| 【発明の名称】 |
車両固定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】高瀬 清司
【氏名】小沢 三郎
【氏名】青山 圭佑
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| 【要約】 |
【課題】タイヤを緊縛固定する帯状部材の引張強度及び耐衝撃力を高める。
【解決手段】帯状部材31を布製ベルト32の内部に複数のワイヤ33を挿通して形成し、布製ベルト32及びワイヤ33の一端を一方のタイヤ受け11に固定するとともに、布製ベルト32の他端に係合孔33aを設け、係合孔32aと一致する補強孔35aを有する孔補強板35をワイヤ33間に溶接し、係合孔32aを巻取機構のワインドシャフト22に設けた係合ピン22aに係合して布製ベルト32及びワイヤ33の他端を巻き取る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被試験車両のタイヤのトレッド面に当接する前後一対のタイヤ受けと、タイヤのサイドウォール面に当接するストッパと、タイヤをタイヤ受け間に緊縛固定する帯状部材を有した車両固定装置において、帯状部材を布製ベルトの内部にワイヤを挿通して形成し、布製ベルト及びワイヤの一端を一方のタイヤ受けに固定するとともに、布製ベルト及びワイヤの他端を他方のタイヤ受けに設けた巻取機構により巻き取るようにしたことを特徴とする車両固定装置。 【請求項2】 上記ワイヤを網状としたことを特徴とする請求項1記載の車両固定装置。 【請求項3】 上記巻取機構における布製ベルト及びワイヤを巻き取るワインドシャフトに係合ピンを設けるとともに、布製ベルトの他端に係合ピンと係合する係合孔を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の車両固定装置。 【請求項4】 上記係合孔と同じ位置に同じ大きさの補強孔を有する孔補強板を布製ベルトに取り付けたことを特徴とする請求項3記載の車両固定装置。 【請求項5】 上記帯状部材の周囲を囲いカバーによりおおったことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両固定装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、シャシーダイナモメータなどにおいて被試験車両の固定に用いられる車両固定装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】車両の動力性能試験などに用いられる装置にシャシーダイナモメータがある。シャシーダイナモメータとは、ローラ上に駆動輪を載置して車両を走行させる一方、ローラに任意の負荷を与えて種々の走行状態をシミュレートするものである。 【0003】図9及び図10はシャシーダイナモメータの正面図及び平面図を示し、床面1の下方には左右一対のローラ2,3が支持台4により回転自在に支持され、ローラ2,3には負荷装置が連結されている。また、ローラ2,3上に被試験車両5の駆動輪(後輪)6が載置され、この駆動輪6によりローラ2,3を駆動したり、ローラ2,3により駆動輪6を駆動したりして走行状態のシミュレートを行う。 【0004】ところで、車両5の車体7には駆動反力などによる前後方向の力が試験中に加わる。そのため、シャシーダイナモメータには車体7を所定の位置に固定する手段が設けられている。即ち、10,11は床1上で従動輪8のタイヤ9の前後に設けられた三角柱形状のタイヤ受けであり、タイヤ9はタイヤ受け10,11とタイヤ受け10,11間に掛け渡されたベルト12により固定され、これによって車両5は固定される。 【0005】ベルト12の後端はタイヤ受け11に着脱自在に固定され、ベルト12の前端はタイヤ受け10に設けられた巻取機構に巻き取られる。又、タイヤ9のトレッド面9aはタイヤ受け10,11の斜面に当接し、タイヤ9のサイドウォール面9bはタイヤ受け10に一体的に取り付けられたストッパ13に当接しており、ベルト12と共に従動輪8が前後左右に移動しないように緊縛固定する。タイヤ受け10,11は図10及び図11に示すように床面1上に設けられた前後一対のベース14に左右方向に摺動自在に設けられ、ベース14は床面1上に設けられた左右一対のレール15上を前後方向に移動し、車両5のトレッド(輪距)、ホイルベース(軸距)、タイヤ9の径の変化に対応可能となっている。 【0006】しかしながら、上記した車両固定装置では、タイヤ9がタイヤ受け10と一体のストッパ13と当接しており、タイヤ受け10,11とベルト12とは左右方向の相対位置が一定であるために、図9に二点鎖線で示すようにタイヤ9の幅が広い場合には、ベルト12がタイヤ9の中心に掛からないことがあり、車体振動などによりベルト12がタイヤ9から外れることがあった。そこで、実公平6−4523号に示すものが提案された。 【0007】図12及び図13は上記提案の車両固定装置の要部側面図及び要部縦断背面図を示し、タイヤ受け10はベース14に嵌合するスライダ16が下面前後に取り付けられた底板17,タイヤ9のトレッド面9aに当接する矩形の当板18、左右側面部を形成する内側板19及び外側板20から構成されている。20aはタイヤ9のサイドウォール面9bと当接するストッパであり、外側板20に形成されている。外側板20の側面にはラチェットハンドル21の一端がブッシュ27を介して回動自在に支持され、内側板19及び外側板20に設けられたブッシュ27の内側にはワインドシャフト22が回転自在にかつ摺動自在挿通されている。23はラチェットハンドル21に回動自在に支持された爪レバーであり、ワインドシャフト22の端部に取り付けられた爪車24と噛合する。25は爪レバー23を爪車24に押圧するスプリングプランジャ、26は爪車24の逆転を防止する爪車ストッパである。 【0008】ワインドシャフト22の左端にはワッシャ28がボルト止めされており、ブッシュ27とワッシャ28の間にはスプリング29が介挿され、ワインドシャフト22は図13の左方に付勢されている。30はワインドシャフト22に取り付けられた一対のベルト押えであり、この間にベルト12の位置を規制する。符号21〜30で示した部分によりベルト12の巻取機構が構成される。 【0009】上記構成において、ラチェットハンドル21の操作により爪レバー23を介して爪車24を回転させ、ワインドシャフト22を回転させてベルト12を巻き取り、タイヤ受け10,11とベルト12によりタイヤ9をしっかりと固定する。又、位置合わせにおいては、タイヤ9に対応してレール15上でベース14を前後方向に移動させるとともに、ベース14上でタイヤ受け10,11を左右方向に移動させ、軸距と輪距に合わせる。又、タイヤ9のトレッド幅が通常と異なる場合、図14に示すようにワインドシャフト22をスプリング29に抗して外側板20方向に移動させ、爪車24とブッシュ27との間に生じた隙間にライナ45を挿入する。この結果、ベルト12がタイヤ受け10,11に対して相対移動し、タイヤ9とベルト12の中心を一致させることができる。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した従来の車両固定装置においては、ベルト12は通常は荷役作業等に使用されているものであり、高分子材料であるポリエステルにより形成されている。一般に、鉄鋼系は炭素が混入されると低温時に引張強度は向上するが衝撃力に対しては弱くなる。同様に、高分子材料も低温で引張強度は上昇するが、衝撃力に対しては弱くなり、高温では引張強度が低下した。従って、高分子材料からなるベルト12も同様な欠点を有していた。 【0011】この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、帯状部材の低温時及び高温時の引張強度及び衝撃力に対する強さを高めることができる車両固定装置を得ることを目的とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係る車両固定装置は、被試験車両のタイヤのトレッド面に当接する前後一対のタイヤ受けと、タイヤのサイドウォール面に当接するストッパと、タイヤをタイヤ受け間に緊縛固定する帯状部材を有し、帯状部材は布製ベルトの内部にワイヤを挿通して形成し、布製ベルト及びワイヤの一端を一方のタイヤ受けに固定するとともに、布製ベルト及びワイヤの他端を他方のタイヤ受けに設けた巻取機構により巻き取るようにしたものである。 【0013】請求項2に係る車両固定装置は、上記ワイヤを網状としたものである。 【0014】請求項3に係る車両固定装置は、上記巻取機構における布製ベルト及びワイヤを巻き取るワインドシャフトに係合ピンを設けるとともに、布製ベルトの他端に係合ピンと係合する係合孔を設けたものである。 【0015】請求項4に係る車両固定装置は、上記係合孔と同じ大きさの補強孔を有する孔補強板を係合孔と補強孔が同じ位置になるように布製ベルトに取り付けたものである。 【0016】請求項5に係る車両固定装置は、帯状部材の周囲を囲いカバーによりおおったものである。 【0017】 【発明の実施の形態】実施形態1以下、この発明の実施の形態を図面とともに説明する。図1(a),(b)は実施形態1による車両固定装置の帯状部材の部分平面図及び概略断面図を示し、31は帯状部材であり、袋状の布製ベルト32の内部に長さ方向に複数の直線状ワイヤ33を挿通し、糸状部材34によりワイヤ33をベルト32に縫い付けて構成される。ワイヤ33はステンレスや鉄系材料により形成される。ベルト32及びワイヤ33の一端はタイヤ受け11に着脱自在に固定し、ベルト32の他端には図2(a)に示すように幅方向に複数列及び長さ方向に複数列の係合孔32aを設けるとともに、図2(b)に示すように係合孔32aと同じ位置に同じ大きさの補強孔35aを有するようにワイヤ33間にステンレス製の孔補強板35を溶接する。又、図2(c)に示すように巻取機構のワインドシャフト22の周囲にはベルト32の係合孔32aと対応させて所定角度間隔で複数列の係合ピン22aを立設する。係合孔32aの長さ方向の列数及び係数ピン22aの長さは、ワインドシャフト22が帯状部材31を2周巻き取れる程度とする。他の構成は従来と同様である。 【0018】上記構成において、被試験車両5の固定方法を図3を参照して説明する。まず、図3(a)に示すように床面1上に被試験車両5を搬入し、駆動輪6をローラ2,3上に載置するとともに、従動輪8のタイヤ9をタイヤ受け10,11間に配置し、タイヤ9のトレッド面9aにタイヤ受け10,11を当接するとともに、タイヤ9のサイドウォール面9bにストッパ20aを当接する。又、帯状部材31のベルト33及びワイヤ33の一端をタイヤ受け11に固定する。次に、図3(b)に示すように帯状部材31をタイヤ9に巻き掛け、帯状部材31の他端の係合孔32a及び補強孔35aをワインドシャフト22の係合ピン22aに挿入する。次に、図3(c)に示すようにワインドシャフト22を回転させ、帯状部材31を巻き取り、タイヤ9を緊縛固定し、車両5を固定する。 【0019】実施形態1においては、帯状部材31を布製ベルト32とワイヤ33により構成しており、低温時でも高温時でも引張強度及び耐衝撃力が十分なものが得られた。又、布製ベルト32に設けた係合孔32aをワインドシャフト22の係合ピン22aと係合させているので十分な巻き取りを行うことができ、しかも係合孔32aの周辺を孔補強板35により補強しているので係合孔32aの破損が生じ難い。 【0020】なお、布製ベルト32の幅、ワイヤ33の本数、ベルト32の係合孔32aの幅方向、長さ方向の列数や間隔などはタイヤ9の幅や径などに応じて適宜変更する。又、係合孔32aの周囲の強度が十分な場合は孔補強板35は不要である。 【0021】実施形態2図4(a),(b)は実施形態2による車両固定装置の帯状部材の部分平面図及び概略断面図を示し、帯状部材36は布製ベルト32の内部の長さ方向に複数の直線状のワイヤ37を挿通し、糸状部材34によりワイヤ33をベルト32に縫い付け、また各ワイヤ37には所定間隔で一巻きのからめ部37aを設け、つなぎワイヤ38を各ワイヤ37のからめ部37aに順次からめて各ワイヤ37を連結して網状に構成する。布製ベルト32及びワイヤ37の一端はタイヤ受け11に固定するとともに、布製ベルト32の他端には係合孔32aを設け、ワイヤ37の他端には孔補強板35を溶接し、ワインドシャフト22により巻き取るようにする。 【0022】実施形態2においては、つなぎワイヤ38により各ワイヤ37間を連結して網状としたので、引張強度及び耐衝撃力を高めることができる。 【0023】実施形態3図5は実施形態3による車両固定装置の帯状部材の斜視図を示し、帯状部材31の周囲をシリコンゴムあるいは綿製布などからなる囲いカバー39によりおおったものである。帯状部材31はタイヤ9と当接する平面部及び端面部が損傷しやすいので、囲いカバー39によりおおって保護する。なお、帯状部材31以外の帯状部材にも適用することができる。 【0024】実施形態4図6(a),(b)は実施形態4による車両固定装置の帯状部材の部分平面図及び概略断面図を示し、帯状部材40は布製ベルト32内に複数の波形のステンレスなどの金属製のワイヤ41を挿通するとともに、各ワイヤ41の交点41aで図6(c)に示すように撚り合わせて網状とし、この網状のものを糸状部材34によりベルト32に縫い付けて構成する。ベルト32及びワイヤ41の一端はタイヤ受け11に固定し、ベルト32の他端には係合孔32aを設け、孔補強板35をワイヤ41間に溶接し、ワインドシャフト22により巻き取るようにする。 【0025】実施形態4においても、ワイヤ41を網状としたので、引張強度及び耐衝撃力を高めることができる。 【0026】実施形態5図7(a),(b)は実施形態5による車両固定装置の帯状部材の部分平面図及び概略断面図を示し、帯状部材42は布製ベルト32内に複数の小さな波形のステンレスなどの金属製のワイヤ43を挿通するとともに、各ワイヤ43の交点43aで図7(c)に示すように撚り合わせて網状とし、この網状のものを糸状部材34によりベルト32に縫い付けて構成する。ベルト32及びワイヤ43の一端はタイヤ受け11に固定し、ベルト32の他端には係合孔32aを設け、孔補強板35をワイヤ43間に溶接し、ワインドシャフト22により巻き取るようにする。 【0027】実施形態5においても、ワイヤ43を網状としたので、引張強度及び耐衝撃力を高めることができる。 【0028】実施形態6図8(a),(b)は実施形態6による車両固定装置の帯状部材の巻取機構側端部の平面図及び孔補強板の斜視図であり、孔補強板44はベルト32の係合孔32aと同じ大きさの補強孔44aを有するとともに、取付孔44bを有しており、この取付孔44bを介して孔補強板44をベルト32内に補強孔44aが係合孔32aと一致するように取り付ける。 【0029】実施形態6においても、係合孔32aを孔補強板44により補強しているので、係合孔32aの破損が生じ難くなる。なお、この補強構造は他の帯状部材36,40,42にも適用することができる。 【0030】 【発明の効果】以上のようにこの発明の請求項1によれば、帯状部材を布製ベルトの内部にワイヤを挿通して構成し、ベルト及びワイヤの一端を一方のタイヤ受けに固定するとともに、ベルト及びワイヤの他端を他方のタイヤ受けに設けた巻取機構により巻き取るようにしており、低温、高温にかかわらず、帯状部材の引張強度及び耐衝撃力を高めることができ、タイヤ及び車両を強固に固定することができる。 【0031】請求項2によれば、布製ベルトの内部に挿通するワイヤを網状としたので、より一層引張強度及び耐衝撃力を高めることができる。 【0032】請求項3によれば、巻取機構のワインドシャフトに係合ピンを設けるとともに、布製ベルトに係合孔を設け、係合ピンに係合孔を係合させて帯状部材を巻き取るようにしており、帯状部材の巻き取りを十分に行うことができ、タイヤを強固に固定することができる。 【0033】請求項4によれば、係合ピンと係合する係合孔を孔補強板により補強しており、係合孔の損傷を防止することができる。 【0034】請求項5によれば、帯状部材の周囲を囲いカバーによりおおっており、ベルトとの当接による帯状部材の損傷を防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006105 【氏名又は名称】株式会社明電舎 【識別番号】597172878 【氏名又は名称】株式会社青山製作所
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月11日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 富士弥 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−173951 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月2日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−340921 |
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