| 【発明の名称】 |
変位測定装置およびこの装置の光走査制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉村 弘幸
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| 【要約】 |
【課題】広範囲にある光反射体への投射光の制御ができ、また投光器側の位置ずれが生じても誤報しない変位測定装置および光走査制御方法を提供する。
【解決手段】観測地点A1〜A3に設置される光反射体5(R1〜R3) と、投光器21の光を光反射体5に2次元的に走査しこの反射光42を受光器22に導く光走査・制御手段64と,この手段64の光走査方向を指示する光走査方向指示手段63と,光走査・制御手段64を操作し当該光反射体R1から最大の反射光を受光したときの2次元走査角を計測する走査角計測手段76,77 と,光の出射から受光までの時間差から各光反射体5までの距離Lを計測する距離計測手段8と,この光反射体5までの距離L1と走査角α1,β1 とから投光器21または受光器22あるいは観測地点A1に設置された1つの光反射体R1を基準とする各光反射体との相対位置を求める演算手段91,92 を備える距離・受光強度計測装置61,62 と、を備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】1つ以上の観測地点にそれぞれ設置される光反射体と、この光反射体に光を投射し光反射体によって反射される光を受光して各光反射体までの距離を計測する距離・受光強度計測装置からなる変位測定装置において、距離・受光強度計測装置は、投光器の発光素子からの光を光反射体に2次元的に走査する投光用光走査・制御手段と、この光反射体からの反射光を受光器の受光素子に導く受光用光走査・制御手段と、この投光用光走査・制御手段および受光用光走査・制御手段(以下、光走査・制御手段と略称する)に光走査方向を指示する光走査方向指示手段と、この光走査方向指示手段で指示された方向に光走査・制御手段を操作し,当該光反射体からの反射光を受光素子で受光したときの光走査・制御手段の2次元の走査角を計測する走査角計測手段と、光の出射から受光までの時間差から各光反射体までの距離を計測する距離計測手段と、この距離計測手段による光反射体までの距離と光走査・制御手段による制御計測された走査角とから,投光器または受光器を基準とする各光反射体との相対位置を求める演算手段とを備えることを特徴とする変位測定装置。 【請求項2】3つ以上の観測地点にそれぞれ設置される光反射体と、この光反射体に光を投射し光反射体によって反射される光を受光して各光反射体までの距離を計測する距離・受光強度計測装置からなる変位測定装置において、距離・受光強度計測装置は、投光器の発光素子からの光を光反射体に2次元的に走査する投光用光走査・制御手段と、この光反射体からの反射光を受光器の受光素子に導く受光用光走査・制御手段と、この投光用光走査・制御手段および受光用光走査・制御手段(光走査・制御手段)に光走査方向を指示する光走査方向指示手段と、この光走査方向指示手段で指示された方向に光走査・制御手段を操作し,当該光反射体からの反射光を受光素子で受光したときの光走査・制御手段の2次元の走査角を計測する走査角計測手段と、光の出射から受光までの時間差から各光反射体までの距離を計測する距離計測手段と、この距離計測手段による光反射体までの距離と光走査・制御手段による制御計測された走査角とから,予め定められた1つの光反射体を基準位置とする各光反射体との相対位置を求める演算手段とを備えることを特徴とする変位測定装置。 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の変位測定装置において、光反射体はコーナーリフレクタからなることを特徴とする変位測定装置。 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれかの項に記載の変位測定装置において、投光用光走査・制御手段と受光用光走査・制御手段は、同一の光走査・制御手段を用いることを特徴とする変位測定装置。 【請求項5】請求項4に記載の変位測定装置において、光走査・制御手段に光走査用平面鏡を用いることを特徴とする変位測定装置。 【請求項6】請求項1ないし請求項5のいずれかの項に記載の変位測定装置において、投光器と受光器と光走査・制御手段は、同一容器内に組み込むことを特徴とする変位測定装置。 【請求項7】請求項1ないし請求項6のいずれかの項に記載の変位測定装置において、光走査方向指示手段の指示により光走査・制御手段を操作し、投光器からの光ビームの方向を順次直交する2方向に僅かずつずらしながら、その時々の光反射体からの反射光の受光量が最大となる走査位置を光反射体の位置として決定することを特徴とする光走査制御方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自然災害によって、山の斜面や人工的に作られた壁(以下、壁面と略称する)などの崩壊が起こる前にその崩壊を検知する監視方式に係わり、さらに詳しくは光を投射して光反射体の設けられた観測地点までの距離を測定し、観測地点の変位を求めて壁面の変位を測定する変位測定装置およびこの装置の光走査制御方法に関する。 【0002】 【従来の技術】例えば地震や大雨などのような自然災害による山崩れなどを事前に検知することは、公共的および社会的意味をおいて極めて重要である。図7は壁面の崩壊を事前に検知する変位測定装置の従来技術の一例を説明する図である。図7において、変位測定装置が山崩れなどを事前に検知する方法は、山の斜面が崩壊する事前の兆候を2つの地点A,B間の距離の変動により検知しようとするものであり、光による2つの地点A,B間の距離計測が行われている。すなわち投光器1によって投射された光が受光器2によって受光され、2つの地点A,B間の距離が測定される。この測定結果は例えばケーブル3によって観測センターなどに通報される。この距離計測を周期的に行うことにより2つの地点A,B間の距離の変動が算出され、壁面の崩壊の事前検知が可能となる。 【0003】しかしながら、この検知方法では投光器1と受光器2の間に電源電力や制御信号を伝送するケーブル4を布設する必要があり、このケーブル4を山の斜面などに沿って固定するためにはコストも高くなり、またケーブル4のメンテナンスの面でも問題が多くなる。また受光器2と観測センターとの間で電源電力や信号を送るためのケーブル3についても、同様の問題点がある。 【0004】さらに図7の変位測定装置では、2つの地点A,B間の距離のみしか測定することができず、山の斜面の他の多くの地点との変位は検出できていない。すなわち、多くの地点間での変位を検出するためには投光器と受光器のセットを多数設置しなければならないと言う問題がある。次に、図8、9は特開平7-159162「山腹変位測定装置」に開示された壁面の崩壊を事前に検知する変位測定装置の他の従来技術を説明する図であり、上述の問題を解決するために、光反射体を壁面の観測地点に設置し、投光器と受光器を同じ位置に設置することにより、投光器と山腹の受光器との間に電源電力や制御信号を伝送するケーブル4の布設を不要化するものである。 【0005】図8において、開示された(山腹)変位測定装置は、監視すべき壁面の1つ以上(以下、複数と略称する)の観測地点に設置される光反射体R1〜R12 と、投光器(21)からの投射光(41)を観測地点の内の1つの光反射体R5に投射し, この光反射体R5からの反射光(42)を受光部(22)で受光して, この観測地点の光反射体R5との距離を計測する距離計測装置20と、この距離計測装置20の投射光(41)を該当する観測地点の光反射体R5の方向に制御する方向制御装置25と、全観測地点に設置される光反射体R1〜R12 の位置を認識し, 方向制御装置25に対して該当する観測地点の光反射体R5の方向を指示する画像認識および方向指示装置30から構成される。 【0006】かかる構成により図9において、距離計測装置20は、投光器21からの投射光41を壁面の複数の観測地点に設置された光反射体(R1 〜R12),例えばコーナーリフレクタ51に向けて順次投射し、このコーナーリフレクタ51によって反射された反射光42を受光器22で受光して、各観測地点の光反射体(R1 〜R12)までの距離を信号処理回路23によって演算・計測する。この演算・計測を定期的に実施することにより計測された各観測地点の光反射体(R1 〜R12)までの距離変化によって観測地点の変動を求めることができる。 【0007】さらに、この変位が予め定められた値を越えたとき警報を表示する警報表示装置40を備えることにより、壁面の崩壊兆候を事前に察知することができる。また各観測点に設置された光反射体(R1 〜R12)のコーナーリフレクタ51への投光方向の制御は、投光器21と受光器22とを搭載した方向制御装置25を用いて行なう。この方向制御は、赤外光投光部31からの赤外線照射が全観測地点に設置された光反射体R1〜R12 の存在領域をカバーし、赤外光受光部32は全ての光反射体R1〜R12 からの反射光を受光できるように設定されており、この受光した赤外光より画像認識および方向指示装置30が全観測地点に設置された光反射体R1〜R12 の存在位置を画像認識し、この認識結果を用いて投射光(例えばレーザ光)41の投射方向の制御を行い、距離計測を行う当該光反射体(R1〜R12 の内のいずれか)のコーナーリフレクタ51へレーザ光41が正しく投射されるように制御される。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】この様に、各観測地点に光反射体を設置し、画像認識および方向指示装置で各光反射体の位置を認識し、方向制御装置で距離測定装置から投射される投射光が該当する光反射体の方向に制御される変位測定装置には次に述べる課題がある。すなわち、(1) 投射光の投射方向をそれぞれの光反射体が設置された方向に正しく制御するために、画像認識装置は全観測地点に設置された光反射体の全存在領域をカバーできる赤外線画像を得て、その画像の認識結果を用いて投射光の投射方向を制御が必要がある。しかし、赤外線を広範囲に広げて投射すると、光反射体からの受光レベルも低下し、画像認識における光反射体からの受光レベルとそれ以外からの外来光との信号/雑音比(S/N比) も悪くなり、認識能力,測定分解能が大きく低下し、レーザ光を正しく方向設定することができない可能性がある。 【0009】(2) また、壁面に設置された光反射体の位置が変化していないにも関わらず、投光器側が何らかの要因で位置ずれを生じたとき、投光器と光反射体の距離が予め定められた値を越えると警報が誤報されると言う問題がある。本発明は上記の点にかんがみてなされたものであり、その目的は前記した課題を解決して、壁面の観測地点が広い範囲にわたっても各光反射体への投射光の方向制御が正しくでき、また投光器側が何らかの要因で位置ずれを生じたときでも誤報を発生しない変位測定装置および光走査制御方法を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明においては、1つ以上の観測地点にそれぞれ設置される光反射体と、この光反射体に光を投射し光反射体によって反射される光を受光して各光反射体までの距離を計測する距離・受光強度計測装置からなる変位測定装置において、距離・受光強度計測装置は、投光器の発光素子からの光を光反射体に2次元的に走査する投光用光走査・制御手段と、この光反射体からの反射光を受光器の受光素子に導く受光用光走査・制御手段と、この投光用光走査・制御手段および受光用光走査・制御手段(以下、光走査・制御手段と略称する)に光走査方向を指示する光走査方向指示手段と、この光走査方向指示手段で指示された方向に光走査・制御手段を操作し,当該光反射体からの反射光を受光素子で受光したときの光走査・制御手段の2次元の走査角を計測する走査角計測手段と、光の出射から受光までの時間差から各光反射体までの距離を計測する距離計測手段と、この距離計測手段による光反射体までの距離と光走査・制御手段による制御計測された走査角とから,投光器または受光器を基準とする各光反射体との相対位置を求める演算手段とを備えるものとする。 【0011】上記構成により、距離・受光強度計測装置は、投光用光走査・制御手段の操作により、投光器の発光素子からの光を該当する観測地点の光反射体に投射し、この光反射体からの反射光を受光用光走査・制御手段を操作して受光器の受光素子に導く。このときの光の出射から受光までの時間差から、距離計測手段で当該光反射体までの距離を計測し、また、光反射体からの反射光を受光素子で受光したときの光走査・制御手段の2次元の走査角度を走査角計測手段で計測することにより、演算手段は、当該光反射体までの距離とこの走査角から、投光器または受光器を基準とする当該光反射体との3次元相対位置を求めることができる。この計測を観測地点の全光反射体に対して実行することにより、投光器または受光器を基準とする各光反射体との3次元相対位置を求めることができる。 【0012】また、3つ以上の観測地点にそれぞれ設置される光反射体と、この光反射体に光を投射し光反射体によって反射される光を受光して各光反射体までの距離を計測する距離・受光強度計測装置からなる変位測定装置において、距離・受光強度計測装置は、投光器の発光素子からの光を光反射体に2次元的に走査する投光用光走査・制御手段と、この光反射体からの反射光を受光器の受光素子に導く受光用光走査・制御手段と、この投光用光走査・制御手段および受光用光走査・制御手段(光走査・制御手段)に光走査方向を指示する光走査方向指示手段と、この光走査方向指示手段で指示された方向に光走査・制御手段を操作し,当該光反射体からの反射光を受光素子で受光したときの光走査・制御手段の2次元の走査角を計測する走査角計測手段と、光の出射から受光までの時間差から各光反射体までの距離を計測する距離計測手段と、この距離計測手段による光反射体までの距離と光走査・制御手段による制御計測された走査角とから,予め定められた1つの光反射体を基準位置とする各光反射体との相対位置を求める演算手段とを備えるものとする。 【0013】上記構成により、距離・受光強度計測装置は、投光用光走査・制御手段の操作により、投光器の発光素子からの光を該当する観測地点の光反射体に投射し、この光反射体からの反射光を受光用光走査・制御手段を操作して受光器の受光素子に導く。このときの光の出射から受光までの時間差から、距離計測手段で当該光反射体までの距離を計測する。また、光反射体からの反射光を受光素子で受光したときの投光用光走査・制御手段および受光用光走査・制御手段の2次元の走査角度を測定手段で測定することにより、演算手段は、当該光反射体までの距離とこの走査角度から予め定められた1つの光反射体を基準位置とする当該光反射体との3次元相対位置を求めることができる。この計測を観測地点の全光反射体に対して実行することにより、基準位置の光反射体を基準とする各光反射体との3次元相対位置を求めることができる。 【0014】また、光反射体はコーナーリフレクタからなるものとし、投光用光走査・制御手段と受光用光走査・制御手段に同一の光走査・制御手段を用いるものとする。上記構成により、投光器から出射する投射光はコーナーリフレクタからなる光反射体によって反射され、この反射光は同一光路を通過して戻る。従ってこの光路上に光走査・制御手段を設置することにより、投光用および受光用の光走査・制御を同時に行うことができる。 【0015】また、光走査・制御手段に光走査用平面鏡を用いることができる。さらに、投光器と受光器と光走査・制御手段は、同一容器内に組み込むこともできる。上記構成により、光走査鏡の角度を制御することにより、投射光を当該光反射体に向け、そして反射光を受光器に向けて同時に導くことができる。また、同一容器に投光器、受光器および光走査・制御手段を組み込むことにより、距離・受光強度計測装置の設置場所の変動に対しても、光学系を安定に構成することができる。 【0016】また、光走査方向指示手段の指示により光走査・制御手段を操作し、投光器からの光ビームの方向を順次直交する2方向に僅かずつずらしながら、その時々の光反射体からの反射光の受光量が最大となる走査位置を光反射体の位置として決定するものとする。上記方法により、光走査・制御手段を操作しながら、投光器からの光ビームを当該光反射体の方向に向けて、光反射体からの反射光の受光量が最大となる掃引角度 (仰角, 方位角) を決定し、このときの光走査・制御手段の掃引角度から光反射体が存在する方向を決定することができる。また、2回目以降の計測時点では、前回の掃引角度 (仰角, 方位角) データをもとにし、この掃引角度から光ビームの方向を順次直交する2方向に僅かずつずらしながら、その時々の光反射体からの反射光の受光量が最大となる掃引角度 (仰角, 方位角) を決定し、この掃引角度から光反射体が存在する方向を決定することができる。したがって、従来技術で述べたような赤外線による画像認識は不要にすることができる。 【0017】 【発明の実施の形態】図1、図2は本発明による一実施例の変位測定装置の全体構成ブロック図、図3は一実施例の変位測定装置の投光器、受光器の光学系を説明する図、図4は距離・受光強度計測装置から観測地点に設置されている光反射体までの距離の測定方法を説明する図、図5は距離計測手段のブロック図、図6は光走査位置(仰角・方位角)による受光器の受光特性を説明する図であり、図7〜図9に対応する同一部材には同じ符号が付してある。 〔実施形態1〕図1において、変位測定装置は、1つ以上の観測地点(例えば図4に図示するA1,A2,A3)にそれぞれ設置される光反射体(R1,R2,R3)(以下、光反射体一般を表示するときは数字5を用い、観測地点に設置された個別の光反射体を区分表示するときはRと数字を用いる)と、この光反射体5に光を投射し、光反射体5によって反射される光を受光して各光反射体5までの距離を計測する距離・受光強度計測装置61から構成される。 【0018】距離・受光強度計測装置61は、投光器21の発光素子からの光を光反射体5に向けて2次元的に走査し、光反射体5からの反射光42を受光器22の受光素子に導く光走査・制御手段64と、この光走査・制御手段64に走査方向を指示する光走査方向指示手段63と、この光走査方向指示手段63で指示された方向に光走査・制御手段64を操作し、当該光反射体5からの反射光42を受光素子で受光したときの光走査・制御手段64の2次元の走査角α, βを計測する図3で後述する走査角計測手段(76,77) と、光の出射から受光までの時間差から各光反射体5までの距離を計測する距離計測手段8と、この距離計測手段8による光反射体5までの距離と光走査・制御手段64による制御計測された走査角α, βとから、投光器21または受光器22を基準とする各光反射体5との相対位置を求める演算手段91から構成される。 【0019】尚、上述の制御計測された走査角α, β(図3参照)は、光走査方向指示手段63の指示により光走査・制御手段64を操作し、投射光41が例えば観測地点A1(以下、A1を代表とする)の光反射体R1に向けて投射し、次に、この投射光41の方向を順次直交する2方向に僅かずつずらしながらその時の光反射体R1からの反射光42の受光量が最大となる走査位置を光反射体R1の位置として決定する。 【0020】この光走査制御方法により、光走査・制御手段64を操作しながら、投光器21からの光ビーム41を当該光反射体R1の方向に向けて、光反射体R1からの反射光42の受光量が最大となる掃引角度 (方位角α1,仰角β1)を決定し、このときの光走査・制御手段64の掃引角度α1,β1 から光反射体R1が存在する方向を決定することができる。また、2回目以降の計測時点では、前回の掃引角度 (方位角α1,仰角β1)データをもとにし、この掃引角度から光ビームの方向を順次直交する2方向に僅かずつずらしながらその時々の光反射体からの反射光の受光量が最大となる掃引角度 (方位角α1', 仰角β1') を決定し、この掃引角度から光反射体R1' が存在する方向を決定することができる。したがって、従来技術で述べたような赤外線による画像認識は不要にすることができる。 【0021】かかる距離・受光強度計測装置61の構成および光走査制御方法を用いることにより、距離・受光強度計測装置61は、光走査・制御手段64を操作し、投光器21の発光素子からの投射光41を観測地点A1の光反射体R1に投射し、この光反射体R1からの反射光42を光走査・制御手段64により受光器22の受光素子に導く。このときの光の出射から受光までの時間差から、距離計測手段8で当該光反射体R1までの距離L1を計測する。 【0022】また、光反射体R1からの反射光42を受光素子で受光したときの光走査・制御手段64の2次元の走査角度 (方位角α1,仰角β1)を走査角計測手段66で計測することにより、演算手段91は、当該光反射体R1までの距離L1とこの走査角 (方位角α1,仰角β1)から、投光器21または受光器22を基準とする当該光反射体R1との3次元相対位置を求めることができる。この計測を観測地点の全光反射体に対して実行することにより、投光器21または受光器22を基準とする各光反射体との3次元相対位置を求めることができる。 【0023】従来技術による計測方法では、距離計測装置20から複数の観測地点に設置された光反射体Rn(n=1,2, ・・n)に向けた光路方向の距離Lnのデータのみで壁面の崩壊の判定を行っていたのが、本発明の変位測定装置によれば、距離・受光強度計測装置61から観測地点に設置された光反射体Rn(n=1,2, ・・) に向けた光路方向の距離Lnのデータ以外に、例えばこの光路に直交する平面方向のズレも観測でき、壁面崩壊の判定により有効な情報を得ることができる。 〔実施形態2〕実施形態2による変位測定装置と実施形態1による変位測定装置との相違点は、距離・受光強度計測装置62に備えられる相対位置演算手段92の演算内容が相違し、実施形態1の変位測定装置の演算手段91では、距離・受光強度計測装置61の投光器21または受光器22を基準とする各光反射体5との3次元相対位置を求めるのに対して、相対位置演算手段92では、予め定められた光反射体(例えばR1を基準位置とする他の光反射体Rn(n=2,3, ・・n)との相対位置を求める点にある。即ち、図2において、変位測定装置は、3つ以上の観測地点(例えば図4に図示するA1,A2,A3)にそれぞれ設置される光反射体5(R1,R2,R3)と、この光反射体5に光を投射し、光反射体5によって反射される光を受光して各光反射体5までの距離を計測する距離・受光強度計測装置62から構成される。 【0024】距離・受光強度計測装置62は、投光器21の発光素子からの光を光反射体5に2次元的に走査し、光反射体5からの反射光42を受光器22の受光素子に導く光走査・制御手段64と、この光走査・制御手段64に光走査方向を指示する光走査方向指示手段63と、この光走査方向指示手段63で指示された方向に光走査・制御手段64を走査し、当該光反射体5からの反射光42を受光素子で受光したときの光走査・制御手段64の2次元の走査角α, βを計測する図3で後述する走査角計測手段(76,77) と、光の出射から受光までの時間差から各光反射体5までの距離を計測する距離計測手段8と、この距離計測手段8による光反射体5までの距離と光走査・制御手段64による制御計測された走査角α, βとから、予め定められた例えば光反射体R1を基準位置とする他の光反射体R2,R3,・・Rnとの相対位置を求める演算手段92から構成される。 【0025】尚、ここで上述の制御計測された走査角α, βは実施形態1で述べたと同様の方法により、光反射体からの反射光の受光量が最大となる掃引角度 (方位角α,仰角β) を決定し、この掃引角度から光反射体が存在する方向を決定する。かかる距離・受光強度計測装置62の構成および光走査制御方法を用いることにより、距離・受光強度計測装置62は、投光用光走査・制御手段64を操作し、投光器21の発光素子からの投射光41を観測地点A1の光反射体R1に投射し、この光反射体R1からの反射光42を受光用光走査・制御手段64を操作して受光器22の受光素子に導く。このときの光の出射から受光までの時間差から、距離計測手段8で当該光反射体R1までの距離L1を計測する。 【0026】また、光反射体R1からの反射光42を受光素子で受光したときの受光量が最大となる掃引角度 (方位角α1,仰角β1)を走査角計測手段76、77で計測することにより、演算手段91は、当該光反射体R1までの距離L1とこの走査角 (方位角α1,仰角β1)から、投光器21または受光器22を基準とする当該光反射体R1の3次元座標位置を求める。同様に、この計測を観測地点の全光反射体R2,R3,・・Rnに対して実行して、全光反射体R2,R3,・・Rnの3次元座標位置を求める。 【0027】次に、予め定められた1つの光反射体、例えば、光反射体R1を基準位置とし、この光反射体R1の3次元座標位置と他の光反射体R2,R3,・・Rnの3次元座標位置との差より、光反射体R1を基準位置とする他の光反射体R2,R3,・・Rnの3次元相対位置を求めることができる。この3次元相対位置の周期的な観測により、壁面崩壊の判定により有効な情報を得ることができる。特に、実施形態2による変位測定装置では、各光反射体R1,R2,R3, ・・Rnの3次元相対位置には、距離・受光強度計測装置62の設置場所と無関係な値として検出できるので、課題(2) で述べた「壁面に設置された光反射体の位置が変化していないにも関わらず、投光器側が何らかの要因で位置ずれを生じたとき、投光器と光反射体の距離が予め定められた値を越えると警報が誤報される」と言う問題も同時に解決できる。 【0028】 【実施例1】以下、実施形態1を中心に本発明の変位測定装置の一実施例を説明する。図1において、実施形態1の変位測定装置は、大きく分けて1つ以上の観測地点に設置される光反射体5と、距離・受光強度計測装置61から構成される。距離・受光強度計測装置61は、例えばレーザ光としての投射光41を投射する投光器21と、光反射体5からの反射光42を受光する受光器22と、投射光41の投射方向および受光器22へ入射する反射光の入射方向を走査・制御する光走査・制御手段64と、投光器21からレーザ光を投射してから受光器22で受光するまでの時間を距離に換算する距離計測手段8と、各光反射体5からの反射光強度が最大時の光走査・制御手段64における後述する2枚の走査平面鏡73、74の走査角度(方位角α、仰角β)を指示する走査方向指示装置(63)と、観測地点の変位が予め定められた値を越えた時に警報を表示する警報表示装置40から構成される。 【0029】光反射体5は、一般に山腹面で変位を測定すべき複数の観測点に設置されることになるが、その本体は例えば互いに鉛直な3つの反射面から構成されているコーナーリフレクタ51であり、土砂などによる汚れを防ぐためのカバー52によってコーナーリフレクター51が覆われた構造となる。次に、本発明の一実施例の変位測定装置の投光器、受光器の光学系および光走査・制御手段を説明する。図3において、投光器21によって投射される投射光41は、指向性の強いレーザ光が適しているが、指向性が良ければ光源として例えば発光ダイオード(LED) などを用いることもできる。このレーザ光はビーム拡がり角が大きい(3m Rad程度) ので、コリメートレンズ72で若干収束し、遠距離までほぼ一定のビーム径を保つように平行光化する。 【0030】次に、光走査・制御手段64は、例えば中心軸を光走査の軸とし、お互いに直交して走査するように組み合わされた2枚の平面状の方位走査用平面鏡73と、仰角走査用平面鏡74と、この方位走査用平面鏡73と仰角走査用平面鏡74の回転角度を駆動制御する駆動信号68、69を出力する光走査部65と、方位走査用平面鏡75と仰角走査用平面鏡76の回転角計測手段76、77から光走査角度α, βを検出する光走査角検出部66と、この光走査角検出部66で検出された走査角度α, βが光走査方向指示手段63からの指令値と一致するよう制御する光走査角制御部67と、から構成される。 【0031】また、投光器21とコリメートレンズ72との間に半透過鏡71を設置する。かかる構成によって、光反射体5に向けて投射された投射光41は光反射体5のコーナーリフレクタ51によって反射され、反射光42として同一光路を戻ってくる。この反射光42は、半透過鏡71で反射して受光器22に入射する。この結果、投射光41の光反射体5への投射と反射光42を受光器22で受光する方向制御が1系統の光走査・制御手段64で行うことができ、投射光41と反射光42との軸合わせが不要となる特徴を有する。 【0032】また、光走査方向指示手段63は、投光器21からの投射光41がそれぞれの観測地点に設置された光反射体5に向け、また各々の光反射体5からの反射光42が受光器22に正しく導かれるよう光走査方向の指示指令を出力し、かつ、距離・受光強度計測装置61、62から出力される各反射体5による受光強度が予め定められた閾値を超過し、最大の受光強度が得られる光走査角度を検出するように、距離・受光強度計測装置61(あるいは実施形態2の距離・受光強度計測装置62)に組み込まれた走査平面鏡73、74に方位角αと仰角βを指令する役割を担う。 【0033】次に、距離・受光強度計測装置61、62から観測地点A1〜A3に設置されている光反射体R1〜R3までの距離L1〜L3の測定方法を説明する。図4において、山腹面の観測地点A1〜A3箇所に、例えばコーナーリフレクタ51(R1〜R3)がそれぞれに設置され、このときの距離・受光強度計測装置61または62の設置地点S0から各観測地点A1〜A3までの距離の初期値をL1〜L3とする。 【0034】距離・受光強度計測装置61または62による投射光41は、それぞれのコーナーリフレクター51(R1〜R3)の方向を向くように距離・受光強度計測装置61または62の光走査方向指示手段63の指令値に従って光走査・制御手段64に内蔵された光走査角制御部67によって指令値と方位走査用平面鏡75と仰角走査用平面鏡76の走査角度α, βが一致するように、順次制御される。 【0035】この距離L1〜L3の計測は周期的に行われる。例えば次の週に計測を行った結果、観測地点S0からコーナーリフレクタR1〜R3までの距離が L1'〜L3' に変化したとすれば、それぞれのコーナーリフレクタR1〜R3が設置されている観測地点が図に示すようにそれぞれ A1'〜 A3'に変化したことになる。各観測地点のこの変位が予め定められた値を越えているか否かによって、警報を出力すべきか否かの判断が行われる。 【0036】図5は距離計測手段8の詳細説明図である。距離計測手段8は、水晶発振器81と、分周回路82と、ミキシング回路83と、ローパスフィルター回路(LPF)84 と、位相差測定回路85と、から構成される。投光器21からは、水晶発振器81の周波数f1の信号V1で振幅変調された光が出射される。投光器21からコーナーリフレクタ51までの距離をdとすると、往復で2dとなり、この距離2d間を光が伝搬すると投射時の振幅変調の位相に対して、受光器22では位相角φ=2π(2d/λ) 分だけ遅れた信号V2が受光される。即ち、受光信号V2の波形は(1) 式となる。 【0037】 【数1】
この位相差φを正確に測定すれば、距離dを正確に計測することができる。しかし、今、振幅変調周波数f1を5MHz、距離dを20m とし、光速度を2.99*108m/sとすると、受光器22の位相遅れはφ=240度が得られるが、実際には変調周波数f1が5MHzと高いため高分解能で精度良く測定することが非常に困難である。このため、ビートダウンという手法を用いて、図5に図示する位相情報を変化させずに周波数を低くして位相差を求める方法を採用する。 【0038】図5において、変調周波数f1(5MHz)に対して分周回路82で周波数f2(6.25kHz)に分周し、この分周周波数f2だけ僅かにずらした周波数f3(5MHz+6.25KHz)の信号V3と上記受光信号V2(周波数f1)とをミキシング回路83でミキシングすることにより、ミキシング波形V4として (2)式を得る。 【0039】 【数2】
この信号波形V4をローパスフィルター回路(LPF)84 を通過させることにより、(2)式右辺の第2項の周波数f2の成分の信号V5が得られる。この信号V5は位相遅れは同じであるが時間的に延びた形となる。この信号V5と上記分周回路82で分周した周波数f2の信号V6との位相差を位相差測定回路85で測定し、この位相差φに波長λを乗じた値が往復の距離となり、その半分の値が投光器21からコーナーリフレクタ51までの距離となる。なお、この方式では、投光器21から出射された光が、光反射体5で反射され受光されるまでの位相遅れが1波長に収まる必要がある。このため実際の測定においては、測定距離に対応して変調周波数f1を切り換えて距離の計測をする。 【0040】次に、測定分解能について述べる。変調周波数を5MHzとすると、最大計測可能距離はλ/2相当の 30mとなり、位相測定分解能は1波長の4000分の1まで現状の電子回路技術では測定できるので、7.5mm まで細分化できる。なお、計測距離が長くても高精度で計るためには、ノギスの原理を利用して、まず低周波で粗く距離計測を行い、高周波でさらに細かく距離計測を行えば良い。 【0041】次に、光反射体5の方位角α, 仰角βの検出方法を説明する。投光器21によって投射される投射光41は、コリメートレンズ72で若干収束し、遠距離までほぼ一定のビーム径を保つように平行ビーム化される。この後に光走査角制御部67にの出力により、中心軸を走査の軸としお互いに直交して走査するように組み合わされた2枚の走査用平面鏡73、74によって左右、上下に走査される。このように平面鏡73、74を用いたときは、平面鏡73、74の回転角の2倍が方位角α, 仰角βに相当する。 【0042】走査用平面鏡73、74によって偏向走査された光ビームの断面での強度分布は、通常ガウシァン分布をしており、図6に図示すように光ビーム中心の光強度が最も強い。この光ビームがコーナリフレクタ51などの光反射体5に入射すると、レーザビームの全面積のうち、入射した部分のみが反射される。この反射光42は、投光方向と逆向きに進み、受光器22に受光される。光ビームの方向を、順次直交する2方向に僅かにずらしながら、その時々の受光器22に受光される光の量を記録する。このようにすることにより図6に図示するように、受光量は少しずつ増大し、ピークを迎え、そして少しずつ減少するのである。この光走査平面鏡73、74の方位角αと仰角βに対する受光量の分布から、光強度が最大の光走査角度α,βを求め、その光走査角度を光反射体5が存在する位置とするので、単に反射光42の受光の有無だけでなく、強度分布も観測できるので、高精度で光反射体5の位置を求めることができる。 【0043】 【実施例2】次に、実施形態2の本発明の変位測定装置の実施例を説明する。図2において、 図1において、実施形態1の変位測定装置は、大きく分けて異なる位置の3ヵ所以上の観測地点に設置される光反射体5と、距離・受光強度計測装置62とからなる。距離・受光強度計測装置62と実施例1〜実施例4で述べた距離・受光強度計測装置61との相違点は、相対位置演算手段92と演算手段91との演算内容の違である。以下、相対位置演算手段92について説明する。 【0044】図4において、山腹面の3ヵ所A1〜A3にそれぞれ、例えばコーナーリフレクタ(51)R1〜R3が設置され、距離・受光強度計測装置62の設置地点S0から各観測地点A1〜A3までの距離の初期値をL1〜L3,方位角の初期値をα1 〜α3, 仰角の初期値がβ1 〜β3 とする。距離・受光強度計測装置62による投射光41は、それぞれのコーナーリフレクター(51)R1〜R3の方向を向くように距離・受光強度計測装置62に内蔵された光走査角制御部67によって順次制御される。距離の測定は周期的に行われ、例えば次の週に測定を行った結果、地点S0からコーナーリフレクタR1〜R3までの距離が L1'〜 L3'、方位角がα1'〜α3'、仰角がβ1'〜β3'に変化しとすれば、それぞれのコーナーリフレクタ51が設置されている観測地点が図4に図示すようにそれぞれ A1'〜A3' に変化したことになる。 【0045】以下ここでは、観測地点A1〜A3に設置されたコーナーリフレクタR1〜R3の位置を距離・受光強度計測装置62からの球座標系で表現するより、理解が容易な直交座標系にて説明する。今、原点を距離・受光強度計測装62とすると、各コーナリフレクタの初期位置は表1の初期値欄のR1,R2,R3で示されるX,Y,Z の値で表される。 【0046】次に、距離/受光強度強度計測装置(60)が、例えば車などの衝突・接触により、 (ΔX,ΔY,ΔZ)だけ移動したとすると、表1の右側の移動後の値欄のR1,R2,R3で示されるX,Y,Z の値で表される。この場合、各コーナリフレクタ51と距離・受光強度強度計測装置62の間の距離、方位角、仰角のみを監視していると、あたかも各コーナリフレクタ51が変位したかのように判断し、誤報を発する、と言う問題が発生する。 【0047】 【表1】
この種の問題は、例えばコーナリフレクタR1を基準として、コーナリフレクタR2,R3の位置を求めることにより解決できる。 【0048】 【表2】
このように、コーナリフレクタR1を基準として、他の2個のコーナリフレクタR2,R3 の位置を算出することにより、壁面のみの変位を検出することが可能となる。このようにして、基準以外のコーナリフレクタ51(R2,R3) が設置された各観測地点A2,A3 の変位が予め設定された値を越えているか否かによって、警報を出力すべきか否かの判断を行うことができる。 【0049】 【発明の効果】以上述べたように本発明の構成によれば、光走査・制御手段を操作し、投光器からの光ビームの方向を順次直交する2方向に僅かずつずらしながらその時々の光反射体からの反射光の受光量が最大となる走査位置を光反射体の位置として決定することにより、壁面の観測地点が広い範囲にわたっても各光反射体への投射光の方向制御が正しくできる。 【0050】また、上記決定された光走査・制御手段の2次元の走査角度を計測することにより、相対位置演算手段は、ある1つの光反射体を基準とし、他の光反射体との3次元相対位置を求めることができる。この結果、投光器側が何らかの要因で位置ずれを生じたときでも誤報を発生しない変位測定装置および光走査制御方法を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005234 【氏名又は名称】富士電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)12月25日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】篠部 正治
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| 【公開番号】 |
特開平11−183165 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)7月9日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−357447 |
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