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【発明の名称】 車両の積載荷重測定装置
【発明者】 【氏名】上原 一恭

【氏名】松浦 眞哉

【要約】 【課題】積載量変化が少ない場合にも温度の変化による測定誤差を的確に排除して精度がよい測定を可能にする。

【解決手段】荷重検出手段の出力変化または荷重演算値の変化が小さい場合でも挙動検出手段に所定値以上の出力変化が生じていれば、積載状況が変化したと判定して記憶中の積載荷重を荷重検出手段の出力に基づく最新の演算結果に更新できるようにし、積載量変化が少ない場合にも温度の変化による測定誤差を的確に排除して精度がよい測定を可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両の積載量変化に応じて生じる変形または歪を検出する荷重検出手段と、車両に発生する挙動を検出する車両挙動検出手段と、車両が停車状態にあることを検出する停車検出手段と、前記荷重検出手段の検出出力に基づき所定の演算式により積載荷重を演算して記憶する制御手段とを備え、前記制御手段には、車両の停車中において、前記車両挙動検出手段に所定値以上の出力変化が生じた場合は前記荷重検出手段の出力に基づき前記所定の演算式により積載荷重を演算して記憶中の積載荷重を更新し、前記車両挙動検出手段の出力変化が前記所定値に満たない場合は前記荷重検出手段の出力に対応して記憶中の積載荷重が演算されるよう前記演算式を補正する機能が備えられていることを特徴とする車両の積載荷重測定装置。
【請求項2】 請求項1において、前記制御手段には、前記挙動検出手段の出力変化が所定値に満たない場合の処理を所定時間毎に実行する機能が備えられていることを特徴とする車両の積載荷重測定装置。
【請求項3】 請求項1において、前記制御手段には、所定時点からの前記荷重検出手段の出力の変化または荷重演算値の変化が規定値以上の場合、または、前記挙動検出手段に所定値以上の出力変化が生じた場合、前記荷重検出手段の出力に基づき前記所定の演算式により積載荷重を演算して記憶中の積載荷重を更新し、前記所定時点からの前記荷重検出手段の出力の変化または荷重演算値の変化が規定値未満で且つ前記挙動検出手段の出力変化が前記所定値に満たない場合、前記荷重検出手段の出力に対応して前記記憶中の積載荷重が演算されるよう前記演算式を補正する機能が備えられていることを特徴とする車両の積載荷重測定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトラック等の荷物を搭載する車両において、荷物の積載量を測定する車両の積載荷重測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年トラック等の大型車両に対し過積載を防止するために、車両自体に直接荷重測定装置を組込み、運転者や積荷業者が容易に積載量を判断できるようにする事が検討されている(例えば実開平6-69759 号公報参照)。従来の積載荷重測定装置は、積荷等の重量による荷重を受ける部材、例えば、シャックルピンやトラニオンシャフトに磁歪式センサや歪センサ等の荷重センサを取付け、これらの部材に加わる車両荷重を検出するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の車両の積載荷重測定装置は、荷重センサが車両の重量を受けるシャックルピンやトラニオンシャフト等に取り付けられ、これらの部材は車両重量を受ける必要上、いずれもボディ下方のエンジン、排気管等の各種熱源の近傍に配置されている。このため、各種熱源の熱がシャックルピンやトラニオンシャフトに伝達し、走行前後においてその熱伝導により、積載重量が同一であるにも拘らず歪量の変化が生じ、結果として荷重演算値に変化が生じ誤差要因となっていた。このため、荷物の積卸しを行っていないにも拘らず測定値が変化する問題があり、十分な測定精度が得られていなかった。
【0004】また、熱源をシャックルピンやトラニオンシャフトから遠ざけた位置に配設したとしても、停車中もしくは走行中における地面からの輻射熱や大気温度により、前述と同様に積載重量が同一であるにも拘らず歪量の変化が生じ、結果として荷重演算値に変化が生じることがあった。このように、積載量が一定であるにも拘らず温度変化に起因して荷重演算値が変動する現象は、磁歪式センサや歪センサを使用するものに限らず、エアスプリングの内圧を検知するもの等、他の方式の荷重センサでも同様に生じる。
【0005】このため、本願発明者らは、特願平8-183990号公報において、荷重センサの出力変化が小さい時は、温度変化に起因して出力変化が生じたものと見なし、最初のセンサ出力に対応して出力変化前の荷重演算値が演算されるように演算式を補正することで、温度変化の影響を排除する手法を提案した。しかしながら、この手法を採用した場合、所定値以下のセンサ出力変化は単純に温度変化によるものと判定されてしまうため、荷重の測定精度を上記所定値以下のレベルまで向上させることができず、精度向上に限度があった。
【0006】本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、温度変化が生じても温度変化による測定誤差だけを排除しながら積載荷重の測定精度も向上できる車両の積載荷重測定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明の請求項1では、車両の停車中において、車両挙動検出手段に所定値以上の出力変化が生じた場合は荷重検出手段の出力に基づき所定の演算式により積載荷重を演算して記憶中の積載荷重を更新し、車両挙動検出手段の出力変化が所定値に満たない場合は荷重検出手段の出力に対応して記憶中の積載荷重が演算されるよう演算式を補正することで、車両の積載状況が変化したことを挙動検出手段の出力変化で確認した上で、記憶中の積載荷重を荷重検出手段の出力に基づく積載荷重演算値に更新することができるようにすると共に、温度変化により荷重検出手段の出力が変化した場合でも、温度変化以前と同じ荷重演算値が出力されるようにする。
【0008】そして、本発明の請求項2では、挙動検出手段の出力変化が所定値に満たない場合の処理を所定時間毎に実行し、停車中の消費電力を節減できるようにすると共に、温度変化が問題となりやすい時間間隔に合わせた効率のよい処理を実現可能にする。
【0009】また、本発明の請求項3では、所定時点からの荷重検出手段の出力の変化または荷重演算値の変化が規定値以上の場合、または、挙動検出手段に所定値以上の出力変化が生じた場合、荷重検出手段の出力に基づき所定の演算式により積載荷重を演算して記憶中の積載荷重を更新するので、これにより、荷重検出手段の出力変化または荷重演算値の変化が小さい場合でも挙動検出手段に所定値以上の出力変化が生じていれば、積載状況が変化したと判定して記憶中の積載荷重を荷重検出手段の出力に基づく最新の演算結果に更新できるようにし、挙動検出手段の出力変化が小さい場合でも荷重検出手段の出力変化または荷重演算値の変化が規定値以上であれば、積載状況が変化したと判定して同様に最新の演算結果に更新できる。また、所定時点からの荷重検出手段の出力の変化または荷重演算値の変化が規定値未満で且つ挙動検出手段の出力変化が所定値に満たない場合、荷重検出手段の出力に対応して記憶中の積載荷重が演算されるように演算式を補正することで、積載状況に変化がないことを確認した上で温度変化による誤差を的確に排除できるようにする。
【0010】
【発明の実施の形態】図1には本発明の一実施形態例に係る車両の積載荷重測定装置の全体構成、図2には積載荷重測定装置のブロック構成、図3には荷重測定手順を表すフローチャート、図4、図5には補正処理を表すフローチャート、図6には温度補正を表すフローチャートを示してある。
【0011】図1に示すように、リーフスプリング26a,26bによるサスペンション構造を有する大型車両において、積荷及び/又は車両の自重を測定するため、積荷等の重量による荷重を受ける部材に磁歪式センサや歪センサ等の荷重検出手段としての荷重センサ7a,7bが設けられている。
【0012】つまり、前輪25側は、荷台フレーム1とブラケット31とを連結するシャックルピン34、及びブラケット31とシャックル32とを結合するシャックルピン34に一対の荷重センサ7aが取付けられ、前輪25側の車両バネ上荷重に比例して変形するシャックルピン34の歪を荷重センサ7aで検知する。そして、後述する右前軸センサ出力fFR及び左前軸センサ出力fFLは、左右それぞれのシャックルピン34に取り付けられた一対の荷重センサ7aの出力の和となる。
【0013】後輪20側は、荷台フレーム1に取付けられたトラニオンブラケット2に支承されるトラニオンシャフト3に一対の荷重センサ7bが取付けられ、後輪20側の車両バネ上荷重に比例して変形するトラニオンシャフト3の歪を荷重センサ7bで検知する。具体的には、トラニオンシャフト3の左右それぞれに荷重センサ7bが取り付けられており、これらにより、後述する右後軸センサ出力fRR及び左後軸センサ出力fRLが得られる。
【0014】それぞれの荷重センサ7a,7bで得られた出力信号はアンプ41a,41bにより増幅され且つV/f変換されて車両バネ上荷重を得、これにバネ下荷重を加える等の演算処理をコントローラ40で行ない、車両荷重や積載荷重を測定し、必要に応じ表示装置42に表示する。
【0015】図2に示すように、制御手段としてのコントローラ40の中央制御部50には、温度検知センサ45、停車検出手段としてのブレーキ信号検知スイッチ46及び車速センサ47、スタータスイッチ48、積載量表示スイッチ49等の各種信号が入力される。また、中央制御部50には、車両に発生する上下方向の加速度変化や車高変化を検出する挙動検出手段としてのGセンサ61及び車高センサ62の信号が入力される。
【0016】温度検知センサ45は荷重センサ7a,7bとともにシャックルピン34及びトラニオンシャフト3に設けられ、荷重センサ7a,7b近傍の温度を的確に検知可能に構成されている。スタータスイッチ48はこのスイッチ48をONとすることにより、コントローラ40側で車両荷重や運転状態の測定等を開始するトリガ信号として機能する。積載量表示スイッチ49は、このスイッチ49をONすることにより、車速センサ47よりの車速信号が“0”の場合にのみ前記表示装置42の表示が積載量表示に変わるようになっている。表示装置42は、車速信号が“0”の場合に車両の積載量、総重量等の車両荷重表示がなされ、車速信号が“0”以外、即ち走行中の場合に種々の運転情報が切り換え可能に多重表示されるように構成している。
【0017】また、コントローラ40には、CPU等からなる中央制御部50と共に、各種センサ検出出力を受けて種々の運転状態(各種センサ検出出力)を記憶する記憶手段52A、及び積載量表示スイッチ49のON信号と車速センサ47の“0”信号を受けて中央制御部50により演算され、車両の積載量、総重量等の車両荷重を記憶する荷重記憶手段52Bをそれぞれ設けている。また、荷重記憶手段52Bには荷重演算値Wとともに繰返し検知タイミングより10秒前の荷重演算値Wa、荷重演算記憶値WO をそれぞれ記憶される記憶領域が設けられている。
【0018】次に上述した積載荷重測定装置の演算処理動作を図3乃至図6に基づいて説明する。尚、図中の記号は下記の通りである。
FR:右シャックルピンに挿設した前軸右センサの検出出力(周波数)
FL:左シャックルピンに挿設した前軸左センサの検出出力(周波数)
RR:右トラニオンシャフトに挿設した後軸右センサの検出出力(周波数)
RL:左トラニオンシャフトに挿設した後軸左センサの検出出力(周波数)
FRO :前軸右センサの検出出力記憶値fFLO :前軸左センサの検出出力記憶値fRRO :後軸右センサの検出出力記憶値fRLO :後軸左センサの検出出力記憶値T:現在の温度TO :温度記憶値WO :荷重演算記憶値(積載量)
W:最新検出出力に基づく現在の荷重演算値(積載量)
【0019】図3は荷重測定ルーチンを示し、その動作を簡単に説明する。初期設定後、車速センサ47より車両が停止状態か走行状態かを検出し、走行状態にあるときは荷重測定を行わない(S21)。一方車両が停止状態にあるときは荷重センサ7a,7bの検出出力(fFR,fFL,fRR,fRL)を検出し(S22)、センサ出力記憶値(fFRO ,fFLO ,fRRO ,fRLO )との差(ΔfFR=(fFR−fFRO)、fFL=(fFL−fFLO )、ΔfRR=(fRR−fRRO )、ΔfRL=(fRL−fRLO ))を採る(S23)。
【0020】そして所定の演算式としての下記(1)式に示すように、ΔfFR…にそれぞれ荷重変換定数(A,B,C,D)を乗じたものに荷重演算記憶値WO を加えて最新の荷重演算値Wを得る(S24)。
W=WO +AΔfFR+BΔfFL+CΔfRR+DΔfRL…(1)
尚、荷重変換定数A,B,C,Dは、荷重センサ7a,7b検出出力(周波数)を荷重演算値に変換するための定数である。
【0021】即ち、荷重演算記憶値WO を記憶した時点からの荷重センサ7a,7bのセンサ出力の変化から荷重変化量を求め、この荷重変化量を荷重演算記憶値WO に加算することで、最新の荷重演算値Wを求めている。その後は、最新の荷重演算値Wに基づいて表示装置42の表示を更新し(S25)、S21以降の処理を繰り返す。
【0022】図4、図5は前述の荷重測定ルーチンと並行して行なわれる補正処理を示すフローチャートで、先ずスタータスイッチ48がONからOFFに切り換わった場合、もしくはOFFからONに切り換わった場合(S0)、図6に示す温度補正を実行する(S1)。そして、車速センサ47より車速が0km(停止状態)から「>0km」(走行状態)に切り換わったか否かを判断し(S2)、走行状態に切り換わった場合は、荷重演算記憶値WO を10秒前の荷重演算値Wに変更して記憶すると共に、センサ出力記憶値fFRO ,fFLO ,fRRO ,fRLO を10秒前のセンサ検出出力fFR,fFL,fRR,fRLに変更して記憶する(S3)。
【0023】このように、発進直前(発進10秒前)の荷重演算値及びセンサ出力をそれぞれWO ,fFRO ,fFLO ,fRRO ,fRLO として記憶する理由は、発進時の車両挙動の影響を受けることなく積載完了時の状態を記憶し、その後の再積載時における荷重測定の参照値として利用するためである。車速が発進時でない場合は、車速が走行状態にあるか否かを判断し、走行状態にあるときは振動歪等が荷重センサ7a,7bに印加されるために、温度補正は行わずに前述した動作を繰返す(S4)。
【0024】車両が停車中にある時に、Gセンサ61及び車高センサ62に所定値以上の出力変化が生じて車両が変化した場合(S5)、荷重演算記憶値WO を最新の荷重演算値Wに変更して記憶する(S6)。その後、fFRO ,fFLO ,fRRO ,fRLO ,TO を実際のセンサ検出出力fFR,fFL,fRR,fRL,Tに更新し(S7)、tO を0分にリセットする。つまり、Gセンサ61及び車高センサ62に所定値以上の出力変化が生じた場合は、実際の積載状況に変化があった(積荷の積卸しがあった)として荷重センサ7a,7bの出力に基づき前記(1)式により積載荷重を演算して記憶中の積載荷重を更新するようになっている。
【0025】一方、車両が停車中にある時に、Gセンサ61及び車高センサ62に所定値以上の出力変化がなく車両が変化していない状態で(S5)、スタータスイッチ48がONからOFFに切り換わった後、もしくはOFFからONに切り換わった後、所定時間である30分(tO =30分)経過したか否かを判断し(S8)、30分経過した時点でtO を0分にリセットした後、温度補正を行う(S9)。以下上述した動作を繰返し、車両停止中に車両が変化していない状態において、tO =30分経過する毎に繰返し温度補正を行う。
【0026】Gセンサ61及び車高センサ62の出力変化が所定値に満たない場合の処理を30分毎に行うので、停車中の消費電力を節減づることができると共に、温度変化が問題となりやすい時間間隔にあわせた効率のよい処理を実現することができる。
【0027】次に温度補正動作について図6に基づいて説明する。尚、本実施形態例では、温度変化に起因してセンサ出力変化が発生したことを判断するための規定値を、温度変化が3℃未満の場合は100kgf、温度変化が3℃を越える場合は300kgfにそれぞれ設定している。
【0028】温度検出センサ45の検出データにより、現在の温度Tと温度記憶値TO (30分前の温度)の差(|T−TO |)が3℃未満か否かを判定し(S11)、3℃未満の場合はこれに対応する規定値として100kgfを採用する。荷重センサ7a,7bの30分前と現在の検出出力に対応する荷重変化「A×|fFR−fFRO |、B×|fFL−fFLO |、C×|fRR−fRRO |、D×|fRL−fRLO |」がいずれも100kgf未満の場合は(S12)、温度変動に基づく熱膨張(収縮)変化と看做し、言換えれば荷重センサ7a,7bには熱膨張(収縮)変化のみが生じ、積載量の変化が生じていないものと看做し、センサ出力記憶値をfFRO ,fFLO ,fRRO ,fRLO 、温度記憶値TO を現在のセンサ出力fFR,fFL,fRR,fRL,Tに変更して記憶する(S13)。
【0029】これにより前述した演算式(1)式で使用するWO は更新されず、ΔfFR,ΔfFL,ΔfRR,ΔfRLを算出するためのfFRO ,fFLO ,fRRO ,fRLO のみが最新値に更新されることになるので、ΔfFR,ΔfFL,ΔfRR,ΔfRLは0となり(1)式からは荷重演算記憶値WO が荷重演算値Wとして出力されることになり、実質的に演算式が補正されることになる。即ち、過去の荷重演算記憶値WOに対して現在のセンサ出力を対応させて記憶することにより、温度補正を行なっている。
【0030】また、荷重変化「A×|fFR−fFRO |、B×|fFL−fFLO |、C×|fRR−fRRO |、D×|fRL−fRLO |」のいずれかが100kgfよりも大きい場合は、荷重演算記憶値WO を最新の荷重演算値Wに変更して記憶し(S14)、その後にfFRO ,fFLO ,fRRO ,fRLO ,TO を更新する(S13)。この場合は、WO ,fFRO ,fFLO ,fRRO ,fRLO が同時に更新されるため、最新の荷重演算値Wを求めた時の状況が記憶されることになり、以後の荷重測定の参照値として利用されることになるが、記憶される演算値とセンサ出力との時期は一致しているため、温度補正は行なわれていない。
【0031】一方、|T−TO |が3℃を越える場合は(S11)、これに対応する規定値として300kgfを採用し、前述と同様に30分前と現在の荷重センサ7a,7bの検出出力に対応する荷重変化がいずれも300kgf未満の場合は(S15)、温度変動に基づく熱膨張(収縮)変化のみが生じ積載量の変化が生じていないものと見做し、荷重演算記憶値WO の更新は行なわないので、fFRO ,fFLO ,fRRO ,fRLO ,TO のみを更新する(S13)。これにより、最新の荷重演算値として記憶値WO が出力されるようになり、温度補正が行なわれたことになる。
【0032】また、荷重変化「A×|fFR−fFRO |、B×|fFL−fFLO |、C×|fRR−fRRO |、D×|fRL−fRLO |」のいずれかが300kgfより大きい場合は、WO と共にfFRO ,fFLO ,fRRO ,fRLO ,TO が更新され(S14,S13)、その後の測定の参照値として利用される(温度補正なし)。
【0033】ステップS13を終了した後は処理は一旦終了し、Gセンサ61及び車高センサ62の出力変化が所定値に満たない状態が30分経過した後、再び温度補正処理が命令されると、同様の処理がなされる。
【0034】上述した積載荷重測定装置は、Gセンサ61及び車高センサ62に所定値以上の出力変化が生じた場合は、荷重センサ7a,7bの出力に基づき(1)の演算式で積載荷重を演算して記憶中の積載荷重を更新するので、車両の状況が変化したことをGセンサ61及び車高センサ62の出力変化で確認した上で、記憶中の積載荷重を荷重センサ7a,7bの出力に基づく積載荷重演算値に更新することができ、信頼性が高く精度のよい計測が可能になる。
【0035】また、Gセンサ61及び車高センサ62の出力変化が所定値に満たない場合は、荷重センサ7a,7bの出力に対応して記憶中の積載荷重が演算されるよう演算式を補正するので、温度変化により荷重センサ7a,7bの出力が変化した場合でも温度変化以前と同じ荷重演算値が出力されるようになり、温度変化による荷重センサ7a,7bの出力変化を演算式の補正により補償して温度の変化による測定誤差を的確に排除することができる。
【0036】即ち、上述した積載荷重測定装置は、温度変化により荷重センサ7a,7bの出力が変化した場合のように、荷重センサ7a,7bの出力変化または荷重演算値の変化が小さい時で、且つGセンサ61及び車高センサ62の出力変化が所定値に満たない時に演算式を補正するので、積載状況に変化がないことを確認した上で温度変化による誤差をより的確に排除することができる。また、荷重センサ7a,7bの出力変化または荷重演算値の変化が小さい場合でも、Gセンサ61及び車高センサ62に所定値以上の出力変化が生じていれば積載状況が変化したと判定して記憶中の積載荷重を荷重センサ7a,7bの出力に基づく最新の演算結果に更新するので、積載量変化が少ない場合にも精度よい測定が可能になる。
【0037】
【発明の効果】本発明の請求項1では、車両の停車中において、車両挙動検出手段に所定値以上の出力変化が生じた場合は荷重検出手段の出力に基づき所定の演算式により積載荷重を演算して記憶中の積載荷重を更新するようにしたので、車両の積載状況が変化したことを挙動検出手段の出力変化で確認した上で、記憶中の積載荷重を荷重検出手段の出力に基づく積載荷重演算値に更新することができる。また、車両挙動検出手段の出力変化が所定値に満たない場合は荷重検出手段の出力に対応して記憶中の積載荷重が演算されるよう演算式を補正するようにしたので、温度変化により荷重検出手段の出力が変化した場合でも、温度変化以前と同じ荷重演算値が出力されるようになる。この結果、信頼性が高く精度のよい計測が可能になると共に、温度変化による荷重検出手段の出力変化を演算式の補正により補償して温度の変化による測定誤差を的確に排除することが可能になる。
【0038】また、本発明の請求項2では、挙動検出手段の出力変化が所定値に満たない場合の処理を所定時間毎に実行するようにしたので、停車中の消費電力を節減できると共に、温度変化が問題となりやすい時間間隔に合わせた効率のよい処理を実現可能となる。
【0039】また、本発明の請求項3では、所定時点からの荷重検出手段の出力の変化または荷重演算値の変化が規定値以上の場合、または、挙動検出手段に所定値以上の出力変化が生じた場合、荷重検出手段の出力に基づき所定の演算式により積載荷重を演算して記憶中の積載荷重を更新するので、荷重検出手段の出力変化または荷重演算値の変化が小さい場合でも挙動検出手段に所定値以上の出力変化が生じていれば、積載状況が変化したと判定して記憶中の積載荷重を荷重検出手段の出力に基づく最新の演算結果に更新できるようになるし、挙動検出手段の出力変化が小さい場合でも、荷重検出手段の出力変化または荷重演算値の変化が規定値以上であれば、積載状況が変化したと判定して同様に最新の演算結果に更新できる。また、所定時点からの荷重検出手段の出力の変化または荷重演算値の変化が規定値未満で且つ挙動検出手段の出力変化が所定値に満たない場合、荷重検出手段の出力に対応して記憶中の積載荷重を演算するようにしたので、積載状況に変化がないことを確認した上で温度変化による誤差を的確に排除できるようになる。この結果、積載量変化が少ない場合にも精度がよい測定が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)12月1日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】光石 俊郎 (外2名)
【公開番号】 特開平11−160140
【公開日】 平成11年(1999)6月18日
【出願番号】 特願平9−329766