| 【発明の名称】 |
光学活性化合物の分析法およびそれを用いた光学活性化法の評価方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】老川 幸
【氏名】國政 誠也
【氏名】織田 佳明
【氏名】河村 憲男
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| 【要約】 |
【課題】化学組成と光学純度との分析法、特に光学活性化法の汎用的、迅速な評価方法を提供すること。
【解決手段】アキラルなカラムを装着した高速液体クロマトグラフィー装置に化学組成検出器と旋光度検出器とを組合わせて用い、試料の化学組成と光学純度とを測定することを特徴とする分析法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】アキラルなカラムを装着した高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLC)装置に化学組成検出器と旋光度検出器とを組合わせて用い、試料の化学組成と光学純度とを測定することを特徴とする分析法。 【請求項2】化学組成検出器が、紫外可視分光検出器(以下、UV検出器と称す。)または示差屈折検出器(以下、RI検出器と称す。)である請求項1記載の分析法。 【請求項3】HPLCにおいて、アキラルなカラムを使用して分離した成分について、化学組成検出器としてUV検出器またはRI検出器を使用して含量測定を行い、得られた含量と旋光度検出器により得られた値から光学純度を測定することを特徴とする分析法。 【請求項4】アキラルなカラムが、イオン交換カラム、逆相カラムまたは順相カラムである請求項1記載の分析法。 【請求項5】アキラルなカラムとして逆相カラムを使用し、酸性化合物の試料へは移動相への酸添加による解離抑制、塩基性化合物の試料へは移動相へのペアードイオンクロマトグラフィー試薬添加によるイオン対形成を行って極性化合物の試料を分析する請求項1記載の分析法。 【請求項6】試料が、媒体中で分割対象となる化合物(以下、分割対象化合物と称す。)に対し、ジアステレオマー塩を形成する光学活性体(以下、光学分割剤と称す。)を作用させ、生成したジアステレオマー塩の溶解度差を利用して光学分割を行う方法(以下、ジアステレオマー塩法と称す。)におけるジアステレオマー塩の生成した媒体中の液体部分である請求項1記載の分析法。 【請求項7】試料が、媒体中で分割対象化合物に対し、酵素を作用させ分割対象化合物の各々の光学活性体に対する酵素の反応性の差を利用して光学分割を行う方法(以下、酵素法と称す。)において、酵素を作用させた後の溶液である請求項1記載の分析法。 【請求項8】試料が、不斉合成法によって得られる反応溶液である請求項1記載の分析法。 【請求項9】ジアステレオマー塩法において、手動または自動による光学分割剤の仕込後、溶媒仕込、攪拌による分割剤の溶解、分割対象化合物の仕込、攪拌による分割剤と分割対象化合物との混合、溶媒の追加仕込、加熱、冷却、ろ過による媒体中の液体部分の採取および希釈・固相抽出の分析前処理を自動化処理して請求項1記載の分析法を用いて光学分割評価をすることを特徴とする光学分割剤の評価方法。 【請求項10】ジアステレオマー塩法において、分割対象化合物の濃度を10重量%以下、光学分割剤と分割対象化合物のモル比が1:10〜9:10の範囲でジアステレオマー塩法を行い、液体部分の分析結果から、生成したジアステレオマー塩の生成量を算出する際、下記式(1)で示す計算式により、溶液の体積を、溶液中の溶媒成分単独の体積と等しいと近似することを特徴とする請求項9記載の光学分割剤の評価方法。 式(1):溶液の体積(ml)=[溶液全体の質量(g)−光学分割剤の質量(g)−分割対象化合物の質量(g)]÷[溶媒の分析時の温度における密度(g/ml)] 【請求項11】ろ過の直後に、生成したジアステレオマー塩が容易に溶解する溶媒で配管内を自動洗浄し、その後、媒体として使用する溶媒で配管内を自動洗浄する請求項9または10記載の光学分割剤の評価方法。 【請求項12】酵素法において、手動または自動による酵素の仕込後、溶媒仕込、攪拌による酵素の溶解、分割対象化合物の仕込、攪拌による酵素と分割対象化合物との混合、溶媒の追加仕込、加熱、冷却、ろ過による媒体中の液体部分の採取および希釈・固相抽出の分析前処理を自動化処理して請求項7記載の分析法で光学分割評価をすることを特徴とする光学分割用酵素の評価方法。 【請求項13】不斉合成法において、手動または自動による不斉触媒の仕込後、溶媒仕込、攪拌による不斉触媒の溶解、分割対象化合物の仕込、攪拌による不斉触媒と分割対象化合物との混合、溶媒の追加仕込、加熱、冷却、ろ過による媒体中の液体部分の採取および希釈・固相抽出の分析前処理を自動化処理して請求項8記載の分析法を用いて光学分割評価をすることを特徴とする不斉合成用触媒の評価方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、化学組成と光学純度とを測定する分析法に関し、特に光学活性化法の汎用的で迅速な評価方法に関する。 【0002】 【従来の技術】光学活性化法としては、(1)媒体中で、分割対象化合物に対しジアステレオマー塩を形成する光学分割剤を作用させ、生成したジアステレオマー塩の溶解度差を利用して光学分割を行うジアステレオマー塩法、(2)媒体中で、分割対象化合物に対し酵素を作用させ、分割対象化合物の各々の光学活性体に対する酵素の反応性の差を利用して光学分割を行う酵素法、(3)不斉触媒を使用する反応により、光学活性な化合物を合成する不斉合成法、等が知られている。しかし、上記のどの方法においても、所望の光学純度や収率を得るためには、多くの時間と労力を必要としていた。 【0003】例えば、ジアステレオマー塩法において、光学分割によって得られる分割対象化合物を優れた光学純度・収率で得るためには、分割対象化合物に最適な光学分割剤を選択することが、重要である。従来、最適な光学分割剤を選択するための実験方法は、手動により、分割対象化合物と光学分割剤、溶媒の仕込を行い、温度変化や低極性溶媒の添加を始めとする種々の方法により、ジアステレオマー塩を析出させ、得られたジアステレオマー塩をろ過後、酸または塩基により分割対象化合物と光学分割剤とに分離し、分離後の分割対象化合物について、液体クロマトグラフィー等により分析を行い、光学分割剤の性能評価を行ってきた。しかし、光学分割剤の評価のための一連の操作は、多大な人手と時間を要するという問題があった。 【0004】また、結晶のろ過等の操作上のロスが発生するため、精度の高い実験を行うためには、ある程度の析出結晶量が得られるスケールで行うことが必要であり、一般的に高価な光学分割剤を使用することを考慮すると、多種類の分割剤の評価を行うことはコストがかかりすぎるという問題があった。酵素法の場合にも、ジアステレオマー塩法の場合と同様に酵素の基質特異性が高いため、分割対象化合物に最適な酵素を選択するためには、多大な人手と時間を要していた。また、不斉合成の場合にも、最適の不斉触媒を探索するためには、ジアステレオマー塩法や酵素法と同様多大の人手と時間を要していた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、光学活性化法において、簡易で汎用的な分析評価法を提供するものであって、媒体の液体部分の分析をすることにより実験結果としての光学純度や収率を算出することができ、実験の小スケール化を可能にし、また実験を自動化することにより、実験に必要な人手と時間を大幅に低減させることができる光学活性化の迅速な評価システムを提供しようとするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、アキラルなカラムを装着した高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと称す。)装置に化学組成検出器と旋光度検出器とを組合わせて用い、試料の化学組成と光学純度とを測定する分析法を提供すると共に、それを用いる光学活性化法の評価方法を提供するものである。以下、本発明を詳細に説明する。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明で使用する分析装置としては、光学活性体の分析における感度と汎用性の点から、高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと称す。)を用いるものであるが、化学組成が分析できるものであれば他の分析機器を用いることもできる。アキラルなカラムとしては、例えばイオン交換カラム、逆相カラム、順相カラム等が挙げられる。化学組成を検出する機器としては、例えば、紫外可視分光検出器(以下、UV検出器と称す。)、示差屈折検出器(以下、RI検出器と称す。)等が挙げられる。光学純度を測定する機器としては通常、旋光度検出器が挙げられる。本発明の分析法を前記の光学活性化法に適用する場合には、自動化装置と組合わせて使用することにより労力を大幅に削減することができ望ましい。 【0008】光学活性化法としては、一般にジアステレオマー塩法、酵素法、不斉合成法等が挙げられる。まず、ジアステレオマー塩法における光学分割剤の評価方法について説明する。本発明で用いるジアステレオマー塩法では、通常、分割対象となる化合物(以下、分割対象化合物と称す。)とジアステレオマー塩を形成する光学活性体(以下、光学分割剤と称す。)を溶媒に溶かし、生成したジアステレオマー塩をろ過して得られるろ液を分析することによって光学分割剤の評価を行う。従来のジアステレオマー塩の分析法は、生成したジアステレオマー塩をろ過して得られるろ液を分析する前に、ろ液中の光学分割剤を塩分解処理や固相抽出処理により分離除去する等の前処理を行った後で、キラルカラムを接続したHPLC等により分析を行う方法であった。本発明においては、光学分割剤が存在するろ液の場合でも、上記のようなろ液の前処理を必要とせずに分析できるところに一つの特徴を有するものである。すなわち、光学分割剤の存在するろ液の分析において、例えば、HPLCにイオン交換カラムを装着し、検出器としてUV検出器と旋光度検出器を用いることによって、試料のろ液の組成と光学純度とを測定することが可能となるのである。ジアステレオマー塩法において、分割対象化合物の濃度は、10重量%以下が好ましく、光学分割剤と分割対象化合物のモル比が1:10〜9:10の範囲が好ましい。 【0009】また、自動化装置を使用することで、光学分割剤の手動による仕込後、「溶媒の仕込→光学分割剤の溶解のための攪拌→分割対象化合物溶液の仕込→分割対象化合物と光学分割剤との混合のための攪拌→析出のための操作(温度調節や低極性溶媒の添加、等)→媒体の液体部分の採取→採取液のろ過(混入結晶の除去)→希釈→[必要に応じて固相抽出等の分析前処理]→高速液体クロマトグラフィー等による分析」を自動で行い、実験に必要な人手を大幅に低減させると共に、液体部分の分析を行うことで、実験の小スケール化を可能にした。通常、液体部分の分析値から、生成したジアステレオマー塩の組成や生成量を算出する場合は、溶液の体積を測定することが必要となる。この点、本発明においては、液体部分の分析結果から生成したジアステレオマー塩の生成量を算出する際、下記式(1)で示す計算により、溶液の体積を溶液中の溶媒成分単独の体積と等しいと近似することで光学分割剤の性能評価に問題のない精度での実験を可能とするものである。 式(1):溶液の体積(ml)=[溶液全体の質量(g)−光学分割剤の質量(g)−分割対象化合物の質量(g)]÷[溶媒の分析時の温度における密度(g/ml)] 【0010】また、従来の実験においては、ろ過が可能な自動化装置であっても、ろ過の対象は、HPLCの分析前の肉眼で判別不可能な程度の極微少な固体粒子を含む溶液が通常であり、本発明で行われている様なジアステレオマー塩が懸濁して存在する液体のろ過といった目的で使用された例は見られない。本発明では、ジアステレオマー塩の懸濁液のろ過による配管やバルブの閉塞を防止するために、ろ過の直後にジアステレオマー塩が容易に溶解する溶媒で配管を洗浄すると共に、配管内に残存する溶媒が次のサンプルのろ過に与える影響を回避するために、ジアステレオマー塩の生成に使用した溶媒で、再度配管内を洗浄することが好ましい。 【0011】本発明を酵素法に適用する場合にも、ジアステレオマー塩法と同様に行うことができる。すなわち、自動化装置を使用することで、酵素の手動による仕込後、「溶媒の仕込→酵素の溶解のための攪拌→分割対象化合物溶液の仕込→分割対象化合物と酵素との混合のための攪拌→反応のための操作(温度調節や攪拌、等)→反応溶液の液体部分の採取→採取液のろ過(混入固体の除去)→希釈→[必要に応じて固相抽出等の分析前処理]→液体クロマトグラフィー等による分析」を自動で行い、実験に必要な人手を大幅に低減させると共に、液体部分の分析を行うことで、実験の小スケール化を可能にした。通常、液体部分の分析値から、反応液中の光学活性体の生成量を算出する場合は、溶液の体積を測定することが必要となる。しかし、本発明においては、液体部分の分析結果から反応液中の光学活性体の生成量を算出する際、式(2)で示す計算により、溶液の体積を溶液中の溶媒成分単独の体積と等しいと近似することで光学分割剤の性能評価に問題のない精度での実験を可能とするに至った。 式(2):溶液の体積(ml)=[溶液全体の質量(g)−酵素の質量(g)−分割対象化合物の質量(g)]÷[溶媒の分析時の温度における密度(g/ml)] また、ろ過が可能な自動化装置であっても、ろ過の対象は、HPLCの分析前の肉眼で判別不可能な程度の極微少な固体粒子を含む溶液が通常である。本発明では、溶媒に溶解する酵素を使用する場合は問題ないが、固体に担持した酵素を使用する場合は、担持酵素が反応液中に懸濁して存在することとなり、このような液体のろ過といった目的で自動化装置が使用された例は見られない。本発明では、固体に担持した酵素のろ過による配管やバルブの閉塞を防止するために、ろ過の直後に反応に使用した溶媒で、2回以上配管内を洗浄するのが好ましい。 【0012】本発明を不斉合成法に適用する場合にも、ジアステレオマー塩法と同様に行うことができる。すなわち、自動化装置を使用することで、不斉触媒の手動による仕込後、「溶媒の仕込→不斉触媒の溶解のための攪拌→分割対象化合物原料溶液の仕込→分割対象化合物の原料と不斉触媒との混合のための攪拌→反応のための操作(温度調節や攪拌、補触媒の追加、等)→反応溶液の液体部分の採取→採取液のろ過(混入固体の除去)→希釈→[必要に応じて固相抽出等の分析前処理]→高速液体クロマトグラフィー等による分析」を自動で行い、実験に必要な人手を大幅に低減させると共に、液体部分の分析を行うことで、実験の小スケール化を可能にした。通常、液体部分の分析値から、反応液中の光学活性体の生成量を算出する場合は、溶液の体積を測定することが必要となる。しかし、本発明においては、液体部分の分析結果から反応液中の光学活性体の生成量を算出する際、式(3)で示す計算により、溶液の体積を溶液中の溶媒成分単独の体積と等しいと近似することで不斉触媒の性能評価に問題のない精度での実験を可能とするものである。 式(3):溶液の体積(ml)=[溶液全体の質量(g)−不斉触媒の質量(g)−分割対象化合物原料の質量(g)]÷[溶媒の分析時の温度における密度(g/ml)] 【0013】本発明に使用する自動化装置は特に限定されないが、重量の測定と記録、液体の仕込、希釈、攪拌、ろ過、高速液体クロマトグラフィー等の分析装置への自動サンプル注入、温度調節等、ができるものであれば適宜使用できる。 【0014】 【発明の効果】本発明によれば、サンプルの化学組成と光学純度とを簡便に測定することができ、特に光学活性化法において、実験の小スケール化を可能にし、実験操作を自動化することにより、時間と労力の大幅な削減ができる。 【0015】 【実施例】以下、本発明を実施例をあげてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下、ジアステレオマー塩法の実施例をあげて説明する。本実施例では、自動化装置として、Zymark社製BenchMateIIを使用し、分析装置としては、島津製作所製液体クロマトグラフィー装置LC−10Aシステムを使用した。また、温度調節用の恒温槽としては、東京理化器械製のプログラム恒温循環装置PCC−7000を使用した。まず、装置の接続状況を図1を用いて説明する。 【0016】自動化装置と分析装置とは、通常のHPLC送液ライン上のポンプ、BenchMateIIのサンプル自動注入部およびオートインジェクターの間を直列に接続して使用している。サンプル自動注入部からは、HPLCのシステムコントローラーへ注入時にスタート信号が送信されることで、自動化装置と分析装置とが同時に動作するように設定されている。また、HPLC用溶媒ビン、およびBenchMateIIのサンプルは、各々独立した温度調節ラックにより設定温度に保温することが可能で、プログラム恒温循環装置を使用することにより、プログラムによる複雑な温度設定が可能となる。図1における検出器は、一例としてUV検出器を使用しているが、この部分を旋光度検出器や屈折率検出器等の各種検出器に置き換えたり、2種以上の検出器をライン上に直列に接続することで、濃度と旋光度とを同時に測定することが可能である。 【0017】実験手順を図2のフローで説明する。 1)プログラムの作成IBP−PC互換機上のMS−DOSで動作するBenchMateIIのプログラム作成ソフトウェアで実験用のプログラムを作成し、フロッピーディスクに保存する。プログラムの一例を図2に示す。このフロッピーディスクには、BenchMateIIが動作中に測定した重量も記録され、パソコン上で動作する表計算ソフトウェアで読み取ることが出来る。なお、これらのProcedureは、一つのフロッピーディスクに保存して使用することも出来るし、各々のProcedureを分割して複数のフロッピーディスクに保存して使用することも出来る。ただし、複数のフロッピーディスクに分割して保存した場合は、一つのフロッピーディスクに保存されたProcedureが終了した時点で、手動でフロッピーディスクを交換し、その都度BenchMateIIのLOADボタンを押す必要がある。 【0018】2)サンプルチューブの重量測定テフロン製の専用キャップを装着した16mmφ×100mmのガラス製試験管(以降、サンプルチューブ)を、評価を行う光学分割剤の数だけ用意し、BenchMateIIのサンプルラックにセットする。プログラムを保存したフロッピーディスクをBenchMateIIのフロッピーディスクドライブに挿入し、BenchMateIIのLOADボタンを押して装置をスタートさせる。装置は、サンプルチューブの重量測定後、自動的に停止する。 【0019】3)光学分割剤仕込評価を行う光学分割剤を各々0.5mmol仕込み、重量を記録する。この際、この実施例では手動にて仕込みを行っているが、固体の光学分割剤を実験で使用する溶媒に溶解させることで、市販の溶媒分注装置により、光学分割剤の自動仕込みを行うことが出来る。 【0020】4)溶媒仕込BenchMateIIのCONTボタンを押して、装置を再スタートさせる。評価を行う溶媒4mlをプログラムにより自動的に各サンプルチューブに仕込む。(この際、使用する溶媒は、単独でも、複数の溶媒でも、プログラムにより設定できる。) 【0021】5)攪拌光学分割剤の溶解のため、プログラムにより設定した時間、各サンプルチューブを攪拌する。通常の設定時間は30秒である。 【0022】6)分割対象化合物仕込指定の濃度(通常0.25mmol/ml)に調製した分割対象化合物溶液を、プログラムにより設定した量(通常4ml)各サンプルチューブに仕込む。 【0023】7)攪拌光学分割剤と分割対象化合物の混合のため、プログラムにより設定した時間(通常30秒)、各サンプルチューブを攪拌する。 【0024】8)静置・攪拌各サンプルを、プログラムにより設定した時間×サンプルチューブ数(合計1時間以上)静置と攪拌を繰り返す。(この際、各サンプルチューブの攪拌を行わない設定もできる。) 【0025】9)攪拌各サンプルの液体部分の採取のため、各サンプルチューブをプログラムにより設定した時間(通常30秒)攪拌し、液体部分の濃度を均一にする。なお、この攪拌は、析出結晶を浮遊させることで、サンプル採取時に、装置内の配管の目詰まりを抑制する効果もある。 【0026】10)サンプリングおよびろ過結晶が浮遊する液体部分をプログラムにより設定した量(通常3ml)サンプリングし、サンプリングした液体部分に混入する結晶を除去するため、プログラムにより設定した量(通常2.5ml)ろ過する。 【0027】11)希釈・固相抽出等の分析前処理ろ過後のサンプリング液について、分析可能な濃度にするために、プログラムにより設定した希釈率で希釈する。また、光学分割剤と分割対象化合物とを分離する必要がある場合は、固相抽出等により、一方の成分のみを回収する操作を行う。 【0028】12)HPLC分析上記分析前処理が終了したサンプルを、プログラムにより設定した時間毎に、HPLCへ自動的に注入する。分析システムの一例を図3に示す。 【0029】13)実験の評価得られた分析結果から、分割対象化合物の光学純度を求め、実験の評価を行う。 以上の操作のプログラム例を以下に示す。 【0030】 [Procedure1] Zymark BenchMate Procedure:ADDITION OF SOLVENT Step 1:Add 4ml of MTBE Step 2:Voltex for 30seconds at speed 1 Step 3:END[Procedure2] Zymark BenchMate Procedure:ADDITION OF RACEMATE Step 1:Add 4ml of RACEMATE Step 2:Voltex for 30 seconds at speed 1 Step 3:END[Procedure3] Zymark BenchMate Procedure:CRYSTALLIZATION Step 1:Voltex for 30seconds at speed 1 Step 2:Pause 10minutes Step 3:END[Procedure4]Zymark BenchMate Procedure:FILTRATION + LC Step 1:Vortex for 30 seconds at speed 1 Step 2:Filter 3.0ml of sample into next tube Step 3:Rinse filter holder with 5ml of MTA Step 4:Rinse filter holder with 2ml of MTBE Step 5:Transfer 0.5ml into next tube Step 6:Add 9ml of TEP Step 7:Vortex for 30 seconds at speed 1 Step 8:Inject sample on LC with run time of 52minutes Step 9:Wash LC injector with 10ml of MTA Step 10:Wash LC injector with 2ml of MTBE Step 11:Wash syringe with 10ml of MTA Step 12:Wash syringe with 2ml of MTBE Step 13:END【0031】註)MTBE:メチル t-ブチル エーテルMTA :メタノールTEP:トルエンHPLC:高速液体クロマトグラフィー【0032】ジアステレオマー塩法において、分割対象化合物が、アミン、光学分割剤が酸の場合の分析条件の一例を以下に示す。 分析条件1.分割対象化合物分析(陽イオン分析用カラム;アミン用) LC装置 :島津LC−10AT カラム :SUMlPAX lON A−10 4.6mmφ×30cm、10μm 流量 :1m1/分 カラム温度:40℃ 注入量 :2μl(5mg/mlメタノール) 移動相 :(A)50mM KH2PO4(pH3.5)、 (B)アセトニトリル、 (A)/(B)=90/10 検出器 :(UV検出器) 検出波長…UV254nm インテグレータ条件…(島津C−R7A) WlDTH=10,SLOPE=500,DRIFT=0, MlN.AREA=1000,T.DBL=0, STOP TM=40,ATTEN=2,SPEED=5 (旋光度検出器)Shodex OR−2 測定波長…450nm、青色発光ダイオード セル長…50mm セル容量…40μl レスポンス…STD 光学系温調…ON(35℃) 出力…1V/FS(インテグレーター) インテグレーター条件…(島津C‐R6A) WlDTH=10,SLOPE=500,DRlFT=0, MlN.AREA=1000,T.DBL=0, STOP TM=40,ATTEN=2,SPEED=5【0033】 分析条件2.光学分割剤分析(陰イオン分析用カラム;酸用) LC装置 :島津LC−10AT カラム :SUMIPAX ION B−10 4.6mmφ×30cm、10μm 流量 :1ml/分 カラム温度:40℃ 注入量 :2μl(5mg/mlメタノール) 移動相 :(A)50mM KH2PO4(pH3.5) (B)アセトニトリル、 (A)/(B)=95/5 検出器 :(UV検出器) 検出波長…UV254nm インテグレーター条件…(島津C−R7A) WlDTH=10,SLOPE=500,DRlFT=0, MlN.AREA=1000,T.DBL=0, STOP TM=40,ATTEN=2,SPEED=5【0034】光学純度の求め方を以下に示す。信号として検出されるVo(光強度の差信号)は、旋光物質の特性旋光度(比旋光度)と濃度に比例している。 Vo=K×[α]×C …(式A) (K:装置で決まる定数、[α]:特性旋光度、C:濃度) これを通常の旋光計(以下の式)で考えると、信号Voは旋光計での観測される旋光度に相当することが分かる。 [α]=100×α/(1×C) …(式B) 変形するとα=[α]×1×C/100 …(式C) ([α]:特性旋光度、α:旋光度(観測された回転角(度))、l:セルの長さ(dm)、C:濃度(g/100ml)) (式A)、(式C)より、ある瞬間における信号(旋光計でいう旋光度)の大きさは、セル内に入っている物質の旋光度(濃度に依存している)を示している。([α]は物質により一定) 従って、信号の大きさをすべて足し算する(=ピークの面積)と、LC装置に注入した物質全体の旋光度を求めていることになる。 ピーク面積(Area1) ∽ 溶液中に含まれる旋光物質の旋光度(α1) …(式D) ある化合物(R体rich)の光学純度を求めるには、まず標準品が示す旋光度(α0)と求めるサンプルの旋光度(α1)を比較して一方のエナンチオマー(R体)の濃度(R体過剰量:R体−S体)を求める。この結果と別に求めた化合物の化学純度(含量、R体+S体)から光学純度を計算する。(式C)より、標準品のα0とサンプルのα1からサンプル中の見かけのR体量(R体過剰量)が、以下のように求められる。 R体過剰量(mg/ml=α1/α0×C0 …(式E) (C0:標準品の濃度(mg/ml)) 光学純度(%e.e.)=[(R−S)/(R+S)]×100 =R体過剰量/C1×100 …(式F) (C1:ある化合物の濃度(mg/ml) 光学純度(%e.e.)=(α1/α0)×(C0/C1)×100 … (式G) 以上の結果、αはピーク面積に比例する(式C)ことから光学純度は以下の式で求めることができる。 光学純度(%e.e.)=(Area1/Area0)×(C0/C1)×100 …(式H) (Area0:標準品のピーク面積値、Area1:サンプルのピーク面積値) 【0035】分割対象化合物が2−p−トリルフェニルエチルアミン(TPEA)、溶媒がt−ブチルメチルエーテル(BME)である場合の実験結果を下記表に示す. [分析条件] 装置:島津LC-10A(BenchMate IIに接続) カラム:CHIRALCEL OD[4.6mmφ×250mm・10μmφ](タ゛イセル化学工業製) 移動相:順相、一定組成n−ヘキサン/エタノール/トリフルオロ酢酸=240/10/1(体積比) 流量:0.5ml/min 注入量:10μl[SIL-10Aのオートインシ゛ェクタ] 検出器:UV検出器(測定波長254nm) 【表1】
註)Boc−L−Ala:t−ブチルオキシカルボニル−L−アラニンBoc−L−Ser(Bzl): t−ブチルオキシカルボニル−O−ベンジル−L−セリンZ−L−Ala:カルボベンジルオキシ−L−アラニンZ−L−Arg(NO2):Nα−カルボベンジルオキシ−Ng−ニトロ−L−アルギニンZ−L−Asn:カルボベンジルオキシ−L−アスパラギンZ−L−Asp:カルボベンジルオキシ−L−アスパラギン酸Z−L−Cys(Bzl):カルボベンジルオキシ−S−ベンジル−L−システインZ−L−Lys:Nα−カルボベンジルオキシ−L−リシンZ−L−Met:カルボベンジルオキシ−L−メチオニンZ−L−Phe:カルボベンジルオキシ−L−フェニルアラニンZ−L−Ser:カルボベンジルオキシ−L−セリンZ−L−Thr:カルボベンジルオキシ−L−スレオニンZ−L−Trp:カルボベンジルオキシ−L−トリプトファン【0036】なお、酵素法、不斉合成法についても、基本的な装置の接続状況は同じである。実験手順については、図4に酵素法の一例を、図5に不斉合成法の一例を示す。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002093 【氏名又は名称】住友化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)7月2日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】久保山 隆 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−23552 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)1月29日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−176895 |
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