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【発明の名称】 物理現象および/または化学現象の検出装置
【発明者】 【氏名】澤田 和明

【氏名】冨田 勝彦

【氏名】中西 剛

【氏名】田邉 裕貴

【氏名】三村 享

【氏名】宇野 敏彦

【要約】 【課題】同一またはほぼ同一の時刻で、同一またはほぼ同一の場所において生じている複数の物理現象および/または化学現象を把握することができる物理現象および/または化学現象の検出装置を提供すること。

【解決手段】半導体基板2の一方の面に、二以上の物理現象および/または化学現象の電気的信号を少なくともほぼ同時に取り込むための物理現象および/または化学現象を検出する現象検出部7を設けている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 半導体基板の一方の面に、二以上の物理現象および/または化学現象の電気的信号を少なくともほぼ同時に取り込むための物理現象および/または化学現象を検出する現象検出部を設けたことを特徴とする物理現象および/または化学現象の検出装置。
【請求項2】 物理現象および/または化学現象を検出する現象検出部を複数個一次元的に配置してなる請求項1に記載の物理現象および/または化学現象の検出装置。
【請求項3】 物理現象および/または化学現象を検出する現象検出分を複数個二次元的に配置してなる請求項1に記載の物理現象および/または化学現象の検出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、物理現象および/または化学現象の検出装置に関し、特に、複数の物理現象および/または化学現象を少なくともほぼ同時に検出することができるようにした物理現象および/または化学現象の検出装置に関する。
【0002】前記物理現象または化学現象とは、温度、広義の光(可視光、紫外光、赤外光、X線、電磁波など)、濃度、磁気、圧力、加速度、速度、音波、超音波、酸化還元電位、反応速度など様々な現象を指す。
【0003】
【従来の技術】上記物理現象または化学現象は、従来、温度センサ、光センサ、物理センサ、化学センサと呼ばれる素子を用いて、種々の電気信号(電流、電圧、抵抗、容量、電位)に変換され、個別に観測されていた。
【0004】例えば、代表的な温度センサである焦電型センサの場合、温度が変化すると、焦電体に電荷が生成され、その電位変化をFET(電界効果トランジスタ)などにより増幅して読み取るようにしている。また、代表的な光センサであるフォトダイオードは、光により発生する電荷を電流の形で取り出している。そして、代表的な物理センサであるピエゾ抵抗効果を用いた圧力センサは、圧力による抵抗変化を読み取るようにしている。さらに、代表的な化学センサであるISFET(イオン感応性電界効果トランジスタ)を用いたpHの測定は、その応答膜に水素イオンが吸着されることによってチャネルコンダクタンスが変化し、FETを流れる電流を測定することにより、溶液のpH値を測定している。
【0005】さらに、前記各種のセンサを二次元方向に並列的に並べ、その出力分布を同時に取得し、画像化することが試みられている。この代表的なものとして、固体撮像素子が挙げられる。この素子は、フォトダイオードを二次元的に複数個並べ、入射光の強度分布に依存したフォトダイオード内で発生する電荷を一定時間その内部の容量に蓄積し、電荷転送デバイスまたはMOSトランジスタアレイを用いて一定時間間隔で時系列的に信号を外部に出力するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記いずれのセンサや素子においても、同じ時刻の、同じ場所における複数の物理現象および/または化学現象の信号または分布を観測することはできなかった。
【0007】この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、同一またはほぼ同一の時刻で、同一またはほぼ同一の場所において生じている複数の物理現象および/または化学現象を把握することができる物理現象および/または化学現象の検出装置(以下、単に現象検出装置という)を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、この発明の現象検出装置は、半導体基板の一方の面に、二以上の物理現象および/または化学現象の電気的信号を少なくともほぼ同時に取り込むための物理現象および/または化学現象を検出する現象検出部を設けている。
【0009】上記構成の現象検出装置によれば、同一またはほぼ同一の時刻で、同一またはほぼ同一の場所において生じている複数の物理現象および/または化学現象の電気的出力信号(電流、電圧、電荷など)を得ることができ、これまで未知であった物理現象および/または化学現象の相互作用を知ることができる。そして、二以上の物理現象および/または化学現象を同時に知ることにより、これまでに開発された単独の検出素子では、分からなかった現象を見つけることも可能になる。
【0010】そして、前記現象検出部を一次元または二次元的に並べることにより、複数の物理現象および/または化学現象の分布を知ることができる。さらに、前記現象検出部の出力は、電流、電圧、電荷などの電気的出力信号であるから、その出力をある一定時間蓄積して、それぞれの現象検出部の出力を時系列で取り出すことができる。そうすることにより、その出力をテレビ画面やコンピュータに取り込むことが容易になり、高感度、高詳細に物理現象および/または化学現象の二次元分布の観察も可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。まず、図1および図2は、第1の実施の形態を示す。この実施の形態における現象検出装置は、同じ部位における光強度(物理現象)とイオン濃度(化学現象)を同時に検出することができる。
【0012】図1において、1は現象検出装置本体で、次のように構成されている。すなわち、2は半導体基板で、例えばp型のシリコン基板である。このシリコン基板2の一方の表面(図示例では上面)側には3つのn型の拡散領域3,4,5が適宜の間隔をおいて形成されている。拡散領域3,4間には薄い酸化膜を介して障壁部6、物理現象および/または化学現象を検出する現象検出部としての感応部7および読み出し電極8が形成されている。また、拡散領域4,5間には薄い酸化膜を介してリセットゲート9が形成されている。
【0013】前記感応部7は、水素イオンを感ずることができるように、シリコン窒化膜で被覆されている。そして、この感応部7は、光強度も検出できるように構成されており、pH感応部(化学現象の検出部)兼光感応部(物理現象の検出部)とも称すべき部分である。
【0014】また、前記拡散領域3は、インプットダイードとして機能し、正のインプット電圧Vinput (図2(A)参照)が常に印加され正電位にバイアスされている。そして、拡散領域4は電気的に浮いた領域で、感応部7で得られるイオン信号電荷または光信号電荷を、読み出し電極8の電位Vread(図2(B)参照)を上げることによって導くように構成されている。
【0015】前記拡散領域4の最初の電位は、拡散領域5に対する印加電圧およびリセットゲート9に対する印加電圧Vrest(図2(C)参照)により決定される。そして、この拡散領域4の電荷は、MOSトランジスタのソースフォロア回路10を用いてその出力端子11から取り出すことができる。このMOSトランジスタのソースフォロア回路10は、n型拡散領域で適宜の電圧(例えば5V程度)が印加されるドレイン領域12、ソース領域13、拡散領域4と電気的に接続されたゲート電極14および抵抗15で構成される。
【0016】なお、図1において、16は参照電極で、適宜の電源に接続されている。そして、17〜22は電圧印加用端子である。
【0017】次に、上記構成の現象検出装置の動作について、タイミングチャートである図2をも参照しながら説明する。現象検出装置本体1を溶液(図示してない)中に設置する。そして、この溶液中に、その電位を決定するために参照電極16を浸漬する。シリコン基板2は接地される。この状態においては、シリコン基板2の感応部7の下方には、参照電極16に印加される電圧と溶液中のpH濃度に依存した空乏層23が広がっている。
【0018】まず、光強度の検出について説明すると、今、光がシリコン基板2の上面に対して入射しているものとする。前記空乏層23に対して光が入ってくると、電子・正孔対が生成され、正孔はシリコン基板2から外部に排出され、電子は空乏層23内に蓄えられる。拡散領域4は、空乏層23に蓄えられた電子が流れ込む以前にリセットゲート9に正の電圧を印加してある初期電位に固定しておく。そして、読み出し電極8に正の電圧を矩形波上に印加することにより、前記電子は予め一定の電位に固定されている拡散領域4に流れ込み、この拡散領域4の電位を変える。この電位変化をソースフォロア回路10で読み取ることにより、光の強度を検出することができる。
【0019】次に、溶液のpHの検出について説明すると、参照電極16の電位は固定されているので、感応部7の下方の空乏層23の電位は、溶液のpH濃度によって変化する。そして、インプットダイオード3は、常に正電圧にバイアスされているが、この電位を障壁部6の電位よりも低くすると、電子は障壁部6を乗り越えて感応部7の下方の空乏層23に入ってくる。そして、インプットダイオード3の電位を再び障壁部6の電位より高くする(初期状態の電位に戻す)と、感応部7の下方には溶液のpH濃度に依存した電荷が残る。次に、読み出し電極8に、図2(B)に示すように、正の電圧を矩形波状に印加することにより、前記電子は、リセットされ予め高い電位に固定されている拡散領域4に流れ込み、この拡散領域4の電位を変える。この電位変化をソースフォロア回路10で読み取ることにより、溶液のpHを検出することができる。
【0020】上述のように、上記構成の現象検出装置によれば、ほぼ同時刻の同じ場所における光強度とpH濃度を知ることができる。そして、この現象検出装置は、図2(D)に示すように、光強度に関する電圧信号S1 およびpHに関する電圧信号S2 を同じ出力端子11から得ることができる。
【0021】図3は、上記現象検出装置の応用例を示すもので、この図に示すものにおいては、感応部7を二次元的に縦横に複数個並べており、読み出し電極8に流れる電荷をCCD(電荷結合素子)などで転送し、ソースフォロア回路10で出力端子11から読み出すことにより、二次元の情報を時系列で取り出せるように構成されている。この図3において、23は水平CCD、24は垂直CCDである。
【0022】なお、図示は省略するが、感応部7を一次元的に複数個並べるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0023】次に、図4および図5は、第2の実施の形態を示す。この実施の形態における現象検出装置は、同じ部位における光強度(物理現象)とイオン濃度(化学現象)を同時に検出することができる。
【0024】この実施の形態における現象検出装置においては、シリコン基板2に代えて、半導体基板としてSOI(Silicon On Insulator)基板を用いるとともに、光強度に関する電圧信号とpHに関する電圧信号を別の出力端子から得るようにしている。
【0025】すなわち、図4において、25はSOI基板で、シリコン基板26の上面に絶縁物としてのSiO2 層27およびn型の単結晶のシリコン基板28を形成してなるものである。そして、このSOI基板25は、n型のシリコン基板28の上半分にp型領域28P形成し、このp型領域28Pに、前記第1の実施の形態と同様構成の感応部7を始めとする各部を形成している。28Nはn型のシリコン基板28の下半分のn型領域である。
【0026】そして、図4において、29はソースフォロア回路10の一構成部材である信号出力端子で、この端子29にはpHに関する電圧信号が出力される。また、30はp型領域28Pに接続された信号出力端子で、この端子30には光強度に関する電圧信号が出力される。31はp型領域28Pおよびn型領域に図4に示すようにバイアス電圧を印加するバイアス電源で、その負極側はソースフォロア回路10の抵抗15の接地側と接続されており、正極側は信号出力端子30に接続されている。
【0027】次に、上記構成の現象検出装置の動作について、タイミングチャートである図5をも参照しながら説明する。現象検出装置本体1および参照電極16を、図示してない溶液中に浸漬した状態で設置する。
【0028】まず、光強度の検出について説明すると、感応部7の下方の空乏層23に対して光が入ってくると、電子・正孔対が生成され、正孔はシリコン基板2から外部に排出され、電子は空乏層23内に蓄えられる。一定の時間、信号の蓄積を行った後に、バイアス電源31による基板28へのバイアス電圧Vsub (図5(D)参照)を大きくすることにより、前記空乏層23内の電荷をn型領域28Nに流すことができ、出力端子30から光強度に関する電圧信号(図5(F)参照)を得ることができる。これは、基板28に対する電圧Vsub を大きくすることによって、感応部7と領域28Pとの間にある障壁電位が低くなり、電位勾配ができるためである。
【0029】そして、溶液のpHの検出については、上記第1の実施の形態と変わるところはなく、図5(E)に示すような出力信号が出力端子29から出力される。なお、同図(A)はインプットダイード3に対するインプット電圧Vinput を、同図(B)は読み出し電極に印加される電圧Vreadを、同図(C)はリセットゲート9に印加されるリセット電圧Vrestを、それぞれ示している。
【0030】上記第2の実施の形態における現象検出装置においても、第1の実施の形態と同様に、感応部7を複数個一次元的または二次元的に設けるようにしてもよい。
【0031】上述の各実施の形態においては、一つの感応部7がpHおよび光の双方を検出するように構成されていたが、pHと光とを別々の感応部で検出するようにしてもよく、これを第3の実施の形態として説明する。
【0032】図6および図7は、第3の実施の形態を示すもので、まず、図6において、34,33はp型シリコン基板2に適宜の間隔をおいて形成されるn型拡散領域である。ここで、拡散領域33はフォトダイオード構造で、その上面が可視光感応部となる。そして、拡散領域4,33および読み出し電極31によって光強度検出部34が形成される。また、拡散領域3,4の間の部分35はpHに感応するpH感応部に形成されている。この感応部35の構成は、上記第1実施の形態における感応部1と同様である。そして、このpH感応部35および拡散領域3,4によってpH検出部36が形成される。
【0033】なお、図6において、37は拡散領域3と接地電位との間に介装される常開スイッチ、38は抵抗15に接続される電源、39は信号出力端子である。
【0034】上記構成の現象検出装置の動作について,タイミングチャートである図7をも参照しながら説明する。現象検出装置本体1および参照電極16を、図示してない溶液中に浸漬した状態で設置する。
【0035】まず、光強度を検出するには、読み出し電極9にしきい値電圧以上の大きな正の電圧VG (図7(B)参照)を端子21を介して印加すると、可視光感応部33には端子38に印加される電圧VD にほぼ等しい逆バイアス電圧が印加され、読み出し電極9の電圧を接地電位に戻しても、可視光感応部33には電圧VD にほぼ等しい逆バイアス電圧が印加されたままとなり、電気的に浮いた状態になる。
【0036】前記状態において可視光感応部33に光が入射すると、可視光感応部33に広がっている空乏層の中で電子・正孔対が生成し、可視光感応部33に存在するpn接合により形成されている容量に電荷が蓄積され、可視光感応部33に印加されていた逆バイアス電圧が小さくなる。ある一定時間それらの電荷を蓄積した後、読み出し電極9に電圧VG を再び印加すると、前記蓄積されていた電荷は抵抗15を介して流れ、出力端子39には光信号に見合った電圧降下が現れる(図7(C)における符号S1 )。このとき、可視光感応部33の電圧は、電流が流れることで再び電圧VD にほぼ等しい初期状態にリセットされる。このようにして、光強度が電圧値として求められる。
【0037】次に、溶液のpHの検出について説明すると、このpH検出は、前記光信号を蓄積している間に行うことができる。すなわち、読み出し電極9に電圧VG が印加されていないときに、スイッチ37をオンすることにより、pH信号を読み出すことができる(図7(C)における符号S2 )。すなわち、pH感応部35の下方のシリコンと酸化膜との界面に生ずるチャネルのコンダクタンスは、溶液中のpH濃度に依存するので、前記界面を流れる電流値はpH濃度を反映している。したがって、出力端子39で観測される電圧は溶液のpH濃度に依存したものとなっている。
【0038】上記第3の実施の形態における現象検出装置においては、光強度とpH濃度の信号は、図7(C)に示すように出力端子39に交互に現れ、これらを交互に観察することができる。また、スイッチ37の開閉動作および読み出し電極9への電圧印加動作のいずれか一方をやめることで、光強度またはpH濃度のいずれか一方のみを行うようにすることができる。
【0039】図8は、上記第3の実施の形態の現象検出装置の応用例を示すもので、この図に示すものにおいては、光強度検出部34とpH検出部36とを二次元的に縦横に複数個並べ、これらをシフトレジスタ40,41によって順次駆動することにより、ほぼ同一領域におけるほぼ同時刻の光学像とpH濃度分布像とを観察できるようにしている。
【0040】なお、上記において、図示は省略するが、光強度検出部34とpH検出部36とを一次元的に複数個並べるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0041】上述の各実施の形態においては、化学現象としてpH濃度を例示しているが、これ以外の他のイオン濃度を検出するようにしてもよい。
【0042】図9および図10は、第4の実施の形態を示すもので、この実施の形態における現象検出装置は、温度と圧力を検出できるように構成されている。すなわち、図9において、42はSOI基板で、シリコン基板43の上面に絶縁物としてのSiO2 層44およびn型の単結晶のシリコン基板45を形成してなるものである。このSOI基板42の上面には、通常のnチャネルトランジスタ46,47,48がデプレション型で形成されている。そして、このnチャネルトランジスタ46,47,48のチャネル部に整合するように、基板43をエッチングによって除去して、ダイヤフラム49が現象検出部として形成されている。また、nチャネルトランジスタ46,47,48のゲート50の上部には、上下に電極51,52を有する焦電体53が現象検出部として設けられている。この焦電体53は、例えばPZT,PZLT系セラミックスまたはPVDF(ポリビニリデンフロライド)などよりなる。
【0043】なお、図9において、54はソースフォロア回路で、55は出力端子、56は抵抗である。また、57は電圧印加端子である。
【0044】上記構成の現象検出装置の動作について、タイミングチャートである図10をも参照しながら説明する。まず、圧力の検出について説明すると、圧力は、前記nチャネルトランジスタ46,47,48のチャネルコンダクタンスが圧力により変化することを利用して検出することができる。すなわち、焦電体53は、定常状態では電圧を発生しないため、ゲート電圧はほとんど0となり、圧力による出力がnチャネルトランジスタ46,47,48に流れる電流を観察することにより得られ、この電流は、ソースフォロア回路54によって得ることができる。図10において、Sp は圧力信号である。
【0045】そして、温度については、焦電体53に入射する熱(赤外光)をチョッパ(図示してない)でチョッピングすることによって、その熱に見合った電圧が焦電体53に誘起し、nチャネルトランジスタ46,47,48のゲート電圧が変化することにより、nチャネルトランジスタ46,47,48に流れる電流が変化する。したがって、チョッピングしていないときの電流値を予め調べておき、その差分を読み取ることで、温度分布を知ることができる。図10において、Sp +Sirは圧力信号+温度信号である。
【0046】そして、この実施の形態における現象検出装置によれば、圧力検出において温度補正を行うことができる。
【0047】また、上記実施の形態における現象検出装置本体を、一次元または二次元的に配置することにより、圧力や温度の空間的な分布を検出することができる。
【0048】上述した各記実施の形態においては、検出対象の物理現象および/または化学現象はいずれも二つであったが、この発明はこれに限られるものではなく、3以上であってもよい。次に、3つの現象を検出する現象検出装置について説明する。
【0049】図11および図12は、第5の実施の形態を示し、この実施の形態の現象検出装置は、温度、圧力および可視光の3つの現象を検出することができる。すなわち、図11に示す現象検出装置は、図9に示したものに、領域58,50を加え、特に、領域59を可視光に感ずるフォトダイオードとし、領域48,58,59からなる可視光検出部60を付加している。54A,55Aは前記第4の実施の形態におけるソースフォロア回路54と同様構成のソースフォロア回路で、一方のソースフォロア回路54Aの出力端子55Aには、圧力信号および温度信号が、また、他方のソースフォロア回路54Bの出力端子55Bには、可視光信号が出力される。61は電圧印加端子、62はソースフォロア回路54Bの抵抗56Bに接続される電源である。
【0050】上記構成の現象検出装置の動作について、タイミングチャートである図12を参照しながら説明する。まず、圧力および温度の検出については、上記第4の実施の形態における現象検出装置と同様であり、この実施の形態においては、ソースフォロア回路54Aの出力端子55Aに、図12(C)に示すように、圧力信号Sp あるいは圧力信号Sp +温度信号Sirが出力される。
【0051】そして、可視光信号は、読み出し電極として機能する領域48に正の電圧Vg(図12(B)参照)を印加することにより、可視光の入射によって生成し可視光感応部59に蓄積された電荷を読み出すことができ、その出力Sk は、ソースフォロア回路54Bの出力端子55Bに、図12(D)に示すように、出力される。
【0052】上記実施の形態における現象検出装置本体を、一次元または二次元的に配置することにより、圧力、温度および可視光の空間的な分布を検出することができる。
【0053】
【発明の効果】この発明の現象検出装置によれば、同一またはほぼ同一の時刻で、同一またはほぼ同一の場所において生じている複数の物理現象および/または化学現象の電気的出力信号を得ることができ、これまで未知であった物理現象および/または化学現象の相互作用を知ることができる。そして、二以上の物理現象および/または化学現象を同時に知ることにより、これまでに開発された単独の検出素子では、分からなかった現象を見つけることも可能になる。
【0054】そして、上記現象検出装置を、集積回路技術を用いることにより高密度に集積し、時間的蓄積を行うことにより、高解像度かつ高感度の装置を得ることができ、高感度、高詳細に物理現象および/または化学現象の二次元分布の観察をすることができる。
【出願人】 【識別番号】000155023
【氏名又は名称】株式会社堀場製作所
【出願日】 平成10年(1998)1月14日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英夫
【公開番号】 特開平11−201775
【公開日】 平成11年(1999)7月30日
【出願番号】 特願平10−17821