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【発明の名称】 通信型経路案内システムおよびそこで用いられる通信方法
【発明者】 【氏名】中野 信之

【氏名】鈴木 祥弘

【氏名】福田 久哉

【要約】 【課題】情報提供センタと各移動端末とが通信することによって経路案内を行う際、通信にかかるコストを低く抑えることができる通信型経路案内システムを提供する。

【解決手段】各移動端末300が情報提供センタ101へアクセスするための複数のアクセスポイント102が互いに異なる位置に設置され、各移動端末300は、複数のアクセスポイント102のいずれかを通じて情報提供センタ101と通信するよう構成されている。各移動端末300は、複数のアクセスポイント102の設置位置を記憶している。各移動端末300は、自己の現在位置を算出する機能をさらに有し、記憶している位置と算出した位置とに基づいて、複数のアクセスポイント102のうち最寄りの、従って通話料金が最も安価であるようなアクセスポイント102を通じて、情報提供センタ101へアクセスする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 サーバ装置と任意に移動する1以上の移動端末装置とが設けられ、サーバ装置と各移動端末装置とが通信することによって経路案内を行う通信型経路案内システムであって、各前記移動端末装置が前記サーバ装置へアクセスするための複数のアクセスポイントが互いに異なる位置に設置され、各前記移動端末装置は、当該複数のアクセスポイントのいずれかを通じて前記サーバ装置と通信するよう構成されており、各前記移動端末装置は、前記複数のアクセスポイントの設置位置を記憶する位置記憶手段と、当該移動端末装置の現在位置を算出する位置算出手段と、前記記憶手段の記憶内容および前記位置算出手段の算出結果に基づいて、前記複数のアクセスポイントのうち、当該移動端末装置と最も近接する位置関係にあるアクセスポイントを選択するアクセスポイント選択手段と、前記アクセスポイント選択手段が選択したアクセスポイントを通じて前記サーバ装置と通信する通信手段とを備えた、通信型経路案内システム。
【請求項2】 各前記移動端末装置のアクセスポイント選択手段は、当該移動端末装置の現在位置と前記複数のアクセスポイントの設置位置との間の直線距離を算出する手段を含む、請求項1に記載の通信型経路案内システム。
【請求項3】 各前記移動端末装置は、前記通信手段の通信状態を検査して、前記アクセスポイント選択手段が選択したアクセスポイントを通じて通信を行えるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果が否定である場合、前記アクセスポイント選択手段に、現在選択されているものを除く前記複数のアクセスポイントのうち、当該移動端末装置と最も近接する位置関係にあるアクセスポイントを再度選択させる手段をさらに備えた、請求項2に記載の通信型経路案内システム。
【請求項4】 サーバ装置と任意に移動する1以上の移動端末装置とが設けられ、サーバ装置と各移動端末装置とが通信することによって経路案内を行う通信型経路案内システムであって、各前記移動端末装置が前記サーバ装置へアクセスするための複数のアクセスポイントが互いに異なる位置に設置され、各前記移動端末装置は、当該複数のアクセスポイントのいずれかを通じて前記サーバ装置と通信するよう構成されており、各前記移動端末装置は、前記複数のアクセスポイントと1対1に対応して定められ、当該移動端末装置がその領域の内部に位置する場合、その領域と対応するアクセスポイントが当該移動端末装置と最も近接する位置関係にあるような複数の領域を記憶する領域記憶手段と、当該移動端末装置の現在位置を算出する位置算出手段と、前記位置算出手段の算出結果が前記領域記憶手段に記憶されている複数の領域のどれに包含されるか否かを判断することによって、前記複数のアクセスポイントのうち、当該移動端末装置と最も近接する位置関係にあるアクセスポイントを選択するアクセスポイント選択手段と、前記アクセスポイント選択手段が選択したアクセスポイントを通じて前記サーバ装置と通信する通信手段とを備えた、通信型経路案内システム。
【請求項5】 サーバ装置と任意に移動する1以上の移動端末装置とが設けられ、サーバ装置と各移動端末装置とが通信することによって経路案内を行う通信型経路案内システムの各移動端末装置において用いられる通信方法であって、各前記移動端末装置が前記サーバ装置へアクセスするための複数のアクセスポイントが互いに異なる位置に設置され、各前記移動端末装置は、当該複数のアクセスポイントのいずれかを通じて前記サーバ装置と通信するよう構成されており、前記複数のアクセスポイントの設置位置を記憶する第1のステップと、各前記移動端末装置の現在位置を算出する第2のステップと、前記第1のステップで記憶した位置および前記第2のステップで算出した位置に基づいて、前記複数のアクセスポイントのうち、各前記移動端末装置と最も近接する位置関係にあるアクセスポイントを選択する第3のステップと、前記第3のステップで選択したアクセスポイントを通じて前記サーバ装置と通信する第4のステップとを備えた、通信方法。
【請求項6】 サーバ装置と任意に移動する1以上の移動端末装置とが設けられ、サーバ装置と各移動端末装置とが通信することによって経路案内を行う通信型経路案内システムの各移動端末装置において実行されるプログラムを記録した記録媒体であって、各前記移動端末装置が前記サーバ装置へアクセスするための複数のアクセスポイントが互いに異なる位置に設置され、各前記移動端末装置は、当該複数のアクセスポイントのいずれかを通じて前記サーバ装置と通信するよう構成されており、前記複数のアクセスポイントの設置位置を記憶する第1のステップと、各前記移動端末装置の現在位置を算出する第2のステップと、前記第1のステップで記憶した位置および前記第2のステップで算出した位置に基づいて、前記複数のアクセスポイントのうち、各前記移動端末装置と最も近接する位置関係にあるアクセスポイントを選択する第3のステップと、前記第3のステップで選択したアクセスポイントを通じて前記サーバ装置と通信する第4のステップとを備えた動作環境を、各前記移動端末装置上で実現するためのプログラムを記録した、記録媒体。
【請求項7】 サーバ装置と任意に移動する1以上の移動端末装置とが設けられ、サーバ装置と各移動端末装置とが通信することによって経路案内を行う通信型経路案内システムの各移動端末装置において実行されるプログラムを、サーバ装置から各端末装置へ通信によって供給する方法であって、各前記移動端末装置が前記サーバ装置へアクセスするための複数のアクセスポイントが互いに異なる位置に設置され、各前記移動端末装置は、当該複数のアクセスポイントのいずれかを通じて前記サーバ装置と通信するよう構成されており、前記複数のアクセスポイントの設置位置を記憶する第1のステップと、各前記移動端末装置の現在位置を算出する第2のステップと、前記第1のステップで記憶した位置および前記第2のステップで算出した位置に基づいて、前記複数のアクセスポイントのうち、各前記移動端末装置と最も近接する位置関係にあるアクセスポイントを選択する第3のステップと、前記第3のステップで選択したアクセスポイントを通じて前記サーバ装置と通信する第4のステップとを備えた動作環境を各前記移動端末装置上で実現するためのプログラムを、前記サーバ装置から各前記端末装置へ通信によって供給する、プログラム供給方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、経路案内システムに関し、より特定的には、サーバ装置と任意に移動する1以上の移動端末装置とが設けられ、サーバ装置と各移動端末装置とが通信することによって経路案内を行う通信型経路案内システムおよびそこで用いられる通信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ナビゲーションシステムを採用した車両が増加してきている。ナビゲーションシステムで提供される情報も、地図情報から、それに加えて例えば交通情報、経路案内情報などを含むもの(地図関連情報)へと拡大されつつあり、利便性が高まるにつれて、今後の急速な普及が期待されている。従来の車載用ナビゲーションシステムでは、提供者側が地図データおよびその関連情報を予めCD−ROM等の読み出し専用の記録媒体に記録してユーザ側に提供し、ユーザ側は、地図データおよびその関連情報を必要に応じて記録媒体から読み出して利用するのが一般的であった。
【0003】ところが、上記のような、読み出し専用の記録媒体を介して情報提供を行う従来のシステムでは、例えば交通情報や気象情報など、リアルタイム性の高い情報を提供することが困難であった。そこで、リアルタイム性の高い情報の提供も行えるような車載用ナビゲーションシステムが考案されている。例えば、特開平7−262493号公報には、地図データおよびその関連情報を情報提供センターから車載端末に通信回線を介してダウンロードするような装置に関する技術的内容が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公報に記載されているような、従来の通信型ナビゲーションシステムでは、いずれも車載端末と情報提供センタとの通信に要するコストが十分に考慮されていなかった。すなわち、通信型ナビゲーションシステムでは一般に、車載端末から情報提供センタへアクセスするためのアクセスポイントが各地に設けられており、車載端末側は、これら複数のアクセスポイントのうち1つを選択し、それを通じて情報提供センタへアクセスする。このとき、車載端末と各アクセスポイントとの間の通信は、公衆回線を介して行われる。従来の通信型ナビゲーションシステムでは、このアクセスポイントの選択がユーザに委ねられているため、必ずしも最寄りのアクセスポイントと回線接続されるとは限らず、無駄な通信費用がかかる場合が少なからずあった。
【0005】また、従来の通信型ナビゲーションシステムでは、複数のアクセスポイントを有効に活用して効率よく情報提供を行うような配慮がなされていなかった。つまり、アクセスポイントの選択がユーザに委ねられているため、複数の車載端末からのアクセス要求が同一時刻に特定のアクセスポイントへ集中することがあり、そのような場合、システムの効率が著しく低下していた。
【0006】それゆえに、本発明の目的は、情報提供センタと各移動端末とが通信することによって経路案内を行う際、通信にかかるコストを低く抑えることができる通信型経路案内システムおよびそこで用いられる通信方法を提供することである。
【0007】また、本発明の他の目的は、上記のシステムおよび方法においてさらに、複数の移動端末からのアクセス要求が同一時刻に特定のアクセスポイントへ集中して起こるシステムの効率低下を防ぐことである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】第1の発明は、サーバ装置と任意に移動する1以上の移動端末装置とが設けられ、サーバ装置と各移動端末装置とが通信することによって経路案内を行う通信型経路案内システムであって、各移動端末装置がサーバ装置へアクセスするための複数のアクセスポイントが互いに異なる位置に設置され、各移動端末装置は、当該複数のアクセスポイントのいずれかを通じてサーバ装置と通信するよう構成されており、各移動端末装置は、複数のアクセスポイントの設置位置を記憶する位置記憶手段と、当該移動端末装置の現在位置を算出する位置算出手段と、記憶手段の記憶内容および位置算出手段の算出結果に基づいて、複数のアクセスポイントのうち、当該移動端末装置と最も近接する位置関係にあるアクセスポイントを選択するアクセスポイント選択手段と、アクセスポイント選択手段が選択したアクセスポイントを通じてサーバ装置と通信する通信手段とを備えている。
【0009】上記のように、第1の発明では、各移動端末装置は、複数のアクセスポイントのうち、最寄りの、従って通話料金が最も安価であるようなアクセスポイントを通じてサーバ装置と通信を行うため、経路案内を行うための通信にかかるコストを低く押さえることができる。
【0010】第2の発明は、第1の発明において、各移動端末装置のアクセスポイント選択手段は、当該移動端末装置の現在位置と複数のアクセスポイントの設置位置との間の直線距離を算出する手段を含んでいる。
【0011】上記のように、第2の発明では、移動端末装置の現在位置と複数のアクセスポイントの設置位置との間の各直線距離を演算で求めるので、それらを相互に比較することによって、移動端末装置と最も近接する位置関係にあるアクセスポイントを選択できる。
【0012】第3の発明は、第1の発明において、各移動端末装置は、通信手段の通信状態を検査して、アクセスポイント選択手段が選択したアクセスポイントを通じて通信を行えるか否かを判定する判定手段と、判定手段の判定結果が否定である場合、アクセスポイント選択手段に、現在選択されているものを除く複数のアクセスポイントのうち、当該移動端末装置と最も近接する位置関係にあるアクセスポイントを再度選択させる手段をさらに備えている。
【0013】上記のように、第3の発明では、各移動端末装置は、現在位置から近いアクセスポイントから順番にアクセスを試みるため、複数の移動端末装置からのアクセス要求が同一時刻に特定のアクセスポイントへ集中して起こるシステムの効率低下を防ぐことができる。
【0014】第4の発明は、サーバ装置と任意に移動する1以上の移動端末装置とが設けられ、サーバ装置と各移動端末装置とが通信することによって経路案内を行う通信型経路案内システムであって、各移動端末装置がサーバ装置へアクセスするための複数のアクセスポイントが互いに異なる位置に設置され、各移動端末装置は、当該複数のアクセスポイントのいずれかを通じてサーバ装置と通信するよう構成されており、各移動端末装置は、複数のアクセスポイントと1対1に対応して定められ、当該移動端末装置がその領域の内部に位置する場合、その領域と対応するアクセスポイントが当該移動端末装置と最も近接する位置関係にあるような複数の領域を記憶する領域記憶手段と、当該移動端末装置の現在位置を算出する位置算出手段と、位置算出手段の算出結果が領域記憶手段に記憶されている複数の領域のどれに包含されるか否かを判断することによって、複数のアクセスポイントのうち、当該移動端末装置と最も近接する位置関係にあるアクセスポイントを選択するアクセスポイント選択手段と、アクセスポイント選択手段が選択したアクセスポイントを通じてサーバ装置と通信する通信手段とを備えている。
【0015】上記のように、第4の発明では、各移動端末装置は、複数のアクセスポイントのうち、最寄りの、従って通話料金が最も安価であるようなアクセスポイントを通じてサーバ装置と通信を行うため、経路案内を行うための通信にかかるコストを低く押さえることができる。また、移動端末装置の現在位置が複数の領域のどれに包含されるか否かを判断することによって移動端末装置と最も近接する位置関係にあるアクセスポイントを選択するので、例えば移動端末装置の現在位置と複数のアクセスポイントの設置位置との間の各直線距離を演算で求め、それらを相互に比較することによって選択を行うのに比べて、移動端末装置側の処理動作が軽減される。
【0016】第5の発明は、サーバ装置と任意に移動する1以上の移動端末装置とが設けられ、サーバ装置と各移動端末装置とが通信することによって経路案内を行う通信型経路案内システムの各移動端末装置において用いられる通信方法であって、各移動端末装置がサーバ装置へアクセスするための複数のアクセスポイントが互いに異なる位置に設置され、各移動端末装置は、当該複数のアクセスポイントのいずれかを通じてサーバ装置と通信するよう構成されており、複数のアクセスポイントの設置位置を記憶する第1のステップと、各移動端末装置の現在位置を算出する第2のステップと、第1のステップで記憶した位置および第2のステップで算出した位置に基づいて、複数のアクセスポイントのうち、各移動端末装置と最も近接する位置関係にあるアクセスポイントを選択する第3のステップと、第3のステップで選択したアクセスポイントを通じてサーバ装置と通信する第4のステップとを備えている。
【0017】上記のように、第5の発明では、各移動端末装置は、複数のアクセスポイントのうち、最寄りの、従って通話料金が最も安価であるようなアクセスポイントを通じてサーバ装置と通信を行うため、経路案内を行うための通信にかかるコストを低く押さえることができる。
【0018】第6の発明は、サーバ装置と任意に移動する1以上の移動端末装置とが設けられ、サーバ装置と各移動端末装置とが通信することによって経路案内を行う通信型経路案内システムの各移動端末装置において実行されるプログラムを記録した記録媒体であって、各移動端末装置がサーバ装置へアクセスするための複数のアクセスポイントが互いに異なる位置に設置され、各移動端末装置は、当該複数のアクセスポイントのいずれかを通じてサーバ装置と通信するよう構成されており、複数のアクセスポイントの設置位置を記憶する第1のステップと、各移動端末装置の現在位置を算出する第2のステップと、第1のステップで記憶した位置および第2のステップで算出した位置に基づいて、複数のアクセスポイントのうち、各移動端末装置と最も近接する位置関係にあるアクセスポイントを選択する第3のステップと、第3のステップで選択したアクセスポイントを通じてサーバ装置と通信する第4のステップとを備えた動作環境を、各移動端末装置上で実現するためのプログラムを記録している。
【0019】第7の発明は、サーバ装置と任意に移動する1以上の移動端末装置とが設けられ、サーバ装置と各移動端末装置とが通信することによって経路案内を行う通信型経路案内システムの各移動端末装置において実行されるプログラムを、サーバ装置から各端末装置へ通信によって供給する方法であって、各移動端末装置がサーバ装置へアクセスするための複数のアクセスポイントが互いに異なる位置に設置され、各移動端末装置は、当該複数のアクセスポイントのいずれかを通じてサーバ装置と通信するよう構成されており、複数のアクセスポイントの設置位置を記憶する第1のステップと、各移動端末装置の現在位置を算出する第2のステップと、第1のステップで記憶した位置および第2のステップで算出した位置に基づいて、複数のアクセスポイントのうち、各移動端末装置と最も近接する位置関係にあるアクセスポイントを選択する第3のステップと、第3のステップで選択したアクセスポイントを通じてサーバ装置と通信する第4のステップとを備えた動作環境を各移動端末装置上で実現するためのプログラムを、サーバ装置から各端末装置へ通信によって供給する。
【0020】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態で示す通信型経路案内システムには、地図データ、交通情報、気象情報、店舗情報等の各種データベースを保有し、かつこれら各データベースのコンテンツを収集、更新する情報提供センタと、情報提供センタから通信によって情報の提供サービスを受ける1以上の移動端末(以下では車両に搭載して利用される車載端末として説明する)とが設けられる。システムにはさらに、サービス地域毎にアクセスポイントが設けられ、情報提供センタと各アクセスポイントとが専用回線を介して接続されている。以降では、これら情報提供センタと複数のアクセスポイントとを総称してサーバと呼ぶことにする。本実施形態の通信型経路案内システムは、移動端末側から要求された地図データ、交通情報、気象情報、店舗情報等をサーバ側で検索し、それらの情報を通信回線を介してサーバ側から移動端末側へダウンロードするものである。以下、その詳細について説明する。
【0021】図1は、本発明の第1の実施形態に係る通信型経路案内システムの構成を模式的に示す図である。図1において、通信型経路案内システムは、サーバ100、公衆回線網200および1以上の移動端末300を含んでいる。サーバ100は、情報提供センタ101および複数のアクセスポイント102を含み、情報提供センタ101と複数のアクセスポイント102とが専用回線103を介して接続される。公衆回線網200は、固定網201と移動網202とで構成される。移動網202側には複数の交換局203が設けられ、さらに各交換局203に付随して複数の基地局204が設けられる。
【0022】各基地局204は、半径3km程度のエリア205をカバーする電波の受発信設備であり、交換局203は、各基地局204を制御して固定網201(固定電話網)と接続する設備である。一般に各交換局203は、大都市間に分散して配置され、それぞれの都市を包含する複数のエリア205を統括する。情報提供センタ101は、地図データ、交通情報、気象情報、店舗情報等の情報を外部組織を通じて、あるいは独自に収集して集中管理し、各移動端末300に対して提供する。この情報提供センタ101と複数のアクセスポイント102とが専用回線103で接続されており、移動端末300は、いずれかのアクセスポイント102を通じて情報提供センタ101へアクセスし、各種の情報提供サービスを受ける。
【0023】その際、移動端末300と各アクセスポイント102との間の通信は、公衆回線網200を介して通信が行われるため、通話料金が課せられる。この移動端末300、アクセスポイント102間の通信コストを低減するためには、各移動端末300は、最寄りの、従って通話料金の安いアクセスポイント102を選択し、そこから情報提供センタ101へアクセスする必要がある。図1のシステムでは、各移動端末300が自己の現在位置を算出する機能を備えており、その機能を利用して最寄りのアクセスポイント102を自動的に選択する。これにより、移動端末300、アクセスポイント102間の通信コストが最低限に抑えられる。
【0024】図2は、図1の移動端末300の基本構成を示すブロック図である。図2において、移動端末は、入力部1、情報記憶部2、位置算出部3、通信部4と、演算処理部5および出力部6を備えている。入力部1は、移動端末300に対するドライバの操作入力を行うものであり、複数のキースイッチをもつ本体操作パネル、あるいは同様の機能をもつリモコン等によって実現される。ドライバは、移動端末300に対し、この入力部1を通じて例えば地図のスクロールや縮尺変更等のような操作入力を行う。
【0025】情報記憶部2は、地図データおよびその関連情報を記憶するためのものであり、フラッシュメモリやハードディスク等の書き換え可能な記憶媒体によって実現される。情報記憶部2には、地図情報記憶部7およびAP情報記憶部8が含まれている。地図情報記憶部7は、道路ネットワーク情報や経路案内情報等を記述した地図データと、道路の渋滞状況や規制状況を記述した交通データ、天気予報や降雨状況等を記述した気象データ、レストランや各種ショップの情報を記述した店舗データ等からなる地図関連データを格納する。地図情報記憶部7のコンテンツ(各種データベース)は、予め格納されているか、あるいは通信回線(公衆回線網200)を介してサーバ100からオンラインで更新される。
【0026】一方、AP情報記憶部8は、移動端末300に対して地図データや交通データ等の情報を提供する情報提供センタ101へのアクセスを行うための複数のアクセスポイント102に関して、それらの経度緯度座標や電話番号等の情報を記憶するためのものである。移動端末300から情報提供センタ101へアクセスする場合は、このAP情報記憶部8に記憶されている複数のアクセスポイント102の中から、移動端末300、アクセスポイント102間の通信コストを最低限に抑えられるものを選択して接続する。
【0027】位置算出部3は、移動端末300の現在位置を算出するものであり、位置検出部9および位置演算部10を含む。位置検出部9は車速センサやジャイロセンサ、あるいはGPSアンテナ等によって、位置演算部10はマイクロプロセッサやメモリ等によって実現される。このように構成される位置算出部3は、車速センサによって車速を検知してそれをもとに車両の走行距離を算出したり、ジャイロセンサによって車両の進行方向を検出したり、車両の走行軌跡と地図上の道路形状との相関をとったり、GPS衛星からの電波を受信して地球上における絶対位置を検出する等の各手法によって、あるいはそれらを組み合わせることによって、移動端末300の現在位置を求める。
【0028】通信部4は、無線通信によって各基地局204との間でデータの送受信を行うものであり、例えば携帯電話、および携帯電話と移動端末300との間のデータ変換を行うデータ通信モデムから構成される。サーバ100からダウンロードされ、通信部4が受信した地図データ、交通データ、気象データや店舗データ等は、地図情報記憶部7に格納される。
【0029】演算処理部5は、移動端末300全体の制御を行うものであり、演算処理を行うためのマイクロプロセッサと、ワークエリアとなるメモリ等とによって実現される。演算処理部5には、位置演算部10、地図情報読み込み部11、最寄りAP検出部12および電話番号設定部13が含まれる。位置演算部10は、前述の通り位置算出部3の構成要素も兼ねており、移動端末300の現在位置を演算処理によって求めるものである。地図情報読み込み部11は、地図情報記憶部7に格納されている地図データやその関連情報を読み出すものである。なお、読み出されたデータは、演算処理部5内で処理された後、出力部6や地図情報記憶部7、通信部4等へ出力される。
【0030】最寄りAP検出部12は、AP情報記憶部8に記憶されている各アクセスポイント102の位置情報に基づいて、複数のアクセスポイント102の中から、位置演算部10によって算出された移動端末300の現在位置に最も近いもの、従って通話料金の最も安いものを選択する(あるいは、移動端末300からアクセスポイント102までの通話料金が最も安いものを直接的に選択してもよいが、その場合、AP情報記憶部8にさらに公衆回線網200の通話料金体系を示す情報を記憶しておく必要がある)。電話番号設定部13は、選択されたアクセスポイント102の電話番号をAP情報記憶部8から取得してその番号を呼び出すよう設定するものであり、それによって、移動端末300とサーバ100とが選択されたアクセスポイント102を通じて回線接続される。
【0031】出力部6は、地図情報記憶部7に記憶されている地図やその関連情報、あるいはそれらの情報を処理した結果を、ドライバに対して映像および/または音声で提示するためのものであり、例えばディスプレイおよびスピーカで構成される。
【0032】図3は、図1のサーバ100側に設けられるサーバ装置の基本構成を示すブロック図である。図3において、サーバ装置は、入力部15、地図情報記憶部16、通信部17、演算処理部18および出力部19を備えている。なお、通信部17と図1に示される複数のアクセスポイント102とが専用回線を介して接続される。入力部15は、図3のサーバ装置を操作するオペレータからの入力、およびその他の外部情報をサーバ装置本体に入力するためのものであり、例えばキーボートやマウスによって実現される。
【0033】地図情報記憶部16は、地図データおよびその関連データを記憶するためのものであり、例えばハードディスク等の大容量の書き換え型記憶媒体によって実現される。地図情報記憶部16には、道路ネットワーク情報や経路探索情報等を記述した地図データと、道路の渋滞状況や規制状況を記述した交通データ、天気予報や降雨状況等を記述した気象データ、レストランや各種ショップの情報を記述した店舗データ等からなる地図関連データとが格納されている。これら各種データは、通信回線(公衆回線200)を介して移動端末300側へ提供される。なお、地図情報記憶部16に格納されている各種データは、情報の内容に応じてそれぞれ適宜更新される。
【0034】通信部17は、図1の各アクセスポイント102を通じて移動端末300との間でデータの送受信を行うためのものであり、例えば電話、および電話とサーバ100との間のデータ変換を行うためのデータ通信モデムによって実現される。すなわち、図3のサーバ装置は、通信部17を通じて移動端末300からの要求を受信し、要求に応じた情報を再び通信部17を通じて移動端末300側へ送り返す。
【0035】演算処理部18は、移動端末300からのダウンロード要求(後述)に応じて経路探索を行うと共に、サーバ装置全体の制御を行うものであり、演算処理を行うためのマイクロプロセッサと、ワークエリアとなるメモリ等とによって実現される。演算処理部18には、地図情報読み込み部20と送受信情報処理部21とが含まれる。地図情報読み込み部20は、オペレータの操作入力に応じて、あるいは送受信情報処理部21で処理して得られた移動端末300からの要求に応じて、該当する情報を地図情報記憶部16から読み出す。送受信情報処理部21は、通信部17が受信した上り信号を処理して端末からの要求を取得し、さらに、要求に応じて地図情報読み込み部20が読み出した情報を処理して送信データ形式の情報に変換する等の処理を行う。
【0036】出力部19は、地図情報記憶部16に記憶されている地図やその関連情報、およびそれらを演算処理部18が処理して得られた処理結果を、図3のサーバ装置のオペレータに対して映像および/または音声で提示するためのものであり、例えばディスプレイおよびスピーカによって実現される。
【0037】以上のように構成された通信型経路案内システムについて、以下にその動作を説明する。なお、以下の各処理は、コンピュータを用いてソフトウェア的に実現するか、あるいは、各処理を行う専用のハードウェア回路を用いて実現することができる。ソフトウエア的に実現する場合、そのためプログラムは、CD−ROMやフロッピーディスクなどの携帯型記録媒体に格納されて提供されるか、または通信回線(公衆回線網200)を介してサーバ100側から移動端末300側へ供給される。
【0038】まず、通信型経路案内システムの移動端末300側の処理手順を詳細に説明する。移動端末300では、ドライバが電源を投入すると、最初、位置算出部3が移動端末300の存在する現在位置の座標を算出する。次に、地図情報読み込み部11は、位置算出部3が算出した座標に基づいて、移動端末300の現在位置周辺の地図データを地図情報記憶部7から読み出す。読み出された地図データは、出力部19に与えられ、位置算出部3が算出した座標を表示中心としてディスプレイ上に表示される。
【0039】なお、その際、出力部19が移動端末300の現在位置を示すマークを地図データに重畳して表示すれば、ドライバに対して車両の現在位置を分かり易く提示することができる。
【0040】また、車両の移動に伴い移動端末300の現在位置の座標が変化する毎に、新たな座標が画面中心に表示されるように描画更新を行えば、車両の現在位置周辺の地図が常にディスプレイ上に表示されるようにできる。この場合、車両の移動に伴い、地図の表示範囲が地図情報読み込み部11によって先に読み込まれた地図データの範囲を超えた場合には、地図情報読み込み部11は、位置算出部3が算出した新たな座標を中心とする地図データを地図情報記憶部7から読み出す。
【0041】また、ドライバが入力部1のリモコン(の上下左右移動キー)を操作し、それと連動して地図の表示中心位置が移動するように構成してもよい。それによりドライバは、地図の表示範囲を任意の地点へとスクロールさせることができる。また、同じくリモコン(の縮尺変更キー)を操作し、それと連動して現在表示中のの地図データの縮尺率を変更するように構成してもよい。それにより、ドライバは、任意の縮尺の地図データをディスプレイ上に表示させることができる。縮尺率の変更は、例えば、縮尺率の異なる複数の地図データを予め地図情報記憶部7に記憶させておき、そこから地図情報読み込み部11が指示に応じた縮尺率のものを読み出すことによっても行えるが、地図情報記憶部7の容量には制限があるため、本実施形態では、サーバ100側から通信によって必要な縮尺率の地図データを取得する(こうした、通信によってサーバ100側から情報を取得する処理については後述する)。
【0042】走行中、ディスプレイ上には、上記のようにして、常に車両の現在位置周辺の地図が表示されている。このとき、地図情報記憶部7に記憶されていない地図が必要になったり、ドライバが交通情報や気象情報、店舗情報等の地図関連情報を知りたいと希望したとする。そのような場合、移動端末300は、複数のアクセスポイント102のいずれかを通じてサーバ100側(に設けられた図3のサーバ装置)と回線接続し、サーバ装置から必要な地図データや地図関連情報を通信によって取得する。ここで予め強調しておけば、図1のシステムの第1の特徴は、移動端末300が複数のアクセスポイント102のいずれかを選択してアクセスする際の、アクセスポイント102の選択の仕方にある。
【0043】図4は、図1のシステムにおいてサーバ100側から移動端末300へ情報がダウンロードされる際の、移動端末300側の処理動作を示すフローチャートである。以下には、移動端末300がサーバ100側から通信によって情報を取得する動作の詳細について、図4を用いて説明する。移動端末300には、通信によって情報を取得する処理に関わる各種機能、例えばサーバ100側と回線接続したり、取得しようとする情報を選択したり、情報を取得した後回線を切断したりする機能が予め設定されており、ドライバは、入力部1を操作してメニュー選択することにより、各機能を起動させることができる。
【0044】サーバ100側から通信によって情報を取得しようとする場合、ドライバは、入力部1を操作して移動端末300にその旨を入力する。応じて、出力部6のディスプレイ上にメニュー選択画面が表示され(ステップS101)、ドライバは、画面を参照しつつメニュー選択を行う。次に、演算処理部5が、サーバ100側と回線接続する機能が選択されたか否かを判断する(ステップS102)。そして、判断の結果、回線接続する機能が選択された場合、演算処理部5は、複数のアクセスポイント102のいずれかを選択し、そのポイントを通じてサーバ100側と回線接続する一連の処理(ステップS103〜S107)を実行する。なお、サーバ100側と回線接続する機能が選択されなかった場合には、ステップS101に戻る。
【0045】すなわち、ステップS103では、位置算出部3によって移動端末300の現在位置が算出される。ステップS104では、演算処理部5によって、情報記憶部2のAP情報記憶部8から、複数のアクセスポイント102に関する情報のリストが読み出される。AP情報記憶部8に格納されている、アクセスポイントに関する情報リストの一例を図5に示す。図5において、情報リストには、各アクセスポイント102のAP識別コード、経度緯度座標および電話番号が含まれる。AP識別コードは、各アクセスポイント102を識別するためのコードである。経度緯度座標は、識別コードで識別される各アクセスポイント102の所在地を特定するためのものであり、移動端末300の現在位置に対して最寄りのアクセスポイント102を選択するために用いられる。電話番号は、識別コードで識別される各アクセスポイント102の電話番号であり、各電話番号をコールすることにより、移動端末300とアクセスポイント102とが回線接続される。
【0046】ステップS105では、演算処理部5の最寄りAP検出部12によって、移動端末300の現在位置に対して最寄りのアクセスポイント102が検出される。最寄りのアクセスポイント102の検出は、例えば以下のようにして行われる。すなわち、ステップS103で取得された移動端末300の現在位置を表す経度緯度座標と、ステップS104で取得された情報リストに記述されている各アクセスポイント102の所在地を表す経度緯度座標とに基づいて、各アクセスポイント102と移動端末300との直線距離をそれぞれ算出する。そして、各算出結果を相互に比較して、移動端末300からの直線距離が最短であるようなアクセスポイント102(最寄りのアクセスポイント102)を検出する。
【0047】ステップS106では、電話番号設定部13によって、ステップS105で検出された最寄りのアクセスポイント102の電話番号を呼び出すよう設定が行われる。この場合、ステップS104で取得された情報リストの中から、ステップS105で検出した最寄りアクセスポイント102に対応する電話番号が読み出される。そして、ステップS107では、通信部4によって、ステップS106で設定された電話番号に対する発呼が行われ、移動端末300とサーバ100側とが回線接続される。
【0048】上記のようにして移動端末300とサーバ100側との間の回線が確立されると、出力部6のディスプレイ上に再びメニュー選択画面が表示され(ステップS108)、ドライバは、画面を参照しつつ入力部1を操作してメニュー選択を行う。なお、ステップS108で表示されるメニュー内容は、データをダウンロードするか、あるいは回線を切断するか、またダウンロードする場合どのデータをダウンロードするかなどが考えられる。
【0049】次に、演算処理部5は、ドライバによって回線切断が要求されたか否かを判断する(ステップS109)。回線切断が要求された場合、演算処理部5は、移動端末300とサーバ100側との間に確立されていた回線を切断し(ステップS111)、その時点でサーバ100側から通信によって情報を取得する処理が終了される。一方、回線切断が要求されなかった(すなわち、データをダウンロードするよう要求された)場合には、演算処理部5は、ドライバが指定したデータをダウンロードするよう要求するコマンド(以下、ダウンロード要求)を、通信部4を通じてサーバ100側へ送信(ステップS110)した後、ステップS108へ戻り、メニュー選択画面を表示する。以上のように、ドライバが希望する全てのデータを入手するまでダウンロード要求が繰り返しサーバ100側へ送信され、希望する全てのデータを入手した時点で回線が切断される。以上で、通信によってサーバ100側から情報を取得する処理の終了となる。
【0050】サーバ100側では、移動端末300からのダウンロード要求を解析し、該当するデータを移動端末300へ送信する(なお、サーバ100側の処理の詳細な内容については後述する)。移動端末300では、以上のような処理手順に基づいてサーバ100側からダウンロードされた地図データや最短経路、交通情報等がディスプレイ上に表示され、それによって、ドライバを出発地から目的地まで誘導する。さらにその間、経路周辺の気象情報や店舗情報などが車両の移動に伴い適宜表示され、ドライバは、経路周辺の最新の情報を知ることができる。
【0051】図6は、図1のシステムにおいてサーバ100側から移動端末300へ情報がダウンロードされる際の、サーバ100側の処理動作を示すフローチャートである。以下には、図4のステップS110で移動端末300が送信したダウンロード要求に応じて、サーバ100側(に設けられた図3のサーバ装置)が移動端末300へデータをダウンロードする動作を説明する。
【0052】ここでは、移動端末300側からの上り信号には、回線の接続/切断を求める接続/切断要求と、経路情報やその関連情報をダウンロードするよう求めるダウンロード要求とがあるものとする。ダウンロード要求には、経路探索を行うのに必要な情報、すなわち出発地および目的地(そこにさらに有料道路を優先して経路を求めるといった探索条件を加えてもよい)が付加されており、サーバ100側は、このダウンロード要求を受信した場合、出発地から目的地までの最短経路を探索し、探索結果とそれに関連の深い情報(経路周辺の交通情報や気象情報、店舗情報等)とを一括して移動端末300側へダウンロードする。
【0053】さて、図3のサーバ装置の地図情報記憶部16には、サーバ100側で独自にあるいは外部組織を通じて収集した全国の地図データ、交通情報、気象情報、店舗情報等が格納されている。それらの情報を移動端末300へダウンロードする処理では、最初、演算処理部18が移動端末300から送信された上り信号を通信部17を通じて受信する(ステップS201)。演算処理部18では、送受信情報処理部21が、その上り信号を解析する(ステップS202)。
【0054】演算処理部18は、ステップS202の解析結果に基づいて、ステップS201で受信した上り信号が接続要求であるか否かを判断する(ステップS203)。そして、判断結果が肯定である場合、送信元の移動端末300との間の回線を接続する処理を行った後(ステップS204)、ステップS201の処理へ戻る。
【0055】ステップS203の判断結果が否定である場合には、演算処理部18は、ステップS201で受信した上り信号が接続要求であるか否かをさらに判断する(ステップS205)。そして、判断結果が肯定である場合、送信元の移動端末300との間の回線を切断する処理を行った後(ステップS206)、ステップS201の処理へ戻る。
【0056】ステップS205の判断結果が否定である場合には、演算処理部18は、ステップS201で受信した上り信号がダウンロード要求であるか否かをさらに判断する(ステップS207)。そして、判断結果が肯定である場合、経路探索を行い、探索結果とそれに関連する情報とを移動端末300側へダウンロードする一連の処理を実行し(ステップS208〜S211)、その後、ステップS201の処理へ戻る。
【0057】すなわち、ステップS208では、地図情報記憶部16にストアされている地図データを参照して、ダウンロード要求に付加して通知された出発地から目的地までの最短経路を探索する処理が行われる。探索は、例えば演算処理部18がダイクストラ法のような既存の手法によって実行する。なお、探索の際、地図情報記憶部16にストアされている交通情報を反映して、渋滞を避けた経路を求めるようにしてもよい。具体的には、地図データに付随して記録されたリンク毎の旅行時間を交通情報(渋滞情報、規制情報など)に基づいて動的に変化させ、変化させて得られる各旅行時間にダイクストラ法を適用して経路を求める。なお、求めた経路は、少なくとも経度緯度座標をもつノード列で表わすようにする。
【0058】ステップS209では、ステップS208で求めた経路に関連の深い情報を地図情報記憶部16から抽出する処理が行われる。具体的には、地図情報記憶部16に記憶されている交通情報、気象情報、店舗情報等には、それぞれ地図データと関連づけするための経度緯度座標が付加されている。演算処理部18は、各情報の経度緯度座標と、ステップS208で求めた経路を構成するノード列との直線距離を算出してメートル単位に換算し、得られた直線距離がしきい値L以下であるような情報のみを地図情報記憶部16から読み出すよう、地図情報読み込み部20に対して指示する。なお、上記のしきい値Lは、例えば500mから5000m程度が好ましい。また、地図データに関しては、経路探索した出発地および目的地を中心とする半径M以内の詳細地図データのみを読み出す。この場合のMは、例えば100mから500m程度が好ましい。
【0059】ステップS210では、ステップS208で求めた最短経路、およびステップS209で抽出した経路関連情報を送信データの形式に変換する処理が行われる。変換は、演算処理部18が行い、変換して得られる送信データは、図7に示すように、経路データ、詳細地図データ、交通情報データ、気象情報データ、店舗情報データ、およびパケットの先頭を表すSTX、パケットの管理データを納めた管理情報、パケットの終わりを表すETX、データのエラー訂正を行うためのチェックサム等を1パケットに統合したものである。
【0060】ステップS211では、ステップS210で作成した送信データを移動端末300へ送信する処理が行われる。送信データは、専用回線を介して通信部17からアクセスポイント102(図4のステップS105で検出されたポイント)へ伝送され、さらに公衆回線を介してアクセスポイント102から移動端末300へと伝達される。
【0061】以上のように、第1の実施形態によれば、各移動端末300は、複数のアクセスポイント102のうち、最寄りの、従って通話料金が最も安価であるようなアクセスポイント102を通じて情報提供センタ101と回線接続されるため、情報提供センタ101から1以上の移動端末300へ通信によって経路案内情報を提供する際、通信にかかるコストを低く押さえることができる。
【0062】ところで、第1の実施形態では、互いに近接した位置に存在する複数の車両が同時にアクセス要求を行った場合、速やかに回線接続が行われず、システムの効率が低下することがある。第2の実施形態では、このような、複数の移動端末からのアクセス要求が同一時刻に特定のアクセスポイント102へ集中して起こるシステムの効率低下を防ぐことができる通信型経路案内システムを開示する。
【0063】(第2の実施形態)以下、本発明の第2の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態で示す通信型経路案内システムには、地図データ、交通情報、気象情報、店舗情報等の各種データベースを保有し、かつこれら各データベースのコンテンツを収集、更新する情報提供センタと、情報提供センタから通信によって情報の提供サービスを受ける1以上の移動端末(以下では車両に搭載して利用される車載端末として説明する)とが設けられる。システムにはさらに、サービス地域毎にアクセスポイントが設けられ、情報提供センタと各アクセスポイントとが専用回線を介して接続されている。以降では、これら情報提供センタと複数のアクセスポイントとを総称してサーバと呼ぶことにする。本実施形態の通信型経路案内システムは、移動端末側から要求された地図データ、交通情報、気象情報、店舗情報等をサーバ側で検索し、それらの情報を通信回線を介してサーバ側から移動端末側へダウンロードする点では、第1の実施形態で示したシステムと共通するが、次の点が異なる。
【0064】すなわち、第1の実施形態では、各移動端末300は、最寄りのアクセスポイント102を通じて情報提供センタ101と回線接続された(換言すれば、任意のアクセスポイント102へいつでもアクセス可能であると仮定していた)。これに対して、本実施形態では、特定のアクセスポイント102が混雑する場面をも想定しており、最寄りのポイントが接続不能であれば、次に近いポイントを選択して速やかに回線接続する。つまり、本実施形態の第1の特徴は、各移動端末が現在位置から最も近いアクセスポイント102から順番にアクセスを行うことにより、ドライバが望むときに速やかに回線接続が行われ、システムの効率が向上する点にある。以下、その詳細について説明する。
【0065】さて、本発明の第2の実施形態に係る通信型経路案内システムの構成は、第1の実施形態のそれと同様であるので、以下の説明にも図1を援用する。また、図1のシステム(本発明の第2の実施形態に係る通信型経路案内システム)のサーバ100側に設けられるサーバ装置の基本構成は、第1の実施形態のそれと同様であるので、図3を援用する。
【0066】図8は、図1のシステム(本発明の第2の実施形態に係る通信型経路案内システム)の、移動端末300の基本構成を示すブロック図である。図8の移動端末(以下では、図2の移動端末300と区別するために移動端末300aと呼ぶ)は、図2の移動端末において、演算処理部5に代えて、演算処理部5aを備えている。演算処理部5aは、演算処理部5において、通信状態判定部14をさらに含む。通信状態判定部14は、通信部4の通信状態を検知し、検知結果に基づいて、移動端末300aがサーバ100側と回線接続されたか否かを判定する。他の構成要素は、第1の実施形態で説明したものと同様の動作を行う。
【0067】以上のように構成された通信型経路案内システムについて、以下にその動作を説明する。なお、本実施形態で示す各処理は、コンピュータを用いてソフトウェア的に実現するか、あるいはそれら各処理を行う専用のハードウェア回路を用いて実現することができる。ソフトウエア的に実現する場合、そのためプログラムは、CD−ROMやフロッピーディスクなどの携帯型記録媒体に格納されて提供されるか、または通信回線(公衆回線網200)を介してサーバ100側から移動端末300a側へ供給される。
【0068】図9は、図1のシステム(本発明の第2の実施形態に係る通信型経路案内システム)においてサーバ100側から移動端末300aへ情報がダウンロードされる際の、移動端末300a側の処理動作を示すフローチャートである。なお、サーバ100側の処理動作は、第1の実施形態と同様であるので、図6のフローチャートを援用する。
【0069】図9に示される処理手順には、図4に示された処理手順において、ステップS301をさらに備えている。ステップS301では、移動端末300aがサーバ100側と回線接続されたか否かが判断される。他のステップでは、第1の実施形態で説明したものと同様の処理が行われる。すなわち、ステップS107では、ステップS105で検出されたアクセスポイント102へ発呼を行うことによって、そのアクセスポイント102を通じた回線接続が試みられ、回線が空いていればそのアクセスポイント102を通じて移動端末300aとサーバ装置とが回線接続される。そこで、次のステップS301では、通信状態判定部14が通信部4を検査して、移動端末300aとサーバ装置とが回線接続されか否かを判断する。
【0070】そして、判断結果が肯定である場合、ステップS109の処理へと進み、否定である場合には、ステップS105の処理へと戻る。その場合、ステップS105では、先に発呼済みのアクセスポイント102を除く複数のアクセスポイント102の中から、最寄りのアクセスポイント102が検出される。サーバ100側の処理動作は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0071】以上のように、本実施形態によれば、各移動端末300aは、現在位置から近いアクセスポイント102から順番にアクセスを試みるため、複数の移動端末300aからのアクセス要求が同一時刻に特定のアクセスポイント102へ集中して起こるシステムの効率低下を防ぐことができる。
【0072】なお、第1および第2の実施形態では、地図データ、交通情報、気象情報、店舗情報等のデータベースを情報提供センタ101で一括して管理するとしたが、複数のアクセスポイント102がそれぞれ独自のデータベースをもち、各データベースに各アクセスポイント102周辺のローカルな情報を格納してもよい。そして、各移動端末は、現在位置周辺のローカルな情報をもつアクセスポイント102を自動的に選択して回線接続する。これにより、情報提供センタ101の機能が分散され、その結果、システムがより効率化される。
【0073】また、第1および第2の実施形態では、移動端末(300、300a)を車載端末として説明したが、例えば携帯型情報端末でもよく、さらには、移動体に付随して使用されるような移動端末であれば、どのような端末でもよい。
【0074】また、第1および第2の実施形態では、移動端末(300、300a)は、移動網202を経由して各アクセスポイント102へアクセスするとしたが、移動網202を経由せずに各アクセスポイント102へアクセスしてもよい。その場合、移動端末(300、300a)は移動先で直接、固定網201と接続される。
【0075】また、第1および第2の実施形態では、アクセスポイント102を選択する際、移動端末(300、300a)の現在位置の座標と、AP情報記憶部8に記憶されている複数のアクセスポイント102の設置位置の座標との間の直線距離をそれぞれ算出して、距離が最短のものを選択したが、代わりに、次のようにしてアクセスポイント102を選択してもよい。すなわち、アクセスポイント102毎に、移動端末(300、300a)がそのエリア内に存在すればそのアクセスポイント102が最寄りのポイントであるような領域(以下、アクセスエリア)を設けておく。各移動端末(300、300a)は、これら複数のアクセスエリアうち、現在どのアクセスエリアに自己が存在するかを判断し、自己が存在するアクセスエリアに設けられたアクセスポイント102へアクセスする。これにより、直線距離算出のための演算が不要になり、移動端末(300、300a)の処理負荷が軽減される。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成10年(1998)1月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 史朗
【公開番号】 特開平11−201769
【公開日】 平成11年(1999)7月30日
【出願番号】 特願平10−7009