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【発明の名称】 振動モニター装置
【発明者】 【氏名】吉田 正

【氏名】満山 慶明

【要約】 【課題】回転機械における軸受の劣化を確実に検出することができる振動モニター装置を提供するにある。

【解決手段】回転機械に装着された加速度センサ3と、前記加速度センサ3により検出された信号のうち、一定の高周波成分をろ波するように調整されたバンドパスフィルター6と、前記バンドパスフィルター6をろ波した信号を整流する整流手段8と、前記整流手段8により整流された信号を直流信号に変換する変換手段9と、前記変換手段9により直流信号に変換された信号により、前記回転機械の振動を監視するコンピュータ10とを備えたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転機械に装着された加速度センサと、前記加速度センサにより検出された信号のうち、一定の高周波成分をろ波するように調整されたバンドパスフィルターと、前記バンドパスフィルターをろ波した信号を整流する整流手段と、前記整流手段により整流された信号を直流信号に変換する変換手段と、前記変換手段により直流信号に変換された信号により、前記回転機械の振動を監視するコンピュータとを備えたことを特徴とする振動モニター装置。
【請求項2】 前記加速度センサは、前記回転機械にねじ込まれるねじ部及び該ねじ部に一体的に設けられるセンサ収容部とを備え、前記センサ収容部にはセンサ本体を収容する穴部が形成され、また、該穴部には前記センサ本体が挿入され該センサ本体を覆うコーティング剤が充填されて防水防湿処理が施されると共に前記センサ本体には専用ケーブルが液密に接続されることを特徴とする請求項1記載の振動モニター装置。
【請求項3】 前記センサ本体は、加速度を検出する加速度センサ本体に必要に応じて、温度を検出する温度センサ本体を付加することを特徴とする請求項2記載の振動モニター装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動モニター装置に関する。詳しくは、タービン、ポンプ、ファン等の各種回転機械に適用される振動モニター装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の振動モニター装置を図5に示す。図5に示すように、回転体1の軸受箱2の振動を加速度センサ3で検出し、検出した信号を増幅器4で増幅後、周波数分析装置5に入力する。周波数分析装置5では時刻歴データをリアルタイムにフーリエ変換し、周波数分析を行う。その一例を図6に示す。
【0003】図6中、同図(a)は正常な振動状態を示し、同図(b)は軸受の劣化や振動状態に異常があった場合である。図6において、横軸は周波数(Hz)、縦軸は振動振幅(dB)を表す。図6(b)に示すように、軸受の劣化や振動状態に異常があった場合には、高周波成分の振動振幅が顕著に増大する傾向にあり、これを検出することが、軸受の異常判定の重要な尺度になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の軸受の振動モニターには、次の問題点がある。
■加速度センサを取付けるスペースを確保する必要があること■高温多湿な箇所、油や水等の付着した箇所など環境が悪い所に加速度センサ、専用延長ケーブルを長期間常設することは保守する上で困難であること■軸受の劣化や異常振動時の本体温度と加速度(振動)との関連性を調べようとしたとき簡便に測定が出来ないこと【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発明の請求項1に係る振動モニター装置は、回転機械に装着された加速度センサと、前記加速度センサにより検出された信号のうち、一定の高周波成分をろ波するように調整されたバンドパスフィルターと、前記バンドパスフィルターをろ波した信号を整流する整流手段と、前記整流手段により整流された信号を直流信号に変換する変換手段と、前記変換手段により直流信号に変換された信号により、前記回転機械の振動を監視するコンピュータとを備えたことを特徴とする。
【0006】上記課題を解決する本発明の請求項2に係る振動モニター装置は、請求項1において、前記加速度センサは、前記回転機械にねじ込まれるねじ部及び該ねじ部に一体的に設けられるセンサ収容部とを備え、前記センサ収容部にはセンサ本体を収容する穴部が形成され、また、該穴部には前記センサ本体が挿入され該センサ本体を覆うコーティング剤が充填されて防水防湿処理が施されると共に前記センサ本体には専用ケーブルが液密に接続されることを特徴とする。
【0007】上記課題を解決する本発明の請求項3に係る振動モニター装置は、請求項2において、前記センサ本体は、加速度を検出する加速度センサ本体に必要に応じて、温度を検出する温度センサ本体を付加することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面に示す実施例を参照して詳細に説明する。
〔実施例1〕本発明の第1の振動モニター装置を図1に示す。同図に示すように、回転機械に装着された加速度センサ3で加速度を検出し、その検出信号を増幅器4で増幅した後、バンドパスフィルター6に入力する。
【0009】バンドパスフィルター6は、ころがり軸受に劣化が生じた時、振動が発生する高周波成分付近に調整する。我々の実験によれば、ころがり軸受において劣化が増大すると、15〜20kHzの範囲において、振動振幅が増大することが判明している。そのため、バンドパスフィルター6は、15〜20kHz付近に調整する。このように調整されたバンドパスフィルター6でろ波した信号は絶対値アンプ7で全波整流し、積分アンプ8で直流信号に変換する。
【0010】その直流に変換された信号はA/D変換器9に入力され、コンピュータ10で振動を監視する。コンピュータ10における判定方法としては、例えば、バンドパスフィルター6を通過した後の信号レベルが、予め設定した基準値を越える場合に、回転機械における軸受が劣化したと判断することができる。また、他の判定方法としては、バンドパスフィルター6を通過した後の信号の最大値を監視し、設定レベル(警告値)と比較する方法でも良いし、更には、バンドパスフィルター6を通過した後の周波数を分析し、各周波数毎の振幅レベルの2乗和の平方根による比較法がある。
【0011】このように説明したように本実施例では、加速度センサ3で検出した信号を、一定の高周波成分をろ波するように調整されたバンドパスフィルター6でろ波した後、そのろ波した信号をコンピュータ10で監視することで、回転機械における軸受の劣化経過を知ることができる。尚、上記実施例では、バンドパスフィルター6を一定の高周波成分(15〜20kHz)に調整していたが、その周波数を他の範囲に調整することにより、本発明の振動モニター装置は、ころがり軸受に限らず、全ての回転機械に対して適用できる。
【0012】〔実施例2〕本発明の第2の実施例に係る振動モニター装置用加速度センサを図2に示す。この加速度センサは、埋め込み用穴16を備えたセンサ埋め込み部12と、回転機械にねじ込まれるねじ部13とを一体的な構成としたものである。
【0013】センサ埋め込み部12は、埋め込み用穴16に加速度センサ本体3を挿入し固定すると共に埋め込み用穴16にコーティング剤を注入して防水防湿処理を行った。加速度センサ本体3には専用ケーブル11を液密に接続し、この専用ケーブル11は保護管取付ねじ14と保護管15で保護される。
【0014】このような構成を有する本実施例の振動モニター装置用加速度センサは、加速度センサ本体3がねじ部13と一体的な構成であるので、回転機械に容易に取り付けられる等、現場での接続、配線、防湿、防水作業を簡素化、均一化することができる。
【0015】また、加速度センサ本体3はセンサ埋め込み部12に埋め込まれ、コーティング剤で防水防湿処理を行い、更に、専用ケーブル11を保護管15で保護しているので、従来に比べて著しく信頼性が向上した。
【0016】〔実施例3〕本発明の第3の実施例に係る振動モニター装置用加速度センサを図3に示す。本実施例の加速度センサは、加速度と共に温度も検出できるものである。即ち、この加速度センサは、埋め込み用穴16を備えたセンサ埋め込み部12と、回転機械にねじ込まれるねじ部13を一体的に構成したものである。
【0017】センサ埋め込み部12は、埋め込み用穴16に加速度センサ本体3を挿入し固定すると共に埋め込み用穴16にコーティング剤を注入して防水防湿処理を行った。加速度センサ本体3には専用ケーブル11を液密に接続し、この専用ケーブル11は保護管取付ねじ14と保護管15で保護される。
【0018】更に、センサ埋め込み部12には温度センサ埋め込み用穴が備えられ、この温度センサ埋め込み用穴には温度センサ本体17を挿入し、延長ケーブル18に接続した。温度センサ埋め込み用穴にも、同様にコーティング剤を注入し、防水処理を行った。
【0019】このような構成を有する本実施例の振動モニター装置用加速度センサは、加速度センサ本体3、温度センサ本体17がねじ部13と一体的な構成であるので、回転機械に容易に取り付けられる等、現場での接続、配線、防湿、防水作業を簡素化、均一化することができた。
【0020】また、加速度センサ本体3、温度センサ本体17はセンサ埋め込み部12に予め埋め込まれ、専用ケーブル11を保護管15で保護しているので、従来に比べて著しく信頼性が向上した。更に、加速度振動と温度が同時に測定できるので軸受の劣化や異常振動時の関連性を容易に検出することが可能である。
【0021】〔実施例4〕本発明の第4の実施例に係る振動モニター装置用加速度センサを図4に示す。本実施例に係る加速度センサは、加速度センサ本体と温度センサ本体を一体化したものである。即ち、センサ本体3′は、図4(a)に示すように、圧電素子20と質量19から構成される。
【0022】圧電素子20のプラス側電極面20bには、図4(b)に示すように、クロメル21a及びアルメル21bからなるCA熱電対線21の温接点が固定され、CA熱電対線21の他端が温度変換器23に接続されている。そのため、温度変換器23にて圧電素子20の温度を計測することができる。
【0023】一方、圧電素子20のマイナス側電極面20aには、図4(b)に示すように、増幅器4のマイナス側のリード線22bが接続され、また、前記CA熱電対線21のアルメル21bがプラス側のリード線として共用されて増幅器4へ接続されている。このため、圧電素子20により検出された計測対象物体の加速度を増幅器4で計測することができる。尚、温度計測点は、圧電素子20の表面温度であるが、圧電素子20自身が計測対象物体とほぼ同じ温度となるので、正確な温度測定が可能となる。
【0024】このようなセンサ本体3′を、図4(c)に示すように、振動モニター装置用温度センサ付加速度センサに組み込んだ。即ち、この加速度センサは、埋め込み用穴16を備えたセンサ埋め込み部12と、回転機械にねじ込まれるねじ部13とを一体的な構成としたものである。センサ埋め込み部12は、埋め込み用穴16にセンサ本体3′を挿入し固定すると共に埋め込み用穴16にコーティング剤を注入して防水防湿処理を行った。
【0025】センサ本体3′には専用ケーブル11を液密に接続し、この専用ケーブル11は保護管取付ねじ14と保護管15で保護される。このような構成を有する本実施例の振動モニター装置用加速度センサは、センサ本体3′がねじ部13と一体的な構成であるので、回転機械に容易に取り付けられる等、現場での接続、配線、防湿、防水作業を簡素化、均一化することができる。
【0026】また、センサ本体3′はセンサ埋め込み部12に埋め込まれ、コーティング剤で防水防湿処理を行い、更に、専用ケーブル11を保護管15で保護しているので、従来に比べて著しく信頼性が向上した。更に、加速度センサ本体と温度センサ本体を一体型のセンサ本体3′としたので、従来に比べて構造がシンプルとなった。
【0027】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の請求項1に係る振動モニター装置は、回転機械に装着された加速度センサと、前記加速度センサにより検出された信号のうち、一定の高周波成分をろ波するように調整されたバンドパスフィルターと、前記バンドパスフィルターをろ波した信号を整流する整流手段と、前記整流手段により整流された信号を直流信号に変換する変換手段と、前記変換手段により直流信号に変換された信号により、前記回転機械の振動を監視するコンピュータとを備えたため、劣化すると一定の高周波成分に振幅の増大がみられる回転機械における軸受の劣化を確実に検出することができる。
【0028】また、本発明の請求項2に係る振動モニター装置は、請求項1において、前記加速度センサは、前記回転機械にねじ込まれるねじ部及び該ねじ部に一体的に設けられるセンサ収容部とを備え、前記センサ収容部にはセンサ本体を収容する穴部が形成され、また、該穴部には前記センサ本体が挿入され該センサ本体を覆うコーティング剤が充填されて防水防湿処理が施されると共に前記センサ本体には専用ケーブルが液密に接続されているので、回転機械に容易に取り付けられる等、現場での接続、配線、防湿、防水作業を簡素化、均一化することができ、従来に比べて著しく信頼性が向上した。
【0029】また、本発明の請求項3に係る振動モニター装置は、請求項2において、前記センサ本体は、加速度を検出する加速度センサ本体に必要に応じて、温度を検出する温度センサ本体を付加したので、請求項2と同様な効果を奏するほか、更に、加速度振動と温度が同時に測定できるので軸受の劣化や異常振動時の関連性を簡便に検出することが可能である。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)5月28日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】光石 俊郎 (外2名)
【公開番号】 特開平11−337400
【公開日】 平成11年(1999)12月10日
【出願番号】 特願平10−147428