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【発明の名称】 落下試験装置
【発明者】 【氏名】秋山 正明

【氏名】西出 研二

【氏名】鈴木 文生

【氏名】山内 良三

【要約】 【課題】被試験体のバウンド後の再衝突による悪影響を防止し、試験の信頼性を向上させる。

【解決手段】コンクリート板10と、被試験体20をコンクリート板10から所定高さ離れた位置で自然落下可能に支持する支持柱11と、支持柱11から自然落下してコンクリート板10に衝突した際にバウンドする被試験体20がコンクリート板10に再び衝突することを防止する再衝突防止手段17とを備える。再衝突防止手段17は、コンクリート板10に装着された衝撃センサ16により被試験体20のコンクリート板10への衝突を感知し、その感知信号が供給された巻取りモータ15が、巻取りロープ14を高速で巻き上げて被試験体20を急上昇させる。被試験体20がコンクリート板10に衝突してからバウンドしてもその直後に急上昇させられ、コンクリート板10への再衝突が防止される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被衝撃体と、被試験体を、前記被衝撃体から所定高さ離れた位置で自然落下可能に支持する支持手段と、前記支持手段から自然落下して前記被衝撃体に衝突した際にバウンドする前記被試験体が、被衝撃体に再び衝突することを防止する再衝突防止手段とを具備することを特徴とする落下試験装置。
【請求項2】 前記被試験体が固定される固定部材を備え、この固定部材が前記支持手段に支持され、この固定部材の側部に、面方向が落下方向に沿う翼板が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の落下試験装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、電子部品や光学部品の耐衝撃性を試験する際などに用いられる落下試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記落下試験装置の一例としては、図4に示すように、被試験体(図示略)を固定部材1に固定し、この固定部材1を所定高さからアーム2ごとガイド柱3に沿って落下させ、下方のコンクリート板4に衝突させるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記落下試験装置では、コンクリート板4に衝突した固定部材1がバウンドして再びコンクリート板4に衝突し、固定部材1すなわち被試験体に余分な衝撃が加わって正当な試験値が得られない場合があり、試験の信頼性に不満があった。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、被試験体のバウンド後の再衝突による悪影響が防止されて試験の信頼性の向上が図られる落下試験装置の提供を目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の落下試験装置は、被衝撃体と、被試験体を前記被衝撃体から所定高さ離れた位置で自然落下可能に支持する支持手段と、前記支持手段から自然落下して前記被衝撃体に衝突した際にバウンドする前記被試験体が、被衝撃体に再び衝突することを防止する再衝突防止手段とを具備することを特徴としている。本発明によれば、被試験体が支持手段から自然落下し、被衝撃体に衝突してからバウンドしても、そのときに再衝突防止手段により被試験体がそれ以上の高さに保持されて被衝撃体への再衝突が防止される。したがって、被試験体に余分な衝撃が加わらず、正当な試験値を得ることができる。また、上記構成において、前記被試験体が固定される固定部材を備え、この固定部材が前記支持手段に支持され、この固定部材の側部に、面方向が落下方向に沿う翼板が設けられていることを含む。この構成によれば、固定部材が落下する際に受ける空気の流れが、翼板によって落下方向の反対側すなわち鉛直上方に整流され、このため、固定部材に固定された被試験体の落下姿勢は水平あるいは水平に近い状態で安定し、その結果、試験値のばらつきが抑えられ、試験の信頼性の向上が図られる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は、一実施形態に係る落下試験装作用行程を(a)、(b)、(c)の順序で示したものであり、同図を参照して、まず落下試験装置の構成を説明する。図1で符号10はコンクリート板であり、このコンクリート板10の、図1において右側の端部には、支持柱11が立てられている。支持柱11の上端部には、コンクリート板10の上方すなわち左側に突出する突出部11aが形成され、この突出部11aには、プーリ12が回動自在に装着されている。このプーリ12には切離しロープ13が巻回されており、この切離しロープ13はコンクリート板10の上方において下方に巻き出され、その先端に、被試験体20がつながれるようになっている。切離しロープ13の巻き出し長さにより、コンクリート板10からの被試験体20の高さ、すなわち落下高さが調整されるようになっている。
【0006】また、プーリ12には巻取りロープ14が巻回されており、この巻取りロープ14は、支持柱11の上端部の右側端部に設けられた巻取りモータ15により、高速で巻き取られるようになっている。この巻取りモータ15は、コンクリート板10に装着された衝撃センサ16からの感知信号が入力されたときに作動するようになっている。衝撃センサ16は、被試験体20がコンクリート板10に衝突した際に生じる衝撃を感知し、その感知信号が、巻取りモータ15に供給される。巻取りロープ14、巻取りモータ15および衝撃センサ16により、本実施形態の再衝突防止手段17が構成されている。
【0007】次いで、上記落下試験装置の作用を説明する。まず、図1(a)に示す試験準備状態とする。すなわち、被試験体20を切離しロープ13につなげて所定高さに水平に吊り下げる。また、巻取りロープ14を被試験体20に接続する。巻取りロープ14のプーリ12から被試験体20までの長さは、被試験体20の落下を妨げず、被試験体20がコンクリート板10に衝突した瞬間において若干たるむ程度に設定しておく。
【0008】上記準備が完了したら、切離しロープ13を切断し、図1(b)に示すように被試験体20を落下させる。被試験体20は、自然落下してコンクリート板10に衝突する。被試験体20の落下は巻取りロープ14で妨げられることなく、その巻取りロープ14は、被試験体20がコンクリート板10に衝突した瞬間において若干たるんだ状態となる。そして、被試験体20がコンクリート板10に衝突した瞬間に、衝撃センサ16が被試験体20の衝突を感知し、感知信号が巻取りモータ15に供給される。すると、巻取りモータ15が作動し、図1(c)に示すように、巻取りロープ14が高速で巻き取られるに伴い被試験体20が急上昇する。
【0009】被試験体20がコンクリート板10に衝突すると、バウンドが生じて再びコンクリート板10に衝突する場合があるが、上記動作により、被試験体20は、コンクリート板10に衝突した直後に巻取りロープ14で急上昇させられ、バウンド後のコンクリート板10への再衝突が防止される。なお、バウンド後、コンクリート板10へ再び衝突する前に被試験体20が上昇していくように、巻取りロープ14のたるみ量と巻取りモータ15の回転速度が設定される。上記作用により、被試験体20に余分な衝撃が加わるなどの悪影響が防がれ、正当な試験値が得られることにより、試験の信頼性の向上が図られる。
【0010】次いで、上記一実施形態に基づいて構成された本発明の他の実施形態を、図2および図3を参照して説明する。図2には、上記一実施形態と同様のコンクリート板10および支持柱11が示されており、符号30は、上記被試験体20が内部に固定される固定部材である。この固定部材30は、図3に示すように、正方形の箱状に形成されたもので、その内部に上記被試験体20が収納されて固定される。この固定部材30の各側板31の外面中央には、側板31に直交して外方に延びる翼板32がそれぞれ固定されている。これら翼板32の面方向は、固定部材30の高さ方向すなわち落下方向に沿っており、重さ、大きさとも互いに同一とされている。
【0011】この固定部材30は、被試験体20が固定された状態で、上記一実施形態における切離しロープ13に水平に吊り下げられ、また、巻取りロープ14に接続される。そして、同様に落下させられてコンクリート板10に衝突した後、巻取りロープ14で急上昇させられる。この実施形態の場合、固定部材30が落下する際に受ける空気の流れが、翼板32によって落下方向の反対側すなわち鉛直上方に整流される。このため、固定部材30および被試験体の落下姿勢は、水平あるいは水平に近い状態で安定し、そのままコンクリート板10に衝突する。その結果、試験値のばらつきが抑えられ、試験の信頼性の向上が図られる。なお、翼板32の形状や数は任意であるが、固定部材30の周囲にバランスよく配され、かつその面方向が落下方向に沿っていることが肝要である。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の落下試験装置によれば、被試験体が被衝撃体に衝突した後、再び被衝撃体へ衝突することが再衝突防止手段によって防止されるので、再衝突による悪影響が起こらず、正当な試験値が得られて試験の信頼性の向上が図られる。また、落下方向に沿った翼板を有する固定部材に被試験体を固定することにより、落下の際に生じる空気の流れが鉛直上方に整流され、被試験体の落下姿勢が安定するので試験値のばらつきが抑えられ、試験の信頼性の向上が図られる。
【出願人】 【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
【出願日】 平成9年(1997)7月7日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外4名)
【公開番号】 特開平11−23438
【公開日】 平成11年(1999)1月29日
【出願番号】 特願平9−181568