| 【発明の名称】 |
レーザ光を用いたスケール |
| 【発明者】 |
【氏名】岡本 清和
【氏名】西村 国俊
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| 【要約】 |
【課題】経時変化や使用環境の影響を受けない超高精度のスケールを提供する。
【解決手段】構造体10の長手方向に目盛り12を設け、密閉中空部に光波干渉計を設置する。また、密閉中空部の内壁に構造体10を加熱する電気抵抗体14を設ける。ビームスプリッタ16やコーナキューブ18を有する光波干渉計で構造体10の目盛り12部分の長さを測定し真値とする。真値と公称値との差異が存在する場合、真値を公称値に一致させるべく電流制御部24と可制御電源22を用いて電気抵抗体14に電流を供給し構造体10を加熱膨張せしめる。構造体10の温度制御により真値と公称値を一致させ、経時変化や使用環境の影響を排除する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 長手方向に沿って均一な熱膨張をもたらし、かつ、ほぼ真空状態に減圧された密閉中空部を有する構造体と、前記構造体の外壁に設けられる目盛りと、前記密閉中空部に設けられ、前記目盛りが設けられた部分の長さを測定する光波干渉計と、前記光波干渉計で測定された長さに基づいて前記構造体の温度を変化させる温度制御手段と、を有することを特徴とするレーザ光を用いたスケール。 【請求項2】 請求項1記載のスケールにおいて、前記温度制御手段は、前記構造体の長手方向に沿って設けられ、印加電流に応じて発熱する電気抵抗体と、前記電気抵抗体に電流を供給する電流供給手段と、を有することを特徴とするレーザ光を用いたスケール。 【請求項3】 請求項2記載のスケールにおいて、前記電気抵抗体には、前記構造体の長手方向に沿って複数の通電用端子が接続されており、前記電流供給手段は、前記複数の通電用端子を介して前記電気抵抗体に電流を供給し、前記構造体の長手方向の伸縮を一定にすることを特徴とするレーザ光を用いたスケール。 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のスケールにおいて、前記構造体の温度を検出する温度検出手段をさらに有し、前記レーザ光は、前記構造体の温度が所定範囲内にある場合に、前記光波干渉計で測定された長さと公称値との差が1波長以内の位相差となるような波長を有することを特徴とするレーザ光を用いたスケール。 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のスケールにおいて、前記光波干渉計は、前記目盛りの一端に対応して固定されたビームスプリッタ及び前記ビームスプリッタに対して相対的に固定された参照面反射器と、前記目盛りの他端に対応して固定された被検面反射器と、参照面側の参照分岐光と被検面側の信号分岐光路との光路差を検出する光路差検出器と、を有し、前記温度制御手段は、前記光路差検出器で検出された光路差に基づいて温度を制御することを特徴とするレーザ光を用いたスケール。 【請求項6】 請求項5記載のスケールにおいて、前記光波干渉計は、さらに、前記レーザ光を射出する半導体光源と、前記光源と前記ビームスプリッタの間、及び前記ビームスプリッタと前記被検面反射器の間に配置されたアイソレータと、前記ビームスプリッタと前記光路差検出手段の間に配置されたガスセルと、を有することを特徴とするレーザ光を用いたスケール。 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載のスケールにおいて、前記レーザ光は、前記密閉中空部の外部より光ファイバを介して供給されることを特徴とするレーザ光を用いたスケール。 【請求項8】 請求項1〜5のいずれかに記載のスケールにおいて、前記レーザ光は、前記密閉中空部の端面に形成された透明窓を介して供給されることを特徴とするレーザ光を用いたスケール。 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載のスケールにおいて、前記レーザ光のモードは、単一モードであることを特徴とするレーザ光を用いたスケール。 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載のスケールにおいて、前記光波干渉計は、光ヘテロダイン干渉法を用いることを特徴とするスケール。 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載のスケールにおいて、前記構造体は、単結晶であることを特徴とするレーザ光を用いたスケール。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、物理的媒体の長手方向に目盛りを記録した構造を有し、経時変化や使用環境の影響を抑制したレーザ光利用の超高精度スケールに関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、計測機器にはスケールを用いたものとレーザ光を用いたものがある。スケールを用いた測長は、空気中で移動中であっても安定した計測が可能であるが、次のような欠点もある。すなわち、(1)物理的媒体は、環境温度の影響を受けるので、目盛りを記録した部分の長さが大きく変動する。例えば、スチール系で、11.8μm/m℃精度が低下する。 【0003】(2)物理的媒体は、その目盛りを記録した部分の長さが外力(重力)が一定であっても鉛直姿勢では不均一になり、精度が低下する。 【0004】(3)物理的媒体は、経時的に伸縮傾向あり、温度変動に鈍感な低膨張ガラス(例えばゼロデュア材(商品名))であっても、30〜70nm/m・年程度の長手方向の経時変化があり、10年で0.3〜0.7μm/m程度の大きな値となる。 【0005】一方、レーザ光を用いた干渉測長計は、真空中であれば波長を安定化したレーザ光の物理的特性がそのまま発揮され、高精度の測長が可能となるが、空気中では空気の揺らぎ(屈折率の変動)の影響を受けやすく、特に移動中の計測にはその抑制限界がある。計測機器の通常の使用環境は空気の存在する空間であり、かかる環境下では物体の移動がもたらす空気の揺らぎの影響で、1m程度の光路長区間でわずか2μmの運動でも0.2μm程度の計測データの変動が報告されている。したがって、大きく周波数の異なる2波長のレーザ光を用いて常時この空気の揺らぎの補正を全光路区間に渡って施す方式も実用化されているが、計測データの変動は静止時±0.01μm程度が限界である。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】このように、スケールを用いた計測並びにレーザ光を用いた計測はそれぞれ欠点があり、通常の環境下(つまり空気の存在する環境下)において1mオーダの測長区間で1nm、0.1nm程度の高分解能で安定した計測、特に移動体の位置計測を行うことは極めて困難であった。 【0007】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みなされたものであり、その目的は、真空中に設けられたレーザ光波干渉計と同程度の高分解能並びに高精度を有し、かつ、通常の環境下において使用可能で移動体の安定な計測も可能なスケールを提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、第1の発明は、長手方向に沿って均一な熱膨張をもたらし、かつ、ほぼ真空状態に減圧された密閉中空部を有する構造体と、前記構造体の外壁に設けられる目盛りと、前記密閉中空部に設けられ、前記目盛りが設けられた部分の長さを測定する光波干渉計と、前記光波干渉計で測定された長さに基づいて前記構造体の温度を変化させる温度制御手段とを有することを特徴とする。 【0009】また、第2の発明は、第1の発明において、前記温度制御手段は、前記構造体の長手方向に沿って設けられ、印加電流に応じて発熱する電気抵抗体と、前記電気抵抗体に電流を供給する電流供給手段とを有することを特徴とする。 【0010】また、第3の発明は、第2の発明において、前記電気抵抗体には、前記構造体の長手方向に沿って複数の通電用端子が接続されており、前記電流供給手段は、前記複数の通電用端子を介して前記電気抵抗体に電流を供給し、前記構造体の長手方向の伸縮を一定にすることを特徴とする。 【0011】また、第4の発明は、第1〜第3の発明において、前記構造体の温度を検出する温度検出手段をさらに有し、前記レーザ光は、前記構造体の温度が所定範囲内にある場合に、前記光波干渉計で測定された長さと公称値との差が1波長以内の位相差となるような波長を有することを特徴とする。 【0012】また、第5の発明は、第1〜第4の発明において、前記光波干渉計は、前記目盛りの一端に対応して固定されたビームスプリッタ及び前記ビームスプリッタに対して相対的に固定された参照面反射器と、前記目盛りの他端に対応して固定された被検面反射器と、参照面側の参照分岐光と被検面側の信号分岐光路との光路差を検出する光路差検出器とを有し、前記温度制御手段は、前記光路差検出器で検出された光路差に基づいて温度を制御することを特徴とする。 【0013】また、第6の発明は、第5の発明において、前記光波干渉計は、さらに、前記レーザ光を射出する半導体光源と、前記光源と前記ビームスプリッタの間、及び前記ビームスプリッタと前記被検面反射器の間に配置されたアイソレータと、前記ビームスプリッタと前記光路差検出手段の間に配置されたガスセルとを有することを特徴とする。 【0014】また、第7の発明は、第1〜第5の発明において、前記レーザ光は、前記密閉中空部の外部より光ファイバを介して供給されることを特徴とする。 【0015】また、第8の発明は、第1〜第5の発明において、前記レーザ光は、前記密閉中空部の端面に形成された透明窓を介して供給されることを特徴とする。 【0016】また、第9の発明は、第1〜第8の発明において、前記レーザ光のモードは、単一モードであることを特徴とする。 【0017】また、第10の発明は、第1〜第9の発明において、前記光波干渉計は、光ヘテロダイン干渉法を用いることを特徴とする。 【0018】また、第11の発明は、第1〜第10の発明において、前記構造体は、単結晶であることを特徴とする。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。 【0020】図1には、本実施形態におけるレーザ光を用いたスケールの斜視図が示されている。このスケールは、長手方向に沿って均一な熱膨張をもたらし、かつ、ほぼ真空状態に減圧された密閉中空部を有する構造体10を備えており、構造体10の外壁には目盛り12が長手方向に沿って記録されている。なお、「ほぼ真空状態」とは、空気の揺らぎがレーザ光に与える影響を実質的に無視できる程度の真空の意味であり、必ずしも完全な真空状態を意味しない。 【0021】また、構造体10の密閉中空部の内壁には、印加電流に応じて長手方向に均一に発熱する電気抵抗体14が連続的に形成されており、密閉中空部内には、構造体10の外壁に設けられた目盛り12部分の長さを測定する光波干渉計が設けられている。この光波干渉計は、入射したレーザ光の光路を参照分岐光路100と信号分岐光路102に分離するビームスプリッタ16と、信号分岐光路102を反射するコーナキューブ18と、参照分岐光路100と信号分岐光路102の光路差を検出する光路差検出器20を含んで構成されている。また、電気抵抗体14に電流を供給するための可制御電源22及び電流制御部24が構造体10の外部に設けられている。 【0022】なお、構造体10は、例えば単結晶シリコン等で構成でき、単結晶シリコン長尺体に深孔加工(ガンドリルと研削等)を施すことにより形成することができる。また、電気抵抗体14は、例えばタングステン等の金属を蒸着やスパッタ等により形成することができる。電気抵抗体14、可制御電源22及び電流制御部24が温度制御手段として機能する。 【0023】図2には、構造体10の密閉中空部内に設けられる光波干渉計の構成が示されている。入射したレーザ光はビームスプリッタ16に入射し、その一面で参照分岐光路100と信号分岐光路102に分離される。参照分岐光路100は、ビームスプリッタ16内で反射を繰り返し、光路差検出器20に入射する。一方、信号分岐光路102は、ビームスプリッタ16を透過し、コーナキューブ18に入射する。そして、コーナキューブ18で反射され、再びビームスプリッタ16に入射して光路差検出器20に入射する。 【0024】ここで、ビームスプリッタ16は構造体10の外壁に設けられた目盛り12の一端に対応した位置に設けられ、コーナキューブ18は目盛り12の他端に対応した位置に設けられており、参照分岐光路100と信号分岐光路102の光路差が目盛り12の一端から他端までの距離に対応するようになっている。従って、光路差検出器20で参照分岐光路100と信号分岐光路102の光路差を検出することにより、目盛り12の一端から他端までの距離、すなわち目盛り12が記録されている部分の長さの真値を測定することができる。 【0025】なお、光路差を検出する方法としては、例えばホモダイン法を用いて両光路の位相差を干渉光の強度として検出すればよい。 【0026】図3には、光波干渉計で用いられるレーザ光を供給するためのレーザ光源の一例が示されている。光源としては、レーザダイオード(LD)を用いることができ、LD恒温槽30内に設けられてその温度が一定に維持される。レーザダイオードから射出したレーザ光は、アイソレータ32を介してビームスプリッタ33に入射する。アイソレータ32は、戻り光がレーザダイオードに入射するのを防いでレーザダイオードを安定に動作させるためのものである。ビームスプリッタ33に入射したレーザ光は、2つに分岐され、ビームスプリッタ33を透過したレーザ光はアイソレータ34を介してビームスプリッタ16やコーナキューブ18に入射する。なお、このアイソレータ34もアイソレータ32と同様に戻り光を防いでレーザダイオードを安定に動作させるためのものである。 【0027】一方、ビームスプリッタ33で反射したレーザ光はガスセルに入射する。ガスセル36は特定の吸収線をもったガスを封入したセルであり、特定の周波数の光のみを減衰させる。ガスセル36の出力はフォトダイオード(PD)38に供給され、ガスセルの出力を電気信号に変換する。従って、ガスセル36で減衰された特定の周波数のみが若干減衰した信号として取り出される。フォトダイオード38からの信号は、ロックインアンプ40に供給される。 【0028】ロックインアンプ40は、同期検波により特定周波数の出力のみを取り出して補償器42に供給する。 【0029】補償器42は、フィードバックループで用いられるPID制御器等と同様に閉ループの特性(応答性や安定性等)を改善するためのものであり、補償器42からの出力はLDドライバ44に供給される。 【0030】LDドライバ44は一定周波数で変調されたLDドライブ信号を生成し、LD恒温槽30内のレーザダイオードに供給する。これにより、レーザダイオードの発光周波数が一定となるように調整される。 【0031】なお、LD恒温槽30、アイソレータ32、ビームスプリッタ33、アイソレータ34、ガスセル36、フォトダイオード38は構造体10の密閉中空部内に配置することができる。 【0032】本実施形態のスケールは以上のような構成であり、次のように機能する。すなわち、まず、構造体10の密閉中空部に設けられた光波干渉計で目盛り12が記録された部分の長さが光路差検出器20で測定される。なお、光路差を測定するためには、光路差検出器20で検出される位相差が1波長以内となるような波長を有するレーザ光を用いる必要があることは言うまでもない。そして、測定値(具体的には、参照分岐光路100と信号分岐光路102の光路差データ)は、光路差検出器20から電流制御部24に供給され、スケールの公称値との差異が算出される。この差異は、経時変化や使用環境の影響(温度変動による媒体の伸縮)によるものであり、この公称値と真値の相違を解消すべく、電流制御部24は可制御電源22に制御信号を供給し、相違量に応じた電流を電気抵抗体14に供給して構造体10を長手方向に一様に加熱する。 【0033】このように、構造体10に経時変化や使用環境の影響により伸縮が生じても、その伸縮の度合いを光波干渉計で正確に測定し、構造体10の目盛り12の部分の長さを公称値に一致させることができるので、結果として高精度の測長が可能となる。 【0034】なお、上記の説明では電気抵抗体14に電流を供給することにより、構造体10を加熱膨張せしめて真値と公称値を一致させる場合を示したが、本発明の要旨は構造体10の温度を制御することによって真値と公称値を一致させることにあるので、構造体10を加熱するのみならず、冷水や低温気体等により構造体10を冷却せしめることで真値と公称値を一致させることも可能である。具体的には、真値<公称値の場合には加熱膨張させ、真値>公称値の場合には冷却収縮させればよい。 【0035】また、上記実施形態においては、電気抵抗体14を構造体10の密閉中空部の内壁に一様(連続的)に形成しているが、密閉中空の長手方向に沿って形成された電気抵抗体に対して複数の通電用端子を設け、これにより電流を印加する領域を適宜選択して加熱領域を限定することも可能である。 【0036】図4には、このような場合の構成が示されている。電気抵抗体14は構造体10の密閉中空部に所定間隔でリング状に形成され、それぞれの電気抵抗体14には通電用端子k1、k2、・・・knが接続されている。通電用端子k1、k2・・は可制御電源22内に設けられる。そして、光路差検出器20からの検出信号が電流制御部24に供給されると、電流制御部24は、真値と公称値が一致するように複数の通電用端子のいずれか(例えば、k1とk2のみ)をONして構造体10を部分的に加熱する。これにより、構造体10に作用する重力や構造体支持機構より作用する外力等によって構造体の長手方向の伸縮が一様でない場合であっても、長手方向の伸縮をほぼ一様に補正して真値と公称値を一致させることができる。 【0037】なお、電気抵抗体14の形状は任意であり、図1と同様に密閉中空部の内壁に一様に形成し、その任意の部分に複数の通電用端子を接続して部分的に通電し加熱させることもできる。 【0038】また、上記実施形態において、構造体10の温度を検出する温度検出器を更に設け、検出された温度に基づいて電気抵抗体14に供給する電流を制御することも可能である。 【0039】図5には、このように温度検出器を用いて真値と公称値を一致させる場合の構成が示されている。温度検出器50は密閉中空部の内壁に設けられ、内壁温度を検出して出力する。そして、可制御電源22から電気抵抗体14に電流を供給して検出温度が所定範囲の値になるように設定し、この状態で光波干渉計の検出信号が1波長以内の位相差となるような波長のレーザ光を投入して目盛り12部分の長さの真値と公称値の差異が1波長以内になるようにする。 【0040】具体的には、図5の構成において、所定範囲の温度を支持する指示温度値と検出温度値との差分を減算器51で算出し、増幅した後しきい値検出回路54に供給する。しきい値検出回路54では、指示温度値と検出温度値との差が許容しきい値以上であるか否かを判定し、しきい値以上である場合、つまり検出温度が未だ所定範囲に設定されていない場合には、スイッチ52をa接点側に切り換えて両温度値の差分値を可制御電源22に供給する。可制御電源22は両温度値の差分値に応じた電流を電気抵抗体14に供給して両温度値がほぼ一致するまで加熱する。 【0041】そして、しきい値検出回路54で、両温度値の差分が許容しきい値以下となった場合、つまり密閉中空部の内壁温度が所定範囲内となった場合には、真値と公称値の差が1波長以内となるような波長を有するレーザ光を光波干渉計に導入するとともに、スイッチ52をb接点に切り換えて真値と公称値が一致するように電気抵抗体14を加熱する。これにより、より高精度に真値と公称値を一致させ、使用環境によらず高精度の測長が可能となる。 【0042】また、上記実施形態においてはレーザ光源として密閉中空部内に設けたレーザダイオードを用いたが、本発明はこれに限定されることなく密閉中空部の外部に設けられたレーザ光源からのレーザ光を用いることも可能である。 【0043】図6には、構造体10の外部に設けられたレーザ光源60から射出したレーザ光を光ファイバ62を用いて密閉中空部内の光波干渉計に導く構成が示されている。光ファイバ62を介して密閉中空部内に導入されたレーザ光はコリメート光源64に入射し、平行光とされた後、光波干渉計のビームスプリッタ16に入射する。 【0044】一方、図7には、外部光源を用いる他の例が示されており、構造体10の一側面にはレーザ光を透過する透明窓66が形成されており、レーザ光源60からのレーザ光はこの透明窓66から密閉中空部内の光波干渉計に導入される。 【0045】以上、本発明の実施形態について説明したが、上記各場合において、用いるレーザ光は単一モードであることが光波干渉計の測長精度の観点から好ましい。 【0046】また、光波干渉計におけるスケールの測長方法としては上述したホモダイン法ではなく、より高精度の検出が可能な光ヘテロダイン干渉法を用いることも好ましい。光ヘテロダイン干渉法では、参照光の位相を信号光に対して一定の変化率で変化させることで時間的なキャリアを生成させるものであり、参照分岐と信号分岐へ導入する光の周波数をそれぞれ変化させ、2つの分岐の位相差をビート角周波数を単位とする時間の関数とするものである。これにより、位相差測定をホモダイン法のような強度の検出ではなく、時間差の検出で行うことができるので、時間カウンタ等の汎用計測器が使用でき、より高精度に構造体10の目盛り12部分の長さを測定し、伸縮量を測定することができる。 【0047】さらに、本実施形態では、構造体10の温度を制御する方法として、電気抵抗体による加熱や冷媒による冷却を示したが、構造体10の温度を変化させる任意の方法を用いることが可能であり、これらは全て本発明の技術的範囲に含まれるものである。 【0048】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、ほぼ真空状態下における光波干渉計でスケールの真値を高精度に測定し、この結果に基づいて公称値と真値を一致させるべくスケールを伸縮させるので、スケールの経時変化や使用環境の影響を除去し、通常の環境下においても超高精度の測長が可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000137694 【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)9月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 研二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開平11−108693 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月23日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−266987 |
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