| 【発明の名称】 |
光学式エンコーダ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】工藤 宏一
【氏名】前田 英男
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| 【要約】 |
【課題】スケールの移動方向と垂直な方向へのスケールの多少の移動があっても、スケールあるいは光ヘッドに傾きが多少はあっても受光して移動量の検出が可能な光ヘッドの光学式エンコーダ装置を提供する。
【解決手段】光源11と、光の散乱部と非散乱部による周期的な位置情報が記録されたスケール13と、前記光源と前記スケールの相対的な位置の変化に伴う前記スケールからの散乱光の強度の変化を検出する受光手段15と、前記受光手段の検出結果から前記スケールの相対的な位置の変化を検出する位置変化検出手段を、光の遮断状態と透過光や反射光の受光状態を検出するのではなく、散乱光の受光状態と光の透過状態か反射状態を検出する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源と、光の散乱部と非散乱部による周期的な位置情報が記録されたスケールと、前記光源と前記スケールの相対的な位置の変化に伴う前記スケールからの散乱光の強度の変化を検出する受光手段と、前記受光手段の検出結果から前記スケールの相対的な位置の変化を検出する位置変化検出手段を備えたことを特徴とする光学式エンコーダ装置。 【請求項2】 前記光源と前記スケールの間の光路には、前記光源からの光を前記スケール上に集光する投光レンズを備えたことを特徴とする請求項1に記載の光学式エンコーダ装置。 【請求項3】 前記スケールと前記受光手段の間の光路には、前記散乱光を前記受光手段上に集光する受光レンズを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学式エンコーダ装置。 【請求項4】 前記光源の出射光の前記スケールへ光路と、前記スケールの散乱光の一部の受光手段への光路を一致させるための光分割手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の光学式エンコーダ装置。 【請求項5】 前記投光レンズと前記受光レンズを兼ねる1つのレンズを備えたことを特徴とする請求項4に記載の光学式エンコーダ装置。 【請求項6】 前記光源と前記スケールの間の光路には、前記光源から出射した光が前記スケール上に前記スケールの周期的な位置情報の略半周期に相当する短辺を有する少なくとも1つの長方形状の光ビームとして前記スケール上に投射されるように整形するスリットマスクを備えたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光学式エンコーダ装置。 【請求項7】 前記光源と前記スケールの間の光路には、前記光源から出射した光が前記スケール上に前記スケールの周期的な位置情報の略半周期に相当する短辺を有する少なくとも1つの長方形状の光ビームが前記スケール上に投射されるように整形するシリンドリカルレンズ手段を備えたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光学式エンコーダ装置。 【請求項8】 前記受光手段へ入射する光ビームの形状を円形に整形するシリンドリカルレンズ手段又はウエッジ手段を備えたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光学式エンコーダ装置。 【請求項9】 前記スケールの周期的な位置情報は、全反射部と散乱部により形成されることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の光学式エンコーダ装置。 【請求項10】 前記スケールの周期的な位置情報は、吸収部と散乱部により形成されることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の光学式エンコーダ装置。 【請求項11】 前記スケールの散乱部は、2次元又は3次元のレリーフ格子により形成されることを特徴とする請求項9又は10に記載の光学式エンコーダ装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、位置の変化により長さや移動量等を検出するための光学式エンコーダ装置に関し、さらに詳しくは、発光部からの光を、位置の変化に伴ってスケールにより周期的に変化する光が受光部で受光され、その光量変化により位置の変化を検出する光学式エンコーダ装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、各種の測長機器、計測装置、工作機械、複写機等の装置の分野では、位置の変化により長さや移動を検出可能な光学式エンコーダ装置が知られている。以下に、図18を用いて、そのような従来の光学式エンコーダ装置のうちの透過式のものについて説明する。図18において、光源1は、ライトやLED等の発光部であり、安定した光を供給する部分である。コリメートレンズ2は、光源からの出力光を平行光線としてスケールに投射するためのものである。スケール3は、一定の格子定数を有する光学格子からなるスケールである。インデックススケール4は、上記スケール3の移動方向を識別するために1/4波長ずらされた2つの上記スケール3と同じ格子定数を有するスケールである。光検出器5は、上記インデックススケール4の1/4波長ずらされた2つの光学格子の通過光をそれぞれ検出可能な検出器である。移動方向6は、スケール3の移動方向を示す矢印である。上記の構成において、通常は、コリメートレンズ2とインデックススケール4の間にスケール3の移動が可能なスリット等を有し、そのコリメートレンズ2とインデックススケール4の他の光源1と光検出器5を含んで遮光されたケースに入った一体の光ヘッドを構成するようにしている。そして、スケール3を光ヘッドの光源部と受光部が挟むような位置関係で、スケール3の移動により光源部からの光が通過か遮断されスケール3の移動が検出されるので、スケール3を移動量の確認が必要な部分に設置することで、その部分の移動が確認できる。検出時には、光源1が点灯され、コリメートレンズ2で平行光線化したビーム光は、スケール3とインデックススケール4を通過してあるいは遮断され、通過光が光検出器5で受光され、遮断光は光検出器5では受光されないことになる。そして、その受光のオン/オフの数量を不図示のカウンタ等で計数することで長さや位置又は移動量を検出することが可能となる。インデックススケール4は、スケール3の移動方向を知るために受光部の光検出器5とスケール3の間に設置される1/4波長ずれた2つのスケール3と同周期の格子定数の光学格子であるので、そのそれぞれの光学格子の通過光を光検出器5で検出し、それぞれの光学格子をA相とB相とすると、そのA相とB相の検出間隔は、1/4波長ずれた短い検出間隔の場合と3/4波長ずれた長い検出間隔の場合が交互に発生し、例えば、長い検出間隔の後にどちらの光学格子の通過光が検出されるかで、移動方向を決定することができる。図19は、従来の光学式エンコーダ装置のうちの反射式のものを示す図である。反射式の場合には、光源1からの出力光は、反射物7で反射されて光検出器5で検出されるが、その場合の角度反射率特性8は図19中に図示したように指向性の強い急峻なビーム形状を示している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した従来の透過式の構成では、ノイズ成分となる外部からの光と区別して通過光を検出するので、高分解能を得ようとすると、少なくともスケール3とインデックススケール4の間隔を微少化する必要があり、スケール3とインデックススケール4を含む光ヘッド(のスリット等)は微少間隔で、非接触の平行な間隔が維持されるように配置されることになる。スケール3に対して、スケール3が移動した場合にも、常時、微少間隔を保つように光ヘッドを取り付けることは、通常は取付時にスキューやヨーイングといった角度を有して取り付けられてしまうことから、難易度の高い工数の多く必要な作業である。又、反射式の場合でも、上記のように角度反射率特性8は指向性の強いビーム形状であることから、光検出器5の設置位置や受光面の角度にずれが生じると、光検出器5の検出感度は非常に変動することになる。本発明は、上記課題に鑑みて、スケールの移動方向と垂直な方向へのスケールの多少の移動があっても、スケールあるいは光ヘッドに傾きが多少はあっても受光して移動量の検出が可能な光ヘッドの光学式エンコーダ装置を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するために請求項1の本発明では、光源と、光の散乱部と非散乱部による周期的な位置情報が記録されたスケールと、前記光源と前記スケールの相対的な位置の変化に伴う前記スケールからの散乱光の強度の変化を検出する受光手段と、前記受光手段の検出結果から前記スケールの相対的な位置の変化を検出する位置変化検出手段を備えたことを特徴とし、光の遮断状態と透過光や反射光の受光状態を検出するのではなく、散乱光の受光状態光の遮断状態を検出するようにした。請求項2の本発明では、前記光源と前記スケールの間の光路には、前記光源からの光を前記スケール上に集光する投光レンズを備えたことを特徴とし、投光部から発散しようとする光が集光される。請求項3の本発明では、前記スケールと前記受光手段の間の光路には、前記散乱光を前記受光手段上に集光する受光レンズを備えたことを特徴とし、スケールからの散乱光を受光レンズで集光する。請求項4の本発明では、前記光源の出射光の前記スケールへ光路と、前記スケールの散乱光の一部の受光手段への光路を一致させるための光分割手段を備えたことを特徴とし、出射光の光路と受光手段への光路を一致させる。請求項5の本発明では、前記投光レンズと前記受光レンズを兼ねる1つのレンズを備えたことを特徴とし、投光と受光のレンズを1つにできる。請求項6の本発明では、前記光源と前記スケールの間の光路には、前記光源から出射した光が前記スケール上に前記スケールの周期的な位置情報の略半周期に相当する短辺を有する少なくとも1つの長方形状の光ビームとして前記スケール上に投射されるように整形するスリットマスクを備えたことを特徴とし、光ビームをスリットマスクにより長方形に整形する。請求項7の本発明では、前記光源と前記スケールの間の光路には、前記光源から出射した光が前記スケール上に前記スケールの周期的な位置情報の略半周期に相当する短辺を有する少なくとも1つの長方形状の光ビームが前記スケール上に投射されるように整形するシリンドリカルレンズ手段を備えたことを特徴とし、光ビームをシリンドリカルレンズにより長方形に整形する。請求項8の本発明では、前記受光手段へ入射する光ビームの形状を円形に整形するシリンドリカルレンズ手段又はウエッジ手段を備えたことを特徴とし、受光手段への入射光を円形に整形する。請求項9の本発明では、前記スケールの周期的な位置情報は、全反射部と散乱部により形成されることを特徴とし、スケールを全反射部と散乱部とする。請求項10の本発明では、前記スケールの周期的な位置情報は、吸収部と散乱部により形成されることを特徴とし、スケールを吸収部と散乱部とする。請求項11の本発明では、前記スケールの散乱部は、2次元又は3次元のレリーフ格子により形成されることを特徴とし、レリーフ格子からの反射光量は一定となる。 【0005】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態について図を用いて説明する。尚、以下の全ての図において、一度説明した実施形態における部分と同様な内容の部分が他の実施形態に現れた場合には、その部分に同じ番号を付して記載し、その説明は省略する。図1は、本発明の光学式エンコーダ装置の第1の実施形態を示す斜視図である。光源11は、半導体レーザを含む様々なレーザ光源やLED等使用が可能であるが、高分解能を得る場合には、例えば、He−Neレーザのようなレーザ光を用いるか、他の光源の場合には集光スポットを小径化するために集光レンズ等の使用が望ましい。又、LEDを用いる場合には、なるべく発光面積の小さいもの、反射板構造の無いものが望ましい。スケール13は、通常の光学式エンコーダ装置で用いられている透過部と非透過部で構成され、透過部が矩形の周期構造の光学格子となっているスケールと同様なパターンで良いが、非透過部は全反射や吸収ではなく、散乱部となっていることが必要になる。又、散乱部の構造については、材質や形状等は任意であるが、高分解能を必要とする場合には、散乱部の散乱パターンも微少化する必要がある。光検出器15は、通常の光学式エンコーダ装置で用いられているフォトダイオードと同様な光検出器の使用が可能である。ビーム照射位置16は、光源11からのビームのスケール13における照射位置であり、その位置の散乱光が光検出器15で受光される。光源11から照射されたビームは、スケール13上のビーム照射位置16で散乱されて、散乱されたビームの一部が光検出器15によりの検出され、その検出結果によりスケール13の位置の移動が検出される。尚、光検出器15の検出結果である散乱部の検出信号と透過部の検出信号から、スケールの相対的な位置の変化を検出する位置変化検出装置については、従来の検出装置と同様にして、例えば、散乱光の検出レベルと透過光の検出レベルの間にしきい値を設定して、光検出器15の検出値がそのしきい値より上になったか下になったかにより移動を検出することが可能である。 【0006】図2は、図1の実施形態の散乱光を説明するための側面図である。図2において、光源11からのビームは、ビーム照射位置16に達すると、そのビーム照射位置16は散乱部であるので、散乱パターンによりビームは散乱して散乱光17になり、光検出部15でその散乱光17が検出される。次に、スケール13が移動して、光源11’のビームがビーム照射位置16’に達する位置関係の場合には、光源11’のビームは、スケール13の透過部を透過してしまうので、光検出部15’では散乱光17が検出されない。図3は、図2における散乱光17の角度反射率特性を説明するための図であり、図19の従来の反射式のものにおける角度反射率特性8に対応するものである。図3の角度反射率特性9は、図19の急峻な角度反射率特性8とは異なり、図示したように円形に近い特性を示している。スケール13上の散乱部は、光利用効率と検出安定性の面から理想的には完全拡散反射面を用いることが望ましい。完全拡散反射面とは、光強度I=Incosθで、反射率は1である散乱面であり、その場合のInは法線方向の光強度、θは法線方向を0°としたときの角度である。完全拡散反射面の例としては、光学曇りガラス、液晶用反射板、石膏面等が近い特性を示す。尚、上記のように完全拡散反射面が理想的ではあるものの、本発明の効果を得るためには必ずしも完全拡散反射面である必要な無い。本発明は、従来の図19におけるような光の全反射の急峻な角度特性を避けるために散乱面を利用しているからである。従って、例えば、反射率が90%以上有るようなアルミ面等の高反射率の面に代えて反射率50%程度の吸収の少ない面を用いて、受光器を反射光ではなく、散乱光を受光するような配置で用いることで本発明の効果を得ることができる。 【0007】図4は、図1と図2のビーム照射位置の変化の様子を示す上から見た平面図である。図4において、スケール13は、矢印の方に動くと、ビーム照射位置16は、実線の円で示された散乱部から点線の円で示された透過部の方へ移動し、図4では不図示の光検出部15で散乱光17の検出が行われていたのが、検出できなくなる。図5は、図4のスケールに進行方向を特定するためのインデックススケールの機能を持たせた場合を示す図である。図5(a)においては、スケール14の透過部と散乱部が、例えば、従来のインデックススケールと同様にスケールの進行方向に平行な線により2つの分割されたスケールが1/4周期ずれて形成されており、光検出器15で読み取った位相は、A相とB相に分かれて検出される。ビーム照射位置16は、透過部と散乱部の2分割された両方にほぼ均等にビームが配分されて照射されるような中間位置に照射され、スケール14の移動により、ビームが2分割された透過部と散乱部を区切る中間線上を移動するようになる。図5(b)においては、図5(a)におけるスケール14の分割されたスケールに合わせて、光検出器15におけるフォトダイオードが、それぞれの位相(A相とB相)を検出できるように2分割された2分割フォトダイオード18となる。尚、位相による移動方向の検出は、従来と同様の方法で検出することが可能である。 【0008】図6は、本発明の光学式エンコーダ装置の第2の実施形態を示す斜視図である。第1の実施形態と、本第2の実施形態の構成上の違いは、光源11から照射される光を集光して所望のビーム径をスケール13上に形成するための投光レンズ12を有していることである。投光レンズ12は、光利用効率の面から光源11の発散角以上の開口を持つレンズが望ましい。又、分解能の向上という面からは、スケール13上でなるべく小さいスポットを形成するようなレンズを選択することが望まれる。第2の実施形態のように投光レンズを用いることで、スケール13上のビーム照射位置16のビーム径を小型化できるので、光学式エンコーダとしての分解能を高めることができる。又、光源11として、発散性のLEDや半導体レーザを使用しても集光してスケール13上に小径のビームスポットを形成できるので、光学式エンコーダ装置の小型化や低価格化が可能になるという効果が得られる。尚、この第2の実施形態の動作は第1の実施形態と同様となる。 【0009】図7は、本発明の光学式エンコーダ装置の第3の実施形態を示す斜視図である。第1の実施形態、及び、第2の実施形態と、本第3の実施形態の構成上の違いは、第2の実施形態の光源11から照射される光を集光して所望のビーム径をスケール13上に形成するための投光レンズ12を有していることに加えて、スケール13からの散乱光についても光を集光して所望のビーム径を光検出器15の受光部に形成するための受光レンズ14を有していることである。この受光レンズ14の開口は、通常のスケールからの反射光を検出するタイプの光学式エンコーダ装置に用いられる受光レンズの開口よりも大きい開口のレンズが望ましい。一般的なスケール反射光タイプの受光レンズでは、例えば、スケールに投光されるビームの焦点位置がスケール上のビーム照射位置である場合には、受光側には投光レンズの開口と同程度のビーム径の光が反射光として検出されることになり、投光レンズ程度の開口のレンズがあれば十分と考えられる。ところが、本発明の場合には、スケール13上には反射パターンではなく散乱パターンが形成されているので、反射パターンにおける反射光と散乱パターンにおける散乱光では光の強さが異なっており、散乱光は反射光に比べて非常に弱いのことになる。この弱い散乱光を効率よく検出するためには、反射光の検出タイプに比べると比較的大きな開口の受光レンズが必要になる。又、この受光レンズの開口を大きくすることでは、光ヘッドのアライメント誤差やスケールの取り付けの傾き等に対しても許容量が増加しする。 【0010】図8は、本発明の光学式エンコーダ装置の第4の実施形態を示す側面図である。第4の実施形態と第3の実施形態との構成上の違いは、光源11から照射される光と、スケール13からの散乱光の光軸を一致させて、投射光と散乱光(反射光)の光軸をスケール13と垂直にするためのビームスプリッタ19が光路上に挿入されていることである。ビームスプリッタ19は、図8示されるように、光源11からの出射光軸と光検出器15への入射光軸が直角となるように交わるように配設される。投光部11から出射したビームは、投光レンズ12を経て、ビームスプリッタ19により光量の約50%が直角に曲げられてスケール13に垂直に照射される。スケール13上の散乱部で散乱したビームは、投光と同じ経路で戻り、ビームスプリッタ19を通過して受光レンズ14で集光されて光検出器15により受光される。ここで、本実施形態において、出射光と散乱光(反射光)の光軸が同じ経路でスケール13に垂直にする理由としては、スケール13の散乱部における光の散乱は、一般的に全反射方向を0°とすると、(cosθ)2 に比例した散乱強度分布になるので、散乱光を検出する場合には全反射方向から検出することが望ましいことが挙げられる。又、本実施形態では、上記した光ヘッドのアライメント誤差やスケールの取り付けの傾き等に対しても許容量が増加することに加え、投光と受光の直角配置により、光ヘッドの小型化が可能であり、投光部と受光部を個別に配設する場合に比べて調整の容易化が可能になる。 【0011】図9は、本発明の光学式エンコーダ装置の第5の実施形態を示す側面図である。第5の実施形態と第4の実施形態との構成上の違いは、光源11から照射される光を集光する投光レンズ12と、スケール13からの散乱光を集光する受光レンズを共用するようにして1枚の投・受光レンズ20としたことである。この図9ように光源11、光検出器15及びビームスプリッタ19を配置することで、投光と受光のレンズを1枚にすることが可能となり、その結果、光ヘッドの小型化や調整の容易化がさらに可能であり、部品点数の削減もさらに可能となる。 【0012】図10は、本発明の光学式エンコーダ装置の第6の実施形態を示す側面図(a)と、スケール13の上面図(b)である。第6の実施形態と第5の実施形態との構成上の違いは、光源11とビームスプリッタ19の間に長方形のスリットを有するスリットマスク21を挿入した点である。このスリットマスク21は、他の実施形態も考慮して挿入位置を説明すれば、光源11と投光レンズ12の間、又は、投光レンズ12とスケール13の間で、且つ、ビームスプリッタ19を用いている場合には、その光源11側に挿入される。スリットマスク21により、スケール13上のビーム形状22が長方形になり、このようにスケール上のビーム形状をスケールの移動方向と直角に長いパターンとすることで、スケールの一部に欠陥があったとしても光量変化が少なく安定した検出が可能となる。図11は、図10の単一の矩形ビームを形成するスリットマスクを複数のビーム形成する第7の実施形態を示すスリットマスクの上面図(a)と、スケール13の上面図(b)である。図11の場合には、スリットマスク23には、複数のスリットが形成されているため、スケール13上に形成されるビーム照射も複数となる。このようにスリットマスク23により複数のビームを形成することで光源11から放射される光の利用効率が高くなり、又、スケール13の一部の透過部や散乱部に欠陥が有る場合にも他のビームで補償できるため検出の安定性が向上する。 【0013】図12は、図10のスリットマスクをシリンドリカルレンズとした本発明の第8の実施形態を示す側面図である。シリンドリカルレンズ25は、円筒形の側面を切り取った形状のレンズであるので、形成されるビームの縦と横の集光角が異なることから細長いビームが得られ、結果的に図10のスリットマスクで形成したビームと同様なビーム形状が得られる。図12では、スリットマスク21に代えて、シリンドリカルレンズ25を用いているので、スリットマスクの場合に遮られて無駄になっていた光も利用することができ、光源11から放射される光の利用効率が高くなる。又、図12のように投光レンズ12を用いる場合には、投光レンズ12とシリンドリカルレンズ25を一体化することで部品点数の削減や小型化が可能である。更に、複数のシリンドリカルレンズ25を用いて、図11のように複数のビームを形成することも可能である。 【0014】図13は、図10〜図12の矩形や細長いビームを受光する第9の実施形態を示す光検出器の受光面の平面図である。図13では、図示されていない受光レンズ14がシリンドリカルレンズに変更されるかウエッジが光検出器15の手前に挿入されて、矩形ビームの長辺や細長いビームの長辺の短縮化が行われてからビームが光検出器15に入射される。従って、第9の実施形態の受光面は、受光面形状26の中の円形ビーム28のように小さくなる。それに対し、従来のスリットマスク21やシリンドリカルレンズ25等で細長い形状になって受光面上に照射されるビームは細長ビーム27として受光される。又、受光面の形状は、一般的に正方形か円形であるので、従来の細長ビームを受光するために必要な受光面は受光面形状25のようになる。受光面形状25のように受光面積が大きい面積の場合には、検知スピードが低下し、外乱光の誤検知の原因となり、検出信号のS/N比が悪化するが、本実施形態では逆にそれらが向上する。図14は、図12の第8の実施形態の光検出器15の入射光を図13のように短くするためにシリンドリカルレンズを挿入した図である。この図14(a)のように構成することで、本来は図14(b)のビーム形状22のような長方形のビームが光検出器15に入射されるところを、シリンドリカルレンズ29により長方形ビームの長辺を短縮して図13のような円形ビーム28を得ることができる。 【0015】図15は、図12の第8の実施形態の光検出器15の入射光を図13のように短くするためにウエッジ30を挿入した図である。この図15(a)のように構成することで、本来は図15(b)のビーム形状22のような長方形のビームが光検出器15に入射されるところを、ウエッジ30により長方形ビームの長辺を短縮して図13のような円形ビーム28を得ることができる。但し、ウエッジ30を挿入する場合には、図示したように長方形ビームの長辺の光軸は曲がるので、光検出器15をオフセットして設置する必要がある。図16は、図7の第3の実施形態のスケールにおける透過部を反射部に代えた第10の実施形態を示す。尚、他の実施形態の透過部を反射部に代える場合も、本実施形態と同様にすることで可能である。図16のスケール31では、散乱部16の散乱光17については、他の実施形態と同様であるが、他の実施形態では透過部としていた部分を反射部32として反射光33を得ている。この反射部32の部材としては、なるべく散乱が少なく反射率の高いものが望ましいが、一般的な金属膜や誘電体多層膜等が利用可能である。この散乱部16と反射部32でスケール31を構成するようにした場合には、他の透過部と散乱部の場合に比べて、透過部の基材の材質にもよるが光の散乱や反射によるノイズ成分が発生しやすかったことを解消することができる。その結果として、S/N比を高く確保することができる。又、散乱光を検出する実施形態で、反射光を全て受光するようにすると受光光量が多すぎになる場合には、受光部と投光部の配置を変えて全反射光が受光部に入射しないようにする必要がある。更に、同様な図になるため特に図示はしないが、反射部32を吸収部に代えた場合にも、ノイズ成分が発生しやすかったことを解消することができ、その結果として、S/N比を高く確保することができる。吸収部の部材としては、なるべく散乱が少ないものが望ましいが、同一散乱物で濃度が高く反射が少ないものであれば利用が可能である。例えば、紙に黒いラインを周期的に形成したようなものであっても利用できる。その場合には、紙や通常の散乱体の濃度変化でスケールを形成するので安価で取り扱いが容易となる。 【0016】図17は、スケール上の散乱部を正弦波状のレリーフ格子とした第11の実施形態を示す図である。図17では、スケール34において、ノイズ成分を除去してS/N比の高い検出を可能とするために正弦波状に2次元もしくは3次元のレリーフ格子により正弦波状散乱物36を形成している。照射光35は、スケール34上に形成された各正弦波状散乱物36の表面の曲面で反射することで散乱されて散乱光37となる。各各正弦波状散乱物36は、正弦波状で同様に形成されていることから、垂直入射から鋭角入射までのあらゆる方向に一定の反射光量の散乱光の反射が得られる。この正弦波パターンの作成方法としては、通常の回折格子を形成する2光束干渉露光法、ルーリングエンジン、マスク露光等のプロセスを利用することができる。尚、本実施形態の正弦波状のレリーフ格子を散乱部として利用する場合には、散乱部以外のスケール34の表面は全反射部とすることが望ましい。本実施形態のように散乱パターンとして線状ではなく3次元のレリーフ構造の正弦波状散乱物36とすることで、むらの少ない安定した信号検知が可能となる。上記のように、散乱光を検出するようにして、上記の各実施形態を用いることで、光学式エンコーダ装置における光ヘッドやスケールの柔軟で容易な配置が可能になり、光源の光の利用効率を上げることが可能で、小型化や低価格化が促進され、安定した信号の検知が可能となる。尚、本実施形態では、直線移動の検出として記載したが、本発明はこれに限られるものではなく、散乱光を検出することにより位置の移動を検出する他の移動、例えば、回転移動の検出等にも利用することができる。 【0017】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1の本発明では、光の遮断状態と透過光や反射光の受光状態を検出するのではなく、散乱光の受光状態と光の遮断状態とを検出するようにしたことから、投光部と受光部あるいはスケールとのアライメントのずれに強く、従来の光ヘッドの設置困難なヘッドを傾けて取り付ける場合やスケールとヘッドの距離が必要な場合にも対応が可能になった。請求項2の本発明では、投光部の光が集光されることから、投光される光の利用効率が向上し、LEDや半導体レーザ等の発散性の光源の利用が可能になる。その結果、さらに、小型化や低価格化が可能になる。請求項3の本発明では、スケール散乱光を受光レンズで集光することで効率の良い受光となる。請求項4の本発明では、出射光の光路と受光手段への光路を一致させたことで、光利用効率が向上し、安定した計測が可能になり、光ヘッドの小型化ができきる。請求項5の本発明では、投光と受光のレンズを1つにできることから、部品点数の削減及び装置の小型化が可能になる。請求項6の本発明では、光ビームをスリットマスクにより長方形に整形するようにしたので、スケールの一部に欠陥があったとしても、その欠陥による光量の変化が少なくなり、安定した検出が可能となる。請求項7の本発明では、光ビームをシリンドリカルレンズにより長方形に整形するようにしたので、スケールの一部に欠陥があったとしても、その欠陥による光量の変化が少なくなり、安定した検出が可能となる。請求項8の本発明では、受光手段への入射光を円形に整形したので、光検出器を小面積化できるので、信号検出スピードの向上を図ることができる。請求項9の本発明では、スケールを全反射部と散乱部とすることで、透過部を有する場合に比べて高いS/N比を得ることができる。請求項10の本発明では、スケールを吸収部と散乱部とすることで、光の散乱を一定量に設定でき、ノイズ成分が除去しやすく、安価で取り扱いが容易なスケールを提供できる。請求項11の本発明では、レリーフ格子からの反射光量は一定となるので、安定した信号検知が可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006747 【氏名又は名称】株式会社リコー
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月19日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平11−183200 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−365469 |
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