| 【発明の名称】 |
温度検出装置及びそれを用いた温度制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】滝澤 敬次
【氏名】萩原 康正
【氏名】村瀬 隆
【氏名】鳥居 明人
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| 【要約】 |
【課題】温度検出の確度を向上する。
【解決手段】所定の周波数範囲で入力信号と出力信号の間に相関が成立する電子デバイス、周波数範囲内の一つの周波数を持つ試験信号を発生して電子デバイスに入力する信号発生手段、電子デバイスの出力信号から入力信号の相関値を演算する第1演算手段、試験信号を入力信号と見做した場合の相関値と第1演算手段で演算された相関値との差分を演算する第2演算手段、差分値を電子デバイスの温度検出情報として出力する出力手段を備える。周波数特性の急変部分のほぼ中間に対応する試験信号を入力したときの出力信号の減衰量をAとし、且つ、このときの動作温度を適正温度とするならば、もし、同じ試験信号を入力したにもかかわらず、Aと異なる減衰量Bが観測された場合は、AとBの差に相当する分だけ適正温度から外れていることが分かる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】所定の周波数範囲で入力信号と出力信号の間に相関が成立する電子デバイスと、前記周波数範囲内の一つの周波数を持つ試験信号を発生して前記電子デバイスに入力する信号発生手段と、前記電子デバイスの出力信号から前記入力信号の相関値を演算する第1演算手段と、前記試験信号を前記入力信号と見做した場合の相関値と前記第1演算手段で演算された相関値との差分を演算する第2演算手段と、該差分値を前記電子デバイスの温度検出情報として出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする温度検出装置。 【請求項2】請求項1記載の温度検出装置と、前記電子デバイスを冷却する冷却手段と、前記温度検出装置から出力された差分値がゼロとなるように前記冷却手段の運転を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする温度制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、温度検出装置及びそれを用いた温度制御装置に関し、特に、正確な温度管理を必要とする電子デバイスに適用する温度検出装置及びそれを用いた温度制御装置に関する。あらゆる電子デバイスは定められた温度(以下、動作温度)環境で使用しなければならない。動作温度は一般に我々の生活環境(マイナス数10℃〜プラス数十℃)に対応しているが、例外もある。その典型例は超伝導デバイスである。例えば、高温超伝導体(HTS:high temperature superconductor)で構成された周波数フィルタは、液体窒素の温度に相当する極低温環境で使用しなければならない。ところで、このような極低温の動作温度を得るには冷凍機を欠かせないが、特に小型の冷凍機の能力は現在70K程度しかなく、この温度(70K)はHTSの温度変曲点(注1)付近に相当するため、冷凍機の正確な運転管理(すなわち温度管理)が求められる。 【0002】注1:HTS、例えば、YBCO系超伝導体薄膜のRs(高周波表面抵抗値)は、同薄膜の臨界温度以下の離れた温度であればほぼ一定であるが、臨界温度に近づくにつれて急激に大きくなる。Rsのこの急変点を温度変曲点と言う。 【0003】 【従来の技術】図3は、従来の温度検出装置及びそれを用いた温度制御装置の概略図である。1は金属性のケース2に収められた超伝導デバイス、3は冷凍機4の冷却部であり、ケース2は冷却部4によって極低温に冷やされるようになっている。5はケース2の温度を検出する温度検出装置、6は検出温度と目標温度(例えば70K)との偏差がゼロとなるような制御量を演算して冷凍機4の運転を操作する制御部である。 【0004】ここで、図示の温度検出装置5は接触型の温度センサであり、例えば、2種類の異種金属を接続した閉ループ中に発生する熱起電力を利用した熱電対型の温度センサが用いられる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる従来の温度検出装置及びそれを用いた温度制御装置にあっては、ケース5の温度を検出しているため、この温度は超伝導デバイス1の温度と正確に等値でなく、検出温度の誤差を避けられないから、温度検出の確度及び制御精度が十分でないという問題点がある。 【0006】そこで、本発明は、温度検出の確度を向上し、以て温度制御の精度向上に寄与する技術の提供を目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の温度検出装置は、所定の周波数範囲で入力信号と出力信号の間に相関が成立する電子デバイスと、前記周波数範囲内の一つの周波数を持つ試験信号を発生して前記電子デバイスに入力する信号発生手段と、前記電子デバイスの出力信号から前記入力信号の相関値を演算する第1演算手段と、前記試験信号を前記入力信号と見做した場合の相関値と前記第1演算手段で演算された相関値との差分を演算する第2演算手段と、該差分値を前記電子デバイスの温度検出情報として出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。 【0008】請求項2記載の温度制御装置は、請求項1記載の温度検出装置と、前記電子デバイスを冷却する冷却手段と、前記温度検出装置から出力された差分値がゼロとなるように前記冷却手段の運転を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。例えば、周波数フィルタは、動作温度が変化すると、その周波数特性が周波数軸方向に移動する。周波数特性の急変部分、すなわち通過域と阻止域の間の部分は周波数軸方向に若干の幅を持っており、この急変部分では信号周波数と信号減衰量との間に所定の相関が成立する。例えば、急変部分の傾きを直線と仮定すれば、線形相関になる。線形のほぼ中間に対応する信号(試験信号)を入力したときの信号減衰量をAとし、且つ、このときの動作温度を適正温度とするならば、もし、同じ試験信号を入力したにもかかわらず、Aと異なる減衰量Bが観測された場合は、AとBの差に相当する分だけ適正温度から外れていることが分かる。 【0009】したがって、請求項1記載の発明では、電子デバイスの適正温度からの温度偏差を正確に検知でき、また、請求項2記載の発明では、その温度偏差を用いて電子デバイスの温度を制御できるから、温度検出の確度を向上し、以て温度制御の精度向上に寄与する技術を提供できる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1、図2は本発明に係る温度検出装置及びそれを用いた温度制御装置の一実施例を示す図である。図1において、1は電子デバイスとしての超伝導デバイス(ここではHTSを用いた周波数フィルタ)、2はケース、3は冷却部、5は冷凍機(冷却手段)、10は信号発生部(信号発生手段)、11は制御部(第1演算手段、第2演算手段、出力手段及び制御手段)である。 【0011】まず、超伝導デバイス1の入出力特性を説明する。図2はその特性図である。縦軸は減衰量、横軸は周波数である。この特性は、ω1 からω2 までの周波数範囲の入力信号に対しては小さな減衰を、それ以外(ω1 以下又はω2 以上)の周波数範囲の入力信号に対しては大きな減衰を与える通過型のフィルタ特性を表わしている。以下、ω1 を低域カットオフ周波数、ω2 を高域カットオフ周波数、ω0 を通過中心周波数と言うことにする。 【0012】ここで、低域カットオフ周波数ω1 や高域カットオフ周波数ω2 は、それ以下又はそれ以上の周波数の入力信号に対して大きな減衰を与えるものであるが、特性図からも理解されるように、その減衰量の増加は徐々であり、あたかも山頂から山裾に至る傾斜のごとき変化を示している(ω1 〜ω1 ’及びω2 〜ω2 ’参照)。 【0013】なお、周波数フィルタをチェビシェフ型のバンドパスフィルタとすると、図示の特性線は、次式■で表わすことができる。 L(ω)〔db〕 =10log10{1+ε×cosh2 [n×arccosh(1/W(ω/ω0 −ω0 /ω))]} ………■但し、ε:10Lip/10−1Lip:リップル幅n:フィルタ次数W:(ω2 −ω1 )/ω0ω0 :√ββ:(ω1 ×ω2 ) 今、図示の周波数特性が理想的環境下のものと仮定する。すなわち、動作温度70Kと仮定する。そして、その温度で動作しているときの超伝導デバイス1に対して、ω1 とω1 ’の間に位置する周波数ωaの試験信号を生成し、この試験信号を超伝導デバイス1に入力したとすると、ωaと特性線の交点より、減衰量Laを導き出すことができる。 【0014】一方、超伝導デバイスに限らず、電子デバイスは動作温度が変化すると、その特性が変化し、特に、周波数フィルタの場合は、周波数特性が周波数軸方向に移動する。すなわち、図2の特性線が図面の左右方向に移動するが、例えば、図示の特性線が図面の右方向(矢印イの方向)に若干移動したとすると、同じ周波数の試験信号(ωa)であっても、その試験信号に対する減衰量は、Laよりも大きいLa’になる。 【0015】したがって、温度の変化が特性線の形を大きく変えない程度の範囲であれば、特性線の移動量と上記減衰量の差(La−La’)は一対一に対応し、且つ、移動量と温度の変化量は一対一に対応するから、結局、上記減衰量の差(La−La’)で、適正な動作温度からの偏差を表わすことができる。図1において、信号発生部10は、周波数ωaを持つ試験信号TSIG を発生し、所定のタイミングで超伝導デバイス1に入力するものである。また、制御部11は、超伝導デバイス1の出力信号RSIG (但し、TSIG を入力したときのもの)の減衰量(上記La’に相当)を測定し、その減衰量と上記Laとの差分がゼロとなるような制御量を演算し、この制御量に基づいて冷凍機4の運転を操作するというものである。 【0016】このような構成において、超伝導デバイス1の動作温度が適正(70K)であれば、TSIG を入力したときの超伝導デバイス1の出力信号RSIG の減衰量はLaになるはずである。そして、この場合の差分はLa−Laとなってゼロになるから、冷凍機4の運転はそのままの状態に維持される。一方、動作温度が適正値から外れた場合は、上述のとおり、周波数特性が周波数軸方向に移動し、TSIGを入力したときの超伝導デバイス1の出力信号RSIG の減衰量がLaとは異なる値(例えば、La’)になって、La−La’の差分が生じるから、この差分がゼロとなるように冷凍機4の運転状態が操作される。 【0017】したがって、本実施例によれば、ケース2や超伝導デバイス1の温度を直接検知せず、超伝導デバイス1の実際の特性変化から間接的に検出するようにしたので、実際の動作に即した温度変化を正確に検知でき、高精度な温度制御を行うことができるという、特に、超伝導デバイスの分野に用いて好適な技術を提供できる。 【0018】 【発明の効果】請求項1記載の発明では、電子デバイスの適正温度からの温度偏差を正確に検知でき、また、請求項2記載の発明では、その温度偏差を用いて電子デバイスの温度を制御できる。したがって、温度検出の確度を向上し、以て温度制御の精度向上に寄与する技術を提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】595000793 【氏名又は名称】株式会社移動体通信先端技術研究所
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】有我 軍一郎
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| 【公開番号】 |
特開平11−108768 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月23日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−265847 |
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