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【発明の名称】 米品質評価装置の表示システム
【発明者】 【氏名】杉山 隆夫

【氏名】牧野 英二

【氏名】市川 友彦

【氏名】藤岡 定和

【氏名】森 泰一

【氏名】江守 元彦

【氏名】渡辺 利通

【氏名】藁科 二郎

【氏名】川中 道夫

【氏名】清水 昭佳

【氏名】松下 和樹

【要約】 【課題】経験の少ない人でも、サンプル米の総合的な評価を容易に判断することができる米品質評価装置の表示システムを提供する。

【解決手段】白米品質測定手段で得た白米サンプルの品質評価値と玄米品質測定結果および白米品質測定結果に基づくデータとから総合評価値を算出し、この総合評価値を表示させる。総合評価値としては、白米サンプル品質評価値と搗精の難易度と優良粒率とから算出表示させる。これにより、経験の少ない米の取扱者にとってもサンプル米の総合的な評価を容易に認識することができ、白米の品質評価に加えて、搗精が容易で搗精のための電気代が安価となるなどの利点や、精米することにより優良粒が増加するなどの利点も勘案されて、サンプル米が有する価値を容易かつ適切に知ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 精米部と、サンプル玄米の品質を測定する玄米品質測定手段と、サンプル白米の品質を測定する白米品質測定手段と、前記白米品質測定手段で得たサンプル白米の品質評価値と前記玄米品質測定結果および白米品質測定結果に基づくデータとから総合評価値を算出する演算手段と、この総合評価値を表示させる表示手段とを備えた米品質評価装置の表示システム。
【請求項2】 選別手段と、計重手段とを設け、玄米品質測定手段により測定した結果に基づいて、サンプル玄米から整粒を選別手段により選別するとともにサンプル玄米の所定粒数の重量とそのうちの整粒の重量とを計重手段により計測し、白米品質測定手段により測定した結果に基づいてサンプル白米の品質評価値を算出し、サンプル白米から完全粒を選別手段により選別するとともにサンプル白米の所定粒数の重量とそのうちの完全粒の重量とを計重手段により計測し、演算手段は、所定の搗精歩留まりに達するまでの同一サンプルに対する最終的な精米部の精米回数から搗精の難易度を算出し、白米の前記重量を玄米の前記重量で割った搗精歩留まりと前記完全粒の重量を前記整粒の重量で割った真性歩留まりとの比から優良粒率を算出し、これらの品質評価値と搗精の難易度と優良粒率とから総合評価値を算出し、表示手段により総合評価値を表示させる請求項1記載の米品質評価装置の表示システム。
【請求項3】 総合評価値と、玄米品質測定手段により測定した玄米測定結果と、白米品質測定手段により測定した白米品質測定結果とを、画面に編集併記して表示手段により表示させる請求項1または2に記載の米品質評価装置の表示システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は玄米および白米のサンプルの品質を測定して、その測定データを表示する米品質評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、玄米や白米のサンプルの品質を測定して、その測定データを参考にすることが徐々に行われつつある。例えば、農業組合など、生産者から籾や玄米などを購入する箇所では、玄米の品質を重要視する場合が比較的多く、一方、消費者に直接販売する販売店などでは、白米の品質を重要視する場合が多い。
【0003】これらの米の品質を測定する品質測定手段としては、外観的な品位を測定する外観品位測定手段と、内部的な品質を測定する内部品質測定手段とがある。外観品位測定手段としては、サンプル米に可視光線を照射して透過光と反射光とを計測し、これらの計測値に基づく演算にて色調分析を行い、サンプル米が玄米の場合には、正常な色の整粒、青味がかった未熟粒、虫食いなどにより黒色を帯びた被害粒、茶色を帯びた着色粒、透明度の無い死米、胴部分が割れている胴割粒等の品質測定を行い、サンプル米が白米の場合には、形の崩れていない完全粒、透明度の低い粉状質粒、砕かれたりして小さい形状の砕粒、虫食いなどにより黒色を帯びた被害粒、茶色を帯びた着色粒等の品質測定を行う構成のものが知られている。
【0004】また、内部品質測定手段としては、サンプル米に近赤外線を照射してサンプル米内部の各種の化学性分含有量を測定したり品質評価値を演算したりするなどして内部品質評価を行う構成のものが知られている。
【0005】このように、外観品位測定手段と内部品質測定手段とを設けて、これらの両測定手段により、玄米および白米の品質を測定するようにすれば、玄米および白米の両方の各種品質を知ることができるため、役立つ情報をユーザーに提供することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このように各種の測定結果の数値データを多数得て表示させても、これらの多数の数値データからその米の特徴や良否を認識することは、各数値データに対してそれぞれ判断力を有している熟練者でなければ難しいものであった。したがって、経験の少ない米の取扱者にとっては、測定結果としての情報量が多いにもかかわらず、そのサンプル米の総合的な評価さえ判断することができず、測定結果があまり役立たないおそれがある。
【0007】本発明は上記課題を解決するもので、経験の少ない人でも、サンプル米の総合的な評価を容易に判断することができる米品質評価装置の表示システムを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、精米部と、サンプル玄米の品質を測定する玄米品質測定手段と、サンプル白米の品質を測定する白米品質測定手段と、前記白米品質測定手段で得たサンプル白米の品質評価値と前記玄米品質測定結果および白米品質測定結果に基づくデータとから総合評価値を算出する演算手段と、この総合評価値を表示させる表示手段とを備えたものである。
【0009】また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載の米品質評価装置の表示システムにおいて、選別手段と、計重手段とを設け、玄米品質測定手段により測定した結果に基づいて、サンプル玄米から整粒を選別手段により選別するとともにサンプル玄米の所定粒数の重量とそのうちの整粒の重量とを計重手段により計測し、白米品質測定手段により測定した結果に基づいてサンプル白米の品質評価値を算出し、サンプル白米から完全粒を選別手段により選別するとともにサンプル白米の所定粒数の重量とそのうちの完全粒の重量とを計重手段により計測し、演算手段は、所定の搗精歩留まりに達するまでの同一サンプルに対する最終的な精米部の精米回数から搗精の難易度を算出し、白米の前記重量を玄米の前記重量で割った搗精歩留まりと前記完全粒の重量を前記整粒の重量で割った真性歩留まりとの比から優良粒率を算出し、これらの品質評価値と搗精の難易度と優良粒率とから総合評価値を算出し、表示手段により総合評価値を表示させるものである。
【0010】また、請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の米品質評価装置の表示システムにおいて、総合評価値と、玄米品質測定手段により測定した玄米測定結果と、白米品質測定手段により測定した白米品質測定結果とを、画面に編集併記して表示手段により表示させるものである。
【0011】上記請求項1記載の発明構成によれば、総合評価値が表示されるため、経験の少ない米の取扱者にとってもサンプル米の総合的な評価を容易に認識することができる。
【0012】上記請求項2記載の発明構成によれば、白米の品質評価に加えて、搗精の難易度や優良粒率も勘案された適切な総合評価値が表示される。上記請求項3記載の発明構成によれば、総合評価値と玄米測定結果と白米品質測定結果とを1度に見て比較することができるので、総合評価値を容易に認識することができるだけでなく、総合評価値が良かったり悪かったりした際の根拠となる結果も同時に認識することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図2は本発明の実施の形態にかかる米品質評価装置を概略的に示す図である。図2に示すように、測定しようとするサンプル米は投入供給部としてのホッパ11に投入され、分配装置12により測定系路13と精米系路14との2系統に分配される。
【0014】2系統のうちの一方の測定系路13は別の分配装置15によって更に2系統に分配され、一方は外観品位測定手段16へ接続され、他方は内部品質測定手段17へ接続される。また、前記2系統のうちの他方の精米系路14は精米部18に接続され、この精米系路14の途中に三方弁19を介装して計量系路20を分岐し、この計量系路20を計量器21に接続している。
【0015】外観品位測定手段16には搬送部22と検出部23と選別部24とが設けられており、外観品位測定手段16に供給されたサンプル米は、搬送部22によって一粒ずつ検出部23へ送られ、サンプル米に可視光線を照射して透過光と反射光とを計測し、これらの計測値に基づく演算にて色調分析を行う。そして、サンプル米の外観的等級を、玄米の場合には整粒、未熟粒、被害粒、着色粒、死米、胴割粒の6種類のランク、また白米の場合には完全粒、粉状質粒、砕粒、被害粒、着色粒の5種類のランクに判定し、選別部24にて各ランク毎に仕分けする。このとき、選別部24内のカウンタにて各ランクごとの粒数を計測するとともに、計量器25にて各ランク毎の粒重を計測する。上記計測値によって整粒割合をはじめとする各ランク毎の重量割合が算出される。
【0016】また、内部品質測定手段17においては、サンプル米に近赤外線を照射して非粉砕状態下で分光分析し、サンプル米内部の水分、タンパク、アミロース、脂肪酸度や内部品質評価値を測定する。内部品質評価値は、日本穀物検定協会の官能検査や理化学検査の基準に基づいて行われ、サンプル米の食味評価値、粘り値、硬さ値等から判定され算出される。
【0017】一方、精米部18には、精米負荷を大小変更しあるいは精米時間を長短変更できる精米強度変更装置26が設けられており、制御手段27の指令または外部からの入力操作によってこの精米強度変更装置26が所定の基準精米強度に調整されるようになっている。そして、精米部18にて精米されたサンプル米は計量器21で計量された後に、搬送系路28によって測定系路13へ送られる。この搬送系路28の途中には三方弁29が介装され、この三方弁29を切り替えることにより、計量器21にて計量されたサンプル米を測定系路13へ送るか、あるいは再度精米部18へ戻して精米工程を複数回行うことが可能とされている。
【0018】ここで、制御手段27は、外観品位測定手段16の測定データおよび内部品質測定手段17の測定データをそれぞれ読み取り、各データを記憶手段30へ記憶するとともに表示手段31へ随時表示する。また、制御手段27は、演算部27aを有しており、計量器21で計量されたサンプル米の初期重量と精米後の重量との比から精米歩留まりを演算し、精米強度変更装置26を調整することによって精米歩留まりを変更制御する。計量器21の計量データ、精米部18における精米歩留まり、精米強度変更装置26の制御出力等は記憶手段30へ記憶されるとともに表示手段31へ随時表示される。
【0019】しかして、米の品質測定を行うに際しては、玄米のサンプル米(サンプル玄米という)をホッパ11へ投入し、分配装置12によってこのサンプル玄米を測定系路13と精米系路14とに分配する。測定経路13に分配されたサンプル玄米は分配装置15により更に2系統に分配され、外観品位測定手段16と内部品質測定手段17とに送られて、前述したように外観的品質および内部的品質が測定され、サンプル玄米の各測定データが表示手段31へ表示されるとともに記憶手段30へ記憶される。
【0020】一方、精米系路14に分配されたサンプル玄米は、まず計量系路20を経て計量器21へ送られ、その初期重量を測定された後に精米手段18にて精米される。精米後の白米のサンプル米(サンプル白米という)は計量器21にて計量され、前述したように精米歩留まりを演算する。この精米歩留まりが目標値に達していない場合は、サンプル白米を精米手段18へ戻して再度精米処理を行う。
【0021】そして、目標の精米歩留まりに達した白米は搬送系路28から測定系路13へ送られる。しかる後は、サンプル玄米の場合と同様にして、サンプル白米を外観品位測定手段16と内部品質測定手段17とにおいてそれぞれ品質測定し、各測定データおよび総合評価値が表示手段31へ表示されるとともに記憶手段30へ記憶される。
【0022】したがって、すべての測定が完了した時点では、図1に示すように、表示手段31において、外観品位および内部品質に関するサンプル玄米の測定データとサンプル白米の測定データと総合評価値とが単一画面もしくは連続画面(スクロール処理により連続的に視認できる画面)に表示される。
【0023】具体的には、表示手段31の表示画面における上端部に、サンプル番号、銘柄、生産年、産地、等級が表示され、表示画面における上部左側に、精米測定欄として精米後の白米の重量、歩留まり(精米後の白米の重量/精米前の玄米の重量)、精米回数、真性歩留まり(白米の完全粒の重量/玄米の整粒の重量)がそれぞれ数値データで示されるとともに歩留まりが円グラフで表示され、表示画面における上部中央に、サンプル玄米の内部品質欄として、玄米の水分、タンパク、アミロース、脂肪酸度、品質評価値がそれぞれ数値データで示されるとともに水分、タンパク、アミロース、および内部品質評価値がそれぞれレーダーチャートとして関連付けて図形表示され、さらに、表示画面における上部右側に、サンプル玄米の外観品位欄として、サンプル玄米の整粒、未熟粒、胴割粒、被害粒、着色粒、死米の割合が数値および円グラフで表示される。
【0024】また、表示手段31の表示画面下部における中央に、サンプル白米の内部品質欄として、白米の水分、タンパク、アミロース、脂肪酸度、品質評価値がそれぞれ数値データで示されるとともに水分、タンパク、アミロース、および内部品質評価値がそれぞれレーダーチャートとして関連付けて図形表示され、さらに、表示画面下部における右側に、サンプル白米の外観品位欄として、サンプル白米の整粒、未熟粒、胴割粒、被害粒、着色粒、死米の割合が数値および円グラフで表示される。
【0025】そして、表示手段31の表示画面下部における左側に総合評価値が表示される。この場合に、総合評価値は、サンプル白米品質評価値と、所定の搗精歩留まりに達するまでの同一サンプルに対する最終的な精米部18の精米回数から算出された搗精の難易度と、後述する優良粒率とから以下の式で算出される。
【0026】総合評価値=(サンプル白米品質評価値+搗精難易度)×優良粒率搗精の難易度は、搗精が容易に行える場合ほど値が大きくなるように、たとえば、基準の精米回数を最終的な精米回数で引き、一定係数を掛けることにより算出され、基準の精米回数が3回に予め設定されており、最終的な精米回数が6回であった場合には、搗精の難易度は(3−6)×2=−6と算出される。
【0027】優良粒率は、千粒のサンプル白米の重量を千粒のサンプル玄米の重量で割った搗精歩留まりと、前記千粒のサンプル白米から選別された完全粒の重量を前記千粒のサンプル玄米から選別された整粒の重量で割った真性歩留まりとの比(すなわち、優良粒率=(完全粒の重量/整粒の重量)÷(サンプル白米重量/サンプル玄米重量))から算出される。図1に示すように、サンプル白米の千粒重が19.5g、サンプル玄米の千粒重が22.3g、そのうちの完全粒の重量が17.5g、整粒の重量が19.0gである場合には、以下の計算式(17.5/19.0)÷(19.5/22.3)≒1.05から優良粒率1.05が算出される。
【0028】そして、これらのデータに基づいて以下の計算式(75−6)×1.05≒72から、総合評価値72点が算出される。
【0029】このように、各種の測定結果が表示されるだけでなく、総合的で単一の総合評価値が表示されるため、この総合評価値を視認することで、経験の少ない米の取扱者にとってもサンプル米の総合的な評価を容易に認識することができる。そして、総合評価値として、サンプル米の食味評価値、粘り値、硬さ値等に相関性があるサンプル白米品質評価値と、搗精の難易度と、優良粒率との積から算出されるため、そのサンプル米の食味評価等に関するデータに加えて、精米処理に際しての、搗精の容易さと優良な白米がより多く得られる度合いとが勘案されながら、そのサンプル米の付加価値が総合的に得られることとなる。
【0030】さらに、総合評価値と玄米測定結果と白米品質測定結果とを1度に見て比較することができるので、総合評価値を容易に認識することができるだけでなく、総合評価値が良かったり悪かったりした際の根拠となる測定結果も同時に認識することができ、経験の少ない米の取扱者および熟練者にとっても有益な情報を得ることができる。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、白米品質測定手段で得たサンプル白米の品質評価値と玄米品質測定結果および白米品質測定結果に基づくデータとから総合評価値を算出し、この総合評価値を表示させることにより、経験の少ない米の取扱者にとってもサンプル米の総合的な評価を容易に認識することができ、米品質評価装置の利用価値を向上させることができる。
【0032】また、サンプル白米品質評価値と搗精の難易度と優良粒率とから総合評価値を算出して表示させることにより、サンプル白米の品質評価に加えて、搗精が容易で搗精のための電気代が安価となるなどの利点や、精米することにより優良粒が増加するなどの利点も勘案されて、サンプル米が有する価値を容易かつ適切に知ることができる。
【0033】また、総合評価値と玄米測定結果と白米品質測定結果とを画面に編集併記して表示させることにより、総合評価値を容易に認識することができるだけでなく、総合評価値が良かったり悪かったりした際の根拠となる結果も同時に認識することができて、各測定データと総合評価値とを対比することから米の性質を知る手助けとなり、さらに米品質評価装置の利用価値を向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000195568
【氏名又は名称】生物系特定産業技術研究推進機構
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【識別番号】000129884
【氏名又は名称】株式会社ケット科学研究所
【識別番号】000197344
【氏名又は名称】静岡製機株式会社
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成9年(1997)6月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
【公開番号】 特開平11−23562
【公開日】 平成11年(1999)1月29日
【出願番号】 特願平9−172671