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【発明の名称】 |
半導体圧力センサ |
| 【発明者】 |
【氏名】酒井 峰一 【氏名】鈴木 康利 |
【課題】接着剤によりセンサチップをパッケージ内に固定してなる半導体圧力センサにおいて、センサチップの温度特性を良好にし、かつ圧力リークを防止する。
【解決手段】センサチップ2の底面とケース1内の底面との間に、ヤング率が1×104 Pa以下の接着剤(例えば、シリコーン系ゲル)3aを介在させ、センサチップ2の側面とケース1内の内周面との間に、ヤング率が1×106 Pa以上の接着剤(例えば、シリコーン系接着剤またはエポキシ系接着剤)3bを充填した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 センサチップを接着剤によりパッケージ内に固定した半導体圧力センサにおいて、前記センサチップの底面と前記パッケージ内の底面との間に、ヤング率が1×104 Pa以下の接着剤を介在させ、前記センサチップの側面と前記パッケージ内の内周面との間に、ヤング率が1×106 Pa以上の接着剤を充填したことを特徴とする半導体圧力センサ。 【請求項2】 前記ヤング率が1×104 Pa以下の接着剤は、シリコーン系ゲルであり、前記ヤング率が1×106 Pa以上の接着剤は、シリコーン系接着剤またはエポキシ系接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の半導体圧力センサ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、半導体圧力センサに関する。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来、半導体圧力センサにおいて、接着剤によりセンサチップをパッケージ内に固定するようにしたものがある。この場合、接着剤としてシリコーン接着剤あるいはエポキシ接着剤などを用いると、センサチップとパッケージの熱膨張係数差により発生する応力によってセンサチップの温度特性が悪化するという問題がある。 【0003】このため、特開平6−120527号公報には、接着剤として、接着後に柔軟性を有する接着剤、例えばシリコーン系ゲルを用い、センサチップの温度特性を悪化させないようにしたものが提案されている。しかしながら、この場合には、圧力リークの問題が生じる。本発明は上記問題に鑑みたもので、接着剤によりセンサチップをパッケージ内に固定してなる半導体圧力センサにおいて、センサチップの温度特性を良好にし、かつ圧力リークを防止することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記した課題を解決するため、接着剤のヤング率に着目し、図2に示す構成の半導体圧力センサを用いて、接着剤のヤング率と圧力リークの発生率、接着剤のヤング率と感度温度係数の関係について調査し、図3、図4に示す結果を得た。なお、図2において、1はケース、1aは圧力導入孔、2はセンサチップ、2aはダイヤフラム、3は接着剤である。また、圧力リークの発生率の測定においては、圧力導入孔1aから導入される圧力測定媒体の圧力を350mmH2 Oとした。 【0005】図3に示す結果から、接着剤3のヤング率が1×106 Pa以上であれば、圧力リークが発生しないことが分かる。また、図4に示す結果から、接着剤3のヤング率が1×104 Pa以下であれば、センサチップの温度特性が良好であることが分かる。従って、ヤング率の異なる2種類の接着剤を用いれば、センサチップの温度特性を良好にし、かつ圧力リークを防止することが可能になる。 【0006】しかしながら、ヤング率の異なる2種類の接着剤をセンサチップに対してどのように用いるかが問題となる。本発明者等は、この点について鋭意検討し、センサチップの底面の面積が、通常、側面の面積より数倍(例えば3倍)程度大きいことから、センサチップの底面に低ヤング率の接着剤を用いればセンサチップの温度特性を良好とし、センサチップの側面に高ヤング率の接着剤を用いればセンサチップの温度特性に影響を与えることなく、圧力リークを防止することができるのではないかと考えた。 【0007】本発明は上記検討を基になされたもので、請求項1に記載の発明においては、センサチップの底面とパッケージ内の底面との間にヤング率が1×104 Pa以下の接着剤を介在させ、センサチップの側面とパッケージ内の内周面との間にヤング率が1×106 Pa以上の接着剤を充填したことを特徴としている。このようにセンサチップの底面とパッケージ内の底面との間に低ヤング率の接着剤を介在させることによりセンサチップの温度特性を良好にすることができ、またセンサチップの側面とパッケージ内の内周面との間を高ヤング率の接着剤で充填することによって、圧力リークを防止することができる。 【0008】なお、センサチップの側面とパッケージ内の内周面との間に充填される接着剤のヤング率の上限値は、その接着剤によってセンサチップの温度特性に影響を与えないようにする値に制限される。上記した接着剤としては、請求項2に記載したように、ヤング率が1×104Pa以下の接着剤に対してシリコーン系ゲルを用いることができ、ヤング率が1×106 Pa以上の接着剤に対してシリコーン系接着剤またはエポキシ系接着剤を用いることができる。 【0009】なお、上記した本発明と類似した構造を有する半導体圧力センサとして、特開平8−240498号公報に記載されたものがあるが、このものは腐食性ガスの圧力を検出する場合に、その腐食性ガスによって浸食されない接着剤をセンサチップと実装基板の間に介在させたものであって、本発明のように、2種類のヤング率の異なる接着剤を用いて、センサチップの温度特性と圧力リークの改善を図ったものとは技術的思想が異なる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。図1に、本発明の一実施形態にかかる半導体圧力センサの断面構成を示す。半導体圧力センサは、パッケージとしての金属のケース1内にセンサチップ2が固定して構成されている。 【0011】ケース1は、圧力導入孔1aを有しており、この圧力導入孔1aから空気、窒素などの腐食性のない圧力測定媒体がセンサチップ2に導入されるようになっている。なお、このケース1には、図示しないが、センサチップ2などが取り付けられた後、上部に蓋が接着剤により取り付けられるようになっている。センサチップ2は、シリコン基板を用いて構成されており、圧力測定媒体の圧力によって変位するダイヤフラム2aと、ダイヤフラム2aの変位に応じて抵抗値が変化するピエゾ抵抗2bと、表面に形成された酸化膜2cと、ピエゾ抵抗2bのアルミ配線2dとを有している。そして、アルミ配線2dから図示しないワイヤ線を介して外部の電気回路と電気接続されている。 【0012】このセンサチップ2は、ヤング率が1×104 Pa以下の接着剤3aによってケース1内の底面の上に固定されている。この接着剤3aとしては、ヤング率が1×103 Paのシリコーン系ゲルを用いることができる。そして、この低ヤング率の接着剤3aを使用することにより、センサチップ2とケース1間に発生する熱膨張差に起因する応力を吸収し、センサチップ2の温度特性を良好にすることができる。 【0013】また、センサチップ2の側面とケース1内の内周面との間は、ヤング率が1×106 Pa以上の接着剤3bによって充填されている。この接着剤3bとしては、ヤング率が1.1×106 Paのシリコーン系接着剤またはヤング率が1.1×106 Paのエポキシ系接着剤を用いることができる。そして、この高ヤング率の接着剤3bを使用することにより、圧力リークを防止することができる。 【0014】なお、接着剤3a、3bとしては、上記したヤング率の関係を満たすものであれば、他の接着剤を用いてもよい。例えば、接着剤3aとしては、シリコーン系ゲル以外にエポキシ系ゲルを用いることができる。但し、この実施形態のようにケース1の上部に蓋を接着剤(具体的には、低融点ガラス)で取り付ける場合には、エポキシ系ゲルを用いると蓋を取り付ける接着剤に悪影響がでるため、この点からすればシリコーン系ゲルを用いるのが好ましい。 【0015】また、上記した実施形態においては、センサチップ2の下側から圧力が導入される構成の半導体圧力センサについて示したが、センサチップ2の上側から圧力が導入される構成の半導体圧力センサにも同様に適用することができる。この場合、図1に示すものと同様、センサチップ2の底面に低ヤング率の接着剤3aを用い、センサチップ2の側面に高ヤング率の接着剤3bを用いて構成することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
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| 【出願日】 |
平成10年(1998)4月6日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 洋二 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−295172 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)10月29日 |
| 【出願番号】 |
特願平10−93260 |
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