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【発明の名称】 電子体温計のブザー取付構造
【発明者】 【氏名】森谷 和典

【要約】 【課題】圧電素子を金属振動板上に貼着させて成る圧電ブザーを電子体温計内に取付けるにあたって、大きなブザー音量が得られる取付構造を提供する。

【解決手段】所定の形状の放音用貫通孔を有する板状のブザー台座上に圧電ブザーおよび電気的接続のための接触子を搭載して成るブザー組立品が、このブザー組立品を収納可能でブザー駆動用電子回路の端子部が内面に設けられたケース本体内の所定の間隙に挿入されて、圧電ブザーがケース本体内に取付けられるとともに接触子と端子部とが電気的に接続され、かつ圧電ブザーは、圧電素子の下方に放音用貫通孔が位置し金属振動板の板面辺縁が放音用貫通孔周縁に貼着されて、ブザー台座上に搭載されている。放音用貫通孔の形状は、圧電素子の径以上の径を有する円形あるいはそれに類似の形状が好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧電素子を金属振動板上に貼着させて成る圧電ブザーがケース本体内に取付けられる電子体温計のブザー取付構造において、所定の形状の放音用貫通孔を有する板状のブザー台座上に圧電ブザーおよび電気的接続のための接触子を搭載して成るブザー組立品が、このブザー組立品を収納可能でブザー駆動用電子回路の端子部が内面に設けられたケース本体内の所定の間隙に挿入されて、前記圧電ブザーがケース本体内に取付けられるとともに前記接触子と前記端子部とが電気的に接続され、かつ前記圧電ブザーは、前記圧電素子の下方に前記放音用貫通孔が位置し前記金属振動板の板面辺縁が前記放音用貫通孔周縁に貼着されて、前記ブザー台座上に搭載されていることを特徴とする電子体温計のブザー取付構造。
【請求項2】 前記放音用貫通孔の形状が、前記圧電素子の径以上の径を有する円形あるいはそれに類似の形状であることを特徴とする電子体温計のブザー取付構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子体温計のケース本体内に圧電ブザーが取付けられる構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、体温測定に使用される温度計の一種として、熱に感応する電気的素子をセンサとして用いて皮膚や粘膜表面の温度を測定し、体温とみなされる温度、すなわち平衡温を検出して報知・表示するように一体に構成された電子体温計が知られている。
【0003】このような電子体温計のうち、検温の終了や異常発生時の報知手段として圧電ブザーのブザー音を使用したタイプのものでは、通常、圧電セラミックスなどの圧電素子に金属振動板を貼着した構造の圧電ブザーが使用されている。圧電ブザーは電子体温計内部の所定位置に取付けられ、報知が必要なときにブザー駆動回路により駆動されてブザー音を発する。ブザー音が発せられる仕組みは、まずブザー駆動回路から圧電ブザーに所定の周波数の信号が送られると、金属振動板と圧電素子の電極間に所定の電圧が印加され、それによって圧電素子が固有の振動数で振動を起こし、貼着された金属振動板も共振して音を発するというものである。
【0004】このような圧電ブザーを電子体温計のケース内に取付ける機構としては、たとえば外被を構成するケース本体の裏蓋部分に直接固定するようにしたもの(特開昭64−18031号公報)、あるいは電子体温計の各種部品を搭載した基板モジュールに一緒に組み込むようにしたもの(特開平9−218106号公報)などが、これまでにも開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これらの機構により取付けられた圧電ブザーでは、圧電素子と金属振動板の振動が妨げられやすいという難点があった。そして、そのことによってブザー音圧が本来の値よりも低下し、十分な音量が得難いという問題が生じていた。そもそも検温終了時などブザー報知が必要な時は、電子体温計のケース本体は被測体である人体などに接触した状態にあるので、外被を構成するケース本体の裏蓋部分に直接固定するようにした機構では、圧電ブザーの振動は接触している被測体により妨げられる。また、電子体温計の各種部品を搭載した基板モジュールの形状を加工して一緒に組み込むようにした機構では、圧電ブザーの振動が基板モジュールにより妨げられる。このように従来の機構で取付られたブザー構造では、圧電ブザーの振動が妨げられることから、十分な音量が得られておらず、音量の向上が望まれていた。
【0006】本発明は、上記従来の圧電ブザーの取付構造の難点を解消しようとしてなされたものであり、音圧が向上し十分な音量のブザー報知音が容易に得られる電子体温計のブザー取付構造を提供することを、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、圧電素子を金属振動板上に貼着させて成る圧電ブザーをケース本体内に取付ける電子体温計のブザー取付機構において、所定の形状の放音用貫通孔を有する板状のブザー台座上に圧電ブザーおよび電気的接続のための接触子を搭載して成るブザー組立品が、このブザー組立品を収納可能でブザー駆動用電子回路の端子部が内面に設けられたケース本体内の所定の間隙に挿入されて、前記圧電ブザーがケース本体内に取付けられるとともに前記接触子と前記端子部とが電気的に接続され、かつ前記圧電ブザーは、前記圧電素子の下方に前記放音用貫通孔が位置し前記金属振動板の板面辺縁が前記放音用貫通孔周縁に貼着されて、前記ブザー台座上に搭載されていることを特徴としている。
【0008】そして、前記放音用貫通孔の形状が、前記圧電素子の径以上の径を有する円形あるいはそれに類似の形状であることを、本発明のさらなる特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】実施例以下、本発明の詳細を図面に示す実施例にしたがって説明する。図1(a)は、本発明に係わるブザー台座に、両面接着シートを用いて圧電ブザーを固定するとともに、電気的接続のための接触子を取付けてブザー組立品1を形成する様子を模式的に示した図である。図1(b)は本発明のブザー組立品を電子体温計に取付る様子を示した斜視図である。図2はブザー組立品1の上面図、図3は図2のA−A線切断面を矢印の方向に見た断面図である。
【0010】本発明のブザー取付構造を説明するに先立ち、ブザー組立品1について説明する。図1(a)、図2、および図3に示すように、本実施例に係わる圧電ブザー10は、円板状の圧電素子11の下面にそれよりも大径の金属振動板12が貼着され、圧電素子11の外周には金属振動板12の板面辺縁が張り出た構成となっている。
【0011】本実施例において圧電ブザー10は、図1(a)に示されているように両面接着シート20で固定されてブザー台座30の板面上に搭載される。ブザー台座30には円形の放音用貫通孔31が形成されており、その放音用貫通孔31は、圧電ブザー10を構成する圧電素子11の径よりやや大きい径にして、圧電素子11の振動を妨げないようにされている。両面接着シート20には、同様に圧電素子11の振動を妨げないように、放音用貫通孔31の大きさにほぼ相当する大きさの窓部21が開けられており、両面接着シート20は金属振動板の板面辺縁を放音用貫通孔周縁に貼着させている。
【0012】なお、両面接着シート20には、金属振動板12の板面辺縁をブザー台座30に固定するのに足りる強度を与えるに必要最小限の面積があればよく、金属振動板12とブザー台座30の接する面の全面積が貼着されている必要はない。そして、その形状はとくに図1(a)に示す形状に限定されるものではない。
【0013】放音用貫通孔31の形状も、圧電素子11の振動を妨げないという本発明の目的に適うように、圧電素子11の径と同等あるいはそれより大きい径を有する円形あるいはそれに類似の形状であれば、これらの図に示す形状に限定されるものではない。また、圧電ブザーをブザー台座に固定する手段は、この両面接着シートによる貼着だけに限定されず、接着剤の塗布などの適用も可能である。そして、ブザー組立品を形成するにあたって、両面接着シートの貼着や接着剤の塗布は、圧電ブザー側あるいはブザー台座のいずれの側に行ってもよい。
【0014】本実施例においては、圧電ブザー10に駆動用の電気信号を伝える電気的接続のための接触子40として、図2および図3に示すような板状のバネから形成された接点バネが用いられている。図2および図3は接点バネと圧電ブザー10との配置の様子を示している。図2に示すように、一方の接点バネ41の一端は金属振動板12に弾性的に接触し、他方の接点バネ42の一端は圧電素子11に弾性的に接触している。これら接点バネ41、42の他端は、ブザー組立品1がケース本体内の間隙に挿入され収納されたときの電気的接続のために、ブザー駆動用電子回路の端子部と弾性的に接触し得る形状になっている。図3は、図2のA−A線切断面を矢印の方向に見た断面図であって、接点バネ41の一端が金属振動板12に弾性的に接触し、他端はブザー駆動用電子回路の端子部と弾性的に接触し得るように、上方に折れ曲げられた様子を示している。金属振動板12に貼着された圧電素子11の下方には、放音用貫通孔31が形成されている。
【0015】本発明に係わる電気的接続のための接触子は特定の形状のものに限定されるものではないが、弾性的接触を行う上記形状のものは、ブザー組立品の形成時に圧電ブザーの貼着ののちに取付けることによって、圧電ブザーのブザー台座への固定強度を向上させ得るので、とくに好適である。接触子として使用可能な他の形状としては、たとえばリード線の使用や電子回路の端子部との直接接触などがあげられる。
【0016】本実施例においては、図3に示すように、ブザー台座30の放音用貫通孔31の周縁に、圧電ブザー10の金属振動板12と接点バネ41、42の外形にほぼ嵌合する形状と深さの段差部32が設けられているが、このような段差部32は必ずしも設けられていなくともよい。
【0017】図1(b)は、上記構成のブザー組立品1を電子体温計のケース本体に取付ける様子を示す斜視図であり、図1(c)は、ブザー組立品1が挿入される電子体温計のケース本体の後端部近傍の断面の概略を示した図である。この図1(c)に表されているように、ケース内部の両側面には突起51が開口部近傍から先端方向に向かって形成されている。そして、ブザー台座30へ圧電ブザー10と電気的接続のための接触子40を搭載してなるブザー組立品1を、突起51により形成された間隙52にスライド挿入させると同時にブザー駆動用の電子回路の端子部(図示されていない)と接触子40とを接触させ、そのことによって電気的に接続させる。
【0018】このとき圧電ブザー10は、その金属振動板12の板面辺縁を放音用貫通孔31周縁に貼着させ、圧電素子11の下方は放音用貫通孔31になっているので、その振動が妨られにくい。さらにブザー台座30もケース本体50の外被や内部の基板モジュールなどと固定されてはいないため、圧電ブザー10の振動が妨げられるおそれが少ない。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、圧電ブザーを電子体温計のケース本体内に取付けるにあたって、圧電素子の振動を妨げる要素を極力廃しているので、音圧が向上し十分な音量のブザー報知音が容易に得られる電子体温計のブザー取付構造が提供される。また、電子体温計の組立作業の簡素化も容易にすることができる。
【出願人】 【識別番号】000158208
【氏名又は名称】旭テクノグラス株式会社
【出願日】 平成10年(1998)3月5日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】須山 佐一
【公開番号】 特開平11−248546
【公開日】 平成11年(1999)9月17日
【出願番号】 特願平10−53956