、一方その他の順位に決定された分析項目については再度セルの洗浄からセルブランク測定を行った後に反応液を調製して測定を行い定量して測定結果を出力する。 【0010】待機状態に入ることによってセルブランク値が変化した場合に、測定条件によって定量結果に影響の現われるものと現われないものとがある。現在、生化学自動分析装置に採用されている測定法は、図4に示されるレート法、図5に示される2ポイント法(2Pa法、2Pb法)、及び図6に示される1ポイント法である。それぞれについてセルブランク値の変化の影響を検討すると以下のようになる。 【0011】レート法は図4に示されるように、試料(s)と第1試薬(R1)をセルに分注し、その後第2試薬R2を分注した後、一定の時間間隔で吸光度を測定していき、吸光度の時間変化を求める。この方法では濃度(又は活性値)Cは、次式のように反応速度(ΔA/Δt:単位時間当たりの吸光度変化)から求められる。 C={(ΔA/Δt)−(ΔAb/Δt)}Kここで、(ΔAb/Δt)は試薬ブランク値の時間的変化、Kは濃度換算係数である。この方法では、セルブランク値Acbが待機状態の前後で変わっても濃度(又は活性値)Cには影響を与えない。 【0012】2ポイント法のうちの2Pa法は、図5の上側に示されたものであり、試料(s)と第1試薬(R1)を分注後、第2試薬(R2)を分注し、その後2ポイントで吸光度Aa1とAa2を測定する。濃度(又は活性値)Cは次式により求められる。 C={(Aa2−Aa1)−Ab}Kこの方法はレート法と同様に吸光度変化を求める方式であるので、セルブランク値Acbが待機状態の前後で変わっても式中の(Aa2−Aa1)の計算の際に消去され、影響はない。 【0013】2ポイント法のうちの2Pb法は、図5の下側に示されたものであり、試料(s)と第1試薬(R1)を分注した後、1ポイント目の吸光度Ab1を測定し、その後第2試薬(R2)を分注し、その一定時間経過後に2ポイント目の吸光度Ab2を測定する。濃度(又は活性値)Cは次式により求められる。 C={(Aa2−Ab1・Vc)−Ab}KVcは1ポイント目と2ポイント目の吸光度測定の間で第2試薬が添加されることによって容積が変化することに伴う容積補正係数であり、Vc=(s+V1)/(s+V1+V2) と表わされる。ここで、V1は第1試薬の容積、V2は第2試薬の容積である。ここでは、Ab1にはVcがかかっているため、待機状態の前後でセルブランク値が変化すれば、待機状態の前のセルブランク値を使用すると濃度(又は活性値)Cの計算値に影響を与える。 【0014】1ポイント法は図6に示されるように、試料(a)と第1試薬(R1)を分注し、さらに第2試薬を分注した後、所定時間後に反応終点の吸光度Aを測定する。濃度(又は活性値C)は次式により求められる。 C=(A−Ab)Kこの方法では待機状態の前後でセルブランク値が変化すれば、待機状態の前のセルブランク値を使用すると吸光度Aを正しくもとめることができないため、濃度(又は活性値)Cの計算値に影響を与える。 【0015】ただし、待機状態が一定時間以上に及ぶ場合でも分析試薬条件や測定波長条件によってはセルブランク値が変化しない場合がある。セルブランク値が測定時間経過により変化するか否かは反応槽内の恒温水の純化システム、使用試薬の種類、周囲の温度条件、装置の保守条件などによって複雑にからみ合っており、経験的要素が強い。そのように、セルブランク値が変化しない場合には、1ポイント法や2Pb法でも、待機後、再度セルブランク測定を行なうことなしに直ちに測定を開始することができる。したがって、特定分析項目格納部4に格納される分析項目は、セルブランク値の変化が濃度(又は活性値)の測定値に影響しない測定方法であるか、または分析試薬条件や測定波長条件により待機時間の経過によってはセルブランク値が変化しないものが選ばれて格納される。 【0016】 【実施例】図7は本発明が適用される生化学自動分析装置の一実施例を示したものである。反応ディスク10の周りにセル12が配列され、反応ディスク10の近くにはターンテーブル14が設けられ、ターンテーブル14には検体、標準試料又は精度管理試料(これらを総称して検体等という)を収容したカップが並べられている。16は試料用分注器のサンプラーであり、その先端に設けられたノズルによりターンテーブル14上のカップから検体等を吸引し、セル12に注入する。18はサンプラー16に検体等を吸引し、セル12に注入するためのピペッタポンプと、検体等を脱気水で押し出すためのダイリュータポンプである。ターンテーブル14とピペッタポンプ・ダイリュータポンプ18はサンプラー制御CPU22及びインターフェース20を介してメインCPU24によって制御される。 【0017】セル12中で検体中の被検成分と反応させる分析試薬液をセル12に注入するために、分析試薬用分注器の第1試薬用ディスペンサ26aと第2試薬用のディスペンサ26b、及び試薬庫28が設けられている。試薬庫28に配列された試薬瓶からディスペンサ26a,26bによって分析試薬液が吸引され、セル12に注入される。30a,30bはそれぞれディスペンサ26a,26bで分析試薬液を吸引しセル12に注入するためのディスペンサポンプであり、ディスペンサ26a,26bとディスペンサポンプ30a,30bはディスペンサ制御CPU32とインターフェース20を介してメインCPU24により制御される。27a,27bはそれぞれ試薬分注後の試薬ディスペンサ26a,26bのノズル内の残留試薬の廃棄と同ノズルの水洗用のウエルである。 【0018】セル12に注入された検体と試薬を撹拌するために撹拌機構34が反応ディスク10の近くに設けられ、またセル12中の検体と試薬との混合液の反応を光学的に検出するために、反応ディスク10の近傍には往復動作可能な分光器36が設けられている。セル12の洗浄を行なうために、反応ディスク10の近くには洗浄機構38が設けられている。40は洗浄機構38のノズルからセル12に洗浄液を注入し回収するための洗浄ポンプである。洗浄機構38ではセル12内の反応液をまず吸引し、それらは図示しない廃液タンクに送られる。 【0019】撹拌機構34、洗浄機構38及び洗浄ポンプ40は反応部制御CPU42及びインターフェース20を介してメインCPU24によって制御される。分光器36の検出出力は、log変換及びA/D変換部44、並びにインターフェース20を介してメインCPU24に取り込まれる。46は恒温循環水の温度を一定に保つためのリザーバである。インターフェース20にはさらに、プリンタ48、キーボード50、CRT52及びフロッピーディスクドライブ54が接続されている。17は検体分注後のサンプラー16のノズルを洗浄するための水溢水ウエルである。 【0020】本発明の図2における状態判定部2、特定分析項目格納部4及び測定順位決定部6は、メインCPU24により実現され、インターフェイス20を介して各CPU22,32,42による動作が制御される。 【0021】 【発明の効果】本発明では、待機状態から測定を再開する際、一定時間以上前のセルブランク値でも採用可能な特定分析項目については、再度のセルブランク測定をしないですぐに測定を開始するように優先順位をつけた測定順位を決定するようにしたので、待機状態から測定を開始する機会の多い緊急検査において、分析項目によっては測定開始から2〜3分間のサンプリング開始に至る無駄な時間をなくして迅速な測定を行うことができるようになる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001993 【氏名又は名称】株式会社島津製作所
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月4日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】野口 繁雄
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| 【公開番号】 |
特開平11−23580 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月29日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−194938 |
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