トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験




【発明の名称】 位置検知方法
【発明者】 【氏名】峯本 茂樹

【要約】 【課題】反射型センサを用いた位置検知機構の位置検知能力を高める。

【解決手段】位置検知制御部50は、制御信号S51を送り、反射型センサ10の発光ダイオード11を、所定の期間をおいてタイミングで一定期間駆動してパルスドライブを行う。パルスドライブでは、発光ダイオード11に流れる電流を増加することができ、放射する光量が増える。位置検知制御部50は、参照レベル設定信号S52a,S52bを送って、スイッチ33,35をオンまたはオフし、コンパレータ20でスライスレベルとして用いる参照レベルを3段階に設定する。この3段階の参照レベルで、受信信号S10のレベルを判定することで、ばたつきの少ない位置検知結果が得られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動されて光を放射する発光ダイオードと受光した光に対応するレベルの受信信号を出力する受光トランジスタとを有する反射型センサを装置に取り付け、前記発光ダイオードを駆動し、前記装置に対して相対移動する対象物から反射した光を前記受光トランジスタで受光し、前記受光トランジスタが出力する受信信号に基づき前記対象物との相対位置を検知する位置検知方法において、所定の期間をおいたタイミングで前記発光ダイオードを一定の期間駆動するパルスドライブを繰り返し、前記各駆動期間に前記受光トランジスタが出力する受信信号のレベルをそれぞれ判定する判定処理を繰り返し、前記判定処理での各判定結果に基づき前記装置の前記対象物に対する相対位置を検知することを特徴とする位置検知方法。
【請求項2】 駆動されて光を放射する発光ダイオードと受光した光に対応するレベルの受信信号を出力する受光トランジスタとを有する反射型センサを装置に取り付け、所定の間隔をおいたタイミングで前記発光ダイオードを一定の期間駆動するパルスドライブを繰り返し、前記装置に対して相対移動する対象物から反射した光を前記受光トランジスタで受光し、前記受光トランジスタが出力する受信信号に基づき前記対象物との相対位置を検知する位置検知方法において、第1の参照レベルを設定する第1の設定処理、該第1の設定処理または前回の前記発光ダイオードに対する駆動が行われてから前記所定の間隔をおく第1のタイマ処理、該第1のタイマ処理の後に前記発光ダイオードを一定の期間駆動する第1のパルスドライブ処理、及びこの第1のパルスドライブ処理の期間に前記受光トランジスタが出力する受信信号のレベルと該第1の参照レベルとを比較し、該受信信号の方が高ければ前記反射型センサが前記対象物に対向する位置にあると判定すると共に該第1のタイマ処理に処理を移し、該受信信号の方が低ければ該第1の参照レベルよりも低くかつ第2の参照レベルよりも高い中間参照レベルを設定する第1の判定処理を行う第1の処理フローと、前記第2の参照レベルを設定する第2の設定処理、該第2の設定処理または前回の前記発光ダイオードに対する駆動が行われてから前記所定の間隔をおく第2のタイマ処理、該第2のタイマ処理の後に前記発光ダイオードを一定の期間駆動する第2のパルスドライブ処理、及びこの第2のパルスドライブ処理の期間に前記受光トランジスタが出力する受信信号のレベルと該第2の参照レベルとを比較し、該受信信号の方が高ければ前記反射型センサが前記対象物に対向する位置にあると判定して前記中間参照レベルを設定し、該受信信号の方が低ければ該第2のタイマ処理に処理を移す第2の判定処理を行う第2の処理フローと、前記中間参照レベルが設定されてから前記所定の間隔をおく中間タイマ処理、該中間タイマ処理の後に前記発光ダイオードを一定の期間駆動する中間パルスドライブ処理、及びこの中間パルスドライブ処理の期間に前記受光トランジスタが出力する受信信号のレベルを該中間参照レベルで判定し、該受信信号の方が高ければ前記第1の処理フローに処理を進め、該受信信号の方が低ければ前記第2の処理フローに処理を進める中間判定処理を行う中間処理フローとを、前記受信信号に基づいて循環して行い、前記第1及び第2の判定処理の判定結果から、前記装置の前記対象物に対する相対位置を検知することを特徴とする位置検知方法。
【請求項3】 駆動されて光を放射する発光ダイオードと受光した光に対応するレベルの受信信号を出力する受光トランジスタとを有する反射型センサを装置に取り付け、所定の間隔をおいたタイミングで前記発光ダイオードを一定の期間駆動するパルスドライブを繰り返し、前記装置に対して相対移動する対象物から反射した光を前記受光トランジスタで受光し、前記受光トランジスタが出力する受信信号に基づき前記対象物との相対位置を検知する位置検知方法において、第1の参照レベルを設定する第1の設定処理、該第1の設定処理または前回の前記発光ダイオードに対する駆動が行われてから前記所定の間隔をおく第1のタイマ処理、該第1のタイマ処理の後に前記発光ダイオードを一定の期間駆動する第1のパルスドライブ処理、及びこの第1のパルスドライブ処理の期間に前記受光トランジスタが出力する受信信号のレベルと該第1の参照レベルとを比較し、該受信信号の方が高ければ前記反射型センサが前記対象物に対向する位置にないと判定すると共に該第1のタイマ処理に処理を移し、該受信信号の方が低ければ該第1の参照レベルよりも低くかつ第2の参照レベルよりも高い中間参照レベルを設定する第1の判定処理を行う第1の処理フローと、前記第2の参照レベルを設定する第2の設定処理、該第2の設定処理または前回の前記発光ダイオードに対する駆動が行われてから前記所定の間隔をおく第2のタイマ処理、該第2のタイマ処理の後に前記発光ダイオードを一定の期間駆動する第2のパルスドライブ処理、及びこの第2のパルスドライブ処理の期間に前記受光トランジスタが出力する受信信号のレベルと該第2の参照レベルとを比較し、該受信信号の方が高ければ前記反射型センサが前記対象物に対向する位置にないと判定して前記中間参照レベルを設定し、該受信信号の方が低ければ該第2のタイマ処理に処理を移す第2の判定処理を行う第2の処理フローと、前記中間参照レベルが設定されてから前記所定の間隔をおく中間タイマ処理、該中間タイマ処理の後に前記発光ダイオードを一定の期間駆動する中間パルスドライブ処理、及びこの中間パルスドライブ処理の期間に前記受光トランジスタが出力する受信信号のレベルを該中間参照レベルで判定し、該受信信号の方が高ければ前記第1の処理フローに処理を進め、該受信信号の方が低ければ前記第2の処理フローに処理を進める中間判定処理を行う中間処理フローとを、前記受信信号に基づいて循環して行い、前記第1及び第2の判定処理の判定結果から、前記装置の前記対象物に対する相対位置を検知することを特徴とする位置検知方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば対象物に対して相対運度する装置に、その対象物との相対位置を検知して提供する位置検知方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】位置情報を得る最も簡単な従来の位置検知方法には、機械的なスイッチを使用するものがあり、例えば対象物がそのスイッチの位置に来たときにスイッチをオンするものや、対象物がある位置を越えた時点からスイッチを継続してオン状態するものがある。一方、光学的に位置情報を得る位置検知方法も、一般的に広く採用されている。この光学的な位置検知方法には、対象物がその位置に来たときに光を遮断または通過させるものや、対象物がある位置を終えた時点から光を遮断または通過させるものがある。これらの位置検知方法は、装置内或いはユニット内のスペースが限られたエリアで用いられる場合で採用される分には、特に問題がなかった。ところがある程度の規模を有する独立した装置であって、移動を伴い、その移動位置によって機能の変更等を行うようなものについては、該装置に位置情報を外から与えるか、或いは装置自ら位置を検知できるようにする必要がある。
【0003】位置情報を外から与える場合には、独立した装置を搭載して移動または回転する台に、スイッチ等の位置検知機構を設けておき、位置検知結果をケーブル等を経由して装置に与えるようにしている。このような方法では、スイッチ等の位置検知機構を設けた台が必要になると共に、ケーブルを引き回す必要がある。このケーブルの引き回しは見栄えが良くなくないばかりか、移動によるケーブルの損傷や破損が考えられ、信頼性を保証できない。
【0004】一方、装置に自ら位置検知を行わせる場合には、該装置にスイッチを設けると共に、該装置を搭載して移動または回転する台に物理的な仕掛けを施しておき、装置が移動すると、台に仕掛けた物理的な仕掛けがそのスイッチに作用するようにしている。この場合には、物理的な仕掛けを施した台が必要になると共に、該台と装置との間の嵌合性に配慮が必要になる。以上のような理由から、移動を伴う装置に位置情報を取得させる場合に、該装置に光学的に位置検知を行わせる位置検知方法が有望となる。
【0005】図2は、従来の位置検知方法で用いる反射型センサを示す構成図である。この反射型センサ1は、発光ダイオード1aと受光トランジスタ1bを有し、ケース2に収容されている。この反射型センサ1を、移動する装置の底面に取り付けると共に該装置の下の移動面に反射板3を取り付ておく。そして、発光ダイオード1aを駆動して発光させ、反射板3で反射した光を受光トランジスタ1bで受光し、該受光トランジスタ1bが出力する受信信号に基づき位置検知を行うようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の反射型センサ1を用いた位置検知方法では、次のような課題があった。反射型センサ1は、室内光或いは自然光等の外来光の影響を受け易く、反射板3で外来光が反射して受光トランジスタ1bに入る場合には、位置検知が行えない。そこで、反射型センサ1を例えば装置の底面に取り付けることで、外来光の影響を低減できる。ところが、反射型センサ1には、さらに、発光ダイオード1aの放射する光が弱いという問題がある。装置をスムーズに移動させるために台等の移動機構を利用した場合、反射センサ1の反射板3からの高さが例えば20〜30mmになる。通常の市販されている反射型センサ1では、反射距離が10mm以下を想定して設計されているので、受光トランジスタ1bで受光する光が光量不足になり、位置検知ができないという課題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、本発明のうちの第1の発明は、駆動されて光を放射する発光ダイオードと受光した光に対応するレベルの受信信号を出力する受光トランジスタとを有する反射型センサを装置に取り付け、前記発光ダイオードを駆動し、前記装置に対して相対移動する対象物から反射した光を前記受光トランジスタで受光し、前記受光トランジスタが出力する受信信号に基づき前記対象物との相対位置を検知する位置検知方法において、次のような方法を講じている。即ち、所定の期間をおいたタイミングで前記発光ダイオードを一定の期間駆動するパルスドライブを繰り返し、前記各駆動期間に前記受光トランジスタが出力する受信信号のレベルをそれぞれ判定する判定処理を繰り返し、前記判定処理での各判定結果に基づき前記装置の前記対象物に対する相対位置を検知するようにしている。
【0008】このような構成を採用したので、反射型センサの発光ダイオードの駆動が、断続的になり、駆動電流が増しても、寿命が短くならない。よって、発光ダイオードの放射する光の光量を増加でき、受信信号のレベルも高くすることができる。第2の発明は、駆動されて光を放射する発光ダイオードと受光した光に対応するレベルの受信信号を出力する受光トランジスタとを有する反射型センサを装置に取り付け、所定の間隔をおいたタイミングで前記発光ダイオードを一定の期間駆動するパルスドライブを繰り返し、前記装置に対して相対移動する対象物から反射した光を前記受光トランジスタで受光し、前記受光トランジスタが出力する受信信号に基づき前記対象物との相対位置を検知する位置検知方法において、次のような第1の処理フロー、第2の処理フロー及び中間処理フローを、その受信信号のレベルに応じて循環して行うようにしている。
【0009】第1の処理フローは、第1の参照レベルを設定する第1の設定処理と、第1の設定処理または前回の前記発光ダイオードに対する駆動が行われてから前記所定の間隔をおく第1のタイマ処理と、該第1のタイマ処理の後に前記発光ダイオードを一定の期間駆動する第1のパルスドライブ処理と、この第1のパルスドライブ処理の期間に前記受光トランジスタが出力する受信信号のレベルと該第1の参照レベルとを比較し、該受信信号の方が高ければ前記反射型センサが前記対象物に対向する位置にあると判定すると共に該第1のタイマ処理に処理を移し、該受信信号の方が低ければ該第1の参照レベルよりも低くかつ第2の参照レベルよりも高い中間参照レベルを設定する第1の判定処理とを行うフローである。
【0010】第2の処理フローは、前記第2の参照レベルを設定する第2の設定処理と、該第2の設定処理または前回の前記発光ダイオードに対する駆動が行われてから前記所定の間隔をおく第2のタイマ処理と、該第2のタイマ処理の後に前記発光ダイオードを一定の期間駆動する第2のパルスドライブ処理と、この第2のパルスドライブ処理の期間に前記受光トランジスタが出力する受信信号のレベルと該第2の参照レベルとを比較し、該受信信号の方が高ければ前記反射型センサが前記対象物に対向する位置にあると判定して前記中間参照レベルを設定し、該受信信号の方が低ければ該第2のタイマ処理に処理を移す第2の判定処理とを行うフローである。中間処理フローは、前記中間参照レベルが設定されてから前記所定の間隔をおく中間タイマ処理と、該中間タイマ処理の後に前記発光ダイオードを一定の期間駆動する中間パルスドライブ処理と、この中間パルスドライブ処理の期間に前記受光トランジスタが出力する受信信号のレベルを該中間参照レベルで判定し、該受信信号の方が高ければ前記第1の処理フローに処理を進め、該受信信号の方が低ければ前記第2の処理フローに処理を進める中間判定処理とを行うフローである。
【0011】第3の発明は、位置検知方法において、次のような第1の処理フロー、第2の処理フロー及び中間処理フローを、その受信信号のレベルに応じて循環して行うようにしている。
【0012】第1の処理フローは、第1の参照レベルを設定する第1の設定処理と、該第1の設定処理または前回の前記発光ダイオードに対する駆動が行われてから前記所定の間隔をおく第1のタイマ処理と、該第1のタイマ処理の後に前記発光ダイオードを一定の期間駆動する第1のパルスドライブ処理と、この第1のパルスドライブ処理の期間に前記受光トランジスタが出力する受信信号のレベルと該第1の参照レベルとを比較し、該受信信号の方が高ければ前記反射型センサが前記対象物に対向する位置にないと判定すると共に該第1のタイマ処理に処理を移し、該受信信号の方が低ければ該第1の参照レベルよりも低くかつ第2の参照レベルよりも高い中間参照レベルを設定する第1の判定処理とを行うフローである。第2の処理フローは、前記第2の参照レベルを設定する第2の設定処理、該第2の設定処理または前回の前記発光ダイオードに対する駆動が行われてから前記所定の間隔をおく第2のタイマ処理と、該第2のタイマ処理の後に前記発光ダイオードを一定の期間駆動する第2のパルスドライブ処理と、この第2のパルスドライブ処理の期間に前記受光トランジスタが出力する受信信号のレベルと該第2の参照レベルとを比較し、該受信信号の方が高ければ前記反射型センサが前記対象物に対向する位置にないと判定して前記中間参照レベルを設定し、該受信信号の方が低ければ該第2のタイマ処理に処理を移す第2の判定処理を行うフローである。中間処理フローは、前記中間参照レベルが設定されてから前記所定の間隔をおく中間タイマ処理と、該中間タイマ処理の後に前記発光ダイオードを一定の期間駆動する中間パルスドライブ処理と、この中間パルスドライブ処理の期間に前記受光トランジスタが出力する受信信号のレベルを該中間参照レベルで判定し、該受信信号の方が高ければ前記第1の処理フローに処理を進め、該受信信号の方が低ければ前記第2の処理フローに処理を進める中間判定処理を行うフローである。
【0013】第2及び第3の発明によれば、以上のような構成にしたので、レベルが異なる第1の参照レベルと第2の参照レベルとが位置検知を行うためのスライスレベルとなり、第1及び第2のパルスドライブでの位置検知にヒステリシスが設定される。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施形態の位置検知方法で用いる位置検知機構の要部の構成図である。この位置検出機構は、例えば移動する図示しない装置に設けられ、該装置に自らの相対位置を検知するものであり、この装置の底面に取り付けられた反射型センサ10を備えている。
【0015】反射センサ10は、発光ダイオード11及び受光トランジスタ12を有している。発光ダイオード11のアノードは、抵抗13を介して電源Vccに接続され、該発光ダイオード11のカソードはスイッチ14を介してグランドに接続されている。受光トランジスタ12のコレクタは電源Vccに接続され、該受光トランジスタ12のエミッタが抵抗15を介してグランドに接続されると共に、コンパレータ20の一方の入力端子(−)に接続されている。コンパレータ20の他方の入力端子(+)には、参照レベル設定部30が接続されてる。コンパレータ20の出力端子は、2入力のANDゲート40の一方の入力端子に接続されている。ANDゲート40の他方の端子には、位置検知制御部50の出力端子が接続されている。ANDゲート40の出力端子が、反射信号レジスタ60に接続され、該反射信号レジスタ60の出力側が、位置検知制御部50に接続されている。参照レベル設定部30は、一方の端子が電源Vccに接続されると共に他方の端子がコンパレータ40の入力端子(+)に接続された抵抗31と、該抵抗31の他方の端子とグランドとの間に接続された抵抗32とを有している。抵抗31の他方の端子とグランドとの間には、さらに、スイッチ33及び抵抗34が直列に接続されると共に、スイッチ35及び抵抗36が直列に接続されている。
【0016】位置検知制御部50は、スイッチ14及びANDゲート40に対してパルスドライブ制御信号S51を送ると共に、スイッチ33,35に対して参照レベル設定信号S52aねS52bを送る構成になっている。パルスドライブ制御信号S51は、発光ダイオード11を一定の短時間に駆動するパルスドライブを行うための制御信号である。
【0017】図3は、図1の反射型センサ10の位置と反射量の関係を示す説明図である。図4(a),(b)は、図1の反射型センサ10のドライブ電圧及び受信信号を示す波形図である。これらの図3及び図4(a),(b)を参照しつつ、図1で行うパルスドライブを説明する。反射型センサ10を用いて対象物との間の相対位置を検知するために、対象物に従来と同様の反射板3を貼付しておく。このようにすると、図3で示した位置aaのように、反射型センサ10が装置の移動によって反射板3に対向したときには、発光ダイオード11で放射した光が反射板3に反射し、受光トランジスタ12で受光する反射光の光量が最大になる。図3の位置ccのように、反射型センサ10の正面に反射板3がない場合には、反射板3による反射がないので、受光トランジスタ12で受光する光量は、ごく僅かである。図3の位置baまたはbcのように、反射型センサ10が反射板3の端部近辺にあるときには、反射板3の反射光と反射板3の無い部分の反射光の両方が受光トランジスタ12に受光されるので、該受光トランジスタ12で受光する光量は中間値となる。
【0018】図1の位置検知機構では、位置検知制御部50からパルスドライブ信号S51を送り、スイッチ14を一定の期間Tにオンし、発光トランジスタ11に電流を流してパルスドライブする。発光ダイオード11には推奨された順方向定格電流があるが、この他に、パルスドライブ用定格電流がある。パルスドライブ用定格電流は順方向定格電流の数倍に相当し、該パルスドライブ用定格電流は、一定時間Tに発光ダイオード11を駆動しても、所定の間隔をおけばダイオードの寿命には影響を与えないというものである。このパルスドライブ用定格電流を抵抗13で設定して発光ダイオード11をパルスドライブすることにより、瞬時の発光量が増加する。発光ダイオード11の発光量が増加することにより、受光トランジスタ12で受光する反射光の光量も増加するので、反射型センサ10の位置検知能力も十分高まる。
【0019】受光トランジスタ12は、受光した反射光に対応する電流を負荷となる抵抗15に流して受信信号S10を生成する。受信信号S10は、図4(a)の駆動波形に対して、図4(b)のような波形となり、反射型センサ10の各位置aa,ba,bc,ccによってそのレベルが異なる。このパルスドライブの期間における受信信号S10のレベルを、参照レベルと比較することで、反射型センサ10の位置が特定できる。コンパレータ20は、参照レベル設定手段30で設定された参照レベルと受信信号S10を比較し、比較結果S20をANDゲート40に出力する。ANDゲート40は、位置検知制御部50からパルスドライブ制御信号S51が与えられている期間に、比較結果S20を出力する。比較結果S20は、反射信号レジスタ60に格納され、位置検知制御部50が反射信号レジスタ60の出力する比較結果S20に基づき位置情報を求め、該位置情報を位置検知結果として出力する。
【0020】このように、パルスドライブを行ったときには発光ダイオード11の放射する光が増加して位置検知能力を高めることができるが、順方向定格電流を定常的に流して駆動する従来のアナログドライブ方式とは異なり、反射型センサ10が反射板3の端部にきたときに、位置検知結果にばたつき(チャタリング)が発生する可能性がある。位置検知結果にチャタリングがあると、例えば装置の機能等に不具合が発生することもある。従来のアナログドライブ方式では、アナログヒステリシス制御を行うので、チャタリングが回避できるのである。次の図5(a),(b)を参照しつつ、従来のアナログヒステリシス制御を説明する。
【0021】図5(a),(b)は、アナログヒステリシス制御の説明図であり、同図(a)には、アナログヒステリシス回路が示され、同図(b)には、同図(a)の動作波形が示されている。従来の図2の反射型センサ1に、例えば図5(a)のアナログヒステリシス回路70を設けることにより、アナログヒステリシス制御が可能になる。このアナログヒステリシス回路70は、受光トランジスタ1b及び該トランジスタ1bに接続された抵抗1cによって電圧変換された受信信号iを、一方の入力端子(−)に入力するコンパレータ71と、電源Vccとグランドとの間に直列に接続され、参照電位sを生成する抵抗72,73とを有している。抵抗72及び73の接続点は、コンパレータ71の他方の入力端子(+)に接続され、該コンパレータ71の出力端子Qが該抵抗72及び73の接続点に帰還接続されている。
【0022】このような、アナログヒステリシス回路70では、図5(b)のように受信信号iの電位が上昇し、参照電位sが例えばS1を越えると、コンパレータ71の出力が“H”から“L”に変化する。逆に、受信信号iの電位が降下する時には、参照電位sがS1よりも低いS2になって初めてコンパレータ71の出力が、“L”から“H”に変化する。即ち、スライスレベルとなる電位S1と電位S2とが異なってヒステリシスが生じる。このヒステリシスは、順方向定格電流を定常的に流して駆動する従来のアナログドライブ方式で有効なもので、これによってチャタリングが回避される。
【0023】図1の位置検知機構では、位置検知制御部50から2つの参照レベル設定信号S52a,S52bを出力して各スイッチ33,35をそれぞれオン、オフし、前記アナログヒステリシス制御に代わるディジタルヒステリシス制御を実施する。図6は、図1中のスイッチ33,35のオン、オフを示す図である。図7は、図1のディジタルヒステリシス制御を示すフローチャートである。このディジタルヒステリシス制御では、図7の処理F1の後に、第1の処理フローF10、中間処理フローF20及び第2の処理フロー30を、反射型センサ10の出力する受信信号S10のレベルに応じて循環して行う。例えば、反射型センサ10を取り付けた装置が、図3の右の位置aaから左の位置ccに移動する場合、最初の処理F1において、例えば仮の位置を“右”として装置にセットする。
【0024】処理F1の後の第1の処理フローF10では、最初に第1の設定処理F11を行う。この第1の設定処理F11では、位置検知制御部50から2つの参照レベル設定信号S52a,S52bによってスイッチ33,35を共にオフし、抵抗31及び32で決まる高い第1の参照レベルAを設定する。設定処理F11の後に、第1のタイマー処理F12を行い、パルスドライブに必要な所定の期間をおく。タイマー処理F12の後の第1のパルスドライブ処理F13において、位置検知制御部50からパルスドライブ信号S51を出力して反射型センサ10のパルスドライブを行う。パルスドライブ処理F13により、コンパレータ20からは、受信信号S10と参照レベルAとの比較結果が得られ、反射信号レジスタ60に格納される。
【0025】パルスドライブ処理F13の後の第1の判定処理F14において、位置検知制御部50は、反射信号レジスタ60に格納された比較結果S20を参照し、受信信号S10の方が参照レベルAよりも高いか否かを判定する。受信信号S10の方が高い場合には、反射型センサ10が反射テープ3に対向したと判断し、装置に“右”をセットすると共に処理をタイマー処理F12に戻す。受信信号S10の方が低い場合には、処理F16で、参照レベル設定信号S52a,S52bにより、スイッチ33をオンすると共にスイッチ35をオフする。これにより、レベルAよりも低い、中間参照レベルであるレベルBがコンパレータ20に入力されるようになる。
【0026】処理F16が行われると、中間処理フローF20が行われる。中間処理フローF20では、中間タイマ処理F21で、パルスドライブに必要な所定の期間をおく。中間タイマ処理F21の後の中間パルスドライブ処理F22において、位置検知制御部50からパルスドライブ制御信号S51を出力して反射型センサ10のパルスドライブを行う。パルスドライブ処理F22により、コンパレータ20からは、受信信号S10と参照レベルBとの比較結果が得られ、反射信号レジスタ60に格納される。パルスドライブ処理F22の後の中間判定処理F23において、位置検知制御部50は、反射信号レジスタ60に格納された比較結果S20を参照し、受信信号S10の方が参照レベルBよりも高いか否かを判定する。受信信号S10の方が高い場合には、処理を処理フローF10へ戻し、受信信号S10の方が低い場合には、処理を処理フローF30へ進める。
【0027】処理フローF30では、最初に第2の設定処理F31を行う。この第2の設定処理F31では、位置検知制御部50から2つの参照レベル設定信号S52a,S52bによってスイッチ33,35を共にオンし、抵抗31〜35で決まるレベルBよりもさらに低い第2の参照レベルCを設定する。設定処理F31の後に、第2のタイマー処理F32を行い、パルスドライブに必要な所定の期間をおく。タイマー処理F32の後の第2のパルスドライブ処理F33において、位置検知制御部50からパルスドライブ信号S51を出力して反射型センサ10のパルスドライブを行う。パルスドライブ処理F33により、コンパレータ20からは、受信信号S10と参照レベルCとの比較結果S20が得られ、反射信号レジスタ60に格納される。
【0028】パルスドライブ処理F33の後の第2の判定処理F34において、位置検知制御部50は、反射信号レジスタ60に格納された比較結果S20を参照し、受信信号S10の方が参照レベルCよりも高いか否かを判定する。受信信号S10の方が高い場合には、参照レベル設定信号S52a,S52bにより、スイッチ33をオンすると共にスイッチ35をオフし、中間参照レベルであるレベルBがコンパレータ20に入力されるようにする。即ち、中間処理フロー20に処理を移す。受信信号S10の方が低い場合には、反射型センサ10が反射テープ3に対向する位置にないと判断し、装置に“左”をセットすると共に処理をタイマー処理F32に戻す。
【0029】以上のように、本実施形態では、反射型センサ10を所定の期間おいて駆動するパルスドライブを行うので、反射型10の寿命を短くすることなく、発行ダイオード11の放射する光を増加させることが可能になり、反射型センサ10を用いた位置検知機構での位置検知能力を高めることができる。さらに、第1の処理フローF10と、中間処理フローF20と、第2の処理フローF30とを、受信信号S10のレベルに応じて循環して行うようにしたので、スライスレベルとなる参照レベルA及びCの値が異なるディジタルヒステリシス制御が実現でき、図3の位置ba,bc等で発生するチャタリングが防止できる。
【0030】なお、本発明は、上記実施形態に限定されず種々の変形が可能である。その変形例としては、例えば次のようなものがある。
(1) 上記実施形態では、反射型センサ10を取り付けた装置が、反射テープ3に対して移動する場合の例を説明したが、反射テープ3側が移動する場合でも適用可能である。
(2) 処理F1では、仮に“右”を装置にセットしたが、“左”をセットした状態で処理をスターとしてもよい。
(3) 反射テープ3を用いて反射光を強くし、背景との差を検出することで位置を検知するようにしたが、反射テープ3を用いなくてもよい。また、位置検知を行う対象物が反射率が小さく、背景の方が反射率が高い場合にも、本発明は適用可能である。このときには、例えば受信信号S10と参照レベルA,Cとの比較において、受信信号S10の方が高い場合に、反射型センサ10が対象物に対向していないと判定するようにすればよい。
【0031】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、第1の発明によれば、発光ダイオードに対するパルスドライブを繰り返して行って対象物に対する相対位置を検知するので、発光ダイオードの放射する光の光量を増加でき、受信信号のレベルも高くすることが可能になり、位置検知を確実にできる。第2及び第3の発明によれば、第1の処理フロー、第2の処理フロー及び中間処理フローを、その受信信号のレベルに応じて循環して行い、第1及び第2の参照レベルと受信信号との比較で対象物に対する相対位置を検知するので、スライスレベルが変化する。よって、対象物の端部に反射型センサが対向しても、チャタリングが発生しない。
【出願人】 【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)4月27日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】柿本 恭成
【公開番号】 特開平11−304471
【公開日】 平成11年(1999)11月5日
【出願番号】 特願平10−116504