| 【発明の名称】 |
金属検出機付き計量装置及びその装置のパラメータ演算方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】西尾 克己
【氏名】孝橋 徹
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| 【要約】 |
【課題】短時間に金属検出機及び重量選別機のパラメータを設定すること。
【解決手段】搬送コンベア2に設けられ物品に混入している金属に応じた金属検出信号を生成する金属検出用コイル5と、金属検出信号に基づいて物品に金属が混入しているか否かを判定する金属判定手段と、計量コンベア4に設けられ物品の計量信号Wを生成する荷重検出器6と、本稼働前の試行モードでサンプル物品が搬送コンベア2及び計量コンベア4により搬送されて金属検出用コイル5及び計量コンベア4を通過する際に、金属検出信号に基づいて本稼働状態で物品に金属が混入しているときにその旨の判定を金属判定手段に行わせる金属検出用パラメータ、及び計量信号に基づいて本稼働状態で物品の計量信号Wを補正するための計量信号補正用パラメータを演算するパラメータ演算手段と、双方のパラメータを演算する試行モードにパラメータ演算手段を設定する操作キー31と、を具備する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 物品を所定の経路に沿って搬送する搬送手段と、上記所定の経路の途中に設けられ上記搬送中の物品に混入している金属に応じた金属検出信号を生成する金属検出手段と、上記金属検出信号に基づいて物品に金属が混入しているか否かを判定する金属判定手段と、上記所定の経路の途中に設けられ上記搬送中の物品の重量を計量して計量信号を生成する計量手段と、本稼働前の試行モードでサンプル物品が上記搬送手段により搬送されて上記金属検出手段及び計量手段を通過する際に、上記金属検出手段が生成した上記金属検出信号に基づいて本稼働状態で物品に金属が混入しているときにその旨の判定を上記金属判定手段に行わせるようにする金属検出用パラメータ、及び上記計量手段が生成した上記計量信号に基づいて本稼働状態で物品の計量信号を補正するための計量信号補正用パラメータを演算するパラメータ演算手段と、上記金属検出用パラメータ及び上記計量信号補正用パラメータの双方のパラメータを演算する試行モードに上記パラメータ演算手段を設定するための試行モード設定手段と、を具備することを特徴とする金属検出機付き計量装置。 【請求項2】 物品を所定の経路に沿って搬送する搬送手段と、上記所定の経路の途中に設けられ上記搬送中の物品に混入している金属に応じた金属検出信号を生成する金属検出手段と、上記金属検出信号に基づいて物品に金属が混入しているか否かを判定する金属判定手段と、上記所定の経路の途中に設けられ上記搬送中の物品の重量を計量して計量信号を生成する計量手段と、を備える金属検出機付き計量装置において、本稼働前の試行モードで、本稼働時に混入金属の有無が判定され重量が計量される物品の平均的な寸法、形状、性質、及び重量のサンプル物品を上記搬送手段により搬送して上記金属検出手段及び上記計量手段の両方に順次通過させて、この順次通過した上記サンプル物品について上記金属検出手段が生成した金属検出信号に基づいて本稼働状態で物品に金属が混入しているときにその旨の判定を上記金属判定手段に行わせるようにする金属検出用パラメータ、及び当該順次通過した上記サンプル物品について上記計量手段が生成した計量信号に基づいて本稼働状態で物品の計量信号を補正するための計量信号補正用パラメータの双方のパラメータを演算することを特徴とする金属検出機付き計量装置のパラメータ演算方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、本稼働前の試行モードにおいて、サンプル物品を金属検出手段及び計量手段に搬送して通過させることにより、金属検出用パラメータ及び計量信号補正用パラメータの両方を演算することができる金属検出機付き計量装置及びその装置のパラメータ演算方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、重量選別機と金属検出機の両方の機能を備える金属検出機付き重量選別装置が存在する。これら両方の機械が1台の機械としてまとめられる理由は、重量選別機と金属検出機が別個に設けられている場合は、良品と不良品を振り分ける振分け装置を重量選別機と金属検出機の両方の機械にそれぞれ設ける必要があり、これにより、振分け装置のコストが嵩み、振分け装置の設置スペースが広くなるという問題があるからであり、重量選別機と金属検出機を1台にまとめることにより、共用の1台の振分け装置で済むからである。 【0003】ところで、金属検出機が金属の混入を正確かつ厳密に計測するためには計測、演算上ある種のパラメータの設定を必要とし、更に重量選別機が重量の適否を正確かつ厳密に計測するためには計測、演算上ある種のパラメータの設定を必要とする。つまり、金属検出機においては、被検査物品の例えば組成として水溶した塩分等の導電性の成分を含むものである場合(例えば肉、魚等)、不純物としての金属が混入していなくても、被検査物品の組成としての導電性の成分を検出して不良品と判定することがある。ただし、この導電性成分を含む被検査物品を金属検出機により計測したときの金属検出信号は、その物品に特有の後述する或る一定の位相角ψを持っているので、この位相角ψを持っている金属検出信号の物品(導電性成分を含み金属が混入していない物品)を良品と判定し、不純物としての金属が混入する物品を不良品と判定する演算を行わせるようにすることができる。そこで、金属検出作業の本稼働前の試行の状態で、予めこの位相角ψに関するパラメータを金属検出機に設定しておく必要がある。 【0004】また、金属検出機においては、金属を検出するための金属検出用コイルの生成する金属検出信号に対する感度(ゲイン)が高いほど微小な混入金属の検出が理論上可能になるが、ノイズの混入があるので感度が高過ぎると、金属検出信号の補正演算を行った場合でも、金属が混入していない物品を金属が混入している物品であると判定することがある。従って試行の状態で適切な感度の設定が必要とされている。 【0005】他方、重量選別機においては、被計量物品を計量コンベアにより搬送中にその重量を計量しており、その搬送時間内に物品の重量を計量する必要がある。しかし、計測回路ユニットに設けられているフィルターによる応答遅れが存在するので、物品が計量コンベアに乗り込んだときに生成される計量信号がフィルターを通過する時に起こる応答遅れが被計量物品の静止計量値に対する計量誤差の発生要因となっている。そして、先に計量した物品が計量コンベアから離脱した時にこの計量コンベアに与える振動が、今回計量する被計量物品の計量信号に重なることがあり、これも静止計量値に対する計量誤差の発生要因となっている。従って、これらの誤差を補償するためのパラメータを重量選別機に設定する必要がある。 【0006】そこで、従来の金属検出機付き重量選別装置では、本稼働前の試行状態において、金属検出機の各パラメータを設定するために、被検査物品のサンプルをこの金属検出機付き重量選別装置に所定回数通して最適なパラメータを求め、次に、この重量選別機の各パラメータを設定するために、被計量物品のサンプルをこの金属検出機付き重量選別装置に所定回数通して最適なパラメータを求めることとしている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかし、金属検出機及び重量選別機のそれぞれの機械にパラメータを設定するために、作業者が所定回数ずつサンプル物品を各機械ごとに通す作業を行うことは、作業時間の無駄であり、その作業時間分だけこの金属検出機付き重量選別装置の稼働時間が短くなるという問題がある。 【0008】本発明は、短時間に金属検出機及び重量選別機のパラメータを設定することができる金属検出機付き計量装置及びその装置のパラメータ演算方法を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】第1の発明に係る金属検出機付き計量装置は、物品を所定の経路に沿って搬送する搬送手段と、上記所定の経路の途中に設けられ上記搬送中の物品に混入している金属に応じた金属検出信号を生成する金属検出手段と、上記金属検出信号に基づいて物品に金属が混入しているか否かを判定する金属判定手段と、上記所定の経路の途中に設けられ上記搬送中の物品の重量を計量して計量信号を生成する計量手段と、本稼働前の試行モードでサンプル物品が上記搬送手段により搬送されて上記金属検出手段及び計量手段を通過する際に、上記金属検出手段が生成した上記金属検出信号に基づいて本稼働状態で物品に金属が混入しているときにその旨の判定を上記金属判定手段に行わせるようにする金属検出用パラメータ、及び上記計量手段が生成した上記計量信号に基づいて本稼働状態で物品の計量信号を補正するための計量信号補正用パラメータを演算するパラメータ演算手段と、上記金属検出用パラメータ及び上記計量信号補正用パラメータの双方のパラメータを演算する試行モードに上記パラメータ演算手段を設定するための試行モード設定手段と、を具備することを特徴とするものである。 【0010】第2の発明に係る金属検出機付き計量装置のパラメータ演算方法は、物品を所定の経路に沿って搬送する搬送手段と、上記所定の経路の途中に設けられ上記搬送中の物品に混入している金属に応じた金属検出信号を生成する金属検出手段と、上記金属検出信号に基づいて物品に金属が混入しているか否かを判定する金属判定手段と、上記所定の経路の途中に設けられ上記搬送中の物品の重量を計量して計量信号を生成する計量手段と、を備える金属検出機付き計量装置において、本稼働前の試行モードで、本稼働時に混入金属の有無が判定され重量が計量される物品の平均的な寸法、形状、性質、及び重量のサンプル物品を上記搬送手段により搬送して上記金属検出手段及び上記計量手段の両方に順次通過させて、この順次通過した上記サンプル物品について上記金属検出手段が生成した金属検出信号に基づいて本稼働状態で物品に金属が混入しているときにその旨の判定を上記金属判定手段に行わせるようにする金属検出用パラメータ、及び当該順次通過した上記サンプル物品について上記計量手段が生成した計量信号に基づいて本稼働状態で物品の計量信号を補正するための計量信号補正用パラメータの双方のパラメータを演算することを特徴とするものである。 【0011】本発明によると、本稼働前の試行モードで、サンプル物品を搬送手段により搬送して金属検出手段及び計量手段の両方に順次通過させることにより、金属検出手段が金属検出信号を生成すると共に計量手段が計量信号を生成し、この金属検出信号に基づいて本稼働状態で物品に金属が混入しているときにその旨の判定を金属判定手段に行わせるようにする金属検出用パラメータ、及びこの計量信号に基づいて本稼働状態で物品の計量信号を補正するための計量信号補正用パラメータの双方のパラメータを演算することができる。 【0012】第1の発明に係る金属検出機付き計量装置によると、本稼働前に試行モード設定手段を操作することによりパラメータ演算手段を試行モードに設定することができる。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明に係るパラメータ演算方法を使用する金属検出機付き重量選別装置の一実施形態を各図を参照して説明する。この金属検出機付き重量選別装置は、図1に示すように、被計量物品(以下、単に「物品」ということもある。)1を所定の方向に搬送する搬送コンベア2とこの搬送コンベア2によって搬送されてきた物品を後段の振分け装置3に送り出す計量コンベア4を有している。この搬送コンベア2と計量コンベア4が請求項1に記載の搬送手段である。この搬送コンベア2には、搬送コンベア2によって搬送される物品1に不純物として金属が混入している場合にその金属を検出するための金属検出用コイル5を設けてあり、計量コンベア4はロードセル等の荷重検出器6により支持されており、計量コンベア4により搬送される物品1の重量がこの荷重検出器6によって検出される。 【0014】図2は、この金属検出機付き重量選別装置の電気回路を示すブロック図である。図2に示すように、金属検出機付き重量選別装置は、金属検出ユニット7、計量ユニット8、及び演算制御ユニット9を備えている。金属検出ユニット7は、図2に示すように、200kHz(約30〜400kHzの範囲内の周波数)の周波数の正弦波を発信する発振器10を有し、この発振器10から発信された正弦波は増幅器11により増幅されて金属検出用コイル5の一次コイル12に入力する。一次コイル12は、例えば断面形状が矩形の筒形の形状であり、入力した上記正弦波により交番磁界を発生する。また、この金属検出用コイル5には、一次コイル12の両側近傍に二次コイル13が同心上に設けられている。二次コイル13は、互いに差動動作するように、即ち、それぞれの誘起電圧又は誘起電流が互いに打ち消し合うように接続してある。この二次コイル13の出力信号(金属検出信号)は、増幅器14に入力して増幅され、第1乗算検波器15と第2乗算検波器16にそれぞれ入力する。 【0015】第1乗算検波器15には、増幅器11により増幅された正弦波が参照信号としてそのまま入力する。一方、増幅器11により増幅された正弦波は、移相器17に入力しており、この移相器17により90°移相されたものが参照信号として第2乗算検波器16に入力する。この第1乗算検波器15には、ローパスフィルタ18とA/D変換器19が接続しており、第2乗算検波器16には、ローパスフィルタ20とA/D変換器21が接続している。第1乗算検波器15が生成するアナログ金属検出信号は、ローパスフィルタ18を通ってA/D変換器19に入力してデジタル金属検出信号Xに変換されて入出力インターフェース回路(I/O回路)22に入力し、同様に、第2乗算検波器16が生成するアナログ金属検出信号は、ローパスフィルタ20を通ってA/D変換器21に入力してデジタル金属検出信号Yに変換されてI/O回路22に入力する。そして、I/O回路22には物品検出器23と搬送コンベア2が接続しており、この物品検出器23は搬送コンベア2に送り込まれてきた物品1を検出して、この物品検出器23が物品1を検出した時から所定のタイミングで演算制御部24が金属検出信号X、Yを演算処理するタイミングを計るためのものである。 【0016】計量ユニット8は、図2に示すように、荷重検出器6を有し、この荷重検出器6には、増幅器25、ローパスフィルタ26、及びアナログ・デジタル変換器(A/D変換器)27がこの順に接続されている。荷重検出器6は、計量コンベア4により搬送される物品1の重量を検出してアナログ計量信号を生成し、このアナログ計量信号は増幅器25に入力して増幅され、この増幅されたアナログ計量信号はローパスフィルタ26を通ってA/D変換器27に入力してデジタル計量信号Wに変換されてI/O回路22に入力する。また、計量ユニット8は、入口側検出器28、出口側検出器29、及び計量コンベア4を備えており、これらはI/O回路22と接続している。入口側検出器28は、搬送コンベア2から計量コンベア4に送り込まれてきた物品1を検出して、この入口側検出器28が物品1を検出した時から所定のタイミングで演算制御部24が物品の重量を演算するタイミングを計るためのものである。出口側検出器29は、計量コンベア4から送り出される物品1を検出して、後述する計量値の時系列データを計測するタイミングを計るためのものである。物品検出器23、入口側検出器28、及び出口側検出器29は、例えば光電式の物品検出器である。 【0017】演算制御ユニット9は、図2に示すように、I/O回路22と、このI/O回路22に接続されている演算制御部(CPU)24、記憶部30、操作キー31、及び表示部32を備えている。演算制御部24は、記憶部30に記憶されているプログラムに従って、試行モードにおいて図5に示す演算を行い、本稼働モードにおいて図6に示す物品1に金属が混入しているか否かの判定、及び重量が適量であるか否かの判定を行い、良品と不良品とを振分け装置3により振り分けさせるものである。記憶部30には、上記演算のプログラム及び各種データが記憶されているし、各種データを記憶させることができる。操作キー31は、起動及び停止キー、及び試行モードキー等の各種キーを備えている。表示部32は、各種データ及びパラメータ等を表示することができるものである。 【0018】また、演算制御部24と記憶部30に記憶されているプログラムは、金属判定手段、計量信号補正手段、試行モード設定手段、パラメータ演算手段、パラメータ設定手段、及び重量選別手段を構成している。金属判定手段は、金属検出ユニット7から出力される金属検出信号XとYに基づいて物品1に金属が混入しているか否かを判定する手段である。そして、この金属判定手段の判定結果に基づいて判定結果と対応する場所にこの検査済み物品が振り分けられるように振分け装置3に振分け信号を出力する。計量信号補正手段は、この金属検出機付き重量選別装置が本稼働状態において、計量ユニット8から出力される計量信号Wを補正して補正済み計量信号を生成する手段である。試行モード設定手段は、試行モードキーが操作されたときに、金属検出用パラメータ及び計量信号補正用パラメータの双方のパラメータを演算する共通の試行モードにパラメータ演算手段を設定するための手段である。 【0019】パラメータ演算手段は、本稼働前に試行モードキーが操作されて試行モードとなった状態で、サンプル物品33が搬送コンベア2及び計量コンベア4により所定の回数搬送されて、金属検出用コイル5及び計量コンベア4を所定の回数通過した際に、金属検出ユニット7が生成した金属検出信号X、Yに基づいて、本稼働モードの状態で物品1に金属が混入しているときにその旨の判定を金属判定手段に行わせるようにする金属検出用パラメータを演算すると共に、計量ユニット8が生成した計量信号Wに基づいて本稼働モードの状態で物品1の計量信号Wを補正するための計量信号補正用パラメータを演算する手段である。なお、サンプル物品33は、本稼働時に検査される被計量物品1の中で不純物として金属が混入していない平均的な形状、性質、重さ(既知重量)を有するものである。勿論、サンプル物品33は、本稼働時に検査される被計量物品1の中から選ばずに、別個に用意した同等のものとしてもよい。パラメータ設定手段は、パラメータ演算手段が演算して求めた金属検出用パラメータを金属判定手段に設定し、計量信号補正用パラメータを計量信号補正手段に設定する手段である。重量選別手段は、本稼働モードにおいて、予め設定されている閾値を使用して、補正済み計量信号の適量、過量、又は軽量を判定し、その判定結果に基づいて振分け装置3を動作させて計量済み物品を適量、過量、又は軽量に振り分けさせる手段である。 【0020】次に、金属検出信号X、Y及び金属検出用パラメータを説明する。被計量物品1が例えば肉の切り身であり、この切り身には不純物としての金属が混入していないものであっても、導電性の成分(水溶性の塩分等)が含まれているので、この物品が金属検出用コイル5を通過したときは、例えば図3に示す金属検出信号A(X=a2 、Y=b2 )が生成され、この金属検出信号Aには、導電性の成分を含有することを示す信号成分が含まれている。この金属検出信号A(a2 、b2 )は、ベクトルA(以下、単に「A」ということもある。)で表され、例えばステンレスのみの金属検出信号B(a1 、b1 )は、ベクトルB(以下、単に「B」ということもある。)で表すことができる。このベクトルAで表せる金属検出信号AのX成分はa2 、Y成分はb2 であり、ベクトルBで表せる金属検出信号BのX成分はa1 、Y成分はb1 である。また、金属検出信号X、Yはノイズを含んでいるので、不純物としての金属が混入していない同一の物品1を金属検出用コイル5に複数回通したときに得られる夫々の金属検出信号A1 、A2 、A3 、・・・は互いに相違しておりばらつきがある。 【0021】上記のことを踏まえて各金属検出信号A、Bの夫々のX成分とY成分を比較すると、このX成分とY成分の大小でもって、金属検出信号Aと対応する物品には金属が混入しておらず、金属検出信号Bと対応する物品には金属が混入していると判定することは困難となる。そこで、図3に示すX軸及びY軸を原点Oを中心にして反時計方向にψの角度だけ回転させて(金属検出信号A、Bを角度ψだけ移相して)、Y軸を金属が混入していない物品1の金属検出信号Aと一致させ、これによって、X軸及びY軸の回転後のX軸上の金属検出信号AのX成分a2 を0とし、金属検出信号BのX成分を残すことができる。その結果、X成分を有する金属検出信号Bの物品1に含まれている金属を検出することができるようにしている。これによって、金属判定手段は、金属検出信号Aと対応する物品1は金属が混入していない物品として判定することができ、金属検出信号Bと対応する物品1は金属が混入している物品として判定することができる。 【0022】つまり、図3に示すX成分及びY成分は、金属検出ユニット7が生成する金属検出信号XとYであり、試行モードにおいてサンプル物品33の金属検出信号A(X=a2 、Y=b2 )を求め、そして、X軸及びY軸を原点Oを中心にして回転させたときにY軸と金属検出信号Aが重なり合うこととなる回転角度ψを演算して求める。この回転角度ψは、金属検出用パラメータのうちの1つのパラメータであり移相角である。この移相角ψは、本稼働前の試行モードにおいてパラメータ演算手段が演算して記憶され、パラメータ設定手段によって設定される。 【0023】また、金属検出信号X、Yに対しては、適切な感度が演算制御部24に設定されることを必要とし、この感度は、不純物としての小さい金属を検出するためには高い方が良いが、あまり高過ぎると金属検出信号X、Yのばらつきや混入ノイズによって金属が混入していない物品に対して混入金属が有る旨の判定を金属判定手段が行うことがある。そこで、試行モードにおいて、金属が混入していないサンプル物品33が金属検出用コイル5を通過したときに、金属判定手段が金属検出信号A(X、Y)に対して金属が混入していると判定しない範囲で十分高い感度(ゲイン)を演算して求めて記憶部30に記憶する。この感度は、金属検出用パラメータのうちの他の1つのパラメータである。この感度は、本稼働前の試行モードにおいて移相角ψと共にパラメータ演算手段が順次演算して記憶され、パラメータ設定手段によって金属判定手段に設定される。 【0024】次に、計量信号補正用パラメータを説明する。本稼働状態の本稼働モードにおいては、被計量物品1は、計量コンベア4によって比較的高速度で搬送されるので計量コンベア4上に滞在する時間が比較的短く、従って、演算制御部24は、計量信号Wが安定する前の過渡期に計測された計量信号Wに基づいて物品の重量を計量する必要がある。それ故に、物品1を静止している状態で計量して得られた計量値(静止計量値)と計量コンベア4によって搬送されている状態で計量して得られた過渡期における計量値との間には偏差が存在しており、この偏差を補正する必要がある。更に、本稼働状態では、今回この計量コンベア4に乗り込んできた物品1の重量を計量する際に、前回に計量された物品1が計量コンベア4から離脱した時に発生する計量コンベア4の振動が計量信号Wに含まれることとなり、この振動によって生じる誤差も補正する必要がある。 【0025】そこで、上記2つの補正を行うために、上記試行モードにおいてサンプル物品33が搬送コンベア2及び計量コンベア4によって搬送された際に、計量信号Wが安定する前の過渡期であって計量信号取得の所定のタイミングにおける計量信号Wとそのサンプル物品33の静止計量値を記憶部30に記憶すると共に、このサンプル物品33の過渡計量信号Wと静止計量値に基づいて本稼働時に得られる被計量物品1の過渡計量信号Wに対する補正値を演算して求めて記憶部30に記憶する。なお、上記計量信号取得の所定のタイミングは、計量コンベア4の入口に設けられている入口側検出器28が物品を検出した時から所定時間経過後のタイミングであり予め設定されている。そして、演算制御部24は、本稼働モードにおいて、計量信号取得の所定のタイミングで被計量物品1の過渡計量信号Wが得られると、この過渡計量信号Wに補正値を加算等する演算を行うことによって被計量物品1の静止計量値を求めることができる。 【0026】更に、このサンプル物品33が計量コンベア4から離脱する際の所定のタイミングから予め設定された所定の時間分の計量コンベア4の残留振動に基づいて生成される計量信号Wの時系列データを記憶部30に記憶する。なお、サンプル物品33が計量コンベア4から離脱する際の所定のタイミングは、計量コンベア4の出口に設けられている出口側検出器29が物品を検出したタイミングによって検知することができる。そして、演算制御部24は、本稼働モードにおいて、計量済みの先の物品1が計量コンベア4から離脱する際の所定のタイミングから或る時間が経過した時に今回計量する被計量物品1の過渡計量信号Wを取得した場合に、その経過した当該或る時間と対応するサンプル物品33の時系列データの1つを記憶部30から読み出して、過渡計量信号Wからその1つのデータ計量信号を除去することにより過渡計量信号Wから残留振動を除去する補正ができる。 【0027】上記補正値及び計量コンベア4の残留振動に基づいて生成される計量信号Wの過渡期における時系列データは、計量信号補正用パラメータである。これら補正値及び時系列データは、本稼働前の試行モードにおいて金属検出用パラメータと共にパラメータ演算手段が順次演算して記憶され、パラメータ設定手段によって計量信号補正手段に設定される。 【0028】次に、演算制御部24を試行モードに設定する手順、並びに試行モードにおいて金属検出用パラメータ及び計量信号補正用パラメータを求めて記憶し、設定する手順を図4及び図5に示すフローチャートを参照して説明する。まず、図4に示すように、作業者が操作キー31の試行モードキーをONしたか否かを演算制御部24が判定し(S100)、試行モードキーがONされてYESと判定したときは、演算制御部24を試行モードに設定する(S102)。これで、試行モードの設定が終了する。 【0029】次に、図5に示すように、演算制御部24が試行モードに設定されているか否かを判定し(S103)、試行モードに設定されておりYESと判定したときは、サンプル物品33が搬送コンベア2に送り込まれて物品検出器23が物品33を検出したか否かを判定する(S104)。そして、物品33を検出してYESと判定したときは、所定のタイミングで金属検出ユニット7が生成する金属検出信号X、Yを記憶部30に記憶する(S106)。次に、サンプル物品33が搬送コンベア2から送り出されて計量コンベア4に送り込まれるが、このサンプル物品33が入口側検出器28により検出された時から所定時間経過時のサンプル物品33の過渡計量値を演算制御部24が計測して記憶部30に記憶し、そして、このサンプル物品33が計量コンベア4により搬送されて出口側検出器29により検出された時(又は検出された時から所定時間経過してその時)から所定の時間までの間に計量コンベア4の残留振動に基づいて生成される過渡計量信号Wの時系列データを計測して記憶部30に記憶する(S108)。そして、物品検出器23がサンプル物品33を予め設定されている所定回数だけ検出したか否かを判定し(S110)、サンプル物品33を所定回数だけ検出しておらずNOと判定したときは、サンプル物品33を所定回数だけ検出してYESと判定するまでステップS104〜S110の処理を繰り返し行い、所定回数分の金属検出信号X、Y、過渡計量値、及び時系列データを計測して記憶部30に記憶する。 【0030】そして、ステップS110において、サンプル物品33を所定回数だけ検出してYESと判定したときに、演算制御部24は、所定個数の金属検出信号XとYの夫々の平均値を算出して記憶部30に記憶し、XとYの夫々の平均値に基づいて移相角ψを算出すると共に、感度(ゲイン)を演算して記憶部30に記憶する。サンプル物品33の計量コンベア4に乗り込む際に得られた所定個数の過渡計量値の平均値を算出して、その平均値とサンプル物品33の静止計量値との偏差に基づき補正値を演算して記憶部30に記憶する。また、サンプル物品33の計量コンベア4離脱後の所定個数の時系列データについてそれぞれ対応する時間ごとにデータの平均値を算出して記憶部30に記憶する(S112)。しかる後に、演算制御部24が試行モードを解除して本稼働モードに設定する(S114)。これで金属検出用パラメータ及び計量信号補正用パラメータの演算、記憶、及び設定が終了する。 【0031】次に、本稼働状態である本稼働モードにおいて、混入金属の有無の判定、重量選別の手順、及びそれらの演算を図6に示すフローチャートを参照して説明する。まず、演算制御部24が本稼働モードに設定されているか否かを判定し(S200)、本稼働モードに設定されておりYESと判定したときは、物品検出器23が被計量物品1を検出したか否かを判定する(S202)。そして、被計量物品1が搬送コンベア2に送り込まれて物品検出器23が被計量物品を検出してYESと判定したときは、所定のタイミングで被計量物品1の金属検出信号XとYを計測してこの金属検出信号XとYに試行モードで設定された感度を掛けて増幅し、この増幅された金属検出信号X、Yの位相を角度ψだけ移相して、この補正座標にて混入金属の有無を判定して金属判定信号を記憶部30に記憶する。 【0032】そして、混入金属の有無が判定された物品1が搬送コンベア2から計量コンベア4に送り込まれて入口側検出器28が物品1を検出したときに、試行モードのときと同じ所定のタイミングで過渡計量値Wを計測する。更に、計量済みの先の物品が計量コンベア4から離脱する際に出口側検出器29により検出された時から今回計量する当該物品の過渡計量信号Wが取得された時までの時間を計測し、この時間と一致する計量値データをサンプル物品33の時系列データのうちから選択する。次に、計測して得られた過渡計量値Wからこの選択した計量値データを減算して計量コンベア4の振動に基づく誤差を除去する補正を行い、更に、この補正済みの過渡計量信号W’に試行モードで得られた補正値を加算する等の演算をして過渡期における不足重量を補った補正済み計量信号W”を演算する。そして、重量選別手段が、この補正済み計量信号W”の適量、過量、又は軽量を判定して重量判定信号を記憶部30に記憶する。 【0033】そして、金属判定信号が混入金属無しである旨の信号であり、かつ、重量判定信号が適量である旨の信号である場合は、良品である旨の選別判定信号を振分け装置3に出力する。そして、金属判定信号が混入金属有りである旨の信号であるか、又は重量判定信号が過量若しくは軽量である旨の信号である場合は、不良品である旨の選別判定信号を振分け装置3に出力する。振分け装置3は、この選別判定信号の判定結果に基づいて被計量物品1を対応する振分け場所に振り分けることができる(S204)。これで被計量物品の混入金属の有無の判定、及び重量判定に基づいて被計量物品の良品と不良品の選別を行うことができ、これと同様に、ステップS200〜S204の処理を行うことにより、順次後続の被計量物品1の良品と不良品の選別を行うことができる。 【0034】上記のように構成された金属検出機付き重量選別装置によると、本稼働前に操作キー31の試行モードキーを操作して試行モードとし、サンプル物品33を搬送コンベア2及び計量コンベア4により搬送して金属検出用コイル5及び荷重検出器6を通過させることにより、金属検出用パラメータ及び計量信号補正用パラメータを自動的に順次演算することができる。従って、従来のように、金属検出用パラメータ及び計量信号補正用パラメータを演算させるために、金属検出用コイル5及び荷重検出器6の両方それぞれにサンプル物品33を所定の回数ずつ別個に通過させる作業が不要であり、これによって、上記各パラメータを演算させるためにサンプル物品33を金属検出用コイル5及び荷重検出器6に通過させるための作業時間の短縮を図ることができ、そして、その短縮した時間分だけこの金属検出機付き重量選別装置の稼働時間を長くすることができる。 【0035】ただし、上記実施形態において、試行モードで1個のサンプル物品33を金属検出用コイル5及び荷重検出器6に所定の回数通して金属検出用パラメータ及び計量信号補正用パラメータを求めたが、これに代えて、試行モードで所定個数の各サンプル物品33を金属検出用コイル5及び荷重検出器6に通して金属検出用パラメータ及び計量信号補正用パラメータを求めてもよい。 【0036】そして、上記実施形態では、本発明を金属検出機付き重量選別装置に適用した例を示したが、これに代えて、本発明を金属検出機付き計量装置に適用してもよい。本発明を金属検出機付き計量装置に適用した場合は、重量選別手段を省略し、補正済み計量信号W”を生成することとし、振分け装置3は、不純物としての金属が混入する物品と混入していない物品とに振り分けるものとする。また、上記実施形態では、図1に示すように、搬送コンベア2と計量コンベア4の2台のコンベアを設けた構成としたが、搬送コンベア2と計量コンベア4を結合して1台のコンベアとした構成としてもよい。勿論、搬送コンベア2と計量コンベア4の間に別のコンベアを設けた構成としてもよい。 【0037】更に、図5にステップS110に示すように、試行モードにおいて、サンプル物品33が物品検出器23により所定回数検出されたときに、演算制御部24が金属検出用パラメータ及び計量信号補正用パラメータを自動的に演算する構成としたが、サンプル物品33が物品検出器23により所定回数検出されたことを作業者が確認して、この確認後に作業者が操作キー31を操作して演算制御部24に金属検出用パラメータ及び計量信号補正用パラメータを演算させて記憶させる構成としてもよい。 【0038】そして、上記実施形態では、図2に示すように、金属検出ユニット7と計量ユニット8に対して1つの演算制御ユニット9を設けた構成としたが、図7に示すように、金属検出ユニット7に対して金属検出用演算制御ユニット34を接続し、計量ユニット8に対して計量用演算制御ユニット35を接続し、この金属検出用演算制御ユニット34と計量用演算制御ユニット35を信号通信ライン36を介して接続して、一方の操作キー31又は両方のいずれの操作キー31を操作しても金属検出用演算制御ユニット34及び計量用演算制御ユニット35の両方のユニットに対して試行モードの設定ができる構成とし、この設定された試行モードで上記実施形態と同様に演算制御を行うことができ、本稼働モードで上記実施形態と同様に演算制御を行うことができる構成としてもよい。 【0039】また、上記実施形態では、試行モードで金属検出用パラメータとして移相角ψと感度を演算して記憶する構成としたが、これに加えて又はこれに代えて、試行モードで不純物としての金属を含む物品を確実に検出することができるこれ以外の各種パラメータを演算して記憶し、本稼働モードでこれら金属検出用パラメータを使用して金属検出信号を補正する構成としてもよい。そして、計量信号補正用パラメータとして過渡計量値に対する補正値と時系列データを演算して記憶する構成としたが、これに加えて又はこれに代えて、試行モードで計量精度又は計量速度の向上を図るための各種パラメータを演算して記憶し、本稼働モードでこれら計量信号補正用パラメータを使用して計量信号を補正する構成としてもよい。 【0040】更に、上記実施形態では、図1に示すように、金属検出用コイル5及び搬送コンベア2を計量コンベア4の前段に設けた構成としたが、金属検出用コイル5及び搬送コンベア2を計量コンベア4の後段に設けた構成としてもよい。 【0041】 【発明の効果】本発明によると、本稼働前の試行モードにおいて、サンプル物品を搬送手段により搬送して金属検出手段及び計量手段に順次通過させて、この順次通過したサンプル物品に基づいてパラメータ演算手段が金属検出用パラメータ及び計量信号補正用パラメータの双方のパラメータを演算することができる。従って、従来のように、金属検出用パラメータ及び計量信号補正用パラメータを演算させるために、金属検出手段及び計量手段の両方それぞれにサンプル物品を1又は2以上の所定の回数ずつ別個に通過させる作業が不要であり、これによって、上記各パラメータを演算させるためにサンプル物品を上記各手段に通過させるための作業時間の短縮を図ることができ、そして、その短縮した時間分だけこの金属検出機付き計量装置の稼働時間を長くすることができるという効果がある。 【0042】そして、第2の発明によると、サンプル物品は、本稼働時にこの金属検出機付き計量装置に流される物品の平均的な寸法、形状、性質、及び重量であるので、本稼働時において混入金属の有無を正確に検査することができると共に、物品の重量を正確に計量することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000208444 【氏名又は名称】大和製衡株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月22日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】田中 浩 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−183240 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−365582 |
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