| 【発明の名称】 |
圧力検出装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】長井 彪
【氏名】荻野 弘之
【氏名】山本 克彦
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| 【要約】 |
【課題】従来のこの種のバイモルフ型の圧力検出装置は物体の接触の有無を検出することはできたが、物体の接触による圧力レベルを検出することができないという課題があった。
【解決手段】振動発生手段12と振動検出手段13を集積した一つの面状振動体11に圧力が印加されると前記圧力に応じて変化する前記面状振動体11の所定の周波数での振動特性を前記振動検出手段13の出力信号に基づき圧力算出手段15で圧力を算出する。さらに、前記所定の周波数は、出力信号が減少する領域の周波数としている。これによって用途に適した適切な感度で圧力レベルを検出できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】面状振動体の一端に設けられた振動発生手段と前記振動発生手段と分離して他端に設けられた振動検出手段と、前記面状振動体に印加される圧力を算出する圧力算出手段を備え、前記振動発生手段により所定の周波数で前記面状振動体の一端を振動させ、前記面状振動体に圧力が印加されると前記圧力に応じて変化する前記面状振動体の振動特性を前記振動検出手段により検出し、前記振動検出手段の出力信号に基づき前記圧力を前記圧力算出手段により算出するとともに、所定の周波数は、面状振動体に圧力が印加されたとき出力信号が減少する領域の周波数である圧力検出装置。 【請求項2】面状振動体の一端に設けられた振動発生手段と前記振動発生手段と分離して他端に設けられた振動検出手段と、前記面状振動体に印加される圧力を算出する圧力算出手段を備え、前記振動発生手段により所定の周波数で前記面状振動体の一端を振動させ、前記面状振動体に圧力が印加されると前記圧力に応じて変化する前記面状振動体の振動特性を前記振動検出手段により検出し、前記振動検出手段の出力信号に基づき前記圧力を前記圧力算出手段により算出するとともに、所定の周波数は、面状振動体の共振周波数である圧力検出装置。 【請求項3】面状振動体の一端に設けられた振動発生手段と前記振動発生手段と分離して他端に設けられた振動検出手段と、前記面状振動体に印加される圧力を算出する圧力算出手段を備え、前記振動発生手段により所定の周波数で前記面状振動体の一端を振動させ、前記面状振動体に圧力が印加されると前記圧力に応じて変化する前記面状振動体の振動特性を前記振動検出手段により検出し、前記振動検出手段の出力信号に基づき前記圧力を前記圧力算出手段により算出するとともに、所定の周波数は、面状振動体に圧力が印加されたとき出力信号が増加する領域の周波数である圧力検出装置。 【請求項4】面状振動体の一端に設けられた振動発生手段と前記振動発生手段と分離して他端に設けられた振動検出手段と、前記面状振動体に印加される圧力を算出する圧力算出手段を備え、前記振動発生手段により所定の周波数で前記面状振動体の一端を振動させ、前記面状振動体に圧力が印加されると前記圧力に応じて変化する前記面状振動体の振動特性を前記振動検出手段により検出し、前記振動検出手段の出力信号に基づき前記圧力を前記圧力算出手段により算出するとともに、所定の周波数は、面状振動体の反共振周波数である圧力検出装置。 【請求項5】振動発生手段を駆動する信号発生部は発生する信号の振幅を可変できる請求項1ないし5のいずれか1項記載の圧力検出装置。 【請求項6】面状振動体の一端に設けられた振動発生手段と前記振動発生手段と分離して他端に設けられた振動検出手段と、前記面状振動体に印加される圧力を算出する圧力算出手段を備え、前記振動発生手段により複数の異なる周波数で前記面状振動体の一端を振動させ、前記面状振動体に圧力が印加されると前記圧力に応じて変化する前記面状振動体の振動特性を複数の異なる周波数ごとに前記振動検出手段により検出し、前記振動検出手段の複数の異なる周波数ごとの出力信号に基づきそれぞれ前記圧力を前記圧力算出手段により算出する圧力検出装置。 【請求項7】複数の異なる周波数の一つが面状振動体の共振周波数で、他の周波数が無感応周波数である請求項6記載の圧力検出装置。 【請求項8】複数の異なる周波数の一つが面状振動体の反共振周波数で、他の周波数が無感応周波数である請求項6記載の圧力検出装置。 【請求項9】複数の異なる周波数の一つが面状振動体の共振周波数で、他の周波数が反共振周波数である請求項6記載の圧力検出装置。 【請求項10】振動発生手段は、周波数の異なる複数の信号を発生する信号発生部により駆動される請求項6記載の圧力検出装置。 【請求項11】圧力算出手段は、複数の振動それぞれの周波数成分を濾波する第1の濾波部を備えた請求項6項に記載の圧力検出装置。 【請求項12】圧力算出手段は、振動検出手段の出力信号から振動発生手段が発生する複数の振動それぞれの周波数成分を濾波する第1の濾波部と、前記振動検出手段の出力信号から前記周波数以外の成分を濾波する第2の濾波部とを備え、前記第1の濾波部の出力信号に基づき印加圧力を算出するとともに、前記第2の濾波部の出力信号に基づき前記周波数以外の成分の振動を検出する請求項6項に記載の圧力検出装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は圧力検出装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来のこの種の圧力検出装置は以下のようなものであった。 【0003】先ず、IEEE Transaction on Electron Devices, vol.ED-26, No.5,p815〜p817, 1979(以下、参考文献1とする)では図11のようなバイモルフ型の圧力検出装置が提案された。これは、同図に示すように、圧電フィルム1a及び2aの両面に電極1b、1c及び2b、2cを設けた帯状の圧電フィルム1、2を2枚貼りあわせ、その一端を支持部3により片持ち梁型に支持し、圧電フィルム1に発信部4から電圧を印加して振動させ、圧電フィルム2から前記振動による出力を取り出す構成であった。そしてこの構成により、物体5が圧電フィルム2に接触すると圧電フィルム2の出力信号が変化することに基づき物体の接触を検出していた。図12はこの際の物体5の接触位置L、発信部4の印加電圧の周波数fをパラメ−タにして、圧電フィルム2の出力信号Vと接触位置Lの関係を示したものである。同図から、適切な周波数fを選択して、出力信号Vを監視することにより、接触位置Lが検出されることは明らかである。 【0004】また、特開平8−62068号公報(以下、参考文献2とする)では指紋のような微細な山と谷の分布を検出する圧力検出装置が開示された。これは図13のように圧電フィルム6の表面と裏面に複数の走査電極6a、6bをマトリクス状に形成し、それに絶縁保護フィルム7、絶縁フィルム8、高周波振動体9を積層したものであった。そして上記構成により絶縁保護フィルム7上に物体が接触するとその物体の山と谷による起伏を圧電センサの多数の圧力検出ポイントで受け、マトリクス状の走査電極6a、6bで走査することによって前記の山と谷の分布を検出していた。一例として図14に指10で絶縁保護フィルム7を触れた際に指紋の山と谷の分布を検出する様子を示した。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、参考文献1の圧力検出装置では、図11のような特性に基づき物体5の圧電フィルム2への接触の有無や接触位置を検出することはできるが、物体5の接触による圧力レベルを検出することはできなという課題を有していた。また、片持ち梁型の構造のため物体が繰り返し接触すると圧電フィルムにへたりが生じて検出感度が低下してしまうといった課題を有していた。 【0006】また、参考文献2の圧力検出装置では、上記のような片持ち梁型の構造による耐久性の課題は無いが、圧電センサの多数の圧力検出ポイントで検出できるのは、例えば図14のように各交点に指紋パターンの山の部分が当たっているのか谷の部分が当たっているのかということでしかない。すなわち、参考文献2は上記各ポイントにおける物体の接触の有無を検出するものであり、各ポイントで物体の圧力レベルを検出することはできないという課題を有していた。 【0007】また、種々の用途で、圧力と振動を同時に検出することが、望まれているが、両引例ともこの種要望に応えることができないという課題を有していた。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために、面状振動体の一端に設けられた振動発生手段と前記振動発生手段と分離して他端に設けられた振動検出手段と、前記面状振動体に印加される圧力を算出する圧力算出手段を備え、前記振動発生手段により所定の周波数で前記面状振動体の前記一端を振動させ、前記面状振動体に圧力が印加されると前記圧力に応じて変化する前記面状振動体の振動特性を前記振動検出手段により検出し、前記振動検出手段の出力信号に基づき前記圧力を前記圧力算出手段により算出するとともに、所定の周波数は面状振動体に圧力が印加されたとき出力信号が減少する領域の周波数である。 【0009】上記発明によれば、所定の周波数で面状振動体に圧力が印加されると前記圧力に応じて変化する前記面状振動体の振動特性を前記振動検出手段により算出するため、簡単な構成で圧力レベルを検出することができる。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明の請求項1にかかる圧力検出装置は、面状振動体の一端に設けられた振動発生手段と前記振動発生手段と分離して他端に設けられた振動検出手段と、前記面状振動体に印加される圧力を算出する圧力算出手段を備え、前記振動発生手段により所定の周波数で前記面状振動体の前記一端を振動させ、前記面状振動体に圧力が印加されると前記圧力に応じて変化する前記面状振動体の振動特性を前記振動検出手段により検出し、前記振動検出手段の出力信号に基づき前記圧力を前記圧力算出手段により算出するとともに、所定の周波数は、面状振動体に圧力が印加されたとき出力信号が減少する領域の周波数を用いている。 【0011】そして、所定の周波数で前記面状振動体に圧力が印加されると前記圧力に応じて変化する前記面状振動体の振動特性を前記振動検出手段により算出するため、簡単な構成で圧力レベルを検出できる。 【0012】そして、圧力に対する出力信号の感度は周波数に応じて大きくも、小さくもなるので、用途に適した適切な感度で圧力レベルを検出できる。 【0013】本発明の請求項2にかかる圧力検出装置は、面状振動体の一端に設けられた振動発生手段と前記振動発生手段と分離して他端に設けられた振動検出手段と、前記面状振動体に印加される圧力を算出する圧力算出手段を備え、前記振動発生手段により所定の周波数で前記面状振動体の前記一端を振動させ、前記面状振動体に圧力が印加されると前記圧力に応じて変化する前記面状振動体の振動特性を前記振動検出手段により検出し、前記振動検出手段の出力信号に基づき前記圧力を前記圧力算出手段により算出するとともに、、所定の周波数は、面状振動体に圧力が印加されたとき出力信号が減少する領域の周波数を用いている。所定の周波数が面状振動体の共振周波数である。 【0014】そして、圧力に対する出力信号の感度は、共振周波数で極大になるので、精度よく圧力レベルを検出できる。 【0015】本発明の請求項3にかかる圧力検出装置は、面状振動体の一端に設けられた振動発生手段と前記振動発生手段と分離して他端に設けられた振動検出手段と、前記面状振動体に印加される圧力を算出する圧力算出手段を備え、前記振動発生手段により所定の周波数で前記面状振動体の前記一端を振動させ、前記面状振動体に圧力が印加されると前記圧力に応じて変化する前記面状振動体の振動特性を前記振動検出手段により検出し、前記振動検出手段の出力信号に基づき前記圧力を前記圧力算出手段により算出するとともに、所定の周波数は、面状振動体に圧力が印加されたとき出力信号が増加する領域の周波数である。 【0016】そして、圧力に対する出力信号の感度は周波数に応じて大きくも、小さくもなるので、用途に適した適切な感度で圧力レベルを検出できる。 【0017】本発明の請求項4にかかる圧力検出装置は、面状振動体の一端に設けられた振動発生手段と前記振動発生手段と分離して他端に設けられた振動検出手段と、前記面状振動体に印加される圧力を算出する圧力算出手段を備え、前記振動発生手段により所定の周波数で前記面状振動体の前記一端を振動させ、前記面状振動体に圧力が印加されると前記圧力に応じて変化する前記面状振動体の振動特性を前記振動検出手段により検出し、前記振動検出手段の出力信号に基づき前記圧力を前記圧力算出手段により算出するとともに、所定の周波数が面状振動体の反共振周波数である。 【0018】そして、圧力に対する出力信号の感度は、反共振周波数で極大になるので、精度よく圧力レベルを検出できる。 【0019】本発明の請求項5にかかる圧力検出装置は、面状振動体の一端に設けられた振動発生手段と前記振動発生手段と分離して他端に設けられた振動検出手段と、前記面状振動体に印加される圧力を算出する圧力算出手段を備え、前記振動発生手段により複数の異なる周波数で前記面状振動体の一端を振動させ、前記面状振動体に圧力が印加されると前記圧力に応じて変化する前記面状振動体の振動特性を複数の異なる周波数ごとに前記振動検出手段により検出し、前記振動検出手段の複数の異なる周波数ごとの出力信号に基づきそれぞれ前記圧力を前記圧力算出手段により算出する。 【0020】そして、複数の異なる周波数ごとの出力信号に基づきそれぞれ圧力を算出しているので、ノイズに対して安定である。 【0021】本発明の請求項6にかかる圧力検出装置は、振動発生手段は、周波数の異なる複数の信号を発生する信号発生部により駆動される。 【0022】そして、周波数の異なる複数の信号を発生する信号発生部を備えているので、面状振動体を複数の異なる周波数で駆動できる。 【0023】本発明の請求項7にかかる圧力検出装置は、信号発生部は発生する信号の振幅を可変できる。 【0024】そして、信号発生部の信号の振幅に比例して出力信号の振幅も増減するので、必要に応じて出力信号を選択できる。 【0025】本発明の請求項8にかかる圧力検出装置は、圧力算出手段は、複数の振動それぞれの周波数成分を濾波する第1の濾波部を備えている。 【0026】そして、複数の振動それぞれの周波数成分を濾波する第1の濾波部を備えているので、面状振動体を複数の異なる周波数で駆動したとき、それぞれの周波数成分に分離して圧力を算出できる。 【0027】本発明の請求項9にかかる圧力検出装置は、圧力算出手段は、振動検出手段の出力信号から振動発生手段が発生する複数の振動それぞれの周波数成分を濾波する第1の濾波部と、前記振動検出手段の出力信号から前記周波数以外の成分を濾波する第2の濾波部とを備え、前記第1の濾波部の出力信号に基づき印加圧力を算出するとともに、前記第2の濾波部の出力信号に基づき前記周波数以外の成分の振動を検出する。 【0028】そして、第1の濾波部の出力信号に基づき複数の異なる周波数成分に分離して圧力を算出できるとともに、第2の濾波部の出力信号に基づき前記周波数以外の成分の振動を検出できるので、圧力と振動の両者を同時に検知できる。 【0029】本発明の請求項10にかかる圧力検出装置は、複数の異なる周波数が、面状振動体に圧力が印加されたとき出力信号が減少する領域の周波数と面状振動体に圧力が印加されたとき出力信号が増加する領域の周波数である。 【0030】そして、面状振動体に圧力が印加されたとき出力信号が減少する領域の周波数と出力信号が増加する領域の周波数の複数の周波数を用いて圧力を算出するので、ノイズに対して安定になり、さらに精度よく圧力を検出できる。 【0031】本発明の請求項11にかかる圧力検出装置は、複数の異なる周波数が、面状振動体の共振周波数と面状振動体の反共振周波数である。 【0032】そして、複数の異なる周波数が、面状振動体の共振周波数と反共振周波数であるので、高感度で圧力を算出できる。 【0033】 【実施例】以下、本本発明の実施例について図面を用いて説明する。 【0034】(実施例1)図1は本発明の実施例1の圧力検出装置の構成図である。面状振動体11の一端に電極12aと12bが形成されている。また、面状振動体11の他端には、電極13aと13bが形成されている。電極12aと12bに信号発生部14が接続され、また、電極13aと13bに圧力算出手段15が接続される。振動発生手段12は、電極12aと12bおよびこれら電極に挟さまれた面上振動体11aとから構成される。また、振動検出手段13は、電極13aと13bおよびこれら電極に挟さまれた面状振動体11cとから構成される。面上振動体11として、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフィルム状の高分子圧電材料が用いられる。また、振動発生手段の電極12aと12bおよび振動検出手段の電極13aと13bを含む面上振動体11をPET等の高分子フィルム保護層16で被覆することが望ましい。これにより、外部からの機械的な衝撃や結露などから面状振動体11を保護できるからである。電極12a,12b,13a,13bは、例えば銀ペーストを印刷して形成するが、銅箔を使用したり、アルミ等の金属材料を蒸着して形成してもよい。 【0035】次に動作、作用について説明する。振動発生手段12では信号発生部14で発生する発振信号に応じて、電極12aと12bに挟まれた面状振動体11aが振動する。ここで、前記発振信号は、所定の周波数をfで発振する。この振動は、電極12a,12b,13a,13bの形成されていない面状振動体11bを経て、振動検出手段13に伝播し、面状振動体11全体がある特性をもって振動する。そしてその振動に応じて振動検出手段13では圧電起電力が発生する。このとき、図1に示すように、振動発生手段12に圧力Wが印加されたとき、後述で詳述するように、その圧力に応じた圧電起電力が振動検出手段13に発生する。なお、面状振動体11bに、また、振動検出手段13に圧力が印加されても、その圧力に応じた圧電起電力が振動検出手段13に発生する図2は、面状振動体11に圧力が印加されたとき、上記圧電起電力V1の信号が減少する周波数領域において、上記発振信号V0(周波数f1)と上記圧電起電力V1の信号波形を示した特性図である。同図において縦軸はV0とV1、横軸は時間tである。電極12a,12b,13a,13bを含め面状振動体11に圧力が印加されていない場合(t<t1)、V0に同期してV1が出力される。また、振動発生手段12から振動検出手段13への振動伝播による位相差L01が生じる。次に、時刻t1で振動発生手段12に、ある物体が、搭載されたり、周囲の気体や液体の圧力により圧力Wが印加されると、圧力印加により振動検出手段13の振動が阻害されてV1の振幅はD01からD1へと減少する。なお、位相もL01からL1へと変化する。これらの変化の度合いは、振動発生手段12、面状振動体11bや振動検出手段13を構成する部材の振動特性に依存する。これらの部材の振動特性は用途によって最適化すればよい。上記のような圧力印加時の振動特性の変化に基づいて圧力算出手段15では印加された圧力を算出する。 【0036】面状振動体11に圧力が印加されたとき、上記圧電起電力V1の信号が増加する周波数領域においては、図2に示した特性と異なり、振幅は圧力印加により逆に増加する。図3は、上記発振信号V0(周波数f2)と上記圧電起電力V1の信号波形を示した特性図である。同図において縦軸はV0とV1、横軸は時間tである。電極12a,12b,13a,13bを含め面状振動体11に圧力が印加されていない場合(t<t1)、V0に同期してV1が出力される。また、振動発生手段12から振動検出手段13への振動伝播による位相差L02が生じる。次に、時刻t1で振動発生手段12に、圧力Wが印加されると、圧力印加により振動検出手段13の振動が増幅されてV1の振幅はD02からD2へと増加する。上記のような圧力印加時の振動特性の変化に基づいて圧力算出手段15では印加された圧力を算出する。 【0037】図4は、PVDFフィルム(厚さ 約28μm)に電極12a、12b、13a、13bとしてAg電極膜を形成した面状振動体11を用い、信号発生部14から広い周波数領域にわたり一定の振幅(約34V)で振動発生手段12を駆動したときに、振動検出部13で得られる圧電起電力(D)の周波数特性を示す特性図である。同図において、D01またはD02は、圧力を印加しないときの周波数特性を示し、 D1またはD2は、振動発生手段12に圧力W=300gを印加したときの周波数特性である。 【0038】図4から明らかなように、例えば、約17kHz〜約42kHzの周波数領域では、圧力を印加しないときの圧電起電力(D01)に比べ、圧力を印加したとき圧電起電力(D1)の振幅は減少する(図2に示した特性)。これに対して、例えば、約42kHz〜約46kHzの周波数領域では、圧力を印加しないときの圧電起電力(D02)に比べ、圧力を印加したとき圧電起電力(D2)の振幅は増加する(図3に示した特性)。このように周波数領域に依存して、圧力を印加しないときの圧電起電力( D01またはD02)に比べ、圧力を印加したとき圧電起電力( D1またはD2)の振幅が減少または増加することは明らかである。この理由は、圧力を印加しないときに、明らかな共振周波数や反共振周波数が観測されるのに対して、圧力を印加したときには、明らかな共振周波数が観測されなかったことから圧力印加による共振特性の変化に深く関わると考えられる。 【0039】図5(a)(b)は、一定の周波数で一定の振幅(約50V)で振動発生手段12を駆動したときに圧電起電力Dの圧力W依存性を示す一例である。図5(a)は、周波数f1を約74kHz一定とし、圧力Wが印加されたときに圧電起電力D1が減少する場合、同図(b)は、周波数f2を約82kHz一定とし、圧力Wが印加されたときに圧電起電力D2が増加する場合の特性である。図5(a)、(b)に示した周波数f1およびf2は、圧力Wが印加されていないときの共振周波数および反共振周波数にそれぞれ近い周波数である(図4参照)。周波数fとして、共振周波数または反共振周波数を選択したとき、圧力Wに対する圧電起電力Dの感度は最大になる。共振周波数および反共振周波数以外の周波数fを選択した場合には、感度は小さくなるが、応用に応じて適切に周波数fを選択すればよい。 【0040】図2〜図5(a)、(b)の記載から明らかなように、圧力Wと圧電起電力Dは一定の関係を示すので、この関係を用いて、圧力Wを精度よく算出できる。また、上記作用から明らかなように、本発明の圧力装置は、簡単な構成で圧力レベルを検出することができる。また、電極12a,12b,13a,13bを含めた面状振動体11の振動特性として振動を検出してこの面状振動体11に印加される圧力を算出するので、簡便でかつ実用的に圧力を算出できる。また、振動発生手段12、分離手段11bおよび振動検出手段13が一つの面状振動体11上に集積されており、面状振動体11aは可撓性があるので、例えば接触する物体の圧力を検出する場合に物体に沿って装着することができるという装着の自由度がある上、薄型化が可能となる。 【0041】次に、信号発生部12で発生する発振信号の振幅V0(周波数f1〜74kHz)と振動検出手段13で検出される圧電起電力の振幅Dの関係を図6に示す。同図において、振幅D01は圧力を印加しないときに得られた振幅、振幅D1は振動発生手段12に300gの圧力を印加したときに得られた振幅である。同図から明らかなように、振幅D01もD1も発振信号の振幅V0にほぼ比例して増加する。従って、両者の差(D01−D1)もまた発振信号の振幅V0にほぼ比例して増加する。両者の差(D01−D1)は、同図の測定条件下で考えると圧力を印加しないときと300g印加したときの圧電起電力の差であるので、見掛けの感度に対応する。このことは、見掛けの感度が発振信号の振幅V0に比例することを示す。発振信号の振幅V0を可変できる信号発生部14を用いることにより、応用に応じて適切な見掛けの感度を選択することができる。 【0042】(実施例2)図7は本発明の実施例2の圧力検出装置の構成図である。 【0043】本発明の実施例2の圧力検出装置は、複数の異なる周波数で振動発生手段12を振動させ、例えば、振動発生手段12に圧力Wが印加されたとき、その圧力Wに応じて変化する振動特性を複数の異なる周波数毎にそれぞれ振動検出手段13により圧電起電力として検出し、この出力信号に基づき圧力算出手段15により圧力Wを算出する。 【0044】図5(a)、(b)でも一例として示したように、種々の周波数fで振動発生手段12を振動させたとき、周波数fに応じて圧力W−圧電起電力D特性もまた種々の特有の特性を示す。例えば、ある周波数として、図5(a)に示すように、共振周波数近傍の周波数f1〜74kHzを選択し、他の周波数として、圧力Wに対して感応しない無感応周波数近傍の周波数f2〜51kHzを選択する。無感応周波数近傍の周波数f2〜51kHzを選択したとき、圧力Wにより圧電起電力Dは殆ど変化しないので、図5(b)と同じプロットをした場合、横軸Wにほぼ平行な直線状の特性線が得られる。このように二つの周波数f1およびf2で圧力W−圧電起電力D特性をモニタしたとき次のような利点が得られる。例えば、外部からの雑音信号が圧電起電力Dに重畳すると真の圧電起電力Dが増減する。単一の周波数f1〜74kHzのみで圧力W−圧電起電力D特性を測定した場合、この雑音信号による異常な圧電起電力Dの変化を検知できない。しかし、無感応周波数近傍の周波数f2〜51kHzでも圧力W−圧電起電力D特性をモニタした場合、雑音信号はこの場合にも圧電起電力Dに重畳する。無感応周波数近傍の周波数f2〜51kHzの場合、この雑音信号が重畳しないとき、ほぼ一定の圧電起電力Dを示すので、この異常な圧電起電力Dの増減を検知できるという利点が得られる。 【0045】この種異常検知は、上述した二つの周波数の選択の場合に限らず、それぞれの周波数での圧力W−圧電起電力D特性が明らかに異なる場合にも有効であることは容易に理解できる。例えば、ある周波数として、反共振周波数近傍の周波数f1選択し、他の周波数として、無感応周波数近傍の周波数f2を選択してもよい。また、ある周波数として、共振周波数近傍の周波数f1選択し、他の周波数として、反共振周波数近傍の周波数f2を選択してもよい。また、二つ以上の周波数を用いてもよい。 【0046】複数の異なる周波数で振動発生手段12を振動させる場合、 図7に示した構成が望ましい。振動発生手段12では複数の異なる周波数の信号発生部14'で発生する複数の異なる周波数の発振信号に応じて、電極12aと12bに挟まれた面状振動体11aが振動する。この振動は、面状振動体11bを経て、振動検出手段13に伝播し、面状振動体11全体がある特性をもって振動する。そして複数の異なる周波数の振動に応じて振動検出手段13では圧電起電力が発生する。このように圧力を印加したとき、複数の異なる周波数の振動特性の変化に基づいて圧力算出手段15により印加された圧力を算出する。複数の異なる周波数で振動発生手段12を振動させる場合、複数の信号発生部14を準備してもよいが、図7に示すように、周波数の異なる複数の信号を発生する信号発生部14を備えることが望ましい。これにより、構成が簡素化されるという利点が生じる。 【0047】複数の異なる周波数で振動発生手段12を振動させる場合、 図8に示すように、複数の異なる周波数の振動に応じて振動検出手段13では圧電起電力が発生するので、圧力算出手段15は、複数のそれぞれの周波数成分を濾波する第1の櫓波部15aと算出部15bを備えることが好ましい。 【0048】(実施例3)図9は本発明の実施例3の圧力検出装置のブロック図である。 【0049】実施例2と異なる点は圧力算出手段15が、振動検出手段13の出力信号から振動発生手段12が発生する振動周波数以外の成分を分離する第2の濾波部15cと、分離したこれらの成分に基づき圧力を算出するとともに面状振動体11に印加される前記振動周波数以外の振動成分を検出する算出部15dとを有する点にある。 【0050】ここでは図1や図7に示した圧力Wの替わりに、重量物体(W)17が振動発生手段12上に置かれる場合について述べる。重量物体17は外部から周波数fwの振動が印加されるか、又は内部に周波数fwの振動体を有し、の重量物体17全体が周波数fwで振動しているものとする。実施例1や実施例2と同様に、振動発生手段12では信号発生部14で発生する複数の異なる周波数の発振信号に応じて面状振動体11aが振動する。上記より、振動発生手段12による複数の異なる周波数の振動と重量物体17の周波数fwの振動とが合成され、電極12a,12b,13a,13bを含めた面状振動体11全体がある特性をもって振動する。そしてその振動に応じて振動検出手段13では圧電起電力が発生する。発生した出力信号は振動発生手段12による複数の異なる周波数成分をそれぞれ濾波する第1の濾波部15aと振動発生手段12が発生する複数の異なる振動周波数以外の成分を濾波する第2の濾波部15cでそれぞれの濾波部特性に基づき濾波される。すなわち、第1の濾波部15aでは、振動検出手段13の出力信号のうち成分が振動発生手段12による複数の異なる周波数成分が濾波され、第2の濾波部15cでは振動検出手段13の出力信号のうちfw成分が濾波される。 【0051】この時の信号発生部14の発振信号V0、第1の濾波部15aの出力V1、第2の濾波部15cの出力Vwの信号波形は、それぞれ図10のようになる。同図より振動発生手段12に物体が置かれていない状態(t<t1)では、V1とVwの振幅はそれぞれD0と0である。そして時刻t1で重量物体17が例えば振動発生手段12上に置かれるとすると、V1とVwの振幅はD1とDwに変化する。算出部15dでは物体の重量については実施例1と同様に図2に基づいてWと算出される。重量物体17の周波数fwの振動については例えば、算出部15dでその振幅Dwの大きさを検出して振動の強度を算出する。なお、図10では、説明を簡素化するために、信号発生部14の発振信号V0は、一つの周波数だけを用いたが、振動発生手段12は複数の異なる周波数で振動していることは明らかである。これにより、下記に示す利点が生じる。 【0052】上記作用により、圧力算出手段15が、振動検出手段13の出力信号から振動発生手段12が発生複数の異なる周波数の振動特性からそれぞれの成分のみを分離する第1の濾波部15aと、振動検出手段13の出力信号から振動発生手段12が発生する振動周波数以外の成分を分離する第2の濾波部15bとを有し、第1の濾波部15aの出力信号に基づき振動発生手段12に印加される圧力を算出し、第2の濾波部15cの出力信号に基づき重量物体17に印加される前記振動周波数以外の振動成分を検出するので、電極12a,12b,13a,13bを含めた面状振動体11を用いて圧力と振動、すなわち静的な圧力と動的な圧力の双方を同時に検出することができる。このときの静的な圧力は、複数の異なる周波数の振動特性から算出されるので、外部信号の重畳を検出できる地点を併せ持つことは明らかである。なお、上記実施例では、重量物体17が振動発生手段12に置かれたが、面状振動体11bや振動検出手段13に置かれてもよいし、また、これらの中の1箇所以上に置かれてもよい。 【0053】 【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1にかかる圧力検出装置は、振動発生手段と振動検出手段を集積した一つの面状振動体に圧力が印加されると前記圧力に応じて変化する前記面状振動体の所定の周波数の振動特性を前記振動検出手段により算出しているため、簡単な構成で圧力レベルを検出することができるという効果がある。 【0054】さらに面状振動体に圧力が印加されたとき出力信号が減少する領域の周波数を用いて、振動検出手段により圧力を算出するため、圧力に対する振動検出手段の出力の感度を種々選択でき、用途に応じて簡単な構成で圧力を検出することができる。 【0055】また、本発明の請求項2にかかる圧力検出装置は、面状振動体の共振周波数を用いているので、圧力に対する振動検出手段の出力の感度を出力の減少する方向で最大にできる。 【0056】また、本発明の請求項3にかかる圧力検出装置は、面状振動体に圧力が印加されたとき出力信号が増加する領域の周波数を用いて、振動検出手段により圧力を算出するため、圧力に対する振動検出手段の出力の感度を種々選択でき、用途に応じて簡単な構成で圧力を検出することができる。 【0057】また、本発明の請求項4にかかる圧力検出装置は、面状振動体の反共振周波数を用いているので、圧力に対する振動検出手段の出力の感度を出力の増加する方向で最大にできる。 【0058】また、本発明の請求項5にかかる圧力検出装置は、信号の振幅を可変できる信号発生部を有しているので、圧力に対する振動検出手段の出力の感度を用途に応じて選択できる。 【0059】また、本発明の請求項6にかかる圧力検出装置は、振動発生手段により複数の異なる周波数で面状振動体を振動させ、それぞれの周波数の特有の振動特性を振動検出手段により算出しているため、外部からの雑音信号の重畳による異常信号を検出できる。 【0060】また、本発明の請求項7にかかる圧力検出装置では、複数の異なる周波数の一つが面状振動体の共振周波数であり、他の周波数が無感応周波数であるので、外部からの雑音信号の重畳による異常信号を感度よく検出できる。 【0061】また、本発明の請求項8にかかる圧力検出装置では、複数の異なる周波数の一つが面状振動体の反共振周波数であり、他の周波数が無感応周波数であるので、外部からの雑音信号の重畳による異常信号を感度よく検出できる。 【0062】また、本発明の請求項9にかかる圧力検出装置では、複数の異なる周波数の一つが面状振動体の共振周波数であり、他の周波数が反共振周波数であるので、外部からの雑音信号の重畳による異常信号を感度よく検出できる。 【0063】また、本発明の請求項10にかかる圧力検出装置は、周波数の異なる複数の信号を発生する信号発生部を備えているので、簡素な構成で、振動発生手段により複数の異なる周波数で面状振動体を振動させることができる。 【0064】また、本発明の請求項12にかかる圧力検出装置は、周波数の異なる複数の信号をそれぞれ濾波する第1の濾波部を備えているので、それぞれの周波数での圧力算出を精度よく検出できる。 【0065】また、本発明の請求項13にかかる圧力検出装置は、振動検出手段の出力信号から振動発生手段が発生する複数の異なる周波数の振動成分のみを分離する第1の濾波部と、前記振動検出手段の出力信号から前記振動周波数以外の成分を分離する第2の濾波部とを備え、分離したこれらの成分に基づき圧力を算出するとともに前記積層体に印加される前記振動周波数以外の振動成分を検出するため、一つの面状振動体を用いて圧力と振動、すなわち静的な圧力と動的な圧力の双方を同時に検出することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)11月28日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】滝本 智之 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−160167 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)6月18日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−327410 |
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